公立保育園の会計年度任用職員の保育士の仕事とは?公立パートの給料、募集の探し方!

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保育士の皆様。これから就業を考えている方。公立保育園の「会計年度任用職員」の募集についてご存知ですか?

こんな疑問や悩み、不満、経験はありませんか?
  • 公立保育園の会計年度任用職員って何?
  • 給料はどれくらい?
  • 募集はどのように探せば良い?

会計年度任用職員をわかりやすく簡単に言うと「公務員の非正規雇用」という形の働き方になります。フルタイムの勤務の場合もあれば、パートタイムの勤務の場合もあります。公立保育園で働く保育士にも会計年度任用職員の方は多く存在し、なくてはならない存在になっています。

今回は、そんな公立保育園の会計年度任用職員の保育士の仕事の特徴や給料事情について解説しましす。

この記事では、総務省の以下の情報を参考・引用しています。

※参考「総務省 会計年度任用職員制度について」https://www.soumu.go.jp/main_content/000638276.pdf

※参考「総務省 会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアルの改訂について(通知) 」 https://www.soumu.go.jp/main_content/000579717.pdf

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
その経験が参考になればと思います

公立保育園の会計年度任用職員とは

会計年度任用職員をわかりやすく簡単に言うと「公務員の非正規雇用」ということになります。

会計年度任用職員とは、地方公務員法の改正によって令和2年度から新たに設けられた非常勤職員の制度になります。会計年度任用職員制度の導入により, これまでの市の嘱託職員及び臨時職員などの非常勤職員は会計年度任用職員へと移行 となります。

これまでの嘱託職員及び臨時職員と呼ばれていた職員の雇用が無くなり、令和二年度以降は会計年度任用職員としての雇用となるということです。会計年度任用職員はそれぞれの自治体ごとに様々な職種で募集がされています。そのなかに保育士の募集があることも多いです。

会計年度任用職員の仕組みや特徴

まずは、会計年度任用職員の仕組みや特徴について解説します。

会計年度任用職員とは?

会計年度任用職員とは、所謂、非正規の地方公務員という形の雇用形態になります。

  • フルタイム会計年度任用職員
  • パートタイム会計年度任用職員

のそれぞれがあり、各自治体ごとや職種ごとに募集されています。

就業時間は?

フルタイムの場合は常勤の職員と同等の就業時間になります。それを下回る場合はパートタイムの会計年度任用職員ということになります。

時給や月給は?

会計年度任用職員の給料・報酬に関しては、

当該類似する職務に従事する常勤職員に適用される給料表に紐付いた給料水準を設定

とされています。つまり、職種ごとに設定された単価となります。給料水準としては、実際にその職種で働いている常勤職員と同等程度とされています。

任用期間や再度の任用は?

会計年度任用職員の任用期間については、以下のように記載されています。

任期については、1会計年度の範囲内で、任命権者が職務の遂行に必要かつ十分な期間を定める

つまり、会計年度任用職員としてその仕事に勤務する期間は最大1年ということになります。

また、自治体によっては、更新にあたる「再度の任用」が可能な場合があります。ただし、必ず再度の任用が可能なわけではなく、人事評価の結果や新規希望者との比較などを踏まえた選考が行われて決定されます。

選考や面接は?

会計年度任用職員の選考内容は自治体によって異なりますが、基本的には面接による選考が行われます。簡単な筆記試験や作文・論文が課される場合もあります。

社会保険は?

法律に従い、基本的に週20時間以上で月額賃金が8.8万円以上の場合は社会保険への加入となります。

賞与(期末手当)は?

会計年度任用職員はフルタイム、パートタイムともに期末手当の支給対象となっています。

休暇について

年次休暇は規定によって支給されます。また、会計年度任用職員は、産前産後休暇、介護休暇、育児休業の取得が可能です。

再度の任用と産休等との関係
会計年度任用職員が、産前産後休暇、介護休暇、育児休業について、その取得要件を満たしている場合には、
・ 会計年度任用職員の任期の末日(任期の末日が年度末である場合には、年度末)まで取得することができ、
・ 翌年度に再度の任用がなされた場合には、改めて取得することにより、年度をまたいで当該休暇、休業を継続することができます。
この場合において、再度の任用により、改めて条件付採用期間が設定されることとなりますが、条件付採用期間中であることをもって当該休暇、休業の取得が妨げられるものではありません。なお、任命権者において、実地での能力の実証が不足していると考える場合には、①イ(エ)のとおり、条件付採用期間を延長することが可能です。

わかりにくいですが、任期の末日まで休暇等を取得することができるということと、再度の任用がされればそのまま休暇等を継続することができるということになります。

副業や掛け持ちはできる?

会計年度任用職員にも、公務員の服務規程が適用されるため、フルタイムの会計年度任用職員の場合は、副業や掛け持ちは禁止されます。ただし「営利企業への従事等の制限」はパートタイムの会計年度任用職員は対象外となっています。つまり、 パートタイムの会計年度任用職員は副業や掛け持ちが可能 ということになります。

ただし、下記の点には注意が必要です。

パートタイムの会計年度任用職員は、営利企業への従事等の制限の対象外だが、職務専念義務や信用失墜行為の禁止等の服務規程は適用されることに留意

いずれにしても副業を考える場合は、必ず各自治体に確認が必要でしょう。

公立保育園の会計年度任用職員の保育士の仕事の特徴

ここからは、公立保育園の会計年度任用職員保育士の仕事の特徴について紹介します。

応募要件は?

応募要件は各自治体ごとに異なりますが、基本的には、保育士資格の保持が条件となります。勤務経験などは、応募の段階では求められない場合が多いです。もちろん、応募後に選考があるので、勤務経験がある方が有利であることは間違いないです。

ただし、一部の保育職に関しては、保育補助としての勤務の場合など、保育士資格なしでも応募が可能な募集もあります。その場合は在職中に、子育て支援員研修を受講することになります。

給与待遇は?

以下は東京都品川区の会計年度任用職員の保育士の募集の例になります。

保育士 時間額1,503円

※参考https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/pdf/20200610163924_10.pdf

会計年度任用職員に関しては賞与も支給対象ですが、そちらの金額については確認できませんでした。公開されている募集情報には明記されていないことも多いので、応募の際に詳細を確認しましょう。

実際にいくつかの自治体の会計年度任用職員の保育士の募集を見てみましたが、決して好待遇というわけではないです。民間の保育園のパート保育士のほうが高時給の場合もあるでしょう。

仕事内容は?

公立保育園の会計年度任用職員といっても仕事内容は、私立保育園の保育士パートと同様の仕事内容になります。クラス担任になるということはなく、基本的にはフリーの保育士として各クラスを担当するという形が多いです。

クラス担任は正規である保育士が担当し、その補助業務がメインとなります。一緒に散歩に行ったり、遊んだり、見守ったりなどです。書類の仕事があるかどうかは、その園次第ですが、重要な書類は基本的には正規の保育士が担当するでしょう。

ただし、 一部、産休育休で休んでいる職員の代替の募集などで、正規並みの仕事内容を要求されることもあるので注意が必要です。 この点は、募集時にしっかりと仕事内容を確認すべきです。チェックすべき点は、保育補助の仕事なのか、保育士としての仕事なのかという点です。

以下は東京都品川区の会計年度任用職員の保育士の募集の例になります。

主な職務内容
▶ 保育および保育環境整備(掃除、洗濯、片付け等)
▶ 延長夜間保育や病後児保育などの補助業務

※参考https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/ct/pdf/20200610163924_10.pdf

人間関係は?

公立保育園なので、勤務している職員は会計年度任用職員等を除けば基本的には地方公務員の保育士が勤務していることになります。公立保育園で働く保育士は、私立保育園と違って勤続年数も長い傾向があり、ベテランの保育士が多いでしょう。

そのため、人間関係についても、比較的上下関係がはっきりした年控序列の人間関係になると思います。保育士としての経験年数はもちろん、年齢も意識する場面が多くなると思います。また、会計年度任用職員のなかでも長期間働いている人も多い傾向があるため、序列ははっきりするでしょう。

また、これは自分の心持ち次第ですが、公務員の保育士は民間で働く保育士と比較すると給料待遇は良い傾向があります。会計年度任用職員の待遇は決して良いというわけではないので、一緒に働いている同僚との待遇差も大きいということになります。このことが人によっては、あまり良い気持ちで働くことができなくなってしまう原因になります。会計年度任用職員とはいっても場合によってはほとんど、常勤の保育士と同じような仕事内容を求められることもあるので、不公平感が高まる場合もあります。

公立保育園の会計年度任用職員の保育士はこんな人に向いている

ここまでの情報を踏まえて、公立保育園の会計年度任用職員の保育士はこんな人に向いているという特徴について紹介します。

1年以内の短期間だけ働きたい人

公立保育園の会計年度任用職員の保育士は、更新である「再度の任用」が必ずできる保証がないため、同じ保育園で長く働きたいという方には不向きです。 長く働きたいという場合は、募集があるかどうかは別として、地方公務員採用試験を受けて、正規の職員として自治体で勤務したほうが良いです。

逆にとりあえず1年間だけ働きたいという場合には、非常に都合が良いです。待遇は自治体によって様々ですが、賞与も支給されるので民間の保育園よりも良いケースもあります。また、期間が決まっているので保育士あるあるである辞めにくいというようなことがなく、後腐れなく退職することができるというメリットがあります。

パート保育士として働きたい場合に、他の保育園の求人と比較してより良い待遇条件で就業できる場合

パート保育士として働きたいという方の中で、近隣の自分が就業したい保育園の待遇と比較してより良い待遇条件で就業できる場合も、公立保育園の会計年度任用職員はおすすめできます。

もちろん、この場合も更新である「再度の任用」ができる保証はないため、同じ保育園で長く働きたいという方には不向きでになります。

公立保育園の会計年度任用職員の募集は、私立の保育園の求人も含めて、あくまでも、数ある選択肢の中の一つとして含めるのが良いです。

産前産後休暇、介護休暇、育児休業などの取得の予定がない人

産前産後休暇、介護休暇、育児休業などの取得の予定がない人に会計年度任用職員はおすすめできます。まだ、会計年度任用職員の制度が始まったばかりなので、実態としてどのような運用がされるかはわかっていない部分もあります。

先程書きましたが、産前産後休暇、介護休暇、育児休業について、会計年度任用職員は要件を満たしていれば取得が可能です。ただし、取得ができるのが任期の末日までです。

察するに、公立保育園で働く保育士の場合は、会計年度任用職員が任期を跨いで休暇を取得することが想定される場合は、任期が更新されない可能性があります。

なぜならその期間に改めて、別の会計年度任用職員の保育士を雇用しなければいけないためです。保育士の場合は、配置基準等もあり、人数が不足している場合に、足りない人数で頑張るということはなかなか難しいです。そうなると、別の会計年度任用職員の保育士を雇用することになると思いますが、それであれば、休暇・休業を取得する会計年度任用職員を更新しなければ良いということになってしまいます。

たしかに、能力があるにも関わらず、産前産後休暇、介護休暇、育児休業の取得を理由に任期を更新をしないということはできないですが、別の理由はいくらでもつけられそうです。そういう理由で、産前産後休暇、介護休暇、育児休業などの取得の予定や見込みがあるという人にはおすすめできないでしょう。

公立保育園の会計年度任用職員の保育士の募集求人の探し方

最後に、具体的な公立保育園の会計年度任用職員の保育士の募集求人の探し方について紹介します。

自治体のホームページ

一番おすすめの方法は自治体のホームページを見ることです。昨今ではほとんどの自治体では会計年度任用職員の募集等がある場合は、ホームページ上にも情報を載せています。その情報を見ることで、待遇はもちろん、応募方法などの情報を知ることができます。

市区町村によってはページがあまり親切ではなく、探すのが難しいこともあるので、根気強く探しましょう。また、募集自体は常時行われているわけではないので、探すタイミングも大切です。

市区町村の会計年度任用職員として働く場合は、その自治体に住んでいる必要は必ずしもないので、周辺の自治体で募集がないかを調べてみると良いです。ただし、交通費に関しては必ずしも満額支給されるとは限らないので注意が必要です。

公立保育園や役場の掲示板情報等

次におすすめなのは、公立保育園自体や役所・役場など掲示している情報を確認するという方法です。自治体によっては、ホームページに情報を載せずに募集情報を掲示している場合があります。また、役所・役場に募集がないかを直接確認してしまっても良いと思います。

まとめ:公立保育園の会計年度任用職員の保育士の仕事とは?公立パート保育士の特徴や給料事情、募集の探し方!

今回は、公立保育園の会計年度任用職員の保育士の仕事について説明しました。

会計年度任用職員の保育士の仕事については、正直なところ、長期間安定して働きたいという保育士の方にとってはあまりおすすめできないです。

特にフルタイムで働くことを希望する場合は、地方公務員採用試験を受けて、正規の職員として自治体で勤務するか、民間の私立保育園の正規保育士を目指したほうが良いと思います。再度の任用の保証がない上に、それを鑑みても決して好待遇というわけではないためです。

公立保育園の会計年度任用職員の募集は、私立の保育園の求人も含めて、あくまでも、数ある選択肢の中の一つとして比較検討するのが個人的には良いと思います。