これから就職や転職を考えている保育士の皆様。保育士の福利厚生についてしっかり見極めができていますか?
保育士の就業の満足度を意外に左右するのが、それぞれの保育園の福利厚生になります。良い福利厚生があると、給料が良いという以上に満足度の高い就業環境になることもあります。
今回は、そんなとても大切な保育士の主な福利厚生について紹介します。保育士が求人を探す際の注意点についても紹介しています。
転職活動を複数回した経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園で働く保育士の福利厚生はどうなっている?
福利厚生は会社が給料とは別に、労働の対価として従業員に提供する報酬となります。なかには、従業員本人だけではなく従業員の家族が利用できるという場合もあります。
保育士といっても一般の会社と福利厚生サービスの種類自体はあまり変わりません。ただ、「宿舎借り上げ制度」と「給食」に関しては保育士特有の福利厚生だと思います。
また、制度はあっても実際に利用できるかどうかというのも求人探しのポイントになります。
家賃補助・住宅手当
家賃補助・住宅手当は賃貸などで住宅費がかかっている方に支給される手当です。保育園によって導入している場合があります。保育士の場合は、金額は1万円から3万円程度が相場です。
求人票に「住宅手当あり」と書かれている場合でも、単身者限定の可能性もあるので家族と同居している方は注意しましよう。
よくあるのが、求人票の情報だけを鵜呑みにして履歴書まで準備して面接に行って詳細を聞いてみると条件が合わなかったということです。
このような場合、履歴書や面接に行く時間が無駄になってしまうので、あらかじめ詳細な条件がわかる保育士の転職エージェントの利用をおすすめしています。
宿舎借り上げ制度・借り上げ社宅
保育士の宿舎借り上げ事業は、国が行っている事業です。市区町村によって導入の有無が異なり、市区町村で実施していても保育園が実施していない場合があるので、宿舎借り上げ事業を利用したい方は注意しましょう。
保育園が制度を導入している場合の多くは9万円程度の物件に自己負担1万円程度で住むことが可能です。保育園のある市区町村内に住むことが前提である場合が多いです。
自治体や保育園によって下記のいろいろなパターンの制限などがあるので転職をする際は事前に保育園や転職エージェントにしっかり確認しましょう。
- 保育園が物件を用意している
- 自分で物件を選ぶ
- 今借りている物件の名義を保育園の法人にする
- 単身のみ、同居も可
引っ越し支援・補助
保育園によっては、例えば遠方から引っ越しを伴って入職する場合などに引っ越し支援・補助がある場合があります。特に都内の株式会社が運営している保育園は補助がある場合があります。
首都圏は、保育士が圧倒的に不足しているのでそのような福利厚生を実施しています。転職を機に上京をしたいという方は、補助を受けることができる可能性もあるので事前に調べたほうが良いです。
このような場合も、あらかじめ詳細な条件がわかる保育士の転職サイトの利用をおすすめしています。
交通費、マイカー手当、駐車場
基本的には通勤にかかる交通費を支給してくれる場合がほとんどです。その場合は毎月の上限が設けられている場合もあります。極端に自宅から遠い場合は、交通費がマイナスになってしまう場合があるので注意しましょう。
駐車場がある場合、マイカーで通勤することが可能な場合もあります。また、駐車場がない場合であっても、自分で月極駐車場を借りて通勤することが可能な保育園もあるのでしっかりと確認しましよう。
その場合、駐車場代の補助がでたり、ガソリン代が支給される場合もあります。
エプロン・制服支給/貸与
保育士といえば、エプロンやポロシャツのような制服が多いと思います。エプロンや制服を支給してくれる場合もあれば、貸与という形で支給していくれる保育園もあります。
そうでない場合は自腹でエプロンを用意することになります。ファッションセンターしまむらなど安いところでも1着2000円はするので、毎日変えるとすると5着以上は必要になるので地味な出費になります。
保育士経験が長いとたくさんエプロンをもっている方も多いかもしれませんが「キャラクターものはNG」という保育園もあるので注意が必要です。
退職金制度
求人を探す際に意外と見落としがちなのが退職金制度についてです。退職金制度は社内で用意されている場合や外部に委託されている場合があります。
保育園を運営する小さな社会福祉法人の場合は、外部に委託している場合がほどんどです。
退職金制度は法律上、事業者に支払い義務はないので金額や受け取れる条件は保育園を運営している法人によって様々です。保育士の退職金については以下の記事でも解説しています。
インフルエンザの予防接種
保育士はこどもと接する機会が多いのでいろいろな病気にかかりやすいです。私も毎年と言っていいほどインフルエンザにかかっています。(予防接種をしているから軽く済んでいるはず)
自腹でインフルエンザの予防接種を受けると確か3000-4000円ぐらいすると思います。毎年なので、保育園で負担してくれるととても親切ですね。 保育士が予防接種を受けることは保育園にとってもメリットがあると思います。
育児短時間制度
保育園によってはこどもがいる保育士に対して、育児の時短勤務制度を導入している場合があります。給料が減る可能性はありますが、そのまま正社員として働き続けることができる場合が多くなってきています。
最近では、多様な働き方を推進して足りていない保育士を確保していく動きがあるため、その一環として行われている保育園があります。
週休3日制度
一部の保育園では、正社員でも週休3日の休みがある制度を導入しています。多様な働きを推進して、保育園にとって必要な保育人材を確保しようという試みになります。働く保育士にとっては仕事の負担も軽減できるので、メリットは大きい制度になります。
映画・レジャー・施設優待
映画やレジャー施設を割引料金で利用できる福利厚生がある場合もあります。
多くは法人や団体では、福利厚生会社にサービスを委託しています。リロクラブやベネフィットステーションが有名な福利厚生会社です。
このような福利厚生は利用するとクーポンのような形で対応しているサービスの割引などを受けることができます。例えば、映画が1200円程度で割引価格で見られるなどです。それ以外にも温泉施設やジムなどが1割から2割引程度の価格で利用できるクーポンなどがあります。
有給休暇、結婚休暇、誕生日休暇、生理休暇など
福利厚生ではなく法律での決まりごとですが、有給休暇は正社員として務める場合には必ず利用することが可能です。基本的に初年度は最低10日間の有給日数が付与されます。
これは法律で決まっている最低限なので、これ以上の日数を付与している会社は従業員の福利厚生に積極的ということがわかります。入社半年後に付与される場合もあれば、入社後にすぐ付与してくれる場合もあります。
ちなみに2019年度から年10日以上有給休暇の権利がある従業員は最低でも5日以上は有給休暇を取得することが義務付けられています。
結婚休暇、誕生日休暇、生理休暇は法律によって定められていないので福利厚生と言えます。今後結婚を考えている場合は、ハネムーンなどに行くために結婚休暇を利用できると良いですね。
出産、育児休暇(休業)
出産休暇は福利厚生ではなく、法律で決まっている法定休暇です。出産をする女性が取得することができます。出産前は6週間、出産後は8週間の休暇が認められています。
育児休業も福利厚生ではなく育児・介護休業法に定められている法律になります。「産後8週間から1歳になるまで会社を休める制度」になります。女性だけではなく男性も対象です。
以下の場合を除いて、会社は申し出があった場合、断ることができません。
- 当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
- 育児休業申し出があった日から起算して、1年以内に雇用関係が終了することが明らかな労働者
- 1週間の所定労働日数が2日以下の労働者
また、育児休業期間中の経済支援としては社会保険料の免除と育児休業給付金の支給があります。社会保険料は被保険者本人負担分、事業主負担分ともに免除されます。
育児休業給付金は育児休業期間中に給料の6-7割の金額の給付を受けることができます。
給食
保育士の福利厚生で他の業種にはあまりないのが「給食」です。保育園によっては保育士が給食を無料で食べることができる場合や自己負担200円程度で食べることができる場合があります。
園児が食べる給食はとても栄養に気が使われていておいしいものが多いので、それを昼食に食べることができるのはとても良いメリットです。
幼稚園で働いていた時は毎日弁当を持っていかなければ行けなかったのでとても負担が多かったですが、保育園で働くようになってから給食になってとても楽になりました。
大事なのは「実態は利用できるか」ということ
私もブラックな幼稚園での勤務経験はありますが、有給休暇を利用したことはありませんでした。
大切なのは、実態としてその福利厚生が本当に利用できるかということだと思います。
ブラックな保育園・幼稚園の謎ルールでよくあるのは、退職・出産の順番待ちですね。みんな辞めたいと言いながら、責任感が強いので後任が見つかるまで結局辞めないです。責任感が強い人ほどブラック保育園の沼にはまっていってしまう印象です。#保育士辞めたい #幼稚園教諭辞めたい #保育士の待遇改善
— 保育士さえこ@ブラック脱出済 (@hoikushisaeko) 2019年5月29日
ブラックな保育園・幼稚園は暗黙謎ルールがあることが多いです。例えば私が働いていたところでは、有給休暇の概念はなく休みはありません。インフルエンザになると流石に休みますが、復帰後に菓子折りを持っていくという謎ルールがありました。#保育士辞めたい #幼稚園教諭辞めたい #保育士の待遇改善
— 保育士さえこ@ブラック脱出済 (@hoikushisaeko) 2019年5月29日
求人に字面だけでたくさんの福利厚生を用意することはとても簡単です。転職をする際は実際にその福利厚生を利用している実態があるのかという点をしっかり見極めることが大事です。
とはいっても、外部から実態を見極めるのは簡単ではありません。おすすめの方法は、保育士の転職サイトを利用することです。転職サイトは保育士の転職支援のプロなので様々な保育園の実情を知っています。
実際にその福利厚生が利用できるのかというのもわかることが多いです。ネット上では見つからない非公開の求人も紹介してもらえるのでおすすめです。
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