日々の仕事が忙しいと感じている保育士の皆様。
- 保育士って忙しいの?
- 他の保育園も忙しいの?自分だけ?
激務多忙で保育士を辞めたいなと思っている方もいるかもれません。これから保育士として働きたいなと考えている方にとっても保育士の仕事の忙しさというのは気になる部分かと思います。そのような方向けに保育士の仕事が忙しくなってしまう理由と激務や多忙の対処方法を考察しています。
保育園で働く保育士がすべて忙しいというわけではなく、忙しい人もいれば、忙しくない人もいます。もし忙しいという状況を抜け出したいのであれば、働く保育園を変えるという選択肢も必要かもしれません。
複数回の転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士の仕事は忙しい?
結論を言うと保育士の仕事が忙しいかどうかは、保育園によっても異なりますし、個人によっても異なります。なので、保育園で働く保育士がすべて忙しいというわけではなく、忙しい人もいれば、忙しくない人もいると思います。
残業時間という部分だけに焦点を当てると、保育士の残業時間は国の統計上は多いとは言えません。ただし、統計にはサービス残業や持ち帰りの残業の時間は含まれていないです。
不可能ですが、まったく同じ条件で労働をしたとしても忙しいという感じ方は人それぞれなので、尚更、「保育士 = 忙しい」と決めつけることは出来ないです。ですが、ネット上では保育士は忙しいと感じている人が少なからずいるのは事実だと思います。
保育士の仕事が忙しい原因や理由
保育園で働く保育士がすべて忙しいというわけではなく、忙しい人もいれば、忙しくない人もいると書きました。ですが、やはりネット上などの意見を見ると忙しいと感じている人が少なからずいます。保育士の仕事が忙しいと言われる原因についてを考察してみます。
書類仕事が多い
保育士の仕事で意外に多いのが、書類に関する仕事です。日誌、個人記録、指導要録、お便り、行事の企画書など様々です。
ただし、保育園の開園時間は12〜13時間ととても長く、保育士が勤務中に子どもがいない時間というのが少ないです。保育士の人数が十分足りている保育園であれば、誰かが子どもの保育をしているあいだに、他のだれかが書類などをすすめるということが可能です。ですが、保育士が不足している保育園だとそうはいかないです。結果的に、残業時間に書類仕事を終わらせたり、家に持ち帰っての仕事になる場合もあります・保育士の休憩(昼休み)が書類仕事をする時間になってしまっているというケースもあります。
行事の準備が多い
保育園では、毎年毎月様々な行事があります。そのための準備ももちろん保育士が行います。既に日々の保育で手いっぱいの状況下で行事の準備も行わなければいけないので、忙しさに拍車がかかることになります。
書類仕事の場合と同様に、保育士が保育から一定時間離れて別の仕事(書類や行事の準備)をする時間が取れている保育園であれば良いですが、そうでない場合は、残業や持ち帰りでカバーしなければ行けなくなります。このことが保育士の日々の仕事を忙しくさせている原因になっています。
ピアノや手遊びなどの練習も必要
持ち帰りの仕事とは少し違うかもしれませんが、日々の保育や行事で必要なピアノの練習などは、別途自宅等で行わなければいけないこともあります。私自身もそうですが、ピアノが得意というわけではないので、行事なので担当になった場合は、必ず自宅での練習が必要になります。これが睡眠時間を削り、体力の回復を妨げてしまう要因になることもあります。
仕事の範囲が増えている
書類の仕事、保護者の対応など保育士が要求されることは増えていると感じます。また、これは自体は良いことですが、保育園の安全面に関してもますます厳しくなっています。一方で、保育士の配置基準が変わっているわけではなく、保育士の負担は増加しています。
もちろん、保育業界の変化に合わせて、業務を効率化している保育園もたくさんあると思いますが、反対に、古いやり方に固執している保育園もあります。それは、その保育園が悪いと言われればそれまでですが、そのような保育園が少なからずあるのは事実です。保育士の仕事量が増えているにもかかわらず、保育園で働く保育士の人数は増えていないので、保育士の仕事はますます忙しくなっていると言えると思います。
忙しい保育士が陥ってしまう悪影響
ここからは、忙しい保育士が陥ってしまう悪影響について解説します。
残業代が出ないサービス残業が発生する場合もある
行事の準備や書類仕事など、保育士が忙しいという原因は様々ありますが、それに伴って発生する可能性があるのがサービス残業です。
サービス残業があるかどうかはは園によると思いますが、保育園での仕事では、適切に残業代が支払われずに残業をしなければいけないサービス残業が発生することがあります。残業代がきちんと支払われていないということは、単にその時給分を保育士が損をしているということだけにとどまる問題でもないです。サービス残業で保育士が仕事をするということは、保育園は追加のコストを掛ける必要がないということです。保育園は損をしないので、保育士の働き方や業務効率を改善しようという意識がなくなってしまいます。
家での持ち帰りの仕事がある場合ある
終わらなかった書類の仕事や行事の計画や準備などを家に持ち帰って仕事をした経験がある保育士の方は多いと思います。持ち帰りの仕事は本来はれっきとした残業になるので、給料が支払われるべきですが、そうではない保育園もあります。
家でも仕事をしているということは、休まる時間が少なくなるということなので、保育士が忙しくて大変という状況をより厳しいものにします。もし、それにより十分な睡眠を取れなかった場合は、翌日の仕事に影響が出ます。そうなると効率も悪くなってしまい、また家での仕事が増えるということ悪循環に陥ってしまいます。また、給料が支払われていないのに仕事をしているという状態は精神的にもダメージがあります。
保育士の仕事が忙しくなってしまう根本的な原因や理由
前項で、保育士の仕事が忙しくなってしまう原因を考えましたが、保育士の仕事が忙しいことの根本的な原因について考察しています。
配置基準が足りていない
保育園には、国が定めている保育士の配置基準というものが存在します。概ね保育士一人あたり何人の何歳児の子どもを担当するという基準になります。
年齢 | 保育士1人あたりの保育人数 |
---|---|
0歳児 | 3人 |
1~2歳児 | 6人 |
3歳児 | 20人 |
4歳児以上 | 30人 |
保育園としては、この基準を満たす人数の保育士を常時勤務させていれば良いということになります。ですが、よく言われているのがそもそもこの基準が働く保育士にとって厳しすぎるというものです。
例えば、この基準だと、1歳児6人に保育士一人がつけば良いということになります。私としては、この基準通りだと保育士がまったく足りないように感じます。そもそも1歳児と2歳児が同じ基準というのも、あまり納得がいくものでは有りません。
ですが、これが国が定める基準なので、保育園としては最低限としてこの基準を満たすという考えになります。もちろん、この基準を上回って配置している保育園もあります。ですが、すべての保育園でそれできているわけではありません。
保育士が足りていない
前述した保育士の配置基準に対して余裕を持った配置をしたいという保育園は多いと思います。それが保育士の働きやすさを向上させ、強いては保育士の離職などを防ぐことに繋がるためです。ですが、昨今は保育士不足なので、余裕を持った保育士の採用も難しい状況があります。
また、保育士不足ということは、保育士の資格を持っていれば保育士として働ける可能性が高いということです。例えば、未経験の保育士でも採用されやすいという状況です。未経験であることが悪いということでは決して有りませんが、若手ばかりで構成されていてしっかりとした教育がなされていない保育園もあると思います。しっかりとしたスキルを伴わない保育士が同僚にいるということは、その分を他の誰かがカバーする必要が出てくると思います。そういった背景も、保育士一人ひとりの負担を増加させている原因になっていると感じています。
業務改善が足りていない
保育園によっては、非効率な昔のやり方を変えずに踏襲してしまっていたり、書類仕事に関してもIT技術などの利用に消極的な場合もあります。
根本的にはお金の問題
国が十分に保育園にお金をかけるという姿勢であれば、保育士の待遇は良くなり保育士を辞めてしまう保育士も少なくなります。また、保育園もより多くの保育士を雇用できるので、保育士ひとりあたりの負担は減らすことができます。
保育士が激務で忙しい、多忙の場合の対処法
それでは、保育士が激務で忙しい、多忙という場合の対処法について紹介します。
日々の仕事を効率化する
保育士が激務で忙しい、多忙という場合にまずやれることは、日々の仕事を効率化することです。
例えば、書類仕事を効率的にこなす方法を考えたり、日々の業務の中で無駄だなと思う部分を改善していくということです。こればっかりは、これをすれば良くなるという方法があるわけではありません。個々の保育園、保育士の状況によってできること、効果のあることが全く異なると思います。
また、自分ひとりでできることもあれば、同僚を巻き込まないとできないこともあると思います。簡単ではないですが、自分が同じ環境でより楽に働くためには必要なことです。
仕事を持ち帰らない
先にも言ったように、保育士が仕事を持ち帰って終わらせることで、保育園は必要な仕事に対してコストをかける必要がなくなります。つまり「この人数がいれば大丈夫」という考えになります。つまり、その仕事量が多いという状況が今後解決される見込みが薄くなってしまいます。
逆に、仕事を持ち帰らない場合、今まで通りの業務を進めようとすると、保育士の残業が増えたり、今まで終わっていたはずの仕事が終わらないという状況になります。残業代や保育士を追加で雇用するというこは保育園にとっては追加のコストなので、どうにか仕事量や残業を抑制しようと考えだすかもしれません。そのことが、保育士の激務を改善するきっかけにつながります。
ただし、保育園の方針や雰囲気によっては、仕事を持ち帰ることが当たり前・半ば強制されてしまうという場合もあるかと思います。仕事を持ち帰らないなんて無理というような場合は、転職をすることを検討したほうが良いかもしれません。
残業は保育園で行う
そんなことができたら苦労をしないというようなブラックな保育園に勤めているという方もいらっしゃるかもしれませんが、できる限り残業は保育園で行うということが重要です。
もし、家に持ち帰って仕事をしてしまっているという場合は、1分でも多く保育園で残業として仕事をし、1分でも多く、残業時間として記録、申請するということが大切です。
国によって運営費がほぼ決まっている保育園にとって、割増賃金を支払う必要がある保育士の残業時間というのは、運営していく上で死活問題になります。保育士のサービス残業がどれだけ増えたとしても、保育園の経営者にとって痛くも痒くもありませんが、賃金を支払う残業時間が増えるということは、保育園の利益が減っていくということになります。
つまり、少しでも多く残業時間として申請することができれば、保育園としても、なんらかの改善をせざるを得なくなくということになります。
諦めることも大切
保育士が精神的にも肉体的にも追い込まれてしまっている場合は、諦めるということも大切です。
- ピアノの練習を放棄する
- 行事の準備を放棄する
- 書類仕事の完了を放棄する
- 休暇を取る
ピアノがきちんと弾けなかった、期限のある書類が遅延したとしても、園児が怪我をしてしまうわけではありません。自分自身の体も大切なので、出来ないことは潔く諦めてしまいましょう。
精神的、肉体的な症状が出ている場合は病院
保育園での仕事が忙しすぎて、夜眠れなかったり、朝起きれなかったり、また、体調に異変などが生じてしまっている場合は、病院等の医療機関を受診するようにしましょう。
労働関係の相談は労働基準監督署へ
サービス残業や持ち帰りの仕事、休憩時間が適切に取れていないなどの労働関係のトラブルが発生してしまっている場合は、労働基準監督署に相談することが有効です。労働基準監督署には、総合労働相談コーナーという相談窓口が用意されていて、「無料・予約不要・秘密厳守」で相談が可能です。
認可保育園の場合は役所への相談も有効
認可保育園は都道府県や市区町村等の自治体から認可を受けて、運営費として補助金を貰って運営しています。そのため、認可保育園の労働問題は役所の保育課等に相談することで、解決に繋がっていく可能性があります。認可保育園ではなくても、自治体から補助を受けている認可外保育施設などでも、役所に相談をするということが有効な場合もあります。
ただし、勤務している保育園がブラックです、サービス残業させられています、という相談だと、役所としては労働基準監督署等に相談してくださいということでたらい回しにさせられてしまう可能性があります。
そうではなく、
- 園児の個人情報が書かれている書類を家に持ち帰って仕事させられていて、紛失のリスクがある
- サービス残業が多すぎて、日中の保育に集中できておらず、園児に危険が及ぶ可能性がある
というように、あくまでも保育園がブラックであること自体への相談ではなく、そのことによって起きる可能性がある、主に利用者である園児や保護者へのリスクに繋がる問題として相談することが有効です。
まとめ:最終的には転職を考える/働く保育園を変える
最終的には、働く保育園を変えるということが有効です。保育士が激務で忙しい、多忙という場合の対処法は、保育士一人の力だけでは、改善できない部分もあります。そういう場合には、より良い環境に転職をすることが保育士が多忙を抜け出す一つの手段になります。保育士が効率的に働くことができるような環境の保育園に就業することができれば、忙しいという状況から抜け出すことができます。
現在就業中の保育園が無駄が多く、それを改善する意識が低いようであれば、転職を考えたほうが良いかもしれません。
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