保育士の皆様。これから就職や転職を考えているという方。
- どうせなら楽して働きたい
- 人間関係も楽したい
- 仕事の負担が少ない保育園で働きたい
楽して働きたいという気持ちは誰しもがあると思います。しかしながら、保育士は楽したい、(例えば、人間関係・残業・持ち帰り・有給消化率など)という基準で就職先や転職先を選ぶと失敗しやすいと思っています。
「楽したい」というのは曖昧で人によって様々だと思いますが、この記事では「楽」 =「人間関係良い・残業少ない・持ち帰り無い・有給消化率が高い」というような状態とします。このような基準で、保育士が働く保育園を選ぶと失敗しやすく、ブラック保育園に当たる確率も上がるので注意が必要です。
先に結論を言っておくと、失敗しづらい転職先の保育園選びは、
「給料」
を基準にして選ぶことです。とにかくトータルで給料が良い保育園を選べばブラックに当たる確率はぐっと減ることになります。これについて解説していきます。
複数回の転職経験があります
ブラック園からホワイト園に転職した経験があります
その経験が参考になればと思います
楽したいという基準で選ぶとなぜ失敗するか
保育士は楽したい(人間関係・残業少ない・持ち帰り無い・有給消化率)という基準で転職先を選ぶと失敗しやすいというのは、
- 人間関係はもっとも曖昧な基準
- 残業少ない・持ち帰り無い・有給消化率は求人において最も嘘がつける情報
- その保育園には「楽したい」保育士が集まる
であるからです。これについて更に詳細を解説します。
人間関係はもっとも曖昧な基準
人間関係というのは、保育士が保育士を辞めたくなったり、職場を変えたくなる理由のなかでももっとも多いものでもあります。しかも、保育士の転職において人間関係というのはもっとも曖昧な基準になります。人間関係は多くの場合は実際に入ってみないとわからないことが多いはずです。
- アットホームな職場
- 保育士同士の仲が良い
それにも関わらず、こんな謳い文句はブラック保育園によくありますが、これら定量的ではない定性的な表現です。
アットホームな職場という表現は受け取る相手によって意味が異なりますし、保育同士の仲が良いというのはどういう状態を言うのでしょうか。
もっというと、仮に園長がアットホームで仲が良い職場だと本当に思っていても、一部の保育士は真逆のことを思っている可能性もあります。
組織というのは居心地が良い人と悪い人がいることも多く、全員が居心地が良いというのは稀だと思います。これらの表現は求人の情報としてはほとんど意味のない情報になります。
どうしても人間関係を重視したいのであれば、見学やインターンなどで実際に現場に入ってみることが有効です。そして、面接での園長の言うことなどはあまり鵜呑みにしないほうが良いです。
残業少ない・持ち帰り無い・有給消化率は求人において最もごまかすことができる情報
「残業少ない・持ち帰り無い・有給消化率」などの情報は求人において最もごまかすことができる情報になります。
例えば、過去3年間でも最も良い時期のデータを提示していたらどうでしょうか?このようなデータは公開する義務もなければ、算出する基準もありません。
過去最も残業が少ない月、過去最も有給消化率が高かった人などのデータを作為的に抜き出すこともできます。実際はもっと残業があってもごまかして少ない残業数にすることもできます。
良識のある保育園でも嘘をつくことなくこれらのデータをごまかしてよく見せることが可能です。もちろんブラック保育園であれば、そんなことするまでもなく普通に嘘をつく可能性のある情報になります。
入職後に食い違いを指摘しても「去年まではそれくらいだったんだけどねー」と言われてしまえばそれまでです。こちらは調べることもできないので泣き寝入りするしかないです。
また、「持ち帰り無い」「残業なし」というのも「勤怠上は残業がない」「持ち帰りは保育士が勝手やっているから無給」という論で、サービス残業を強いられているという可能性もあります。そもそも保育園で働く保育士が、残業が無いと言い切れるのは働いたことがある人ならおかしいとわかるはずです。例えば、保護者の方の迎えが少しでも遅れたら保育士の退勤も遅れるはずです。
保育園側が濁したり、ごまかしたりできるような情報はあまり鵜呑みにしないほうが良いです。
「楽そうな」保育園には「楽したい」保育士が集まる
楽するという表現は少し曖昧で人によって違いがあると思いますが、ここでは「残業が少ない・持ち帰り無い・有給消化率が高い」ということとします。
少し悪く言うとこのような保育園には「やる気がない人が集まる」ということです。やる気がないというと少し語弊があるかもしれませんが、私は楽しようとすることは悪いこととは思っていません。私もできるだけ楽をして仕事をしたいとは思っています。
ただ「楽そうな」保育園には「楽したい」と考える保育士が集まります。つまり、残業が少ない・持ち帰り無い・有給消化率が高いところで働きたいという保育士が集まります。
実際は、どんな保育園でも必要な業務は決まってあるため、誰かが仕事をしない分は他の誰かがカバーしなければいけなくなります。
このように「楽そうだな」と思う求人には、楽したい保育士が集まるので仕事の押し付け合いのような状態になるかもしれません。
そして、実際に楽かというと前述の理由で楽ではなかったらり、単にブラック保育園が甘い誘い文句で求人を出している場合も多いです。
仕事の押しつけあいで働くよりも、少し大変でもやる気があって、それぞれに向上心がある環境のほうが結果的に保育園の運営がうまく回っていて「楽」な状態である場合が多いのです。
ここで伝えたいのは、むしろ楽をするためには、「楽そうな保育園」よりは「楽そうでない保育園」で働くほうが良い場合があるということです。
失敗しづらい転職先選びは「給料」を基準にすること
ここまで、保育士は楽したい基準で転職先を選ぶと失敗しやすいということを説明しましたが、それでは失敗しづらい就職先・転職先選びはどのような基準で選べばよいのでしょうか。
失敗しづらい転職先選びは「給料」を基準にすることです。
- 給料というのは嘘がつけない情報
- ブラック保育園は給料が低い(ことが多い)
であるからです。これについて更に解説します。
給料というのは嘘がつけない情報
給料とは保育士の求人情報において、最もごまかすことができない情報の一つです。
給料は客観的な数値が示されているため、ウソを付くことができません。「給料多い!」なんて求人情報を載せている保育園は有りませんよね?「月給〇〇万円」と示されているはずです。
求人情報の段階では、「○○万円〜〇〇万円」と幅をもたせている求人もありますが、下限は保証されますし最終的には正しい金額を提示されます。入職して最初の給料が振り込まれるまで、自分の給料がわからないということは起きないです。
もちろん本当にやばいブラック保育園は給料に関してもウソを付くかもしれませんが、これに関して事前に防止する方法があります。以下の記事で紹介しています。
人間関係・残業時間・持ち帰り・有給消化率に関して簡単にごまかすことができますが、給料はそうはいきません。
ブラック保育園は給料が低い(ことが多い)
一般企業においては給料高いけどブラックという会社はよく聞くかもしれません。給料は高いけど、残業が過労死するほどあったり、その残業代がきちんと支払われていなかったりなどです。
私の知る限り保育園において「給料が高い」けどサビ残・持ち帰り残業・休日出勤だらけという話を聞いたことはほとんどありません。
保育園においては「給料が低い」上にサビ残・持ち帰り残業・休日出勤だらけの保育園という方が圧倒的に多いです。これは国が決めている公定価格という補助金を貰う保育園というものの性質的にそうなっています。
簡単に言うと、認可保育園は、在園児などの人数に応じて補助金を受け取り、その一部を給料として保育士に支払っている形になります。
なので、給料は高いけどサビ残・持ち帰り残業・休日出勤をさせるというくらいなら、給料を低くして、残業代を支払うか他の保育士を新たに雇えばよいわけです。
わざわざ法律違反をしたりコンプライアンスを無視してまで、保育士の給料を上げるというメリットはありません。
なので、給料が高いという基準で選ぶことによって、自然とブラック保育園が選択肢から外れる形となります。
もちろん例外はあるので、その点は他の方法で選別すべきです。
給料をトータルで比較することが重要
大事なポイントは給料をしっかりとトータルで把握することです。
- 月給
- 手当
- ボーナス
- 処遇改善
- 昇給
- 退職金
これらの金額を総合的に判断して比較すると良いです。例えば、月給が高くてもボーナスは低いとか、採用時の給料は高くても昇給が全然ないという場合もあるので、総合的に比較することが重要です。
また、最近では処遇改善費も保育士の給料に占める割合が多くなっており、支給方法も園に任されています。月給は低いけど、処遇改善はまとめて年一回振り込まれるという場合もありますし、月給は高いように見えて、実は処遇改善が含まれていて年収は少ないというケースもあります。
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まとめ:保育士は楽したい基準で転職先を選ぶと失敗しやすいので注意!人間関係・残業・持帰り!
保育士が楽したいという基準で就職先や転職先を選ぶとなぜ失敗するかというと
- 人間関係はもっとも曖昧な基準
- 残業少ない・持ち帰り無い・有給消化率は求人において最も嘘がつける情報
- その保育園には「楽したい」保育士が集まる
であるからです。
そして、失敗しづらい転職先の保育園選びは、
「給料」
を基準にして選ぶことです。とにかくトータルで給料が良い保育園を選べばブラックに当たる確率はぐっと減ることになります。
- 給料というのは嘘がつけない情報
- ブラック保育園は給料が低い(ことが多い)
ためです。
楽したい(人間関係・残業・持ち帰り・有給消化率)という基準ではなく、給料を基準にすることで保育士の転職の失敗の可能性を減らすことができます。