保育園で働く保育士に皆様。これから退職を考えている保育士の皆様。
このような方もいらっしゃるかも知れません。今回は、ブラック保育園が保育士を辞めさせない手口と、そのような退職を辞めさせる手口に出会った場合の対処法について紹介します。ブラック保育園の手口と対処法をよく理解していれば、退職することを怖がる必要はありません。
ブラック園に勤務した経験があります
複数回の退職経験があります
その経験が参考になればと思います
ブラック保育園が保育士を辞めさせない手口
まずはよくあるブラック保育園が保育士を辞めさせない手口について紹介します。
- 法外な就業規則等を盾にする
- 損害賠償等の脅しをする
- 代わりを探せと言われる
- 代わりが見つかるまで働いてほしいと頼む
- 嘘の説得を試みる
- 嘘の口約束をする
- 退職届けを受理しない・無視する
- 泣き落としをする
これらについて詳細を説明します。
法外な就業規則等や社内ルールを盾にする
一部のブラック保育園は、法外な就業規則や会社独自のルールを盾にして、保育士が退職することを阻止しようとします。
例えば、
- 退職の半年前に言わないと退職できない
- 年度末以外は退職できない
- ◯年間の雇用契約は義務
- 就業規則に書かれている
- 退職理由が納得できるものではない
というものです。就業規則や会社独自のルールなどを持ち出してきて、辞めさせないようにします。あまり、法律やルールに詳しくない人だと、保育園が言っているなら従わなければいけないと感じてしまうこともあります。
損害賠償等の脅しをする
保育士が退職を切り出したときに、損害賠償等の脅しをするのもブラック保育園がよくやる、ブラック保育園が保育士を辞めさせない手口の一つです。「今辞めたら損害賠償を請求させてもらう」 という風に、脅しをかけることで退職するうことを思いとどまらせようというものになります。
代わりを探せと言われる
退職する場合は、代わりの保育士を自分で探せというのもブラック保育園あるあるです。
保育園は、園児の定員や状況などによって必要な保育士の人数が決まるので、誰かが辞めれば、即時に、新しい保育士を追加で雇用する必要があります。退職して足りなくなった保育士を退職する本人が埋めろという理論です。
代わりが見つかるまで働いてほしいと頼む
前項で書いた「代わりを探せと言われる」というのと同じで、保育園は、園児の定員や状況などによって必要な保育士の人数が決まるので、誰かが辞めれば、即時に、新しい保育士を追加で雇用する必要があります。
そのことを逆手に取って、退職することを辞めさせたり、退職の時期を引き伸ばしたいという思惑です。もし、これを了承した場合は、実際に新しい保育士を募集しはじめることもあれば、特に新しい保育士を募集しようとせずにズルズルと続けさせるということもあります。
嘘の説得を試みる
- あなたは他の保育園では通用しない
- 今の時期に転職なんてできない
というように、退職する保育士の実力やスキルなどに悪口を言うことで、退職を思いとどまらせようとするというのもブラック保育園がよくやる退職を思いとどまらせる手口の一つです。
嘘の口約束をする
ブラック保育園は、
- 来年は改善する
- 来年は昇給する
- 来年は希望のクラスにする
というように、保育士が辞める理由に対して、嘘の口約束をして保育士を辞めさせないようにします。
当然ですが、このようなただの口約束は、保育園側が絶対に守らなければいけないわけでもなく、実際に退職を思いとどまったら、忘れられてしまうということが多いです。
口約束の時点で基本的には、信頼に値しないですが、嘘かどうかの判断基準は、今日からでもできることかどうかというのが一つのポイントになるでしょう。本当に、改善する気があるのであれば、明日からでも改善すれば良いはずです。
退職届けを受理しない・無視する
保育士が提出した退職届を受理しなかったり、無視するというのも、ブラック保育園が保育士を辞めさせない手口の一例です。
実際のところ退職の手続きは、保育園内部だけの問題ではなく、厚生年金、社会保険、雇用保険などの外部の機関との手続きもたくさんあります。それらの手続きは、保育士を雇用している保育園が実施していく必要があります。保育士が、退職届けを出したとしても、保育園が受理しなかったり、無視をすれば、それらの手続きは進まないことになります。
そうやって退職を諦めさせるという作戦になります。
泣き落としをする
ブラック保育園としても、保育士を辞めさせないための最終手段になるのが、「泣き落とし」作戦になります。実際に泣くかどうかは別ですが、感情的になってあれこれ引き止めることで、退職を思いとどまらせようという作戦になります。
保育士が辞めさせない手口にあった場合の対処法
ここからは、保育士が辞めさせない手口にあった場合の対処法について紹介します。
勤めている園がブラック保育園で、先程紹介したような、保育士を辞めさせない手口を使ってきた場合に、保育士ができることは無視して退職するということです。
保育士は保育園を自分の意思で辞めることができます。
2週間前の申し出で退職できる
正職員保育士のような、期間の定めなく勤めている従業員は、保育園に対して2週間前の申し出をするおことで、確実に退職することができます。これは民法で認められた権利になります。
民法627条1項(期間の定めのない雇用の解約の申し入れ)
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申し入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申し入れの日から二週間を経過することによって終了する。
先程も書いたように、ブラック保育園は、法外な就業規則等を盾にして退職を阻止します。就業規則に書いてあれば、なんでも許されるのであれば、「従業員は死ぬまで退職してはいけない」なんてルールも作れてしまいますよね。就業規則に退職の条件を書いたとしても、法律が優先されるので、2週間前の申し出で退職することができます。
保育士の退職に「理由」は必要ない
ブラック保育園は、納得できる理由がないと退職できないというように、退職を阻止する場合もありますが、退職にきちんとした理由は必要ありません。前項でも書いたように、2週間前の申し出でいつでも退職することができます。 そのため、退職理由は、伝える必要もなければ、そもそも理由がなくても退職することができます。
賠償金を払う義務はない
保育士が単に退職をするということにおいて、賠償金を支払わなければいけないというような義務はありません。あくまでもブラック保育園は脅しとして賠償金を請求すると言っているだけなので、真に受ける必要はありません。
退職した保育士の代わりを見つけるのは保育園の責務
保育士が、2週間前の申し出で退職できる以上、退職した保育士の代わりを見つけるのは、保育園のやるべきことで、保育士が考えることではありません。当然ですが、辞める保育士が辞めたあとの保育園のお世話までする必要はありません。
最終手段は退職代行を利用する
本当のブラック保育園は、そもそも法律なんて無視をするので、退職をしようとしても退職の手続きを進めないようにする可能性があります。
実際のところ、退職に関しては、園長等の園の管理者に対して退職の意思表示ができていれば、問題ありません。つまり、退職届を目の前で破かれたとしても、意思は伝わっているので、退職をすることができます。そのため、どんなに抵抗されたとしても2週間後の退職日に出勤をしなければ、それで良いわけです。
ただ、退職の手続きがきちんと進まないことは、保育園だけの話ではなく、厚生年金、社会保険、雇用保険などの様々な外部の期間の手続きにも問題が生じます。もし、退職後に転職を考えているような場合は、これらの手続きが進んでいないと問題になる場合もあります。
もし、このような場合は、退職代行を利用してきちんと手続きを進めてもらうというのも最終手段になるでしょう。
まとめ:ブラック保育園が保育士を辞めさせない手口と対処法
今回は、ブラック保育園が保育士を辞めさせない手口と、そのような退職を辞めさせる手口に出会った場合の対処法について紹介します。
ブラック保育園のよくある保育士を辞めさせない手口は以下になります。
- 法外な就業規則等を盾にする
- 損害賠償等の脅しをする
- 代わりを探せと言われる
- 代わりが見つかるまで働いてほしいと頼む
- 嘘の説得を試みる
- 嘘の口約束をする
- 退職届けを受理しない・無視する
- 泣き落としをする
このような保育士を辞めさせない手口の対処法は、
2週間前に退職を申し出ることです。保育士は保育園を自分の意思で辞めることができます。 対処法もなにも、辞めることができるので、辞めれば良いだけです。
保育士の退職に「理由」は必要はなく、
賠償金を払う義務もありません、
また、退職した保育士の代わりを見つけるのは保育園の責務です。
ブラック保育園の手口と対処法をよく理解していれば、退職することを怖がる必要はありません。