目次 | 内容 |
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ポイント①面接時に嘘をつかない | ・採用面接で嘘をつくと、入職後に不信感を抱かれ早期離職につながる可能性があるので避けるべき。 ・嘘が発覚すると仕事への意欲も低下し、保育の質も下がる恐れがある。 ・採用コストを減らし、待遇改善や負担軽減に充てる方が、結果的にコスト削減につながる。 ・サービス残業が常態化している保育園は、嘘をつかざるを得ない状況になりやすく、保育士の定着率が悪化する |
ポイント②出せる情報はすべて公開する | ・保育士が特に気にする待遇面(有給消化率、休暇、土曜・祝日出勤、処遇改善費、残業時間、昇給・賞与基準、年間行事、シフト運用)は詳細に公開する。 ・求人票には賞与額など実績を正確に記載する。 ・借上げ社宅制度の詳細条件も可能な限り開示する。 ・情報を積極的に公開する姿勢が信頼感につながる |
ポイント③給料を下げてでも労働環境を改善すべき | ・仕事量と人間関係が良好であれば保育士は転職しにくい。 ・給与水準は横並びなため、多少低くても仕事量と人間関係が良ければ転職を避ける傾向がある。 ・国や自治体の制度(処遇改善費など)を最大限に活用し、詳細を公開することで他園との差別化を図る。 ・給料を下げて不足している保育士を雇用することで、サービス残業を減らし、有給取得を促進できる |
【まとめ】保育士は高望みはしていない | ・保育士は、法令遵守、良好な人間関係、適正な仕事量という普通の保育園を求めている。 ・保育園が情報を隠している印象が強いため、求職者は疑心暗鬼になっている。 ・採用の際は情報をオープンにし、労働環境を改善することが重要。 ・「嘘をつかない」「隠さない」誠実な姿勢が重要 |
よくある質問(FAQ) | ・面接での嘘は不信感を招き、早期離職につながる。 ・待遇面は有給、休暇、処遇改善費、残業、昇給・賞与の基準を具体的に公開する。 ・給料を下げて人員を増やし、残業を減らすことで労働環境を改善する。 ・国や自治体の補助金を活用し、待遇改善に充当する |
保育士の採用でお困りの採用担当者の方へ。
この記事では、採用コストを抑えつつ、長く働いてくれる保育士を採用する方法を解説します。
重要なのは、保育士に対して「嘘をつかない」「隠さない」姿勢を示すことです。
誠実な保育園として認識されれば、必ずしも高待遇でなくても、優秀な人材を確保できます。
保育士が本当に求めているのは、以下の3点です。

保育士は高望みしていないってホント?

はい、最低限の法令遵守と良好な人間関係があれば、多少給料が安くても長く働きたいと考えています。
この記事でわかること
採用コストを抑え、長く働いてくれる保育士を採用する方法として重要なのは、保育士に対して「嘘をつかない」「隠さない」姿勢で向き合うことです。誠実な保育園として認識されれば、必ずしも高待遇でなくても、長く働いてくれる保育士を採用できます。
採用担当者に言いたいですが、保育士に対して面接時に嘘をつくのはやめた方が良いです。ささいなことでも嘘をつかれたという不信感はずっと引きずることになります。ここでは長く働けないという意識でスタートするので長く続かないです。まぁそもそも嘘をつかざるを得ない保育園もあるとは思いますが。
— 保育士さえこ@ブラック脱出済 (@hoikushisaeko) October 10, 2019
複数回の転職経験があります
その経験が参考になればと思います
ポイント①面接時に嘘をつかない
保育園に限ったことではないですが、ちょっと自分の保育園を良く言いたくなってしまうのはわからなくもないですが、採用面接時に嘘をつくのは懸命ではないです。
前に面接で「うちの保育園は連絡帳などの書類業務は休憩時間中にやってます」ってさらっと言われた時は、もはや逆に好感が持てました。#保育士 #保育園 #保育士の待遇改善
— 保育士さえこ@ブラック脱出済 (@hoikushisaeko) June 8, 2019
入職後に嘘が発覚すると、保育士は不信感を抱きます。一度抱いた不信感を払拭するのは難しく、早期離職につながる可能性があります。
ささいなことであっても保育士は面接時に嘘をつかれたことは引きずります。さらにその後のささいなことで不信感が増大していきます。
本来正直に話しをしていれば、転職するほどでなかった事案であっても、嘘をつかれたという意識があると、その後に転職を決意するということがあります。
当然普段の仕事の士気にも関わってきます。保育士の仕事の質も低下すると思います。
面接時に嘘をついても、結局は保育士はすぐに辞めてしまうので、また新しく採用コストがかかることになります。
採用コストはなるべく減らして、保育士の待遇改善や負担軽減に当てたほうが良いです。そうすることでまた次の採用コストを減らすことができます。
サービス残業などの法律違反しているような保育園は、基本的に嘘をつかざるを得ないので、必然的に保育士の定着率は悪くなります。
定着率が悪いと採用コストも教育コストも追加でかかってくるので、それだったら残業代をしっかり払ったほうが良いと思うのですが。。
ポイント②出せる情報はすべて公開する
保育士が気になるのは特に待遇面の情報です。
- 有給消化率
- 夏季休暇や年末年始の休暇について
- 土曜・祝日出勤とその扱いについて
- 処遇改善費とその割合
- 月の残業時間平均
- 昇給額とその基準
- 賞与額とその基準
- 年間行事とその負担
- シフトの運用の仕方
このような見学ではわからない保育士が気になる待遇面の情報で、出せる情報はすべて出したほうが良いです。
例えば、求人票に「賞与あり」とだけ書かれている求人がたまにありますが、書けるのであれば昨年度の実績などを正確に書いたほうが良いです。
実際に面接に行って、聞かされた賞与の金額が想像よりも少なかったらがっかりしますし、場合によっては騙されたように感じます。
賞与の評価基準や昇給の基準なども、あまり詳しく説明しない保育園も多いです。そういう保育園に限って、なんの仕組みもないことが多い印象があります。
これ以外にも保育士の借上げ社宅制度の詳細条件なども載せられるなら、極力詳細の情報を載せたほうが良いです。
実際に面接に行ってから知ってそもそも条件が合わないということになると、お互いに面接の時間の無駄にもなってしまいます。
実際の保育の進め方などは、見学を通して知ってもらうという形が良いです。
求人情報上で出せる情報・出せない情報などあると思いますが。できることなら出せるものは全部出したほうが良いです。
待遇面に自信がなくても、情報をしっかり出していること自体を売りにするのも有りだと思います。
保育士は、保育園が都合の悪い情報を隠しているのではないかという不安を抱きながら求職活動をしています。そのため、情報を積極的に公開する姿勢が信頼感につながります。
ポイント③給料を下げてでも労働環境を改善すべき
ポイントの3つ目は、給料を下げてでも労働環境を改善すべきということです。最低限の法令を遵守して、人間関係を良好にたもてれば保育士不足に悩むことはないはずです。今回は人間関係に焦点を当てず、労働環境の改善に注力すべきという観点でお話します。
もちろん、すでに決まっている給与体系を変えるということは、簡単なことではありませんが、そういう方向にシフトしていくということは不可能では無いと思います。
仕事量と人間関係さえ良ければ保育士はなかなか転職しない
仕事量と人間関係が良好であれば、保育士は容易に転職を選択しません。他の保育園に転職しても、給与が上がったとしても、仕事量と人間関係に満足できるとは限りません。
給与は転職前に明確な数値として確認できますが、仕事量や人間関係は入職してみないと分からないのが現状です。そのため、給与が下がる保育園への転職を避けることはできても、仕事量と人間関係が悪化するリスクを事前に回避するのは困難です。
多くの場合、保育園の求人における給与水準は横並びであるため、給与が多少低い程度では転職を検討する保育士は少ないでしょう。
もちろん、他の職種に転職するのも保育士からは簡単ではありません。なので、保育士は仕事量と人間関係が良ければそう簡単には転職へとは至らないことが多いです。
国や自治体の制度は必ず最大限に利用する
保育士の待遇面で他の保育園と差がつけるのはなかなか難しいと思います。大前提として、処遇改善などの国から貰えるものはすべて園として貰えるように制度を利用してほしいです。
保育園間で差が付く部分は、自治体などが実施している処遇改善の制度をしっかり導入しているということ、それを情報としてきちんと公開しているかどうかということです。
保育士であれば処遇改善費の上乗せが国や自治体から出ていることを知っている人は多いですが、それが実際にいくらで、どのような形で支払われているのかは多くの保育園で曖昧になっています。
特に求人を見た段階ではわからないことが多く、処遇改善費が含まれているのか、いないのかというのがわからない求人も多いです。
それらの制度をしっかり導入しているということ、それがどのような形で支払われるのかということをしっかり伝えることで、良い保育園かもしれないと保育士にアピールすることができます。
保育士の宿舎借り上げ制度についても、利用できるのか、どのような条件があるのか、などをしっかり伝えることが保育士の安心に繋がります。
給料を下げれば労働環境は改善できるはず
保育士の給料を下げれば、労働環境の改善に回すことができるはずです。もちろん、すでに雇用している保育士の給料を下げることが難しいというのはわかります。
例えば、保育士がサービス残業をせざるを得なくなっているのであれば、保育士の給料を下げて、その分で不足している保育士を雇えば良いです。
基本給を下げれば、自動的に残業の時給も下がります。そもそも保育士が足りていれば、残業の必要性もなくなります。持ち帰りの残業も同様の方法でなくすことができます。
休暇などについても同様です。正社員であれば最低年10日は有給休暇の取得義務がありますが、それもとれないような環境であれば、保育士の給料を下げて、その分で不足している保育士を雇えば良いです。
保育士が一人増えるので、順番に休暇を取得してもらえば必要な保育士の人数も満たすことができます。給与を下げるというのは、既に保育園として保育士を雇用している以上難しい側面もあることはわかりますが、サービス残業などの違法状態を続けるより良いと思います。
それで最低賃金を守れないくらいない閉園したほうが良い
サービス残業や有給休暇の最低限の取得の法律を守るために、保育士の給与が最低賃金を割る場合もあると思います。
労働環境を改善した結果、法律における最低賃金も守れないようであれば、それは経営に向いていないということなので閉園にしたほうがみんなのためです。
そんな環境で保育される子どもたちもかわいそうです。とっとと閉園するなり腕の良い経営者と交代するなりしてください。
【まとめ】保育士は高望みはしていない
保育士の採用でお困りの採用担当者の方へ、この記事では、お金をかけずに長く働いてくれる保育士を採用する方法を解説しました。
現状、保育士は必ずしも全ての条件が揃った完璧な保育園を求めているわけではありません。多くは、最低限の法令遵守、良好な人間関係、適正な仕事量という、ごく普通の保育園を求めています。
しかしながら、そのような保育園を見つけるのは容易ではありません。
その背景には、保育園が採用活動において都合の悪い情報を隠しているという印象が強く、求職者が疑心暗鬼になっているという側面があると考えられます。
なので、採用の際はとにかく情報をオープンにすることで、その不安を払拭することができます。
そして、保育園は給料を下げてでも労働環境を改善して仕事量と人間関係を良くすると保育士の満足度も上がります。
最低限求めているのは、法律の遵守(サービス残業無し・年10日の有給休暇の内5日間は取得必須)とパワハラ・モラハラのない人間関係くらいです。
それ以外はどこか足りないところがあっても諦めているというのが現状です。
たとえば「それなりに休みがもらえれば、日々の休憩はちゃんとしてなくても良いか」のような思考です。
労働環境は、保育士一人ひとりの給与を見直し、その財源を不足している保育士の雇用に充てることで改善が期待できます。
人間関係は、コストをかけずに改善できる要素の一つであり、園長がリーダーシップを発揮し、積極的に改善に取り組む必要があります。
そして、「嘘をつかない」「隠さない」誠実な姿勢を貫く保育園であれば、改善への期待感が高まり、給与が多少低くても長く働きたいと考える保育士は多いでしょう。
重要なのは、保育士に対して「嘘をつかない」「隠さない」ことです。
このような保育園は、保育士からしたら信頼できるし今後改善していく見込みが高いとも思えるので、長く働いてくれる保育士をお金をかけずに採用することができると思います。
少なくとも最低限の法令を遵守して、人間関係を良好にたもてれば保育士不足に悩むことはないはずです。
保育士採用でお悩みの採用担当者の方は、ぜひこの記事を参考に、求職者の方へ誠実な情報開示を心がけてみてはいかがでしょうか。
よくある質問(FAQ)
- Q保育士採用でよくある嘘は何ですか?
- A
面接時に、自園を良く見せようとして、実際とは異なる情報を伝えてしまうことです。
例えば、賞与額を実際より高く伝えるなどが挙げられます。
入職後に嘘が発覚すると、保育士は不信感を抱き、早期離職につながる可能性があります。
- Q待遇面で公開すべき情報は何ですか?
- A
有給消化率、夏季・年末年始休暇、土曜・祝日出勤の扱い、処遇改善費の割合、残業時間、昇給・賞与の基準など、保育士が気になる情報を具体的に公開することが重要です。
これらの情報を事前に開示することで、保育士は安心して応募できます。
- Q給料を下げてでも労働環境を改善するとはどういうことですか?
- A
給与体系を変えることは簡単ではありませんが、例えば、サービス残業をなくすために、給与を下げてでも人員を増やし、残業時間を減らすという考え方です。
また、有給取得を推奨するために、人員を確保し、休暇を取りやすい体制を整えることも労働環境の改善につながります。
- Q国や自治体の制度はどのように活用すべきですか?
- A
処遇改善費など、国や自治体からの補助金は最大限に活用し、保育士の待遇改善に充てるべきです。
これらの制度を導入していることを求職者に明確に伝え、どのような形で給与に反映されるのかを具体的に説明することで、求職者の安心感につながります。
- Q仕事量と人間関係以外に保育士が重視することは何ですか?
- A
最低限の法令遵守、具体的にはサービス残業の禁止や、年10日以上の有給休暇が付与される労働者に対して年5日以上の有給休暇取得の徹底が重要です。
また、パワハラやモラハラのない、良好な人間関係も、保育士が長期的に働く上で重視する要素です。
- Q保育士不足を解消するために採用担当者は何をすべきですか?
- A
求職者に対して、嘘をつかず、隠さず、誠実な情報開示を心がけることが重要です。
待遇面だけでなく、園の雰囲気や労働環境など、ありのままを伝えることで、求職者の不安を解消し、信頼関係を築くことができます。
給与面だけでなく、労働環境の改善にも取り組み、働きやすい職場づくりを目指しましょう。