保育士の皆様。保育園の園長と定期的に面談などはしていますか?
こんな方も多いと思います。園長との面談は、保育士が様々なことを直接伝えることができるチャンスです。今回は、一般的に保育園ではどのような目的で面談がおこなわれるか、どのようなことを伝えるチャンスであるのかということを解説します。
園長との面談経験があります
その経験が参考になればと思います
園長との面談とは?
保育園によっては園長ではなく、主任保育士や副園長なども合わせた複数人での面談になることもあります。
年に数回程度の面談の機会がある場合や、毎月のように面談をする機会がある園など、頻度も様々だと思います。
私は経験がないですが、もしかしたら面談の機会がないという保育園もあると思います。
園長との面談はなんのための場?
あくまでも一般的な保育園では、園長との面談でなにをするための場なのかということを解説します。本来は、面談が何のための場なのかという共通認識が組織として形成されていることが望ましいと思います。
目標の設定など
次年度などの目標の確認なども、この場で行うことが多いです。多くの場合は、事前に目標を各自が設定してきます。もしかしたら、目標設定等は行わない保育園もあるかもしれません。
面談の場では、この目標が高すぎないか、低すぎないかなどの確認を園長と行います。それ以外にも、このような目標を足したほうが良いということなどを話し合います。
保育における目標はかなり、かなり抽象的な表現であるものも多いので、より具体的に行動目標などを設定すると良いと思います。そうしないと、振り返りの際に。目標を達成できたかどうかの判断が難しくなってしまいます。
目標の達成度合いなどで、昇給や賞与の金額を決める保育園も多いです。
自己評価の振り返り
自己評価や目標の振り返りも、目標設定と合わせて行うことが多いです。前回の面談などで設定した個人の目標に対して、「達成できた」か「達成できていない」かなどを振り返ります。
達成できていない場合は、なぜ達成できなかったなどの理由も振り返りを行います。基本的には事前にシートなどで自分で振り返りをまとめていくことが多いと思います。
そして、今後さらに改善していくためにはどのような行動をしていくべきかということも話します。
最終的に、面談後からどのような保育をしていくかということを、次回以降の目標につなげていくことになります。
自己評価の振り返りは、賞与や昇給にも影響する保育園が多いです。
もちろん自己評価なので、これに園長や主任保育士などの視点が加わって、本当に達成できていたかなどが改めて判断されることになると思います。
園長との面談ではこんなことを伝えられる
保育園の雰囲気や面談の頻度などによっても異なりますが、園長と1対1で話す機会がある場合に、以下のようなことを伝えることができます。
担任などの今後の希望
面談の場は「次年度は何歳児を担当したい」というような希望を園長に伝える良い機会でもあります。
希望がある場合は、絶対に伝えたほうが良いです。 希望を伝えること自体が意欲を伝えられることにもなりますし、
自分の希望を伝えることが、マイナスになることはないです。逆に、希望は伝えないと、叶う可能性も低くなります。
より自分の希望を叶えるためには、単なる希望を伝えるだけではなく、どのような理由で何歳児を経験したいということをしっかりと伝える必要があります。
「まだ○歳児の担任は経験したことがないので」というような形です。そうでなければ、ただ楽がしたいと思われてしまうかもしれません。
もちろん、保育園にはたくさんの保育士がいるので、希望が叶う保証はないですが、伝えておくことが大切です。
苦手な同僚の保育士など
大きな保育園になれば、どうしてもペアになりたくない同僚の保育士などがいると思います。そのようなことをそれをとなく伝えることができる機会でもあります。
もし、毎日の出勤が苦になるくらい辛いのであれば、しっかりと苦手な同僚の保育士がいることを伝えたほうが良いです。
決して悪口を言うというわけではなく、あくまでも 性格などがあわなくて苦手であるということ を軸にして、園長に対して伝えるのが良いです。
周囲から見ているだけではうまくやれてるように見えることも多いです。伝えないとこのような状況はわからないです。こちらも、希望が叶うかどうかはわかりませんが、伝えておくということが大切です。
保育園の不満点、問題点、改善点
保育園の不満点、問題点、改善点なども伝える良いチャンスです。
- おもちゃが足りない
などの細かいことから
- 普段、保育をしていて危ないなと思った点
など様々です。シフトの組み方や休暇のとり方などについての意見などもあると思います。
不満点や問題点は、改善案と合わせて提案できるとより良いと思います。
「自分が大変だから変えてください」というような受け身な姿勢ではなく、「こういうところがみんな不満に思っていて、こう変えれば保育園がもっと良くなる」ということを伝えることが大切です。
休暇の取得について
有給休暇などで長期間の休みを取りたい場合は、この時に伝えても良いと思います。もちろん、この時でなくても良いです。
退職の報告について
今後の退職予定などがあれば、この機会に伝えるのがベストだと思います。
園長に引き止められるという可能性もあるので、うまく返せるようなシミュレーションをしておくと良いと思います。
この時点では、退職届は用意せず(指定のフォーマットがある場合があるため)に口頭での申告にして、後ほど指定のフォーマットがあるかどうかを確認しましょう。
園長との面談でこれは言わないほうが良いかも
園長との面談でこれは言わないほうが良いかもということを紹介します。
他人の悪口や批判
仮に聞かれた場合も、特定のだれかの悪口を言うということは避けたほうが良いかもしれません。
回り回って本人に伝わってしまうこともありますし、その場合は人間関係に歪みができてしまいます。
このような場合は、個人の悪口を言うのではなく、組織の問題点をしっかり洗い出して伝えるべきです。
例えば、「誰かがしっかり仕事をしていない」ということがあれば「仕事をちゃんとしている人が正しく評価されていない」というような言い方をすると良いと思います。
仕事をちゃんとしている人が評価されるという保育園になっていれば、仕事をしていない人は自然に浮き彫りになって、昇給や昇進ができなくなります。
そうなると本人も是正するようになるかもしれません。要は、このような問題は、個人の問題ではなく組織の仕組みの問題であることが多いです。
なので、個人の問題点を批判するのではなく、それを組織の問題点に昇華させて伝えることで、角が立つこともなくなります。
面談では伝え方にも注意
面談では、園長への伝え方にも注意が必要です。ただただ、不満をぶつけるだけでは、園長も具体的な対応に動きにくいです。たくさんの保育士と面談をするので、すべてに対応するのは不可能です。
単に不満を言うだけではなく、改善案とセットで提案すると良いです。
改善案とセットで提案することで、より真剣に考えていることが伝わりますし、園長もどうやって対応するかを判断しやすくなります。
また、現場の保育士だけでなく、保育園(園長)にとっても負担が減るようなメリットが出せると動いてくれやすいと思います。
また、一人ではなく同僚の保育士と事前に意見をすり合わせることも有効だと思います。
一人だけの不満だと、園長としても動きにくいですが、ある程度の人数が同じような不満を持っているとなると、園としてもなんとかしないとと思う確率が上がると思います。
結局は日ごろの行いが重要
園長との面談で何を話すか、何を伝えるかということはもちろん大切ですが、一番重要なのは、日頃の行いだと思います。
例えば、園長からしても、日頃あまり仕事をしていないようなサボっているような保育士にどんな不満や要望を言われても、まったく響かないと思います。それだと、文句ばかりは人一倍言う保育士と思われてしまいます。
結局は、普段の保育などの仕事のなかでしっかりと、園にとって子どもにとって価値を提供できているかどうかということが重要です。
同じ不満や意見、改善点であっても、言う保育士の日頃の行いなどで、結果は大きく変わってくると思います。
面談の時だけ、取り繕って不満や意見を伝えるのではなく、日頃から園に貢献していくという姿勢が大切だと思います。
園長が話にならない!
保育園で働いて不満点や改善点はたくさんあるけど、園長がまったく話にならないという場合も多いと思います。
- 園長から嫌われている
- 問題点や改善点を指摘してもなにも変わらない
残念ながら、こんな園長がいる保育園も存在します。このような園長の場合は、なにを真剣に伝えても無駄になってしまうことになります。
このような園長の場合は、可能であれば、さらに上の人に要望などを伝えていくしか無いです。
大きい会社であれば、園長は雇われ園長で会社組織が本部として存在することもあります。また、理事長などが法人のトップとして存在することもあります。
このような会社や理事長などのさらに上に人に相談して、改善を求めることになると思います。ただ、あまりに閉鎖的な保育園の場合は、「誰が告げ口した」などの犯人探しに陥ってしまうこともあります。
もちろん会社としてそのような機会が用意されていなかったり、それらの人と園長がズブズブな関係であれば、改善は見込めないかもしれません。また、そもそも園長が組織の実質的なトップになってしまっている場合は改善するのはかなり難しいです。
不法行為などが起きているということであれば、外部の組織(労働基準監督署や認可を行っている市区町村)などを頼ることも可能ですが、単なる組織の不満程度では対応してくれる外部の機関はないでしょう。
このような園長がいる保育園、会社として改善が見込めないような体制になっている場合は、今後も不満点などが改善されずに増えていくということは目に見えています。そういう場合は、最終的には転職も視野にいれたほうが良いかもしれません。
まとめ:保育士の保育園での園長・施設長との面談。何を伝えれば良い?
保育士の保育園での園長・施設長との面談について、どのようなことを、どのように伝えればよいかということを紹介しました。
保育園での園長・施設長との面談は、
- 目標の設定など
- 自己評価の振り返り
などの場でもありますが、
- 担任などの今後の希望
- 苦手な同僚の保育士など
- 保育園の不満点、問題点、改善点など
- 休暇の取得について
- 退職の報告について
を伝えるチャンスでもあります。
園長との面談でこれは言わないほうが良いことは、他人の悪口や批判などです。個人の悪口を言うのではなく、組織の問題点をしっかり洗い出して伝えるべきです。
ただし、これらの希望や改善点などは結局は日ごろの行いが重要という側面もあります。
面談の時だけ、取り繕って不満や意見を伝えるのではなく、日頃から園に貢献していくという姿勢が大切だと思います。