今回は、公立保育園の公務員保育士の人間関係がつらいのは本当なのか、原因や対処法を紹介します。
複数回の退職、転職経験があります
その経験が参考になればと思います
公務員保育士の人間関係がつらいのは本当?
公立保育園で働く公務員保育士の方で人間関係に悩んでいるという話を聞くことがある方もいらっしゃると思います。
公立保育園といっても、たくさんあるので、どの施設でもすべからく人間関係が悪いということはもちろんありません。市区町村によっても人間関係の良し悪しの違いはありますし、同じ市区町村内でも、働く園が変われば、人間関係の良し悪しに違いはあります。
そして、単純な比較が出来ないですが、民間の私立保育園であっても人間関係がつらいということはよくあることです。別に民間の保育園だからといって、公立保育園より人間関係が良いということはなく、むしろ人間関係が悪いということも多いです。
ですが、公務員保育士の場合は、その特異な環境のため、同じような人間関係の悩みでも、保育士がよりつらい状況に追い込まれてしまう場合もあります。そういった観点では、公務員保育士の人間関係が辛いということは一理あると言えます。
公立保育園の公務員保育士の人間関係がつらい、難しい原因や理由
ここからは、公立保育園の公務員保育士の人間関係がつらい、難しい原因や理由について紹介します。
退職しにくいため
公務員保育士が働く上で、人間関係がつらいと感じてしまう一番の原因はその退職のしにくさにあります。民間の私立保育園であっても、退職はしにくい雰囲気がありますが、それは、どちらかというと保育園側の都合がほとんどであることが多いです。保育園側が途中で保育士が辞められたら困るから、辞めにくいというようなことです。
公立保育園の公務員保育士の場合も、もちろん、自治体や保育園側の都合で退職がしにくい雰囲気はあります。同じように年度途中などで退職者が出たら、補充するのも簡単ではありません。
また、公務員保育士の場合は、それに加えて、自分自身の退職へのハードルがとても高いです。公務員保育士は、私立保育園の保育士と比較しても給与待遇は保証されていますし、年功序列で将来的な給料も高くなります。そして、地方公務員になるというのは簡単なことではありません。公務員保育士を辞めて、民間の保育園に転職したら、仕事内容はそこまで変わらないのに、給与待遇はガクッとすくなくなります。
つまり、例えば、私立保育園で働く保育士の場合は、とっくに退職しているような人間関係の辛さであっても、公務員保育士の場合は、我慢して働き続けてしまうということが多くなります。 結果的に、より人間関係が辛いという状況に追い込まれてしまうことがあります。
休める体制が整っている
また、良いことなのですが、公務員は、メンタル面の不調などで休暇を取れる制度が整っています。有給休暇の付与日数も民間と比べても多いですし、病気休職などの制度も整っていることが多いです。また、自治体全体としてみれば、それなりに大きな組織になるので、前例もあるので、どのような条件で休職ができるということがはっきりしているでしょう。
民間の保育園であれば、仮に制度があったとしても前例がなかったりするので、病気休職ができなかったり、妨害されてしまうということもあります。
この事自体は良いことなのですが、休職をするということは、最終的には復帰をするということになるので、人間関係が原因でメンタル的な病気になってしまった場合は、また、同じ人間関係の職場に復帰しなければいけないということになります。このことも退職しにくいということに関わってきます。
閉鎖的な環境のため
これは公務員保育士に限ったことではありませんが、保育園は小さく閉鎖的な職場です。一つの保育園で多くても数十人の職員のみが働いていて、基本的に日々同じメンバーで仕事をします。また、自治体の規模にもよりますが、最近は公立保育園は閉鎖や民営化する傾向があるので、自治体内で見ても保育士職の人数は限られています。
閉鎖的な空間で人間関係が固定化されていくので、人間関係で悩んでしまうと、逃げ場がないという特徴があります。
ベテランが多いため
基本的に人間関係の悪化は、より立場が強い人の居心地が良くなっていき、より立場が低い人の居心地が悪くなっていくということに起因します。公立保育園は、待遇が保証されているので、退職する人も少なく、民間と比較してもベテランの保育士が多いです。そして、立場の強い人とそうでない人がはっきりしていきます。
そのため、特に若手の方は、人間関係に悩んでしまうと解決が難しいというような状況に陥ってしまう可能性が高くなります。
クレーム等が多いため
そもそも保育園は保護者の方とのトラブルやクレームなどが多い環境にありますが、特に保護者の方は、公務員に対してはあたりが強いという傾向があると思います。そのため、保護者からのクレームの対応なども、精神的に疲弊してまう原因の一つになります。
人間関係がつらい公務員保育士のできる対処法
ここからは人間関係が辛い公務員保育士ができる対処法について紹介します。
辞めても良いと思える心境をつくること
公務員保育士の方が、人間関係がつらいと思ったときにやるべきことは、辞めても良いと思える心境を作ることです。先程も書いたように、公務員保育士は退職へのハードルが高いです。そのため、辞めたくない、辞めたらもったいない、だから我慢するという悪循環に陥ってしまうことが多いです。
まず、公務員保育士の方が人間関係が辛いと感じたら、自分は退職しても良いんだ、後悔しないんだと思うことが大切です。そのためには、辞めたら何をするか、どうなるかということを考える必要があります。
保育士としての仕事を続ける場合は、民間の保育園で働いたらどのような待遇になるのか、近隣にどのような保育園があるのかということを調べてみましょう。また、働く自治体を変えるということもできます。その他の自治体で、どのような採用を行っているかを調べてみるということも良いと思います。
もちろん、自分のスキルややりたいことなどから、全く別のことを始めるという選択肢もあります。いずれにしても、自分は公務員を辞めても大丈夫、後悔しないというような心境を作っておくというこが大切です。
異動の希望を出す
公務員保育士の場合は、異動の希望を出すというのも、一つの選択肢になります。自治体内に保育士職が働くことが複数あるのであれば、普段からローテーションの人事をしているからもしれませんが、自分から希望を出すことで異動してもらえる場合もあります。その際に人間関係に悩みがあることを相談するというのも有効です。
もちろん、自治体は狭い組織なので、仮に異動ができたとしても、将来的にまた苦手な人と仕事をしなければいけない場合も出てくるかもしれません。
最終的には辞めるしかない
本当に辛い状況であれば、最終的には退職をするしかありません。人間関係の悩みの多くは、人間関係が変わらない限り、解消される可能性は低いです。たしかに、我慢していれば、人間関係が変わる可能性もあります。ですが、公務員の場合はその可能性がかなり低いです。そうなると、自分の精神の疲弊との戦いがどんどん長引いてしまう可能性もあります。
公務員保育士に限ったことではありませんが、職場の人間関係の悩みを解決する最善の方法は、退職することになります。自分のメンタル面と相談して、許容範囲を超えそうであれば、早めに決断をすることをおすすめします。
まとめ:公立保育園の公務員保育士の人間関係がつらいのは本当?原因や対処法を紹介
今回は、公立保育園の公務員保育士の人間関係がつらいのは本当なのか、原因や対処法を紹介しました。
公立保育園だからといって、すべからく人間関係が辛いというわけではありません。ですが、公務員保育士は、その特異な環境のため、同じような人間関係の悩みでも、保育士がよりつらい状況に追い込まれてしまう場合もあります。
公務員保育士の人間関係が辛くなってしまうことが多い、一番の理由は退職しにくいという心理が働くためです。例えば、私立保育園で働く保育士の場合は、とっくに退職しているような人間関係の辛さであっても、公務員保育士の場合は、我慢して働き続けてしまうということが多くなります。
そういった意味で、公立保育園の公務員保育士の人間関係はつらい状況に追い込まれてしまいます。
公務員保育士が人間関係で悩んだ場合の対処法としては、
- 辞めても良いと思える心境をつくること
- 異動の希望を出す
- 最終的には辞めるしかない
ということになります。人間関係の悩みは、自分から改善したり、我慢していれば解決されるというものではありません。特に公務員の場合は、入れ替わりが少ないので、その可能性が低くなります。自分のメンタル面と相談して、許容範囲を超えそうであれば、早めに決断をすることをおすすめします。