保育士は退職金は貰えるの?平均金額は?退職金の金額を知る方法、計算方法!

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保育園で働く保育士の皆様。

こんな疑問や悩み、不満はありませんか?
  • 保育士は退職金は貰えるの?
  • 保育士が貰える退職金の平均金額は?
  • 自分の退職金の金額、計算方法が知りたい

最近では「老後は3000万円が必要」という話も出ていて、老後に不安を抱えている保育士も多いと思います。結論から言うと、保育士は定年まで働いたとしても大手企業や公務員などと比べると、かなり少ない退職金の支給金額になると思います。

今回は、保育士が自分の退職金額を知る方法や、退職金をしっかりもらうための保育士の求人票の確認方法も紹介します。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
園を退職して、退職金を貰った経験があります
その経験が参考になればと思います

そもそも退職金とは?

退職金とは退職一時金、退職手当と言われることもありますが、勤めていた企業を退職した際に支払われる賃金のことを指します。

また、退職金というと60歳で定年退職をしないともらえないというイメージがある人もいると思いますが、そういうわけではありません。

若いうちの退職であっても退職金を支給する企業の条件を満たすことで、退職金が支払われます。条件とは「○年以上の勤務」などにあたり、各企業が自由に設定しています。

一般的に、同じ企業に長く勤めれば勤めるほど退職金の金額は多くなります。

また、誤解されやすいことですが、退職金は正社員に限定しているとは限りません。もちろん正社員に限定している会社もありますが、パートの雇用形態でも退職金を支給している場合があります。

そのため長年に渡って保育園でパートとして勤務していた場合は、退職金が貰える可能性もあります。

退職金制度は企業の義務?

実は、一般の会社において、退職金の支給というのは法律上の決まりではありません。これは私立の保育園も同様です。会社は必ず退職金を支給しなければいけないというわけではありません。あくまでも会社が独自に設定している制度になります。

そう考えると、退職金制度がない保育園で働くのは損じゃないかと思う人もいると思います。でも、実際にはそうとは限りません。

退職金制度は本質的には、従業員に支払う賃金の一部を積み立てているようなイメージになります。会社に負担が発生している以上、その分賃金が削られている可能性もあります。

もちろん、給与がまったく同じ保育園なら退職金制度がある保育園のほうが最終的にもらうことができる賃金は多くなります。ですが、給与に違いがあれば、どちらがトータルの賃金が多くなるのかは計算してみないとわかりません。

なぜ企業は退職金を支給する?

多くの会社の退職金は、その会社に長く勤務した場合にメリットが出るように設定されています。一般的に長く働けば働くほど退職金の支給金額は多くなります。

そのため企業としては、なるべく社員が他社に転職せずに長く働いてもらうために退職金というものを支給する狙いがあります。

また、働く社員としても老後が不安もあるため、できれば退職金がある会社で働きたいという思いがあります。この双方の需要が相まって退職金制度というのが存在しています。

一般企業の退職金の金額は?

一般企業の退職金の金額は以下のようになっています。いずれも大学卒の場合の平均の数字になります。

  • 勤続20年~24年 自己都合:780万円 会社都合:634万円
  • 勤続25年~29年 自己都合:1399万円 会社都合:1789万円
  • 勤続30年~34年 自己都合:2110万円 会社都合:2572万円

※データ引用元:厚生労働省『平成30年 就労条件総合調査(退職給付(一時金・年金)の支給実態)』

世の中にある多くの会社の平均なので、お金のある大企業の金額はもっと高くなり、中小企業は金額が少なくなります。

自己都合というのは、自分から退職を申し出た場合になります。会社都合というのはリストラなどによって会社から退職強いられた場合の金額になります。ちなみに定年退職の場合は基本的には、自己都合の退職となります。

一般的に会社都合の退職の場合は、退職金の金額が多くなります。会社都合の場合というのはリストラ以外に、パワハラやセクハラなどで退職した場合も該当します。

公務員の退職金の金額は?

定年退職金や地方公務員の60歳で定年退職した場合の退職金は 2000万円前後 になります。

もちろん、中途採用で公務員になった場合は、新卒で公務員になった人と比べると額は少なくなります。

公立保育園で働いている保育士の場合は、地方公務員になるので、60歳で定年退職した場合は退職金は2000万円前後貰えることになります。3000万円には足りないですが、公務員だと結構な金額がもらえます。

保育士は退職金もらえる?何年勤めたらもらえる?

前項まででも書いたとおり退職金を支給しているかどうかは雇用している企業によります。つまり、保育園で働く保育士に退職金が出るかどうかは、雇用されている保育園次第ということになります。

また、働いている保育園に退職金制度がある場合でも、何年勤めたらもらえるのかということは、保育園によって異なります。一年勤めれば貰える場合もあれば、3年以上勤めないと貰えないということもあります。

これらは、勤めている保育園によって異なるので、自分の支給条件は勤務している法人に確認が必要になります。

保育士の退職金の金額は?

公立保育園で働いている保育士は地方公務員になると思うので、前述の通り公務員の退職金計算によって支給されることになります。

一方、私立保育園で働く保育士はいわゆる一般企業の正職員になるので、退職金の支給は就業規則によって定められます。

もちろん退職金を支給している法人もあれば、退職金を支給しない法人もあります。

保育士という職種に限定した退職金の支給額のデータが存在しないので、東京都の私立保育園の運営法人も加入している東京都社会福祉協議会の退職共済の支給金額の例を示します。

※参考「退職共済金の計算(シミュレーション) – 東京都社会福祉協議会」https://www.tcsw.tvac.or.jp/kyosaikai/g_simulation.html

東京都社会福祉協議会の退職共済の場合での試算になるので、あくまでも一つの基準として参考にしてください。

東京都社会福祉協議会の退職共済の場合、標準報酬月額に対して、勤続年数で決まる退職共済金給付率をかけた金額が退職手当として支給されます。

※標準報酬月額20万円とした場合の計算例になります。
※標準報酬月額というのはここでは説明が難しいので、わかりやすく言うと退職時の年収を12ヶ月で割ったものになります。

  • 勤続1年の場合・・・20万円 * 0.476 = 9.52万円
  • 勤続3年の場合・・・20万円 * 1.5264 = 30.52万円
  • 勤続5年の場合・・・20万円 * 2.7847 = 55.69万円
  • 勤続10年の場合・・・20万円 * 5.7448 = 114.89万円
  • 勤続20年の場合・・・20万円 * 12.0572 = 241.14万円
  • 勤続30年の場合・・・20万円 * 19.0108 = 380.21万円

上記の例では、基準をわかりやすくするために標準報酬月額を20万円としていますが、実際には60歳くらいまで働いていたら、標準報酬月額も上がっている場合があります。

  • 勤続30年の場合・・・30万円 * 19.0108 = 570.32万円

そこで、標準報酬月額を30万円とすると 勤続30年で約570万円 という結果になりました。

再三になりますが東京都社会福祉協議会の退職共済の計算例になるので、これを持って一概に保育士の退職金の金額がこれくらいと言えるわけでは有りません。

保育士という職種に限定した退職金の支給額のデータが存在しないので、私が過去に勤めた保育園や周囲の保育士の話を聞いている上では、この数字が保育士の平均的な退職金の支給額ぐらいと考えても良いと思います。

自分が勤めている保育園の退職金については就業規則などをチェック

自分が勤めている保育園の退職金については就業規則や給与規則を確認して下さい。制度がある場合は就業規則には記載があるはずです。

退職金の支給有無、金額の計算方法は、保育園を運営している法人によって全く異なります。退職金の支給がまったくない法人も存在します。

就業規則や給与規則は必ず、全職員が参照できるようになっているはずなのでそちらで退職金の支給有無、金額の計算方法をチェックしてみてください。

保育士の退職金が貰えるからどうかは求人票をチェック

保育士が転職の際に、退職金が貰えるからどうかは求人票をチェックすると良いです。

退職金制度あり

と書かれている保育園には退職金制度があります。制度の詳細は書かれていないことがほとんどなので、詳細は面接の際に聞いてみましょう。

  • 「退職金」と「退職金共済」の違いに注意

一般的に退職金と言っても大きく「退職金」と「退職金共済」があります。

「退職金」は企業が制度をつくって直接お金を退職者に支給します。

一方「退職金共済」は企業が共済の制度に加入して、退職金制度を労働者に提供します。先程、例として示した対処金の計算も東京都社会福祉協議会の「退職金共済」になります。

「退職金共済」の場合、一般的に企業と労働者が折半して掛金を負担する場合が多いです。この場合は、毎月の給料から退職金の共済の負担金が天引きされることになります。

先程 勤続30年で約570万円 と計算例を示しましたが、このなかにも自分の給料から天引された掛け金が含まれているような形になります。

そんなのただの積立貯金だと思うかもしれませんが、実はその通りなのです(厳密には少し違いますが)。

このような給与面の細かい話を面接で聞くのは、少し躊躇してしまうという人は保育士の転職エージェントを活用すると良いです。転職エージェントは聞きづらいことも保育士に変わって聞いてくれます。

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また、退職金がたくさん欲しいなら、企業が運営する保育園もおすすめです。

企業内の保育園であれば、運営している大企業と同列の退職金制度に加入できる可能性があるためです。もちろん運営元の会社の制度によりますが、会社によっては通常の保育園よりも給料も退職金も良い場合があります。

退職金だけに囚われてはいけない

結局の所、退職金というのは企業がお金を出しています。

特に保育園の場合は、人件費が運営に占める割合も多くなっています。そのため企業が出している退職金の分は、結局、保育士の給料が削られていることがほとんどです。

「毎月の給料も高くて、退職金もたくさん貰える」のであれば良いですが「毎月の給料は安くて、退職金はたくさん貰える」ではあまり意味がありません。

なので保育士が転職先を考える際には、退職金も含めて給料などをトータルで考えるということが大切になってきます。