保育士の方やこれから保育士になろうと思っている方。
他の保育園の書類関連の仕事内容がどのようになっているか気になったことはありませんか。保育園では書類関連の仕事はとても多いです。
今回は、保育園での保育士の書類仕事の一覧や書類仕事のIT化の現状についてを紹介します。あくまでも私の勤めている保育園での話になるので、他とは違うところも多いかと思いますが、参考にしてくれると幸いです。
その経験が参考になればと思います
毎日やる書類仕事一覧
まずはほとんど毎日行う書類仕事について紹介します。
①受け入れ時の子どもの様子等記入する書類、出席簿のようなもの
園によって様々な書式があると思いますが、クラス別に個人の名前が書いたものがあり、そこに登降園の時間や、受け入れ時に保護者から言われたことをメモしたり、昨日からの伝達事項が書いてあったりします。
保育園はシフト制のため、必ず担任が受け入れや帰りの時間に立ち会うことはありません。そのため、伝達漏れがなくなるよう、こういうものが用意されています。
早朝と帰りの延長の時間は特に、全クラスが一緒になって保育することが多いため、その子に伝達がないかどうかしっかり伝達ボードを見て確認しなければいけません。
②連絡帳記入
保護者と保育士と日々の子どもの様子や体温、家での食事等を記入してもらったり、保育園でのその日の様子、持ってきて欲しいもの等をここに記入していきます。
乳児は全員毎日ありますが、幼児は毎日使うことはなく、相談事などを書いてきたりしています。
③午睡チェック表
保育園は、朝から夕方まで子どもを預かるため、午睡があります。午睡の時間は大体食事後12時半〜13時頃に寝かしつけに入り、15時頃までです。
幼児になると、小学校進学に向けて、午睡時間を減らしたり、午睡をなくすこともあります。
午睡は特に乳児期はとても大切な睡眠です。眠っている間は保育士は別の仕事をして少し目を離します。
しかし、眠っている間に体調が悪くなったり、0歳児は特に、自分で寝返りが取れないと、よくニュースでもある突然死になってしまいます。眠っている間も時間を決めてしっかりと様子を見るという意味でこの午睡チェック表というものがあります。
個々の名前と時間があり、チェックをしたらその先生がハンコを押していくというもので、0歳児は5分おきに、1歳児からは10分おきなどにチェックしています。
保育園は開園した時間から閉園時間まで常に子どもがいます。そのため、書類仕事や他の準備をする時間があまりありません。なので、この午睡の時間はとても大切な時間で休憩も取りながら書類やその他の準備をしています。
④日誌
各クラス、その日にやったこと、天気、その日の様子等を詳しく書くものです。また、出欠席も記入します。あとで見返してわかるように、どのような内容でどういう活動をしたかを詳しく書いていきます。
0歳児は書式が特に違って、個々の名前があり、午睡の時間やミルクを飲んだ量と時間など個々の様子を書いていきます。0歳児は特に書類仕事が多い印象があります。
⑤外傷記録等
これは、その日に怪我や事故等があれば記入します。もちろん、なければ作成する必要はありませんが、どうしても怪我が起きてしまった時は、起きた時の様子や内容、処置の仕方を記入して提出しています。
毎月、毎週、毎年単位の書類仕事一覧
①年間カリキュラム
年間カリキュラムは年度初めの4月に完成させまます。
1年間の目標、ねらい、各項目(養護と教育、健康、人間関係、環境、言葉、表現)保護者支援、保育士との連携、食育、等々の項目別に、4〜6月、7〜9月、10〜12月、1〜3月の4期に分けて記入していきます。
記入欄が多く、でも項目別に分かれてると狭いところに入れなくてはならず、毎度苦戦しますが。。これはうちの園は手書きで毎年行っています。。
②月案
毎月、各クラスの月の目標とねらい、乳児は個人の名前があり、個人の目標とそれに対する保育者のかかわり、食育、保護者支援、保育士の連携などを記入していきます。
月の終わりには反省を書く欄もあり、これを毎月手書きで書くのはかなり大変です。でも、複数担任の場合は交代で書けるので少し余裕が出ますが、前月にどんなことを書いていたかはしっかり確認する必要がありますね。
月案は毎月提出します。次の月になる前に書き終えておく必要があります。
③週案
毎週その日に何をするかの予定と、週の目標、ねらいを記入します。うちの園は日誌とセットになっていて、書く欄はあまり多くはなく、
- その日の予定
- 散歩(〇〇公園)
- こいのぼり製作
など書けばいいのでそこまで大変ではありません。もちろん、天気などで予定通りにいかないことも多くあります。
④毎月の個人記録(乳児)
乳児は毎月、個人の記録を記入していきます。項目は年間カリキュラムと同じようなもので、項目ごとの個人の様子、できることやできないこと、今後の課題などを書いています。
手書きで書いているところもあれば、パソコンなどで書いているところもあります。乳児は毎月書かなければいけないのが大変なところです。
⑤3ヶ月に1度の個人記録(幼児)
幼児は3ヶ月に1度、個人記録を記入します。項目は年間カリキュラムと同じで、項目ごとの様子を書いています。前回の様子も読みながら書いていく必要があります。
3ヶ月に一度のため、様子を忘れてしまわないように、気づいたことは都度メモをしたり、まとめておくと、記入しやすくなると思います。
⑥小学校へ提出する指導要録(幼児)
年長の最後は各小学校に提出する指導要録を記入しています。これは、園や学校によって書式が違うとは思いますが、進学に向けてこれはどうしても伝えなければと思うことは必ず書いたり、電話で直接学校の先生と話をしたりします。
伝えたいことはしっかりまとめておくといいと思います。
⑦お便り
保護者向けに保育園のお便りになります。お便りは各クラスでも出していたり、園全体でも出しています。
- 季節の話題
- その月の様子
- 次の月の予定
- 誕生日の子ども
- 今月の歌
- 子どもが写っている写真を入れる(行事など)
- お知らせやお願い
- 保育園で流行っていること
手書きで、カラーでカラフルなものを作成しています。レイアウトやイラストの切り貼りなどが楽しい作業になります。
園全体は順番に割り振ります、各クラスのものは担任などが作成します。
その時々に応じて記載する書類仕事の一覧
続いては、その時々に応じて記載する書類仕事の一覧になります。
①ヒヤリハット
ヒヤリハットとは、保育中に、子どもの様子の中で、ひやっとしたことや、はっ!としたことという意味です。
例としては、
- 散歩中、急に手を離して走り出し自転車にぶつかりそうになり、ひやっとした。
などになります。
ヒヤリハットは毎月必ず一つ出しましょうなどという園もありますが、気づいたことは他の先生と共有するため、ヒヤリハットを提出しています。次回以降の同様の事故防止にも繋がります。
②各行事の企画案
行事は色々ありますが、担当になった行事の企画案を作成し、提出します。全員に配布したりするので、わかりやすくまとめた書類を作ることが大切です。
私の園の場合は、行事は年3つくらいを一人の保育士が担当するので、それぞれの企画案を作成する必要があります。
③職員会議議事録
毎月ある職員会議は、順番にその時に話し合ったことなどをまとめて記入する人がいます。会議中に記入したり、あとでまとめて記入して、提出し、全員閲覧できるようにします。
書類は主任保育士、園長に承認を得る
書類は基本的にすべて、主任保育士、園長にそれぞれ承認を得ます。ここでダメ出し等があれば、修正して再提出することになります。
慣れないころは、主任保育士に見せる前に、他の保育士にチェックしてもらったりしていました。
IT化できている書類は?
IT化できている書類仕事はあまり多くありません。やはり、保育園はまだまだ手書き、手作業の部分が多くなっています。
IT化を進めるとなれば、保育士個人のITスキルも必要になってきますし、パソコンやタブレットなどの機器もそれなりの数を揃える必要があります。
それなりに費用もかかってくるので、なかなか進まない現状があると思います。
出席簿
保護者が登園した際に記入する出席簿です。これは、アプリを使って行っていて、タブレットを使用し、保護者が登降園した際に自分の子どもの名前を押して時間等を記入しています。
なので、こちらの負担はほとんどなくとても便利ですが、押し忘れる方もいるので、一応登降園の時間は伝達ボードに記入しています。
個人記録
これも、出席簿と同じアプリで個人の記録をパソコンやタブレットから記入できます。
その他行事資料
パソコンなどで行事に関する企画書をまとめたり、作成をしたりしています。
【まとめ】書類仕事で気をつけていること
保育士の書類仕事は見た通り、年間を通して量も多く、毎日行わなければいけないこともたくさんあります。手書きで行う作業もあればパソコンやタブレット等の端末で行う作業もあります。
それを午睡時間中の2時間や3時間で休憩もとって、終わらせるのはとても大変です。効率よくやるためにも、書類を行う時は集中してその日にやることを決め、一度に終わらせてしまうことが大切です。ダラダラとやらないように気をつけています。
また、書類は色々な先生や保護者も読むものがあるので、丁寧な字で書くよう心がけています。
園によっては、子どもの人数を見て保育中に抜ける先生を作り、書類の時間を設けてくれるところもあります。その時間がノンコンタクトタイムという呼び方をします。一方で書類の時間がまったくなく、書類作業が終わらなくなると、持ち帰りや残業なんてこともありえます。初めは大変でもコツをつかんでくれば、できないことはないので、できるだけ時間内に行えるようにしています。