60代の保育士の方。まだまだ働きたいという方も多いと思います。でも様々な事情で違う保育園で新たに働きたいという方もいらっしゃると思います。年齢のことを考えるといまから新たな保育園で就職転職をするのはなぁと思うこともあると思います。
今回は、60代の保育士の就職や転職事情や就職を成功させる手順ポイントを紹介します。保育士の定年後の就業については以下の記事でも紹介しています。
複数回の転職経験があります
その経験が参考になればと思います
60代は一般的には定年や再雇用の年齢
60代は一般的には定年や再雇用を迎える年齢になると思います。これは、保育園でも同様で基本的に多くの保育園では保育士の定年は60歳と定められていることが多いです。多いというのは厳密には定年の年齢は定められているわけではなく各法人ごとに60歳以上で設定することができるためです。
ただし、日本では2013年に「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(高年齢者雇用安定法)」という法律ができ、65歳未満に定年を設定している場合は「定年の引き上げ」「継続雇用制度の導入」「定年制の廃止」のいずれかを実施することが義務付けられています。つまり、事実上は、期間が定められていない雇用であれば、どの保育園でも65歳まで働けるということになります。
保育士の定年後の就業については以下の記事でも紹介しています。
保育園で働く保育士の場合は60代でも就職や転職は不可能ではない
60代の保育士の就職や転職事情を考えた場合に、一般の会社と比較した場合は新たに保育園に就職や転職するということが難しいというわけではありません。一般の会社だとかなり選択肢は限られてきてしまいますし、正社員ともなるとなにか技能を持っていない限りはほとんど不可能だと思います。
保育園で働く保育士の場合は60代でも就職や転職は不可能ではないというのは、保育士の仕事が資格職であることと、昨今の保育士不足が一つの要因にもなっています。多くの保育園において満足に保育士が確保できているというわけではないので、そこにチャンスが生まれます。
特にパート保育士であれば、地域によっては60代でも求人を選ぶことができるくらいの需要もあることがあります。
60代の保育士の採用に対して保育園が抱く懸念点とは?
60代の保育士の方が就職や転職をする際に、気をつけなければいけないのが、保育園が60代の保育士の採用に対してどのような懸念を抱くかということです。逆に言うとこの懸念を払拭することができれば、採用にも一歩近づくことができるということになります。
体力面での懸念
まず、採用する保育園側が60代の保育士に抱く懸念は「体力面」の懸念になります。保育士の仕事は、やはり体を動かす仕事が多くなります。子どもと一緒に遊んだり、ときには子どもの身を守るためには適切に動かなければいけない瞬間もあります。
これから新たに雇う人物が「あれはできない、これはできない」ということになってしまうと、保育園としてもわざわざ雇うメリットがなくなってしまいます。
もちろん年齢的に体力面で不利になってしまう点があることは仕方がないことではありますが、その代わりとして自分が働いた場合に保育園に貢献できる部分をしっかりアピールすことが大切です。ピアノが得意などというような保育スキルの面はもちろん、年下の保育士に指導ができるような内容を押す出すことができると良いでしょう。
保育士は若くて体力があれば良いという仕事というわけではないので、ベテラン保育士ならではの深みなどを示すことができると良いでしょう。
柔軟さにおける懸念
続いて採用する保育園側が60代の保育士に抱く懸念は「柔軟さ」に関する点になります。60代でいままでそれなりの保育士の経験があると、「このやり方が正しい」「そのやり方は間違っている」ということが自分の中で完全に確立されていると思います。
でも新しい保育園に就職するにあたっては、保育園ごとに様々なやり方があると思うので、自分の考えにあわないことも必ずあります。その時に自分の考えを曲げずに仕事をしてしまうと、それが本当に正しいことであったとしても、保育園側からしたら「頑固だ」と思うきっかけになってしまいます。
60代の保育士の就職転職を成功させる手順やポイントを紹介!
ここからは60代の保育士の就職転職を成功させる手順やポイントを紹介します。
求人の募集要項の年齢についてをチェックする
年齢について確認すべき事項は大きく2つあります。
- 募集年齢
- 定年年齢
- 再雇用制度
※ハローワークよりhttps://www.hellowork.mhlw.go.jp/
60代ということは60歳を定年としている保育園は、必然的に選択肢から外れることになります。なので、まずは保育園と無駄なやり取りを減らすために、きちんと求人の募集要項の年齢に関してを確認しましよう。
「60代活躍中」の保育園の求人を探す!
保育園の求人だけではないですが、「〇〇代活躍中」というような記載を求人情報などで見かけたことはありませんか?
一般的な保育園の求人情報だけだと「どうせ若い人しか採用しないんじゃないか」と思って応募を避けてしまうケースもあると思います。このような記載は、その年代の方の応募のハードルを下げるためにあえて記載をしていることが多いです。つまり、積極的に「〇〇代」の人物を募集しているということになります。
つまり、「60代活躍中」というように書かれた保育園の求人は、60代の方でも採用をする気がありますという意図になります。 そのような求人を見つけることができれば、採用へ一歩前進することができます。
正職員を目指す場合でもまずはパート保育士から目指すのがおすすめ
60代でも正職員としてフルタイムで働きたいという保育士の方もいらっしゃると思います。ですが、新たに就職転職を考える際はまずはパート保育士から目指すのがおすすめです。
それは、やはり正職員は保育園にとっても採用のハードルが高いためです。 先程も書いたように「体力面」「柔軟さ」においての懸念などがあるためです。パートであれば、その採用のハードルは少し低くなります。
なので、まずはパート保育士として働くことで、そのような懸念点を払拭し、働きながらきちんと保育園に貢献できるということを見せることができます。実際にパート保育士としての働き振りが評価されれば、保育園のほうからフルタイムの正職員で働いてほしいと思うようになる可能性もあります。なので、60代の方で正職員の保育園の求人に応募していてもなかなか採用されないという方は、まずはパート保育士から目指してみるのが良いでしょう。
保育士転職サイトを活用する
これは一般企業でもそうだと思いますが、60代というだけでその人の経歴も見ずに不採用にする保育園はあります。通常では定年や再雇用の年齢になるので致し方ない点もあると思います。
ただし、ハローワークなどの一般の求人サイトでは、基本的に年齢を絞って求人を募集することはできなくなっています。例えば「20代限定で募集」というようなものです。このように特段の理由なく年齢を絞って募集することはしてはいけない法律になっています。
雇用対策法が改正され、平成19年10月から、事業主は労働者の募集及び採用について、年齢に関わりなく均等な機会を与えなければならないこととされ、年齢制限の禁止が義務化されました。
※「厚生労働省 募集・採用における年齢制限禁止について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/topics/tp070831-1.html
そのためハローワークなどの一般の求人サイトに求人を出す以上は年齢を制限することが原則できないので、60代も含めて年齢制限なく募集をしているケースが多いです。
ですが、募集をしているからと言って応募をしてみると、現実的には年齢が理由に不採用となることはあります。もちろん、年齢を理由に応募を断ったり、書類選考や面接で年齢を理由に採否を決定する事自体が本来は不可能なのですが、不採用にする別の理由はいくらでも作り出すことができるためです。
結果的に、ハローワークなどの一般の求人サイトだと現実的には採用されない求人に応募してしまい、案の定不採用になるということが起きてしまいます。
保育士転職サイトを利用するメリットは、そもそもそのような60代というだけでその人の経歴も見ずに不採用にする保育園の求人は紹介されません。これは事前に転職サイトの担当者が、その人が応募できて採用される可能性のある求人に限って紹介をしてくれるからです。なので、そもそも採用されない無駄な履歴書や面接などをする必要がなくなるというメリットがあります。これは60代で就職転職を考えている保育士にとっては大きなメリットになると思います。
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※ 保育士の転職サイトは新卒の方や未経験の保育士の方、資格取得見込みの方でも利用可能です。
まとめ:60代の保育士の就職や転職事情は?就職を成功させる手順ポイントも紹介!
今回は、60代の保育士の就職や転職事情や就職を成功させる手順ポイントを紹介しました。
保育園で働く保育士の場合は60代でも就職や転職は不可能ではありません。ただし、もちろん、簡単に就職転職が決まるというわけでもありません。
しっかりと60代の保育士の採用に対して保育園が抱く懸念点を払拭して採用に合格する必要があります。特に「体力面」と「柔軟さ」についてはしっかりとアピールすることが重要です。
60代の保育士の就職転職を成功させる手順やポイントは以下の4点になります。
- 求人の募集要項の年齢についてをチェックする
- 「60代活躍中」の保育園の求人を探す!
- 正職員を目指す場合でもまずはパート保育士から目指すのがおすすめ
- 保育士転職サイトを活用する
これらの点を踏まえれば、まだまだ保育士不足の状態なので、60代の保育士の方でも十分に就職転職が可能だと思います。保育士不足という追い風も吹いているので諦める必要は無いでしょう。