目次 | 内容 |
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毎日やる書類仕事一覧 | ・受け入れ時の記録、出席簿:子どもの登降園時間や保護者からの伝達事項を記録し、情報共有 ・連絡帳記入:保護者と保育士間で子どもの様子や体調、連絡事項などを日々共有 ・午睡チェック表:午睡中の子どもの体調を5分〜10分おきに確認・記録、安全確保 ・日誌:その日のクラスの活動内容や天気、出欠席を詳細に記録。0歳児は個々の様子も記載 ・外傷記録:怪我や事故が発生した場合に、状況、内容、処置方法を記入 |
毎月、毎週、毎年単位の書類仕事一覧 | ・年間カリキュラム:年度初めに1年間の目標、ねらい、各教育項目などを計画 ・月案:毎月のクラス目標や個人の目標、保育内容、保護者支援などを記入、月末に反省も記載 ・週案:毎週の活動予定、目標、ねらいを簡潔にまとめたもの ・毎月の個人記録(乳児):個人の成長状況、課題、保育者の関わりを毎月詳細に記録 ・3ヶ月に1度の個人記録(幼児):3ヶ月ごとの成長記録、事前にメモを活用し記入を効率化 ・小学校へ提出する指導要録(幼児):年長児が小学校に進学する際に、園での様子を伝えるための書類 ・お便り:季節の話題、活動の様子、次月の予定、誕生日の子など、保護者へ向けて園の情報を共有 |
その時々に応じて記載する書類仕事の一覧 | ・ヒヤリハット:保育中に危険を感じた出来事を記録し、他の職員と共有、事故防止 ・各行事の企画案:担当する行事の目的、内容、準備、役割などをまとめた計画書 ・職員会議議事録:毎月の職員会議での議論内容や決定事項を記録、職員全体での情報共有 |
書類は主任保育士、園長に承認を得る | ・作成した書類はすべて主任保育士や園長に提出し、内容の承認を得る ・不備や修正点がある場合は指示に従って再提出、改善を図る ・慣れないうちは、他の保育士に事前に内容を確認してもらい、アドバイスを受ける場合も |
IT化できている書類は? | ・保育園の書類仕事は手書き作業が多く、IT化は一部のみの現状 ・費用や職員のITスキルがIT化推進の課題 ・出席簿:保護者がアプリやタブレットで子どもの登降園時間などを直接入力 ・個人記録:出席簿と同じアプリを利用し、パソコンやタブレットから個人の記録を入力 ・その他行事資料:企画書などの作成にはパソコンを活用 |
書類仕事で気をつけていること | ・書類仕事は量が多く多岐にわたるため、午睡時間などの限られた時間に集中して行う ・他の職員や保護者も読むため、丁寧な字でわかりやすく記入する ・園によっては書類作成のため、保育時間中に持ち場を離れる「ノンコンタクトタイム」を設ける場合も ・時間内に作業を終える工夫と集中力、効率的な進め方が重要 |
まとめ | ・保育士の書類仕事は多岐にわたり、日々、毎月、毎年、その都度作成する書類がある ・IT化は一部進んでいるが、手書き作業が多く、業務効率化に課題が残る ・限られた時間内での書類作成には集中力が求められ、持ち帰り残業につながる場合も |
よくある質問(FAQ) | 「大変」「やりたくない」と感じる理由 ・圧倒的な業務量の多さや手書き作業の非効率性 ・保育時間中の書類作成時間が不足し、持ち帰りやサービス残業が常態化 ・保育士のストレス原因となり、本質的な保育業務への集中を妨げる負担 IT化されているシステムやツール ・園児管理や登降園管理システムの導入 ・保護者との情報共有をスムーズにする連絡帳アプリや欠席連絡機能 ・月案や週案などの保育計画作成支援システム、テンプレート提供や自動生成補助 IT化による負担軽減 ・登降園管理や連絡帳のデジタル化で、手書きや口頭の手間を軽減 ・しかし、まだ手書き書類が多く、ITリテラシー格差やシステム連携不足が課題 IT化推進の課題と解決策 ・高額なシステム導入・運用コスト、職員間のITリテラシー格差、既存システムとの連携不足 ・解決策:補助金活用、職員向けIT研修、統合型プラットフォーム検討、電子化促進 手書き作業を減らす工夫 ・可能な範囲での書類フォーマット簡素化、記載情報量の削減 ・デジタルツールへの入力移行、共有テンプレートの活用 ・日々の記録をデジタルメモ化し、清書時間の削減 将来の書類業務の変化 ・AI活用による日誌や計画書の自動生成、記録内容提案 ・音声入力システムの普及、手書き・タイピングの手間を大幅削減 ・園児管理から連絡帳までを一元管理する統合型ICTプラットフォームの発展 |
- 保育士の書類仕事にはどんな物がある?
- 保育士の書類仕事のIT化の現状はどうなっている?
保育士の仕事には、子どもと向き合う時間だけでなく、多くの書類業務があります。他の保育園の書類関連の仕事内容がどのようになっているか気になったことはありませんか。保育園では書類関連の仕事はとても多いです。
この記事では、保育園で実際に作成する書類仕事の種類と、そのIT化の現状について、私の経験を交えて詳しくご紹介します。

書類仕事が多すぎて、毎日時間との戦いです。他の園ではどうなっているのでしょうか?

現場の具体的な書類仕事やIT化の現状を知ることで、今後の働き方について考えるきっかけになります。
その経験が参考になればと思います
毎日やる書類仕事一覧
まずはほとんど毎日行う書類仕事について紹介します。
①受け入れ時の子どもの様子等記入する書類、出席簿のようなもの
園によって様々な書式があると思いますが、クラス別に個人の名前が書かれたものがあり、そこに登降園の時間や、受け入れ時に保護者から言われたことをメモしたり、昨日からの伝達事項が書いてあったりします。
保育園はシフト制のため、必ず担任が受け入れや帰りの時間に立ち会うことはありません。そのため、伝達漏れがなくなるよう、こういうものが用意されています。
早朝と帰りの延長の時間は特に、全クラスが一緒になって保育することが多いため、その子に伝達がないかどうかしっかり伝達ボードを見て確認しなければいけません。
②連絡帳記入
保護者と保育士が日々の子どもの様子や体温、家での食事などを記入してもらい、保育園でのその日の様子、持ってきてほしいものなどをここに記入していきます。
乳児は全員毎日ありますが、幼児は毎日使うことはなく、相談事などを記入してきたりしています。
③午睡チェック表
保育園は、朝から夕方まで子どもを預かるため、午睡があります。午睡の時間は、大体食事後12時半〜13時頃に寝かしつけに入り、15時頃までです。
幼児になると、小学校進学に向けて、午睡時間を減らしたり、午睡をなくすこともあります。 午睡は特に乳児期はとても大切な睡眠です。眠っている間、保育士は別の仕事をして少し目を離します。
しかし、眠っている間に体調が悪くなったり、0歳児は特に、自分で寝返りが打てないと、よくニュースでもある突然死につながってしまうこともあります。眠っている間も時間を決めてしっかりと様子を見るためにこの午睡チェック表というものがあります。
個々の名前と時間があり、チェックをしたらその先生がハンコを押していくというもので、0歳児は5分おきに、1歳児からは10分おきなどにチェックしています。
保育園は開園した時間から閉園時間まで常に子どもがいます。そのため、書類仕事や他の準備をする時間があまりありません。なので、この午睡の時間はとても大切な時間で休憩も取りながら書類やその他の準備をしています。
④日誌
各クラス、その日にやったこと、天気、その日の様子等を詳しく書くものです。また、出欠席も記入します。あとで見返してわかるように、どのような内容でどういう活動をしたかを詳しく書いていきます。
0歳児は書式が特に違って、個々の名前があり、午睡の時間やミルクを飲んだ量と時間など個々の様子を書いていきます。0歳児は特に書類仕事が多い印象があります。
⑤外傷記録等
これは、その日に怪我や事故等があれば記入します。もちろん、なければ作成する必要はありませんが、どうしても怪我が起きてしまった時は、起きた時の様子や内容、処置の仕方を記入して提出しています。
毎月、毎週、毎年単位の書類仕事一覧
①年間カリキュラム
年間カリキュラムは年度初めの4月に完成させまます。
1年間の目標、ねらい、各項目(養護と教育、健康、人間関係、環境、言葉、表現)保護者支援、保育士との連携、食育、等々の項目別に、4〜6月、7〜9月、10〜12月、1〜3月の4期に分けて記入していきます。
記入欄が多く、でも項目別に分かれてると狭いところに入れなくてはならず、毎度苦戦しますが。。これはうちの園は手書きで毎年行っています。。
②月案
毎月、各クラスの月の目標とねらい、乳児は個人の名前があり、個人の目標とそれに対する保育者のかかわり、食育、保護者支援、保育士の連携などを記入していきます。
月の終わりには反省を書く欄もあり、これを毎月手書きで書くのはかなり大変です。でも、複数担任の場合は交代で書けるので少し余裕が出ますが、前月にどんなことを書いていたかはしっかり確認する必要がありますね。
月案は毎月提出します。次の月になる前に書き終えておく必要があります。
③週案
毎週その日に何をするかの予定と、週の目標、ねらいを記入します。うちの園は日誌とセットになっていて、書く欄はあまり多くはなく、
- その日の予定
- 散歩(〇〇公園)
- こいのぼり製作
など書けばいいのでそこまで大変ではありません。もちろん、天気などで予定通りにいかないことも多くあります。
④毎月の個人記録(乳児)
乳児は毎月、個人の記録を記入していきます。項目は年間カリキュラムと同じようなもので、項目ごとの個人の様子、できることやできないこと、今後の課題などを書いています。
手書きで書いているところもあれば、パソコンなどで書いているところもあります。乳児は毎月書かなければいけないのが大変なところです。
⑤3ヶ月に1度の個人記録(幼児)
幼児は3ヶ月に1度、個人記録を記入します。項目は年間カリキュラムと同じで、項目ごとの様子を書いています。前回の様子も読みながら書いていく必要があります。
3ヶ月に一度のため、様子を忘れてしまわないように、気づいたことは都度メモをしたり、まとめておくと、記入しやすくなると思います。
⑥小学校へ提出する指導要録(幼児)
年長の最後は各小学校に提出する指導要録を記入しています。これは、園や学校によって書式が違うとは思いますが、進学に向けてこれはどうしても伝えなければと思うことは必ず書いたり、電話で直接学校の先生と話をしたりします。
伝えたいことはしっかりまとめておくといいと思います。
⑦お便り
保護者向けに保育園のお便りになります。お便りは各クラスでも出していたり、園全体でも出しています。
- 季節の話題
- その月の様子
- 次の月の予定
- 誕生日の子ども
- 今月の歌
- 子どもが写っている写真を入れる(行事など)
- お知らせやお願い
- 保育園で流行っていること
手書きで、カラーでカラフルなものを作成しています。レイアウトやイラストの切り貼りなどが楽しい作業になります。
園全体は順番に割り振ります、各クラスのものは担任などが作成します。
その時々に応じて記載する書類仕事の一覧
続いては、その時々に応じて記載する書類仕事の一覧になります。
①ヒヤリハット
ヒヤリハットとは、保育中に、子どもの様子の中で、ひやっとしたことや、はっ!としたことという意味です。
例としては、
- 散歩中、急に手を離して走り出し自転車にぶつかりそうになり、ひやっとした。
などになります。
ヒヤリハットは毎月必ず一つ出しましょうなどという園もありますが、気づいたことは他の先生と共有するため、ヒヤリハットを提出しています。次回以降の同様の事故防止にも繋がります。
②各行事の企画案
行事は色々ありますが、担当になった行事の企画案を作成し、提出します。全員に配布したりするので、わかりやすくまとめた書類を作ることが大切です。
私の園の場合は、行事は年3つくらいを一人の保育士が担当するので、それぞれの企画案を作成する必要があります。
③職員会議議事録
毎月ある職員会議は、順番にその時に話し合ったことなどをまとめて記入する人がいます。会議中に記入したり、あとでまとめて記入して、提出し、全員閲覧できるようにします。
書類は主任保育士、園長に承認を得る
書類は基本的にすべて、主任保育士、園長にそれぞれ承認を得ます。ここでダメ出し等があれば、修正して再提出することになります。
慣れないころは、主任保育士に見せる前に、他の保育士にチェックしてもらったりしていました。
IT化できている書類は?
IT化できている書類仕事はあまり多くありません。やはり、保育園はまだまだ手書き、手作業の部分が多くなっています。
IT化を進めるとなれば、保育士個人のITスキルも必要になってきますし、パソコンやタブレットなどの機器もそれなりの数を揃える必要があります。
それなりに費用もかかってくるので、なかなか進まない現状があると思います。
出席簿
保護者が登園した際に記入する出席簿です。これは、アプリを使って行っていて、タブレットを使用し、保護者が登降園した際に自分の子どもの名前を押して時間等を記入しています。
なので、こちらの負担はほとんどなくとても便利ですが、押し忘れる方もいるので、一応登降園の時間は伝達ボードに記入しています。
個人記録
これも、出席簿と同じアプリで個人の記録をパソコンやタブレットから記入できます。
その他行事資料
パソコンなどで行事に関する企画書をまとめたり、作成をしたりしています。
書類仕事で気をつけていること
保育士の書類仕事は見た通り、年間を通して量も多く、毎日行わなければいけないこともたくさんあります。手書きで行う作業もあればパソコンやタブレット等の端末で行う作業もあります。
それを午睡時間中の2時間や3時間で休憩もとって、終わらせるのはとても大変です。効率よくやるためにも、書類を行う時は集中してその日にやることを決め、一度に終わらせてしまうことが大切です。ダラダラとやらないように気をつけています。
また、書類は色々な先生や保護者も読むものがあるので、丁寧な字で書くよう心がけています。
園によっては、子どもの人数を見て保育中に抜ける先生を作り、書類の時間を設けてくれるところもあります。その時間がノンコンタクトタイムという呼び方をします。一方で書類の時間がまったくなく、書類作業が終わらなくなると、持ち帰りや残業なんてこともありえます。初めは大変でもコツをつかんでくれば、できないことはないので、できるだけ時間内に行えるようにしています。
まとめ
この記事では、保育士の皆さんが日々の業務で直面する書類仕事の全貌と、現在のIT化の状況についてお伝えしました。
特に、その業務量の多さと手書き作業がもたらす負担は、保育現場の大きな課題であることが見えてきました。
この記事を通して、保育園における書類業務の現状と課題を具体的にご理解いただけたことと思います。
ご自身の働き方や職場の業務改善を考える上で、ぜひ参考にしてくださいね。
よくある質問(FAQ)
- Q保育士の書類業務が「大変」「やりたくない」と感じる具体的な理由は何ですか?
- A
保育士の書類業務が「大変」「やりたくない」と感じられるのは、いくつかの具体的な理由があります。
まず、圧倒的な業務量の多さが挙げられます。
日々の記録から月ごと、年ごとの計画まで多岐にわたる書類作成に、多くの時間と労力を費やします。
また、保育時間中に書類作成の時間が十分に取れないため、持ち帰り残業やサービス残業が常態化する傾向があります。
特に、連絡帳のように手書きを求められる書類が多く、非効率だと感じる方も少なくありません。
保育士のストレスの原因となり、本質的な保育業務に集中できないことが、大きな負担につながっています。
- Q保育園の書類仕事のIT化は、どのようなシステムやツールが導入されていますか?
- A
保育園の書類仕事のIT化は、園児管理や登降園管理のシステム導入が進む現状があります。
また、保護者との情報共有をスムーズにする保育士 連絡帳 アプリや、欠席・遅刻連絡機能などを持つシステムも普及しています。
さらに、月案や週案といった保育計画作成支援システムも登場し、テンプレートの提供や自動生成の補助で保育士 日誌 効率化を図っています。
これらは保育現場 デジタル化の一環として、事務作業負担軽減を目指し導入されています。
- QIT化やICTシステムの導入で、保育士の書類業務の負担は実際に軽減されていますか?
- A
IT化やICTシステムの導入は、保育士の書類業務負担軽減に一定の効果をもたらしています。
たとえば、登降園管理や連絡帳のデジタル化で、これまで手書きや口頭で行っていた作業の手間が省けます。
しかし、すべての書類がデジタル化されているわけではなく、いまだ手書きの書類も多いのが現状です。
また、新しいシステムを使いこなすためのITリテラシー格差や、複数のシステム間の連携不足が課題となり、かえって業務が複雑になるケースも見られます。
保育現場 ICT 課題はまだ多く、継続的な業務改善が求められます。
- QIT化をさらに進めるために、保育園が直面する課題と、その解決策にはどのようなものがありますか?
- A
IT化をさらに進める上で、保育園が直面する課題はいくつかあります。
主なものとして、高額なシステム導入・運用コスト、職員間のITリテラシー格差、既存システムとの連携不足が挙げられます。
これらの課題を解決するためには、国や自治体による保育園 ICT化 補助金制度を積極的に活用することが大切です。
また、職員向けのIT研修を充実させ、ITに不慣れな職員への継続的なサポート体制を構築します。
複数のシステムを導入する場合は、情報の一元化が可能な統合型プラットフォームを検討し、保育士 書類 電子化を促進することも解決策になります。
- Q手書きの書類作業を減らすために、現場でできる具体的な工夫や提案はありますか?
- A
手書きの保育士 書類 手書き作業を減らすためには、いくつか現場で実践できる具体的な工夫があります。
まず、可能な範囲で書類のフォーマットを簡素化し、手書きで記載する情報量を減らすことを検討します。
次に、デジタルツールを活用し、パソコンやタブレットで入力できるものは移行を進めます。
たとえば、共有のテンプレートを用意し、そこに入力する形式にすると、手書きの保育士 書類減らすことにつながります。
また、日々の記録は気づいた時にすぐにデジタルでメモする習慣をつけ、後でまとめて清書する時間を削減することも大切です。
- Q将来的に、保育士の書類業務はどのように変わっていくと予想されますか?
- A
将来的に、保育士の書類業務は現在よりも大きく変化すると予想しています。
今後は、AIを活用した保育士 書類作成 AIの導入が進み、日誌や計画書のテンプレート自動生成、記録内容の提案などが可能になるでしょう。
音声入力システムの普及も期待され、手書きやタイピングの手間が大幅に軽減されます。
また、園児管理から保育計画、連絡帳までを一元管理できる統合型ICTプラットフォームがさらに発展し、情報共有と記録業務 効率化が図られるでしょう。
保育士の働き方改革 書類業務の削減が進み、子どもと向き合う本質的な時間に集中できる環境が整備されると信じています。