保育士の皆様。ビジネスにおける「ほうれんそう」という言葉を一度は聞いたことがありますよね。
ビジネスの研修などを受講したことがある保育士の人は少ないかもしれませんが、保育園で働く保育士にも「ほうれんそう」はとても大切です。
保育士のほうれんそうは、業務も効率化し、人間関係も円滑にすることができます。あまり意識をしたことが無いという人は、あらためて意識してみるともっと効率的に働くことができるかもしれません。今回は、そんな保育園における「ほうれんそう」について解説します。
その経験が参考になればと思います
ビジネス的な研修をほとんど受けることが無い保育士
最近でこそ、大きな保育園会社であれば採用時にビジネスマナーの研修を受講する場合も増えてきてはいますが、新卒で保育園や幼稚園で働くと、社会人としてのビジネスの基本やマナーを学ぶ機会というのはほとんどありませんよね。
私自信も保育士として働いてきて、実際にビジネスの基本やマナーなどを会社や企業が行う研修として受講したことはありません。専門職なので当たり前といえば当たり前かもしれませんが、社会人の多くが当たり前のように知っていることを知らないというのは、なんだか寂しいですよね。保育以外の一般企業で働いている友人などと話をすると、前提知識が違って話が噛み合わないなってこともありますよね。
それはさておき、日本の会社に就職する多くの新入社員は似たようなジネスの基本やマナーを学ぶ研修というのを入社時に受講していることが多いです。
大企業であれば、入社時に一定期間(1週間〜1月以上)でみっちりビジネスの基本を学んでから、晴れて部署に配属となります。
そのなかでも日本の会社に就職した場合は、新入社員が必ず学ぶものの一つが「ほう・れん・そう」です。もちろん、保育士として働く方でも知っているという人は多いと思います。
この「ほうれんそう」は保育園で働く保育士とってもとても大切なことです。
「ほう・れん・そう」ってなに?
「ほう・れん・そう」とは、
- ほう・・・「報告」
- れん・・・「連絡」
- そう・・・「相談」
のことで、それぞれの頭文字をとって覚えやすいように「ほうれんそう」と呼ばれています。おそらく日本の会社に勤める社会人であれば全員が知っているもはや常識とも言えると思います。
それぞれの行動を簡単にまとめると以下のようになります。
- 報告・・・上司などに進捗や状況などを報告すること
- 連絡・・・関係者に必要な情報を連絡すること
- 相談・・・困っている、悩んでいる時に相談をすること
一般の会社でも基本になっていることは、もちろん、保育園という組織の中でも大切です。むしろ、小さく人数が限られて保育園という組織でこそ重要とも言えるかもしれません。
「ほうれんそう」の違いがわからない?
報告連絡相談のほうれんそうを聞いたことがある人でもない人であっても、疑問に思う人がおおいのは報告連絡相談の違いがわからないというものです。
社会人歴が長い人でも、違いを理解してほうれんをしているひとは多くないでしょう。連絡と報告の違いも曖昧ですし、報告した結果、相談に発展することもあります。
実際のところ、報告、連絡、相談の違いを理解して使い分けるということは重要ではありません。大切なことは、必要な時に必要なコミュニケーションを必要な相手と行うということです。報告、連絡、相談の違いが良くわからないという人は、このことを意識すると良いでしょう。
保育園で働く保育士にも「ほうれんそう」はとても大切!
保育園で働く保育士にも「ほうれんそう」はとても大切です。保育士のほうれんそうは、業務も効率化し、人間関係も円滑にします。
保育園での「ほう・れん・そう」は業務も効率化できる
保育園は小さい組織ではありますが、園長、主任保育士、保育士、非常勤など上下に様々な人がそれぞれの役割と仕事をこなしています。それに加えて、利用者である子どもと保護者が関わってくる仕事になります。もっと広い視野でいうと、認可をしている自治体なども関係すると思います。
その中で、様々な問題やトラブルが起きると思いますが、「ほうれんそう」がきちんとできていると問題への対処も効率的に行うことができます。
ほうれんそうをきちんとすることで「それはこうしたほうが良い」「あれは去年はこうしていた」などのそれぞれが知っている属人的な情報を他の従業員に効率よく広めることができます。
保護者との間で何かトラブルが発生したとしても、誰かの早い対応で沸点が下がって大きなクレームにはならないということもありますよね。
保育園での「ほう・れん・そう」は人間関係も円滑にできる
「ほう・れん・そう」きちんとできているということは、必要な情報を適切な場面で必要十分に報告連絡相談できる間柄でなければいけません。
話しかけることすらもちょっと躊躇われるというような環境では、ほうれんそうは成立しません。あの人と仲良くないから言わないでおこう、とか、他の人に「あの人にも伝えておいて」というような形は最悪です。
ですが、今が、仮に適切にほうれんそうができない環境であっても、繰り返していくことで徐々に連携が取れるようになってくるはずです。業務も効率化できて、人間関係もより円滑にしていくのが保育園でのほうれんそうになります。
「ほう・れん・そう」の保育園での保育士の活用方法
「ほう・れん・そう」の保育園での保育士の活用方法を説明します。
保育園の保育士は誰に「ほうれんそう」をすれば良い?
保育園で保育士が「ほうれんそう」をすべき人は関係する人全員です。 もちろん、それは状況によって異なります。
例えば、保護者も関係する大きなトラブルなどが起きた場合は、同じクラスを担当している保育士はもちろん主任保育士や園長への報告が必須です。
関係するであろう人全員に情報が行き届いているということが保育園の業務や人間関係を円滑にする上でとても大切です。
よくあるトラブルは「〇〇さんは聞いていたみたいだけど、私は聞いていない」ということです。これをやられてしまった人は、自分は重要じゃないのかなと感じてしまうかもしれません。こういう細かい事が人間関係の亀裂を生んでしまう最初の一歩になるかもしれないので注意しましょう。
逆にあまりに細かすぎることをわざわざ園長に報告連絡相談しても、鬱陶しがられてしまうこともあります。「そんなこといちいち伝えなくて良いよ」という感じです。でもほうれんそうをしないで問題になるよりは絶対に良いので、初めは少し過剰なくらいでも良いかもしれませn。
ほうれんそうのコツは働き始めた最初はなかなか良い塩梅が難しいと思いますが、適切な人に適切なタイミングで報告連絡相談することも保育士として大切なスキルなのでしっかり意識しましょう。
保育園の保育士の「ほうれんそう」のタイミングは?
保育園で働く保育士の「ほうれんそう」の適切なタイミングは早ければ早い方が良いです。一番、良くないことは「待っていれば誰かかが解決してくれるかも」と考えて問題を一度放置してしまうことです。
そういうことが起こると周りから「なんでなにもしなかった?」「どうして相談しなかった?」と言われてしまいます。早く他の誰かに伝わっていれば問題にすらならないことも多いです。
つまり、保育園の保育士の「ほうれんそう」のタイミングには早すぎるということは無いということです。迷ったらすぐに誰かにほうれんそうしましょう。
でも実は難しい保育園での「ほう・れん・そう」
保育園という職場において「ほう・れん・そう」をきちんと行うということはなかなか簡単なことではありません。
必要なタイミングでほうれんそうしにくい
それは、「ほう・れん・そう」をするということが、まず、それぞれのある程度余裕がないと難しいです。次から次へとやることが溜まっていくような職場環境においては、どうしても「ほう・れん・そう」が適切に行えない場合があります。特に、保育園の場合は、乳児幼児の園児がいるので、予想ができないことが次々に起こるということもしばしばです。
当たり前ですが、保育中は保育に集中をしないといけないので、例えば、その場にいない園長に「ほうれんそう」をするというのが難しい場合も多いです。今、ほうれんそうしなければというタイミングで抜け出すことが難しいのは、保育士の仕事におけるほうれんそうの難しさの一つです。
そもそも「ほう・れん・そう」しにくい人間関係の場合も
ほうれんそうがきちんとできると、保育園の人間関係も円滑になるということを先程書きましたが、これは、卵が先か鶏が先かの話で、そもそもの人間関係が悪いと、「ほう・れん・そう」がしにくいです。
「ほう・れん・そう」をしたところで、聞き手側の態度が悪ければ、「ほう・れん・そう」をする意味がないですし、そのことによって余計に人間関係が悪化していく可能性もあります。「ほう・れん・そう」をしても良いことがないのであれば、みな「ほう・れん・そう」もしなくなっていきます。
後輩や部下の「ほうれんそう」がなくて困っている
保育園で保育士として働く皆さんのなかには、「ほうれんそう」に関して、自分はできている感じていても、他の同僚がなかなかできていないということにストレスを感じている方も多いと思います。
保育園での仕事に限ったことではありませんが、ほうれんそうは自分だけができているだけでは、あまり意味がないというのが難しいことでもあります。保育園でのコミュニケーションを円滑にするには、職場全体でほうれんそうがきちんとできているということが重要になります。
先輩や園長は「おひたし」にも気を使おう!
社会人としてもはや常識となっている「ほうれんそう」はどうしても上司の目線になってしまいます。つまり、部下に対してそうしてほしいという願望です。ですが、上司の態度なども円滑な「ほうれんそう」を妨げてしまっている要因として挙げられます。
そんな中で一時期SNSで話題になったのは、「ほうれんそう」対して上司や先輩が「おひたし」で返すということです。
「ほうれんそう」はどうしてもやって当たり前、部下が勝手に行うものというイメージが根強いですが、それでは良くという意見になります。
おひたしとは、
- お・・・怒らない
- ひ・・・否定しない
- た・・・助ける
- し・・・指示する
ということです。
部下の保育士が「ほうれんそう」をしても怒られてしまったら、それ以降は怖くて「ほうれんそう」もできなくなってしまうかもしれません。
また、トラブルなどが起きて助けを求めるために園長に「ほうれんそう」をしても助けてくれなかったり、指示がもらえなかったら、それもまた「ほうれんそう」を遠ざけてしまう要因になってしまいます。
このような経緯があって、部下が「ほうれんそう」をしにくい環境を作ってしまっているのであれば、それは上司の責任といえます。保育園での「ほう・れん・そう」で人間関係を円滑にするためには、園長をはじめとした、上司の姿勢もとても重要になるということです。
- 現場の保育士が適切に「ほうれんそう」をする
- 主任保育士や園長が適切に「おひたし」で応える
この繰り返しで保育園の業務の効率も上がり、よりよい人間関係になっていくはずです。
まとめ:保育園で働く保育士にも「ほうれんそう」はとても大切!報告連絡相談で人間関係を円滑に!
今回は、保育園で働く保育士にも「ほうれんそう」はとても大切だという内容について紹介しました。
社会人なら誰でも知っているであろう「ほうれんそう」は保育園で働く保育士にとってもとても大切です。ビジネス研修などは受講したことがない人は多いと思いますが、ほうれんそうの考え方自体はとてもシンプルです。
報告・・・上司などに進捗や状況などを報告すること
連絡・・・関係者に必要な情報を連絡すること
相談・・・困っている、悩んでいる時に相談をすること
要は、情報共有を積極的に行って、業務も効率化し、人間関係も円滑にしようという話になります。
「ほうれんそう」なんて知っているという人も多いと思いますが、実際にそれを保育園という場で実現するというということは簡単なことではありません。そもそもの人間関係が悪いことで、報告連絡相談をするということをためらってしまったり、やりにくいという環境になってしまっていることもあるためです。
保育園で保育士が「ほうれんそう」をすべき人は関係する人全員なので、自分だけではなく、みんなが適切にほうれんそうができているということが重要になります。