目次 | 内容 |
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保育園への配慮は基本的に不要 | ・妊娠や出産に対し保育園へ配慮は不要 ・子どもは授かり物、労働者としての権利 ・モラハラ的な保育園は退職を検討 |
妊娠や出産を理由に不当な扱いをすることは法律上禁止されている | ・雇用主が妊娠や出産を理由に不当な扱いをするのは法律で禁止 ・パートへの強制や退職勧奨などは違法 ・最低限の伝え方を守り安心してサポートを受ける権利 |
なぜ妊娠を伝える必要があるか? | ・業務上の負担軽減や周囲からのサポートのため ・産休や育休期間中の代替保育士確保のため ・行事や担任業務の円滑な引き継ぎのため |
いつ頃妊娠について伝える必要があるか? | ・一般的には安定期(妊娠12週目以降)が良い時期 ・つわりなどを考慮し妊娠8週目頃に伝えることも多い ・自分とお腹の子を守るため、医師と相談し適切な時期に報告 |
保育士の妊娠は誰に伝えればよいか? | ・親しい同僚より先に園長などトップに直接伝えるのが良い ・人づてに伝わるのは望ましくないため避ける ・直接報告することで円滑なサポート獲得につながる |
保育士の妊娠はどうやって伝えればよいか? | ・現在の状況、出産予定日、検診予定、通勤・勤務の要望を正確に伝える ・検診時間確保、通勤緩和、軽易業務転換、残業制限など具体的に要望 ・園児や保護者へは園長と相談して適切なタイミングで伝える |
妊娠を伝えたその後の流れは? | ・産前産後休業は出産予定日6週間前から出産後8週間まで取得可能 ・育児休業は原則として子が1歳に達するまで取得可能 ・雇用形態や勤続年数に関わらず誰でも取得できる制度 |
産休、育休中の給料はどうなる? | ・今まで勤務していた時よりやや少ない金額の手当が保証 ・保育士宿舎借り上げ制度も原則継続利用が可能 ・自治体や保育園によって異なる場合があるため事前の確認を推奨 |
まとめ:保育士の妊娠の保育園への伝え方。いつ誰にどうやって伝える? | ・体調と赤ちゃんの健康を最優先に報告時期と相手を決める ・業務負担軽減や勤務配慮を具体的に依頼する ・産休育休制度を正しく理解し準備を進める ・円滑なコミュニケーションを心がけ安心して休める環境を整える |
よくある質問(FAQ) | ・伝えるタイミング: 妊娠5〜10週頃が体調や準備の面で適切 ・伝える相手: 園長や主任など直属の上司に直接伝える ・伝える内容: 妊娠の事実、出産予定日、体調、業務で必要な配慮や希望 ・求める配慮: 身体的負担の大きい業務軽減、時差出勤、残業制限など ・休業制度: 産前産後休業と育児休業は法律で定められた制度 ・不当な扱い: 法律で禁止、安心してサポートを受ける権利 |
- 保育士の妊娠の保育園への伝え方が知りたい
- 妊娠はいつ誰にどうやって伝えれば良い?
保育士としてご勤務されている皆様、ご自身の妊娠を保育園にどのように伝えれば良いか、不安に感じていませんか。
大切なことは、ご自身とお腹のお子さんを守るために、保育園に適切な報告や依頼をすることです。
この記事では、保育士が妊娠した際に、いつ、誰に、どのような方法で伝えるべきか、具体的な手順と注意点を詳しく解説します。
あなたがお子さんを安心して迎えるための、スムーズな職場報告をサポートします。

保育園に妊娠を報告したいけれど、いつ、誰に、どうやって伝えたらいいのか、とても心配です…

ご自身の体調とお腹の赤ちゃんを守るために、このガイドを参考に適切な報告を行いましょう。
色々と不安なども多いと思います。今回は、保育士の妊娠の園への伝え方などを解説します。保育園内で妊娠・出産の前例があるような場合には、その保育士に相談できると良いと思います。大切なことは、自分とお腹の子を守るために必要な報告や依頼を保育園に適切に行うということです。
勤務している園に対して妊娠報告をした経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園への配慮は基本的に不要
大前提として、妊娠をする、出産をするということに関して、勤務している保育園への配慮は基本的に不要です。
当然のことですが、保育園に迷惑がかかるから子どもをつくるのを我慢しようとか、時期を遅らせようとかいう配慮は不要です。
もちろんそのようなことを示唆してくる保育園は論外です。人を雇用する資格はありません。
子どもは授かりものですし、労働者として保証されている権利でもあります。しっかりと妊娠したという事実を伝えて適切なサポートを受ける権利があります。
なかには、保育士の妊娠を制限するようなモラハラを行う保育園もあるようです。保育士が不足していて、保育士の妊娠を順番制にしたり、妊娠しないように圧力をかけたりなどです。
はっきり言って最低な保育園です。このような保育園は長く働く価値がないので、とっとと退職して他の保育園で働くのがおすすめです。
既に妊娠している場合も遠慮することなく、産休育休を取得してから退職しましよう。
妊娠や出産を理由に不当な扱いをすることは法律上禁止されている
妊娠を伝える前に、理解しておくべきことは雇用主である保育園が妊娠や出産を理由に不当な扱いをすることは法律上禁止されているということです。
例えば、妊娠を理由にパートになれ、退職しろ、次の契約は更新しないというようなことは違法になります。
なので、最低限の伝え方や負担軽減の依頼の仕方だけを守りつつ、妊娠について伝えることが大切です。
法律をしっかり守る保育園であれば、安心して妊娠を報告して必要なサポートを受けてください。
なぜ妊娠を伝える必要があるか?
そもそも疑問に思う方もいると思うので、なぜ妊娠したことを職場に伝える必要があるかということを解説します。
業務上の負担軽減や周囲のサポートなどの考慮のため
本人にとっても、保育園にとっても一番大切なのは、業務上の負担軽減や周囲のサポートなどです。
後述もしていますが、妊娠中は検診時間の確保や通勤の緩和、休憩の延長や増加、残業・休日出勤の制限、業務転換などを依頼することが可能です。
同僚の保育士としても妊娠していることをしっかり知ることで、保育中に必要な様々なサポートをすることができます。
産休・育休中の代替保育士の確保のため
2つ目は、産休・育休中の代替保育士の確保のためです。
特に保育園で働く保育士の産休に関しては、人数が足りなくなった分はみんなで少しずつ負担しよう ということは基本的にはできません。
もともと余裕を持って保育士の人数を配置していれば、それも不可能ではないですが、ギリギリの人数で回している保育園では難しいです。
保育園の園児数に対して必要な保育士の配置人数は国で決まっているので、それを常時上回る必要があります。
なので、適切に妊娠と出産、育児休暇等の予定を伝えることで保育園が代替の保育士の確保がしやすくなります。
行事や担任業務の引き継ぎのため
担任業務などを行っていたり、行事の担当などになっている場合は、それを別の人に引き継ぐ必要もあります。
産休に入り、そのまま育休に入ると最大で1年以上、保育園の勤務から離れることになるので、必要な引き継ぎ作業をそれまでに必ず終わらせる必要があります。
いつ頃妊娠について伝える必要があるか?
妊娠の報告は一般的には安定期(12周目以降)が良いとされています。ただ、安定期に入る前は、つわりの影響なども大きいので、それよりも早めの8週目くらいに報告することも多いです。
保育士の場合は、体を使う重労働がメインになるため、報告のタイミングはしっかり考えたほうが良いです。
あくまでも、保育園のためではなく、自分とお腹の子を守るために必要なタイミングで報告を行いましょう。
子どもとの接触や不慮の事故なども考えられるので、医師などとも相談して、適切な時期に報告ができるようにしましょう。
保育士の妊娠は誰に伝えればよいか?
親しい同僚の保育士に先に伝えたいという思いもあるかもしれませんが、まず園長などの保育園のトップに直接伝えるのがよいでしょう。
望ましくないのは、同僚経由で周りに漏れ伝わることです。園長としても直接聞いたわけでもないのでサポートがしにくくなってしまいます。
園長としても保育園にとっても大事なことを人づてで聞いたとなれば、あまり印象もよくないかもしれません。
保育士の妊娠はどうやって伝えればよいか?
保育士の妊娠はどうやって伝えればよいかという点を解説します。
伝える内容は?
妊娠時の報告においては以下のような内容を保育園に正確に伝える必要があります。
- 現在の状況
- 出産予定の日付
- 検診などの予定
- 通勤や勤務での要望
- 出産後の勤務について
保育園側に、どのような措置をとってほしいのか、という点をしっかりと伝えることが大切です。
勤務時間中の検診について
保育園は、保育士の妊娠中は、健康診査を受けるための時間を確保する必要があります。
ちなみに有給になるか、無給になるかは保育園の規定によります。
保育園側が確保すべき時間は以下のようになっています。
- 妊娠23週まで・・・4週間に1回
- 妊娠24週〜35週まで・・・2週間に1回
- 妊娠36週以降出産まで・・・1週間に1回
妊娠中の通勤について
通勤に関しても、医師等の指導があり妊娠中の保育士が申し出れば、ラッシュアワーの混雑を避けて通勤できるように緩和の措置を取る必要があります。
通勤時のラッシュアワーの混雑などが想定される場合は、まずは医師等に相談してみましょう。
簡易業務の転換
妊娠している保育士にとって負担の大きい作業や職場環境にある場合は、事業主は他の軽易な業務に転換させる必要があります。
保育士の場合も該当する作業はあると思うので、無理をしないで申し出ることが大切です。
残業、深夜、休日労働などの制限
妊婦は時間外労働、休日労働、深夜業の免除の請求が可能です。
保育士も遠慮せず申し出ることで、残業をなくすこと、休日出勤をなくしてもらことが可能です。
園児・子どもにはどう伝える?
保育士は子どもとの接触も多くなるので、勤務内容によっては子どもにも理解をしてもらう必要が出るかもしれません。
前述したとおり、散歩や外遊びなどの重労働からは離れさせてもらうということも大切です。
園長や身近な妊娠の経験のある保育士などに相談しながら、良い対応方法を見つけられると良いです。
もし伝える場合は年齢にもよりますが「お腹に赤ちゃんがいるから守ってね」という形で伝えると良いかもしれません。
園児の保護者には?
園児の保護者には特段急いで伝える必要ありません。
ただ、担任業務などをしている場合は、途中で担任が産休に入ることになるため、最終的には知らせる必要が出てきます。
タイミングや伝え方は園長などと相談して決めれば良いです。
妊娠を伝えたその後の流れは?
妊娠を伝えた後の伝えたその後の勤務の流れなどについて説明します。
産前産後休業について
産前産後休業は以下の期間で取得することができます。
- 出産予定日の6週間前
- 出産の翌日から8週間
が規定の産休(産前産後休業)になります。勤務している保育園のによってはより手厚い休業期間がある場合もありますが、法律上は上記が最低限与える必要がある期間になります。
産前産後休業は雇用形態(正職員、パート、派遣等)に関わらず、勤続年数などの条件もないため、誰でも取得が可能です。
逆に言うと、この期間までは基本的には保育園に勤務する必要があります。
また、出産後(産前産後休業後)は育児休暇が取得できる可能性があります。育児休業は、原則として雇用形態にかかわらず取得が可能です。ただし、労使協定が締結されている場合、入社1年未満の労働者などは対象外となることがあります。
育児休業は、原則、子が1歳に達するまでの間に取得が可能です。
保育士の産休や育児休暇に関しては、以下の記事でも詳細を解説しています。
産休、育休中の給料はどうなる?
産休、育休中の給料や手当については、以下の記事でも詳細を解説しています。
基本的には、今まで勤務していた時の給料よりやや少ない金額の手当などが保証されるので、安心してください。
産休、育休中に保育士宿舎借り上げ制度の利用している場合は?
保育士宿舎借り上げ制度を利用している場合に、産休、育休に入ったら、制度が利用できなくなるのでは?と不安に思う方もいるかもしれません。
産休、育休中に家賃負担が新たに生じるとなると、なかなか厳しいということもあると思います。
結論から言うと産休、育休中も基本的には、制度の利用を継続できる場合が多いです。(自己負担がある場合は、毎月負担する必要があります。)
ただし、市区町村や保育園によっては利用が継続できない場合もあるので、事前に確認しておくのがおすすめです。
まとめ
保育士として妊娠した際、保育園への伝え方に不安を感じる方は少なくありません。
このガイドでは、ご自身とお腹の赤ちゃんを守るための適切な報告と依頼の方法について、詳しくお伝えしました。
今回の記事で特に大切なポイントは、以下の通りです。
大切なことは、あなた自身と生まれてくるお子さんを守り、安心して働き続けられる環境を整えることです。
それは業務の負担はもちろんですが、精神的な面でもです。伝え方や態度を間違ってしまい、同僚の保育士などに「妊娠を理由に楽をしている」なんて思われてしまっても、自分への負担が多くなってしまうかもしれません。
ただ、保育園によっては様々な文化などがあると思うので、一様に正しいやり方はないかもしれません。
保育園内で妊娠・出産の前例があるような場合には、その保育士に相談してみるのが良いと思います。
この記事を参考に、勇気を持って一歩を踏み出し、安心して妊娠期間を過ごしてください。
よくある質問(FAQ)
- Q保育士が妊娠を保育園に伝えるタイミングは、いつが最も適切ですか?
- A
ご自身とお腹のお子さんの健康を最優先に考えて、体調の変化を感じ始めたら早めに報告を検討しましょう。
一般的には、心拍確認後の妊娠5〜10週頃が良いとされています。
この時期であれば、つわりなどの体調不良時に周囲の配慮を受けやすく、保育園も業務調整や人員配置を計画する時間を十分に確保できます。
もちろん、妊娠安定期とされる妊娠12週以降に伝えることも可能ですが、ご自身の体調や妊娠初期の状況に応じて、無理のない最適なタイミングを選ぶことが大切です。
- Q保育士が妊娠した際、誰に最初に報告すれば良いですか?
- A
保育士が妊娠した際に最初に報告すべき相手は、園長や主任など、あなたの直属の上司です。
個別に時間を取ってもらい、落ち着いて話せる場所を選びましょう。
親しい同僚に先に伝えたい気持ちもあるかもしれませんが、人づてに妊娠の事実が伝わることは避け、ご自身の口から直接伝えることで、円滑なコミュニケーションを図り、保育園からのサポートも受けやすくなります。
同僚や保護者へは、上司と相談した上で適切なタイミングで伝えていくのが望ましいでしょう。
- Q保育園に妊娠を報告する際、具体的にどのような内容を伝えれば良いですか?
- A
妊娠を保育園に報告する際には、まず「この度、妊娠いたしました」と簡潔に事実を伝えます。
続けて、出産予定日や現在の体調、今後予測される業務への影響(つわりなど)、そして業務で配慮してほしい具体的な希望(重い物を持つ作業の軽減や休憩時間の確保など)を伝えるようにしましょう。
ご自身がお腹の赤ちゃんを守るために、どのようなサポートが必要かを明確に伝えることが大切です。
また、保育士としての産休や育休の希望時期についても、おおまかに伝えることで、保育園が今後の計画を立てやすくなります。
- Q妊娠中の保育士は、どのような業務内容の変更や配慮を求めることができますか?
- A
妊娠中の保育士は、労働基準法に基づき、母体と胎児を守るための様々な配慮を保育園に求めることができます。
例えば、医師の指導に基づき、長時間の立ち仕事、抱っこやおんぶ、重い物の持ち運び、高所での作業といった身体的負担の大きい業務の軽減を依頼できます。
通勤時のラッシュアワーの混雑を避けるための時差出勤、残業や休日出勤の制限なども相談が可能です。
ご自身の体調や、お腹の子どもを守るために必要な配慮は、遠慮せずに保育園に申し出てみましょう。
- Q保育士の産前産後休業や育児休業は、どのような制度ですか?
- A
保育士の産前産後休業は、出産予定日の6週間前から出産後8週間まで取得できる法定の制度です。
この期間は、雇用形態や勤続年数に関わらず全ての労働者が取得することができます。
また、育児休業は、原則として子どもが1歳になるまで取得でき、特定の条件を満たせば延長も可能です。
これらの休業制度は、保育士として安心して出産や育児に専念できるように法律で定められています。
休業期間中の給与については手当が支給される場合が多く、保育士宿舎借り上げ制度も継続して利用できることが多いです。
- Q妊娠を理由に、保育園から不当な扱いを受ける心配はありますか?
- A
法律上、妊娠や出産を理由に労働者を不当に扱うことは禁止されていますので、過度な心配はいりません。
例えば、妊娠を理由にパートへの切り替えを強制したり、退職を促したり、次の契約を更新しないといった行為は違法になります。
もしそのようなトラブルが発生した場合は、適切な機関に相談できるよう準備しておくと良いでしょう。
ほとんどの保育園は法律を遵守し、妊娠中の保育士が必要なサポートを受けられるよう配慮してくれます。
大切なのは、ご自身の権利を理解し、不安がある場合はためらわずに相談することです。