保育士の皆様。これから退職を考えている方。働いている保育園に退職することを伝える時に悩むのが、退職理由や転職理由についてだと思います。
というような不安は保育士という仕事だけではなく、どの会社の退職の場面においても、つきまとうものだと思います。今回は、このような退職時の疑問に回答したいと思います。
複数回の退職の経験があります
退職の際は、様々な退職理由を園に伝えた経験があります
その経験が参考になればと思います
就業中の保育園を退職する時に困るのが退職理由
就業中の保育園を退職する時に困るのが退職理由だと思います。本音では様々な不満なども退職理由としてはあると思います。それらを正直に伝えたほうがよいのかどうかは悩むところですよね。
例えば、園長本人に対して「園長が苦手で・・・」とは言えないですよね。園長の性格によっては、理由の内容によって怒られてしまうこともあるかもしれません。逆に、あまりに中途半端な理由を伝えてしまうと、園長に引き止める余地を与えてしまうことにもなります。
少なからず退職するということは保育園にとっては都合が悪いことなので、園長から逆上されたり、引き止められてしまうということも想定するとなかなか本当の退職理由を伝えるのも難しいと思います。
保育園の園長も同僚の納得の退職理由とは?
ここからは保育園の園長や同僚が納得する退職理由について紹介します。
引っ越しをするという理由
保育士の場合は、引っ越しをするというのは、全員が納得する大きな理由になります。それは、保育士が働く保育園は日本中どこにでもあるためです。
大手企業などに勤めている場合は、「引っ越しするから退職します」なんて伝えたら上司も人事も「ぽかん」かもしれませんが、保育士の場合は、あるあるなので問題ありません。
園長や同僚も最も納得できる退職理由の一つになるでしょう。ただし、実際に引っ越しをしなかった場合は、状況によってちょっとやっかいなことになる場合もあるので注意しましょう。
結婚や出産、介護などの家族の事情
結婚や出産、介護などの家族の事情によって働くことができなくなってしまったという退職理由です。これらは、どちらかというと「保育士」として働くこと辞退を辞めるという方向性の退職理由になります。
自分ではどうしようもないことなので、園長や同僚にとっても納得度の高い退職理由になります。
ちなみに、結婚や出産、介護などの家族の事情を退職理由にした場合、状況によってですが、「それならパートや非常勤で働けば」と言われてしまう可能性もあるので、注意しておきましょう。
自分の向上心による退職理由
自分自身の向上心に関係する退職理由も周囲の納得度は高いです。
例えばですが、
- 障害児保育の経験が積みたい
- モンテッソーリを学びたい
- ◯歳児の担任をやりたい
- 幼稚園で働いてみたい
- 園長職にチャレンジしたい
というような、今の保育園では実現できないけど自分が仕事をする上で経験してみたいことなどを退職理由とする場合です。
ただし、退職理由を伝えた時に「それってうちでもできるよ?」と言われてしまったら返せなくなってしまう場合もあるので、今の保育園では絶対に実現できないことや複数の理由などを用意しておくのが良いでしょう。
逆に保育園の園長や同僚に納得されにくい退職理由とは?
逆に保育園の園長や同僚に納得されにくい退職理由はどのようなものでしょうか。
保育園への不満や文句
保育園の園長や同僚に納得されにくい退職理由の1つ目は、保育園への不満や文句に関係する理由です。
- 給料が安い
- 昇給が少ない
- 賞与が少ない
- 給料制度が不公平
- サービス残業
- 持ち帰りの仕事が多い
- 仕事の負担が多い
- 休みが取りにくい
というような理由です。
このような退職理由は園長によっては自分が文句を言われていると感じることがあります。
保育園の人間関係の不満
保育園の人間関係の不満というのも、退職理由としては積極的におすすめできないです。
誰か特定の人を敵にまわすことになってしまい、残りの期間も働きにくくなってしまう可能性があるためです。また、人間関係の不満は「改善するように指導する」と言われてしまって、実質的に引き止められてしまうことも多いです。あとは本人に向かって「園長が苦手なんで」とはなかなか言える人はいないと思います。
もっとも、自分が退職しなければいけないほどの人間関係の不満が事実なのであれば、ここで、園長や同僚に納得してもらうという必要も薄くなるでしょう。
近隣の保育園への転職など
転職理由として、近隣の「〇〇保育園」に転職しますというように伝える場合もあると思います。
これは、遠回しに、今の保育園に不満があると伝えていることになります。なぜなら、通勤環境もほとんど変わらない状況で、別の保育園で働くためです。
もちろん、園長や同僚からも、「なんで?」といろいろと聞かれる場合も多いと思います。
このような場合は、
- 〇〇保育園に知り合いがいてどうしても働いてほしいと言われて・・・
- どうしても自宅からの距離を近くしたくて・・・
というように、なるべく角が立たない理由を伝えるのが良いかもしれません。
保育士の保育園の退職・転職理由は嘘でも良い?
結論としては、保育士の保育園の退職・転職理由は嘘でも良いです。「嘘」というと悪いことに思うかもしれませんが、よく言うと「建前」です。本音と建前の「建前」を用いるということです。自分のためにも相手のためにも建前が必要な場面では、嘘として建前を言うことは悪いことではないと思います。
保育士の保育園の退職・転職理由は嘘でも良い理由
ここからは、保育士の保育園の退職・転職理由は嘘でも良い理由を説明します。
- 退職に正当な理由は必要ないため
- スムーズに退職するため
- 残りの勤務期間を気持ちよく働くため
これらについて以下から説明します。
退職に正当な理由は必要ないため
そもそも保育士が保育園を退職するにあたって正当な理由というのは必要ありません。企業などに雇用される従業員は、2週間以内等の直近すぎる日程を除いた場合、いついつ退職したいと言えば、その日付に退職をすることができます。しかも、理由なしに退職をすることがでます。言ってしまえば、ただの気分でも退職できるわけです。
退職にあたって正当な理由等が必要ないので、そもそもその理由自体が嘘でも真実でもどちらでも良いわけです。もちろん、嘘であったとしても嘘かどうかは本人以外はわからないことほとんどです。万が一嘘がバレてしまったとして、損害賠償を請求されたり、退職できなくなるということもありません。
スムーズに退職するため
2つ目の保育士の保育園の退職・転職理由が嘘でも良い理由は、スムーズに退職するためです。前項でそもそも保育士が保育園を退職するにあたって正当な理由というのは必要ないと書きましたが、あくまでもそれは雇用契約の話です。保育園の園長からしたら、退職されたら困ることも多いので、できることなら引き止めたいという時もあります。そのために理由を聞いて、その内容によっては引き止めるということもあると思います。例えば「パート保育士になりたい」という理由で退職を希望したとします。園長からしたら「じゃあ来年からパートで良いよ」と引き止めることができます。
スムーズに退職するためには、引き止められないような理由を伝えることも有効です。例えば、引っ越しや家庭の事情など、自分や保育園の努力や変化ではどうにでもできないような理由であれば、園長も引き止めるということは難しいでしょう。
残りの勤務期間を気持ちよく働くため
3つ目のの保育士の保育園の退職・転職理由が嘘でも良い理由は、残りの勤務期間を気持ちよく働くためです。退職の意思を伝えると言っても、伝えた後は短くても二週間や一ヶ月程度はその保育園で勤務を続ける必要があります。
状況によっては年度末まで半年以上も勤務期間が残っていることもあるかもしれません。そんな状況で例えば「園長が嫌いだから」という本当の理由を伝えて退職することを伝えてしまうと、残りの勤務期間は本人も周囲もとても働きにくくなってしまいます。残りの勤務に支障をきたさないようにするために、嘘でも良いので適切な退職を希望する理由を伝えると良いです。
保育園の退職理由や転職理由を伝える際のポイント
保育園の退職理由や転職理由を伝える際のポイントを紹介します。
退職理由としてバレる嘘はつかない
保育園の退職理由や転職理由を伝える際のポイントの一つは「バレる嘘はつかない」ということです。最悪、退職した後なら良いですが、退職する前に嘘がバレてしまうと先程挙げたように残りの勤務期間を気持ちよく働くことができなくなってしまいます。円満な退職ではなくなってしまうというリスクがあります。
バレない嘘の転職理由というのは、自分の気持ちとして「〇〇したいから転職する」というようなものです。他の仕事をしてみたい、他の環境に挑戦してみたいというようなものです。自分の気持ちは自分にしかわからないので、バレる可能性はほとんどありません。
逆に、バレてしまいやすい嘘は「結婚する」というような理由です。結婚するということはめでたいことなので、園長や同僚も「おめでとう」とお祝いしてくれることもあると思いますが、その罪悪感に耐えられなくて親しい同僚に嘘を認めてしまって、結果的にそれが保育園全体に広まってしまうということが多いようです。
そして、退職理由に関しては、より詳しく掘り下げられて聞かれたときの回答を自分の中で用意しておくことも大切です。例えば、「引っ越しをする」という理由を伝えたら、必ず、「どこに?」「なんで?」「物件は決まったの?」というように、どんどん話が広がっていく可能性があります。そんな時に、うまく答えられないと、なんか嘘をついているなと感づかれてしまうでしょう。
このような退職理由はバレてしまって、あとあと気まずくなることもあるので注意しましよう。また、退職した後にバレてしまうと、その後の人間関係に亀裂が入ってしまうことも考えられます。その保育園での同僚と良い関係を保ちたい場合は特に注意しましょう。
その保育園が対処できる退職理由にしない
保育園の退職理由や転職理由を伝える際のポイントの2つ目は「その保育園が対処できる理由にしない」ということです。理由によっては、園長などから引き止められてしまうということもあります。
- パート保育士になりたい
- 給料が少ない
- 休暇が取りにくい
- 〇歳の担任をやりたい
先程も例として挙げましたが、例えば「パート保育士として働きたい」というような理由は保育園が対処できる可能性のある退職理由です。
その保育園の状況次第ですが、その理由だと「うちでパートになればよい」と引き止めることができてしまいます。そう言われてしまうと、説得させられてしまいそうですよね。給料が少ないというのも場合によってはその保育園が対処できる部分もあるので注意しましょう。本当は他に様々な不満などがあると思いますが、それを理由にしてしまうと、保育園に引き止められる可能性が出てきてしまいます。
逆に、対処できない退職理由の例としては、
- 大規模保育園(小規模保育園)で働きたい
- 海外で働きたい
- 他にやりたいことがある
というような内容です。このような現状の保育園の仕組み上、希望を満たすことができない内容が退職理由だと、園長なども引き止めるのが難しいです。
不可抗力的な理由が理想
保育園の退職理由や転職理由は、不可抗力的な内容の退職理由が理想です。不可抗力的な理由だと、自分としては退職したくないけどしょうがなく退職せざるを得ないという気持ちを示すことができます。これは円満退職に繋がりますし、残りの期間も気持ちよく働くことができる可能性が高いです。
不可抗力的な理由の例としては、
- 引っ越し
- 家族の介護
- 一身上の都合
- 体調等
などです。このよう理由であれば、園長などもそれならしょうがないという気持ちになり、比較的スムーズに退職することができます。あまりデリカシーのない園長であれば、根堀葉掘り聞いてくる可能性もあるので、先程も書いたように、より詳しく掘り下げられて聞かれたときの回答を自分の中で用意しておくことも大切です。
保育園をより良くしたい場合は本当の不満を伝えるのも良い
退職や転職を決意するにあたって、実査にはこれまでその保育園で働いたなかの様々な不満点が自分のなかにはあると思います。
もし、後輩や同僚などのために少しでも働いていた保育園をより良くしたいというような思いがある場合は、 保育園の良くないところを一部伝えるというのも一つの選択としてはありだと思います。
不満を伝えるということは、悪口を言っているようでよくないことかと感じる人もいるかもしれませんが、本来は良いことです。今後も、同じ理由で退職を考える人を減らすことができれば、保育園にとっては大きなプラスになります。勤続年数が増え、運営も安定しますし、あらたな採用コストもかかりません。
退職理由として本当の不満を伝えることが、どこまで保育園に対して効果があるかはその後の保育園の行動次第ですが、園長に保育園をより良くしていきたいという気持ちがあれば、今後の改善に繋がる可能性もあります。それは、まだ働き続ける同僚や保育園にとっても多少の恩返しにもなるでしょう。
退職の意思を伝えるのは半年〜1ヶ月前
退職の意思は遅くとも退職希望日の一ヶ月前には伝えられると良いです。 正社員であれば希望日の二週間前までに伝えれば良いことになってはいますが、保育園が新たな保育士を雇用することを踏まえると、少し前もって伝えると親切です。
もちろん、どうしても耐えられない場合や転職先の都合などで直近の報告になってしまう場合は致し方ないです。
また、確実に退職が決まっているという場合は早く伝えることは問題ないですが、園長などの性格によってはその後の期間が働きにくくなってしまうこともあるので、そこはよく考えてから退職の意思を伝えるようにしましょう。
退職理由を伝える園長の性格を見極めよう
保育士の保育園の園長も同僚の納得の退職理由について紹介しました。
大切なことは、退職理由を伝える園長の性格を見極めるということです。私も何回か退職ということをしていますが、意外とあっさり退職となることや、同情されたり、あからさまに不機嫌な態度を取られるということもありました。
これは、伝える内容の問題ももちろんあるのですが、園長の性格やこれまでの園長との関係性などによっても大きく変わってくる部分になります。
園長との信頼関係ができていれば、「やめないで〜」と引き止められてしまうこともあります。逆に、信頼関係が無ければ、あっさりと退職の手続きに進んでいったり、不機嫌な態度を取られるということもあります。
そして、園長の性格によっては、退職するという時点で逆ギレされてしまうこともあるので、こればっかりは、退職理由をどう取り繕ってもあまり意味は内です。
今まで退職した同僚がいれば、その人がどのような理由を伝え、どのような雰囲気で退職していったのかということをよく覚えておきましょう。
園長や同僚に退職理由を納得してもらう必要は必ずしもない
ここまで、保育士の保育園の園長も同僚の納得の退職理由について紹介しましたが、身も蓋もないことをいうと、園長や同僚に退職理由を納得してもらう必要は必ずしもありません。
保育園との関係は主人と奴隷の関係ではありませんので、自分が働きたい場所で働くということはごく当たり前のことです。
今より良い環境で働くということは、当たり前で、誰かに納得してもらう必要があることではありません。ただし、もちろん、退職するまでの残りの期間はその保育園で働かなければいけないので、角が立たないような退職理由を伝えておきたいという気持ちも十分理解できます。
まとめ:保育園の退職理由や転職理由は嘘で良い?退職時の疑問を保育士が解説!
保育園の退職理由や転職理由は嘘をつくこと問題ありません。
そもそも退職するのに、正当な理由は必要ないので、本当の理由を伝える必要は必ずしもありません。単に「一身上の都合」というだけでも問題ありません。
角が立つような退職理由の場合は、スムーズな退職と残りの勤務期間を気持ちよく働くために、嘘を付くのも良いと思います。
保育園の退職理由や転職理由を伝える際のポイントは、
- 退職理由としてバレる嘘はつかない
- その保育園が対処できる退職理由にしない
- 不可抗力的な理由が理想
これらを考慮して、退職希望日の半年〜1ヶ月前程度を目安に退職の意思を園長に伝えるとよいでしょう。