保育園で働いている保育士の皆さまや、これから就職や転職を考えている皆様。保育園で働く保育士のシフトについてご存知ですか?
今回は、保育園では保育士の勤務シフトの重要性とシフトがどう決まるのかという点を紹介します。
シフト制の保育園で勤務した経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園では保育士の勤務シフトがとても重要
保育園では保育士の勤務シフトがとても大切です。保育園では、国が定めた子どもに対する保育士の最低の配置基準というものが存在します。
配置基準は以下のようになります。
年齢 | 保育士1人あたりの保育人数 |
---|---|
0歳児 | 3人 |
1~2歳児 | 6人 |
3歳児 | 20人 |
4歳児以上 | 30人 |
子どもがいるすべての時間帯で、この基準を満たす必要があります。
極端な例ですが、ある仕事を期日にまでに終わらせればよいという会社では、誰がどの曜日のどの時間帯に出勤していても、していなくても問題ないですよね。
最終的に期日に仕事が終わっていれば良いので、極端な話、特定の日に全員が有給休暇をとっていても問題ないわけです。このような環境の場合、フレックスタイム制等の柔軟な勤務などが実現できるわけです。
ですが、保育園での保育士の仕事はそういうわけにはいきません。特定の日でも特定の時間だけでも勤務している保育士がいなくなるということはできないです。開園時間中は預かっている子どもが常にいるので当たり前ですね。
そのため各保育園では、すべての時間帯において過不足無く保育士が配置されているように工夫してシフトを作成する必要があります。
保育士の勤務シフトを決めるのは難しい
一般的に保育園で働く保育士の勤務シフトを決めるのは難しいです。
勤務シフトの難しいポイントは子どもの人数が曜日はもちろん、その日ごと、そして時間帯ごとにも違うという点と、保育園の開園時間が保育士一人の労働時間より長いという点です。
保育園は保護者の就労時間に合わせて子どもを預かるので、それぞれの家庭ごとに登園時間と降園時間、そして登園する曜日が異なります。例えば、よく比較される幼稚園の場合は、園児が登園している時間より、幼稚園教諭の一人の拘束時間(約9時間前後)のほうが長いです。幼稚園の場合は、預かり保育などを除けば、基本的に登園時間と降園時間は全員一緒ですよね。
土曜日に預けて、平日一日預けないという家庭もあるので、日毎にも子どもの人数がバラバラで、最低限必要な保育士の人数も日毎にバラバラになります。つまり、常に毎週同じようなシフトを組んでいれば良いというわけではありません。
また、保育士に限ったことではないですが、通常、従業員の勤務は休憩を含めずに一日8時間の勤務が上限でそれ以上は残業になります。それに対して、保育園の開園している時間は12時間前後と長いです。つまり、一人の保育士がその日の開園から閉園まで勤務するということが難しいです。
従業員である保育士の働き方や保育士間の公平性の観点からも、同じ人がずっと早番や遅番で勤務するということも避けなくてはいけません。それに加えて個々の有給休暇などの申請についても考慮が必要です。
さらにそれらに加えて、個々の従業員のシフト上の制約(パート保育士の就業時間)や保育士のスキルや保育士同士の相性などを考慮しなければいないためです。保育士のスキルというのは、例えば、乳児の経験が無い保育士だけにならないように等です。保育士の相性というのは、誰々さんと誰々さんは一緒にしないほうが良いなどです。(良くないことかもしれませんが、保育園なら結構あるあるですよね。)
このような様々な事情を考慮しながら、シフトを決めなければいけないので、保育士のシフトを決めるのは難しくなっています。
保育園で働く保育士はシフト制の勤務が基本
保育園で働く保育士はシフト制の勤務が基本になると思います。保育園は一日の開園している時間が長く、月〜土の週6日間開園されていることのが基本です。子どもの人数も時間帯や曜日によって異なるので、保育士にも柔軟な勤務が求められます。シフトが効率よく組まれている保育園は、保育士も働きやすいという傾向があります。
勤務シフトを効率よく組むことができる保育園 = 保育士が働きやすい保育園
シフトを効率よく組むことができる保育園は、保育士が働きやすい保育園とも言うことができます。
例えば、シフト上で子どもの人数に対して必要な保育士が不足している時間帯が生まれると、保育士の業務負担が増え、子どもの安全性はもちろん、保育士が休憩が取れないなどの労働環境の悪化に繋がります。
逆に、朝7時から8時の時間帯は子どもの人数が少ないのに、保育士が全員出勤しているという状態は効率が良いとは言えません。もちろん、その時間帯に出勤している保育士に他の業務があれば話は別ですが、必要以上の保育士がいても余ってしまうだけです。
確かに、保育士が必要以上にいるということは、働く保育士にとっては一人の負担が少なくなるので、一時的には良いことだと言えます。ですが、保育園の運営資金は限られているので、そのような状態が続くと、保育士に一人に支払うことができる人件費が足りなくなってしまいます。簡単に言うと時給が下がるということです。保育園の経営が悪化すれば、ボーナスが削られたり、新たに雇用する保育士の人数を制限するかもいしれません。そうなると今後は、保育士が足りなくなってしまうかもしれません。
働く保育士の目線から考えると、どの曜日時間帯においても、余りすぎる足らなすぎずのやや余裕のある人数の維持ができているシフトが働きやすいと言えます。
保育士の勤務シフトは誰が決める?
保育園で働く保育士のシフトを決める人物は保育園によって異なります。 園長が決めたり、主任保育士が決める場合などが多いです。 その他に事務の人が決める場合等もあります。
前述したとおり、ある程度保育園の全体の状況や個々のスキルなどを把握している人でないと保育園のシフトを作るのは難しいです。 ただ単に、保育士を頭数だけで考えているような人がシフトを作成すると、クラス運営に支障が出てしまったり、行事等の園全体の活動に支障をきたしてしまう場合もあります。
保育士の勤務シフトはいつ決まる?
保育士のシフトが決まる時期についても保育園によって異なると思いますが、基本的には前月末までに翌月1ヶ月分のシフトが出されるケースが多いと思います。 これは、園のシフトは職員だけに関してを検討すればよいわけではなく、登園する園児の人数などによって柔軟に決める必要があるためです。
つまり、
保護者の方の翌月の勤務スケジュールが決まる → 翌月の各日の登園人数が決まる → 必要な保育士の人数・時間帯が決まる → 保育士勤務シフトが決まる
という流れになります。
保護者の方に登園スケジュールを提出してもらってから保育士の勤務シフトが決まるので、シフトが決まるのが結構月末ギリギリになる保育園も多いです。
保育士の勤務シフトはどう決まる?
保育士の勤務シフトの決め方についても、保育園によって異なります。
一例としては、各曜日とその時間帯ごとに必要な保育士の人数を決めて、そこに個人の勤務シフトを割り当てていくという形です。
まず優先されるのはパート保育士の方などの、そもそも入職時の段階で、就業の希望の時間などの制約がある雇用形態の方のシフトになると思います。何曜日の何時から何時までという働き方の場合です。その方を固定で埋めていき、残ったところに正職員の保育士の勤務をクラス担任の状況やスキルなどを踏まえて必要十分になるように当てはめていくということになります。
最近では、保育士の勤務シフトをある程度自動で組んでくれるようなソフトなども出てきており、そのようなサービスを利用している保育園もあります。
保育園で働く保育士は勤務シフトの希望は出せる?
これについても、実態は保育園によって異なると思います。シフトの希望が出せる保育園もあれば、全く出せない保育園もあると思います。
多くの保育園では、ある程度の希望のシフトは出せる場合が多いです。
ある程度というのは「○月○日は早番が良い」「○月○日の土曜日は出れない」「〇〇に有給休暇を取りたい」などです。ただ、あまりに数が多すぎる要望は通らないので、一人あたり一月に数個程度の要望が出せるといった感じで完全に希望が出せるわけではないと思います。
ただし、要望が被ってしまった場合のシフト作成が難しくなるので、そもそも要望を受け付けないという園もあります。
どうしても希望したいシフトがある場合はどうすれば?
- ○日は早番が良い
- ○日の土曜日は出勤できない
など、旅行やイベントなどの予定が決まっている場合は、どうしても希望したいシフトがあることもあると思います。
こういった場合は、できるだけ早くシフトを作成している人や園長などに希望を伝える ということが大切です。シフトを決めた後だとまた組み直しになってしまい、手戻りが発生するためです。
なるべく早く伝え、早く把握してもらうことは、他に同様の希望がある人がいた場合も早い人のほうが有利になる場合もあります。ある程度公平に判断してくれる場合もありますが、早い者勝ちという園も少なくないです。
もし希望が通らなかったり、間に合わなかった場合は、シフト決定の後に変わってくれる人を探すということになります。
保育園のやり方によってどこまで対応してくれるかはわかりませんが、基本的にはしっかりと希望を伝えていくということが大切です。また、希望を出すという上では日頃の仕事ぶりもとても大切になります。シフトを決めるのも人間なので、日頃サボってばかりいる人の希望は叶えたくないと思う人も出てきてしまいます。
これから就業・転職を考えている場合は保育園の勤務シフトの決め方なども考慮を!
先にも書いたように、シフトを効率よく組むことができる保育園は、保育士が働きやすい保育園とも言うことができます。すべての時間帯で過不足なく保育士が働いていることで、日々余裕を持って保育の仕事をすることができます。
保育園の運営費の大半は保育士の人件費が占めており、効率良いシフトは保育園の人件費も効率化されることになり、保育園の経営状態にも影響が出る部分でもあります。そして、保育園の経営状態はその保育園で働く保育士の将来の給料や働きやすさなどにも影響が出てくる部分です。
逆に、効率よくシフトが組めていない保育園は、無駄に保育士の人件費がかかってしまったり、希望の日に休めないというような弊害が出てきます。最終的には、保育園の経営状態の悪化にも繋がってしまう場合もあります。
これから就業・転職を考えている場合は保育園のシフトの決め方なども考慮して働く保育園を選ぶと良いかもしれません。
- シフトの希望が出せるか
- 土曜日の出勤やその代休について
- 有給休暇の希望について
また、入職前に事前に保育園と労働条件を交渉をしたい場合は、保育士の転職サイトの活用がおすすめです。担当者が保育園側と交渉をしてくれます。
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まとめ:保育園で働く保育士の勤務シフトはどう決まる?シフトの希望は出せる?
保育園のシフトは、園長が決めたり、主任保育士が決める場合などが多いです。また、基本的には前月末までに翌月1ヶ月分のシフトが出されるケースが多いと思います。
保育士の勤務シフトを決めるのは難しく、各曜日とその時間帯ごとに必要な保育士の人数を決めて、そこに個人の勤務シフトを割り当てていくという形が一般的です。最近では、保育士のシフトを自動で組んでくれるサービスなども販売されているようです。
これから就業・転職を考えている場合は保育園の勤務シフトの決め方なども考慮するとよいかもしれません。