保育士から放課後等デイサービスに転職を考える人は多いと思います。特に、給料面では放課後等デイサービスが保育士より上回ることも多くあります。障害児と関わることになるので、保育士としてさらなるステップアップも目指せます。
放課後等デイサービスと保育士との給料・待遇面での違いやおすすめの求人の探し方・転職方法を紹介します。
放課後等デイサービスについては、厚生労働省の「放課後等デイサービスガイドライン」を参考に知識を得ています
その経験が参考になればと思います
※参考「厚生労働省「放課後等デイサービスガイドライン」」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000082831.html
放課後等デイサービスとは?
放課後等デイサービスとは、学校通学中の障害児を対象に放課後などに療育や訓練などを提供している場所です。その機能から「障害児の学童保育」とも呼ばれています。
対象となる児童は小学校就学後から高校生までとなります。似ているサービスに「児童発達支援事業所」があります。こちらは主に就学前児童つまり、5歳児以下の児童を対象としています。
また、児童発達支援事業所と放課後等デイサービスが一体になって運営している法人もあります。
放課後等デイサービスの役割
厚生労働省が「放課後等デイサービスガイドライン」というものを出しています。これには「放課後等デイサービスの基本的役割」が以下のように書かれています。
- 子どもの最善の利益の保障
- 共生社会の実現に向けた後方支援
- 保護者支援
子どもの最善の利益の保障 ・・・ 学校や家庭とは異なる環境で、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行い子供の利益の保証と健全な育成を図ります。
共生社会の実現に向けた後方支援 ・・・必要に応じて放課後児童クラブ等との連携を取りながら、専門的な知識・経験に基づきバックアップする「後方支援」を行う
保護者支援に関してはより具体的に以下のように書かれています。
① 子育ての悩み等に対する相談を行うこと
② 家庭内での養育等についてペアレント・トレーニング等活用しながら子どもの育ちを支える力をつけられるよう支援すること
③ 保護者の時間を保障するために、ケアを一時的に代行する支援を行うこと
また、放課後等デイサービスの基本活動に関しては以下のように定められています。
- 自立支援と日常生活の充実のための活動
- 創作活動
- 地域交流の機会の提供
- 余暇の提供
自立支援と日常生活の充実のための活動 ・・・子どもの発達支援に応じて必要となる支援活動
創作活動 ・・・表現をする喜び、事前に触れる機会、季節の変化に興味を持てるようにする
地域交流の機会の提供 ・・・子どもの社会経験の幅を広げる。、積極的に地域との交流を図る
余暇の提供 ・・・子供が望む遊びやリラックスに取り組む経験を積む
このように定められています。あくまでもこれは厚生労働省が定めている「放課後等デイサービスガイドライン」で、数ある放課後等デイサービスの根底として共通している部分になります。
この基準をもとに各放課後等デイサービスの事業所は独自に療育や訓練などを提供しています。
放課後等デイサービスの仕事内容
放課後等デイサービスで働く保育士の仕事内容は基本的には直接子どもと関わり支援することになります。
- 児童のお迎え
- トイレ介助
- 宿題
- 創作活動
- 体操や歌などの集団活動
- 帰りの送迎
仕事内容に関しては保育園で働く保育士とそこまで違いは無いと思います。個々の活動内容などは児童発達支援管理責任者とともに決定されたものを実施していく形となります。
児童発達支援管理責任者は各施設にいる資格補修者で、放課後等デイサービスにおける、発達支援の管理支援責任者になります。資格の取得方法は後述しています。
大きな違いとしては就業時間になります。放課後等デイサービスはその名の通り、小学校に通う児童の放課後の支援サービスになるので、午前の比較的遅い時間、もしくは、午後から勤務開始である場合が多いです。
ただし、「放課後等デイサービスガイドライン」には以下のようにも書かれています。
現在の放課後等デイサービスの提供形態の多様性に鑑みれば、「放課後等デイサービスはこうあるべき」ということについて、特定の枠にはめるような形で具体性をもって示すことは技術的にも困難であり、支援の多様性自体は否定されるべきものではない。
つまり、実際には、「体を動かす運動に特化」「学習塾のような」「音楽や芸術などに力を入れている」施設などその形態は様々です。
このように施設によって、サービスの特徴や力を入れている部分が異なります。一口に放課後等デイサービスといっても多種多様で仕事内容も多様なものになります。放課後等デイサービスに就業を考える場合は考慮に入れるべきかもしれません。
保育士から放課後等デイサービスへ転職する人は多い?
保育士から放課後等デイサービスへ転職する人は実情としては多いです。それは仕事内容が比較的共通していて、なおかつ、求人としても保育士経験のある人物の需要が高いためです。
単純に保育士と比べて良い労働環境を求めて転職を考える人や、保育園の仕事では飽き足らず、さらなるステップアップとして障害児と関わる業務に就きたいと考える人も多いです。
一概にどちらで働くのが良いと悪いということはなく、結局は個人の向き不向きや、運営している法人によっても異なるので、就業を考えている方は、保育園同様に求人の見極めも重要です。
もちろん、放課後等デイサービスの運営者としても、保育士を積極採用しているという状況があります。
放課後等デイサービスとしても、保育園と同様に保育士が不足しているという事実は変わらないので、保育士の経験がある方はもちろん、経験がなくても資格があれば採用の対象にしていることもあります。
後述していますが、放課後等デイサービスでは、児童指導員、保育士または2年以上の障害福祉サービス経験者を配置する必要があります。この条件があるため保育士の資格や経験がある人物が重宝されています。
放課後等デイサービスに転職したら保育園の保育士には戻れない?
放課後等デイサービスに転職したら保育園の保育士には戻れないのではないか、という疑問を持つ方もいるかもしれませんが、もちろんそんなことはありません。放課後等デイサービスの仕事を経験したあとに、保育園の保育士に戻る方も実際にいます。
ただし、放課後等デイサービスでの経験年数が保育士としての経験年数に加算されるという保証は必ずしもありません。
保育園によっては認可保育園での経験だけを保育士としての経験年数として加味することもあるため、放課後等デイサービスに転職して、その後、認可保育園に転職した場合に、給与などに考慮されない場合もあります。もちろん会社、法人によっては考慮してくれる場合もあるかもしれません。その点は、将来的に保育園の保育士に戻りたいと考えている方の場合は、留意が必要な点になると思います。
保育園で働く保育士との違い
放課後等デイサービスと保育園で働く保育士とでは、対象となる児童の年齢も異なりますし、それぞれの障害の度合いや内容によって様々な支援が求められる点も異なります。
必要な資格やあると有利な経験
放課後等デイサービスでは、児童指導員、保育士または2年以上の障害福祉サービス経験者を配置する必要があります。そのため保育士資格を持っている場合は、放課後等デイサービスに就業することが可能です。
放課後等デイサービスの利用定員10名程度以上が多くなっています。児童指導員や保育士は10名で二人以上の配置が必要になるので、概ね保育士一人に付き5人の児童を担当するということになります。
保育園と比べると保育士一人あたりの児童数が少ないと点が特徴としてあげられます。また、保育園で働く保育士と放課後等デイサービスでは、就学後児童が対象になる点が大きな違いです。そのため、小学生などを対象としている学童保育の経験や小学校教諭免許や経験があると優遇される場合もあります。
それ以外にも、各放課後等デイサービスが力を入れている内容(運動や体操、学習塾、芸術)などによって、それらの経験者などは優遇される可能性があります。
給料・待遇面での違い
給料や待遇面では、保育士よりやや良いという場合が多いです。これは、障害児と対象としているという点や自治体からの補助金などの影響があります。もちろん、会社や求人によっても異なる部分ではあるので、転職を考える際は複数の求人を比較検討してみましょう。
将来的には5年以上の実務経験で「児童発達支援管理責任者」という資格を取得するための研修を受講することが可能です。
「児童発達支援管理責任者」になればさらなる給与アップが望めます。放課後等デイサービスでは、児童発達支援管理責任者を常勤1人以上の配置が求められています。名前の通り、放課後等デイサービスの支援や管理の責任者としての立場になります。資格保持者は施設長も兼務して配置される場合も多いです。「児童発達支援管理責任者」であれば、月収30、40万円以上を目指すことも不可能ではないです。
担当する定員人数に関しては、保育園で働く保育士と比べても少ないですが、一人一人に多様なメニューでサービスを提供する必要があります。また、必要に応じてですが、学校から施設への送迎なども行う場合があります。
就業時間・休日・休暇面での違い
放課後等デイサービスは「障害児の学童保育」とも言われているくらいなので、児童は小学校に通いながらの放課後等デイサービスに通います。
そのため、平日は午後以降から夜にかけての勤務がメインになり、土日・祝日も運営していることが多いです。また、小学校が休みである夏休み・冬休み中の平日などは、朝から夜までの勤務になります。
そのため、勤務する指導員は土日祝日も含めたシフト制がしかれることになります。保育園は日曜日は休みの場合も多いので、その点が大きな違いになります。
放課後等デイサービスへのおすすめの転職方法<転職サイトがおすすめ>
放課後等デイサービスへの転職は保育士転職サイトの利用がおすすめです。
放課後等デイサービスでの仕事には保育士に資格が必要なため保育士専門の転職サイトでも取り扱いがあります。下記に紹介する転職サイトでは放課後等デイサービスの求人も紹介してもらうことができます。
ハローワークや地域の求人で探すと応募の手間などもかかってしまいますが、保育士転職サイトであれば、担当のアドバイザーが様々な転職支援を行ってくれます。
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※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
まとめ:保育士から放課後等デイサービスへの転職方法!おすすめの転職サイトは?
放課後等デイサービスとは、「障害児の学童保育」とも呼ばれている学校通学中の障害児を対象に放課後などに療育や訓練などを提供している場所です。
保育士の資格保持者であれば、放課後等デイサービスで支援員として就業することが可能です。給料や待遇面では、保育士よりやや良いという場合が多いです。
保育士から転職する場合には、転職サイトの利用がおすすめです。
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