保育園で働く保育士の皆様。有給休暇はきちんと取得できていますか?
まだまだ法律を守らないブラックな保育園が多いので、有給休暇の取得に関して思うようにいかないという保育士の方も多いと思います。今回は、保育士が休むときに有給休暇の取得理由は必要なのか、嘘でも良いのか、取得を断られたらどうした良いかという点について解説します。
有給休暇を希望通りに取得できた経験もあれば、できなかった経験もあります。
その経験が参考になればと思います
保育士が休むときに有給休暇の取得理由は必要?
まず、本題の結論になりますが、法律上、労働者である保育士が勤務している保育園に有給休暇の申請理由を伝える義務はありません。そのため、保育士が休むときに有給休暇の取得理由は不必要 ということになります。
ただし、まだまだ法律を守らないブラックな保育園が多いので、有給休暇の取得に関して思うようにいかないという保育士の方も多いと思います。
取得理由を聞かれた場合に答える必要はある?嘘でも良い?
法律上、労働者である保育士が勤務している保育園に有給休暇の申請理由を伝える義務はありませんが、保育園側が理由を聞いてはいけないというわけではありません。もちろん、「休み取ってなにするの〜?」と気軽な気持ちで、聞く場合もあります。
もし、聞かれた場合は、もちろん、正直に答えても良いですし、答えたくない場合は、
「ちょっと私用がありまして」
と答えておけば良いでしょう。それで、更に詳しく聞かれるということは、ほとんど無いと思います。それでも、さらに詳しく聞かれた場合は、答えたくない場合、さらに濁した答えを返せばよいですし、もしくは、「実家にちょっと帰らなければいけいない用事ができてしまって」といように適当な理由を嘘で答えても良いでしょう。
保育園には、時季変更権があるので注意
有給休暇の利用に関して、労働者である保育士が勤務している保育園に有給休暇の申請理由を伝える義務は無いですが、自分が希望する日に必ず、有給休暇が取得できるわけではありません。従業員を雇用する会社等には、時季変更権という権限があります。
労働基準法第39条5項では、「事業の正常な運営を妨げる場合」には、使用者が他の時季を変更して有給休暇を取得させることができると規定されています。もちろん、他の時季に変更するということなので、取得自体を断れるわけではありません。また、これを混同(悪用)する形で、取得事由によっては、断るという保育園もあるので注意が必要です。
保育園の場合は、保育士が足りていない場合や行事の日程と重なっている場合に、時季変更権を利用する可能性があります。
そのため、保育園で働く保育士の場合は、有給休暇を取得する場合は、最低でも、
次回のシフトができる前に、有給休暇の取得申請をする
行事などの日程に注意する
という配慮が必要になります。
後で有給休暇の取得理由が嘘だとバレた場合は?
法律上、労働者である保育士が勤務している保育園に有給休暇の申請理由を伝える義務はないため、
仮に、保育園から有給休暇の取得理由を聞かれた場合に答えたとして、それが嘘や虚偽であるということが発覚してしまった場合でも、特段なにか問題が起きるわけではありません。後から、取り消されたり、欠勤扱いになるということはありません。
ただし、保育園からしたら、単純に嘘をつかれたという状況になるため、今後の関係性に亀裂が入ってしまうことになりかねないです。そのため、先程も書いたように、有給休暇の取得理由は嘘でも問題ありませんが、「私用」と答えておくということが、無難な回答になります。
海外旅行等の飛行機で遠方に出かける場合には注意が必要
有給休暇の取得理由を保育園に伝えるべきかどうかについて、一つ注意が必要なのは、休暇中に飛行機等で遠方に出かける際になります。
万が一、飛行機が欠勤となってしまって、次の勤務日に出勤できないということが起きてしまう可能性があります。そうなった場合は、仮に、天候等の予期できない問題が原因であったとしても、自分の責任で保育園の出勤に穴を空けてしまうことになります。もし、飛行機の上であれば、連絡も取れなくなってしまうこともあります。
先ほどから書いていますが、有給休暇の取得理由については保育園に答える義務はありませんし、「プライベートに関与しないでほしい」「休暇取得の理由は聞かないでほしい」という考えは、労働者の権利として当然ではあります。
ただ、このような状況の場合に、同じ欠勤だとしても、事前に取得理由を伝えておいた場合と、あまりに理由を聞くなという態度で接してしまっている場合とでは、保育園側としても後々の対応が変わってくるので、ぎりぎりの日程で出かけざるをえないという場合等は、きちんと理由を伝えて、お土産を勝っていきますというような大人の対応をしても良いかもしれません。
保育園が納得する取得理由がないと有給休暇の取得を断られたらどうしたら良い?
ここまで、再三にわたり、法律上、労働者である保育士が勤務している保育園に有給休暇の申請理由を伝える義務はないということを書きました。ですが、まだまだ法律を守らないブラックな保育園が多い中で、納得する取得理由がないと有給休暇の取得を断られたという場合もあるかもしれません。
保育園が納得する取得理由がないと有給休暇の取得を断るというのは、労働基準法違反の可能性があるので、まずは、労働基準監督署に相談、申告するというのが有効な対処法になります。
有給休暇以外の休暇取得には理由や、証明が必要な場合も
有給休暇以外の休暇取得には理由や、証明が必要な場合もあります。
有給休暇以外の保育園が独自に定めている休暇制度、例えば、以下のような休暇制度においては、保育園の就業規則等によって、取得理由や証明などが必要になる場合があります。
- 慶事休暇
- 結婚休暇
- 記念日休暇
- 傷病休暇
- 病気休暇
- 生理休暇
- 特別休暇
これらの休暇制度は、保育園が福利厚生の一環として、法律の義務を超えて実施している制度になるので、取得する場合は保育園のルールに従う必要があります。つまり、保育園側が証明などを提出してくださいと言えば、従わないと休暇を取得することができないということになります。
例えば、
- 通夜葬式の招待状
- 医療機関の診断書
などの実際に、休暇取得の事由が、本当かどうかという証明が必要になります。もちろん、これらの勤務している保育園が独自に定めている休暇に関しても、利用せずに、有給休暇を消化するということも可能になります。
まとめ:保育士が休むときに有給休暇の取得理由は必要?嘘でも良い?
今回は、保育士が休むときに有給休暇の取得理由は必要なのか、嘘でも良いのか、取得を断られたらどうした良いかという点について解説しました。まだまだ法律を守らないブラックな保育園が多いので、有給休暇の取得に関して思うようにいかないという保育士の方も多いと思います。
法律上、労働者である保育士が勤務している保育園に有給休暇の申請理由を伝える義務はありません。そのため、取得理由を聞かれても答える必要はありませんし、嘘でも問題ありません。嘘が発覚したからと言って無効や欠勤扱いにされるわけではありません。
もし、保育園が納得する取得理由がないと有給休暇の取得を断られたという場合は、労働基準法違反の可能性があるので、まずは、労働基準監督署に相談、申告するというのが有効な対処法になります。