保育園で働く保育士の皆様。保育園を利用する保護者の方。
今回は、保育園の自宅保育協力依頼日についての解説と、保育士や利用者へのメリットについても紹介します。
その経験が参考になればと思います
自宅保育協力依頼日(休園協力日)とは?
そもそも保育園における自宅保育の協力依頼日とはなんなのでしょうか。保育園の自宅保育協力依頼日は、その名の通り、保護者の方に自宅での保育をお願いする日になります。もっとわかりやすく言うと、なるべく保育園を休むように協力してほしいという日になります。
また、自宅保育協力依頼日は、保育園の正式な制度ではないので、それぞれの保育園で異なる呼ばれ方をしている場合もあります。「休園協力日」というような呼び方をしている園もあります。
自宅保育協力依頼日の目的とは?
利用者の方がきになるのは、自宅保育協力依頼日の目的はなんなのかということだと思います。
保育園にとって、自宅保育協力依頼日を設定する目的は、保育園の運営の効率化のためです。
保育園には、子どもの保育以外にも様々な仕事がありますが、保育園は延長保育なども合わせると、預かり時間がとても長く、職員が勤務している多くの時間で、園児を預かっているということが多いです。そうなると、保育以外の仕事をする時間を取るのが難しという状況が生まれます。
特に、大きな行事の前や年度末の時期などは、一時的に職員の仕事の負荷が増えてしまうということもあります。認可保育園は、保育園の都合で勝手に休園日を作ることは難しいので、特定の日に自宅保育の協力の依頼をすることで、なるべく登園する園児が少ない人を作り、その日に保育以外の仕事をなるべく終わらせたいという狙いがあります。
よくある自宅保育協力依頼日の時期
保育園でよくある自宅保育の協力依頼日の時期は、
- 夏季(お盆の時期)
- 春休み(3月末頃)
になります。もちろん、先程も書きましたが、特段、自宅保育協力依頼日のようなものを設定していないという保育園も多いです。
お盆の時期は、保護者の方の仕事も休みであることが多いので、協力依頼日が設定される場合があります。また、3月末に関しては、保育園では新年度に向けて様々な準備が必要になるので、自宅保育の協力依頼日に設定されることが多いです。
自宅保育の依頼の設定日数は1〜3日くらいの園が多いです。
自宅保育協力依頼日に保育士は何をしている?
登園する園児の人数が少なければ、保育を行う保育士の人数も少なくて良いので、交代で保育を行いながら、別の仕事をします。仮に、自宅保育の協力依頼日に保育園が園児が誰も登園しないのであれば、保育は行う必要がないので、別の仕事をすることになります。
保育園は保育だけをしているイメージがある方もいらっしゃるかもしれませんが、保育以外の仕事、例えば、書類仕事や新年度の準備、行事の準備など、様々な仕事があるので、それらの仕事をこの日にまとめて終わらせたり、全員が出席できる職員会議などを行う場合もあります。
また、保育園の状況にもよりますが、この時期に保育士が有給休暇や夏季休暇を取得するという場合もあります。保護者に協力依頼をしておいて、保育士は休むのかと思うかもしれませんが、昨今は、有給休暇の取得義務があったり、園の休暇制度などもあるので、どのみちローテーションでどこかで休まなければいけません。
保護者の方は絶対に自宅保育協力依頼に従わなければいけない?
自宅保育の協力依頼はあくまでも、”依頼””お願い”なので、絶対に協力して保育園を休まなければいけないというわけではありません。 保育園は、就労している保護者が働くための施設でもあるので、両親等の保護者がともに仕事があったり、近隣に預かってくれる親族等がいない場合は、通常通り保育園に登園させるということも全く問題ないです。
保育園側としても、絶対に休んでもらうという姿勢ではなく、登園する園児を少なくすることで、空いた人手を保育以外の仕事、例えば、書類仕事や新年度の準備、行事の準備などに回したいという狙いがあります。
ただし、保育園の状況によっては、自宅保育に協力してくれる保護者の方が多く、その日に登園するのは自分の子どもだけになってしまって少し気まずくなるということもあります。これから預ける保育園を決めるという保護者の方は、気になる場合は、自宅保育の協力依頼日にはどれくらいの人数の子どもが登園しているのかを聞いてみると良いでしょう。
自宅保育協力依頼日のある保育園で保育士が働くメリット
ここからは、自宅保育協力依頼日のある保育園で保育士が働くメリットについて紹介します。
保育以外の別の仕事を進めることができる
自宅保育協力依頼日のある保育園で保育士が働く一番のメリットは、その日に保育以外の仕事を進めることができるというものです。登園する園児の人数が少なくなるので、書類仕事や新年度の準備、行事の準備などを進めることができます。特に、年度末の時期などは、新年度の準備や書類仕事などが多くなるので、自宅保育協力依頼日を有効に活用することができます。
結果的に、残業時間を減らすことができ、保育士の仕事での負担を減らすことに繋がります。
休暇を取れる場合がある
自宅保育協力依頼日は、登園する園児の人数が少なくなることが想定されるので、その日は、出勤する保育士の人数も少なくて良くなる場合があります。そのため、職員である保育士もその日に休暇を取りやすくなるというメリットがあります。
また、自宅保育協力依頼日自体に休むことができなかったとしても、自宅保育協力依頼日に、自分が担当する別の仕事を終わらせることができれば、別の日に休暇も取りやすくなります。
自宅保育協力依頼日のある保育園を保護者が利用するメリット
自宅保育協力依頼日のある保育園は利用者である保護者の方にもメリットがあります。自宅保育協力依頼日があるということは、利用者である保護者の方にとっては不利なことかと思うかもしれませんが、一概にそうとはいえないメリットもあるので紹介します。
保育士が働きやすい環境の園である可能性が高い
まずは、保育士が働きやすい環境の園である可能性が高いということです。そのことは、大切なお子さんを預けるという点でも大きなメリットがあります。
子どもを預ける際に、労働環境が悪いブラックな保育園には預けたくないというのは、保護者の方であれば誰しもが思うことだと思います。一方で、地域にある保育園がブラックかそうではないかなんて、見分けるのはとても難しいと思います。保育園で働く保育士でさえ、実際に働き始めないと、ブラックかどうかがわからないなんてこともよくあります。
先程も書いた通り、自宅保育協力依頼日に保育士は書類仕事等の別の仕事を進めたり、休暇を取れる場合があります。そのことは、残業時間を減らすことなどに繋がります。労働環境が悪く、長時間の労働が続くと、保育中の集中力が低下して、事故などに繋がってしまう場合もあります。また、そうはならないとしても、悪い労働環境に嫌気が差してしまい、退職する保育士が出てくるという場合もあります。保育士がころころ入れ替わる保育園は嫌ですよね。
自宅保育協力依頼日のある保育園 = ブラックではない とは言い切れませんが、職員である保育士が働きやすい環境を作ろうとしている姿勢があるということは間違いありません。
有給休暇を利用する口実にすることができる
保育園を利用している保護者の方の勤務している会社の雰囲気や状況等にもよりますが、有給休暇を取りにくい雰囲気がある会社の場合は、自宅保育協力依頼を有給休暇を利用する口実にしやすいです。
ただ「有給休暇を利用します」だとなんとなく、後ろめたい気持ちなってしまうこともあると思いますが、「保育園の自宅保育の協力依頼で仕方なく休みます」ということであれば、休暇も取りやすくなると思います。
自宅保育協力依頼日に有給休暇を取得して、子どもとの時間を作ることができるというのは、保護者の方にとっても一つのメリットになるでしょう。
まとめ:自宅保育協力依頼日のある保育園。保育士、利用者にもメリットは多い。
今回は、保育園の自宅保育協力依頼日についての解説と、保育士や利用者へのメリットについて紹介しました。
自宅保育協力依頼日は、あくまでも協力という形になりますが、保育士にとっては書類仕事や新年度の準備、行事の準備など、様々な仕事を終わらせることができる時間になります。
自宅保育協力依頼日があるということは、保育士が働きやすい保育園である可能性が高く、そのことは利用者にとってもメリットになります。
これから新たに就職や転職をするという保育士の方は、自宅保育協力依頼日がある保育園を候補の一つとして選択肢に入れるのも良いかもしれません。