これから新たに働く保育園を探しているという方。
なかには「一人担任」か「複数担任」かということを気にして保育園を選んでいるという方もいらっしゃると思います。
今回は、保育士は一人担任と複数担任はどちらが仕事しやすいのかということを、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて解説していきます。
一人担任と複数担任のどちらの経験もあります
その経験が参考になればと思います
一人担任制と複数担任制の違いとは?
一人担任制はひとつのクラスを保育者一人で担任するという仕組みになります。複数担任は、ひとつのクラスを2人以上の保育者で担任する仕組みになります。人数は園児の人数次第ですが、2〜4人程度の場合もあります。
保育園には、園児の人数に対する保育士の配置基準というのが国によって定められているので、園児の人数に対して保育士一人では足りない場合は、複数の保育士が担任として運営されます。
保育園は乳児は複数担任、幼児は一人担任の場合が多い
保育園は基本的に乳児は複数担任、幼児は一人担任の場合が多いです。乳児(0〜2歳)は年齢ごとにそれぞれ1クラスで複数担任制で、幼児は園児の人数によってクラスが同じ年齢でも複数のクラスがあり、一人担任で運営していることが多いです。大規模な保育園であれば、同じ年齢でも複数のクラスがあることがあります。
一人担任制のメリット
まずは、保育園の一人担任制のメリットを紹介します。
ある程度自分の好きなように保育ができる
一人担任は、保育園の方針から逸脱していなければ、ある程度自分の好きなように保育ができるというメリットがあります。クラスの主担当は自分ひとりなので、そのクラスの保育の方針やカリキュラムなどは、口を出してくる人が少ないです。その反面ですが、後述していますが、自分自身の責任も増していきます。
人間関係をあまり気にしなくて良い、気が楽
人間関係をあまり気にしなくて良いというのは、一人担任の大きなメリットの一つです。もちろん、クラスにはフリーの保育士の方など、自分以外の保育士も関わりますが、あくまでも一番責任のある担任は自分なので、誰かに意見されたり、意見をしなければいけないシーンも複数担任の場合と比べても少なくなります。当然ですが、意見の不一致や保育観の違いなどから生まれる軋轢も少ないでしょう。
保護者と信頼関係を築きやすい
一人担任だと自分自身が多くの保護者と接する場面が多いため、信頼関係を築きやすいです。複数担任だと、保育士が保護者と話した内容が他の保育士に伝わっていないということが起きやすく、それがトラブルに発展してしまうこともあります。
一人担任制のデメリット
続いて、保育園の一人担任制のデメリットについて紹介します。
仕事量が多め
一人担任は、複数担任と比較すると、仕事量が多い傾向があります。書類、製作など、様々な仕事を自分一人で行うためです。それに加えて、保育園での係となっている仕事もこなす必要があります。
たまに心細い、相談する相手がいない
一つのクラスを自分ひとりで見るので、たまに心細くなってしまうこともあります。同じクラスの状況を理解していて、近い距離で相談できる人がいないためです。優柔不断な性格の人や周りの様子が気になってしまう人などは、特に心細く感じてしまうかもしれません。
休みにくい
自分が休んだ場合は、フリーの保育士や別のクラスの保育士が、代わりにクラスに入ることになります。保育園のシフトに大掛かりな変更が必要なことも多く、心理的に休みにくいというデメリットがあります。行事のときも、そのクラスの担任はその人ひとりなので、絶対に穴をあけることができないというプレッシャーもあります。
責任が重い
やはり自分一人が担任しているクラスになるので、責任はすべて自分にあります。クラス内で事故やトラブルが起きたら、自分が矢面に立って対応する必要があります。
複数担任制のメリット
ここからは、複数担任制のメリットを挙げていきます。
仕事を分担できる
複数担任制のメリットの一つに仕事を分担できるというものがあります。クラス内で必要な書類や製作などはそれぞれ分担して実施することができます。そのため、一人担任と比べると、仕事量は少ない傾向が強いです。
困ったら助けあえる、相談しあえる
なにか困ったことがあれば、助け合えたり、相談できるというのが複数担任制の大きなメリットと言えるでしょう。一人担任でも、相談できる人はいますが、状況をあまり理解していないとあまり参考にならないことも多いです。
休みやすい
一人担任が休んでしまうと、そのクラスに担任が不在ということになりますが、複数の場合は、他にも担任が出勤します。担任はクラスのことを把握していると思うので、なるべく計画や普段どおりに保育を進めやすいです。そういった点で複数担任は心理的にも休みやすくなります。
複数担任制のデメリット
反対に、複数担任制のデメリットを挙げていきます。
人間関係が難しい
もし自分と合わない人と複数担任になってしまったら1年間ずっと苦痛ということにもなりかねないです。仕事が分担できるということをメリットに挙げましたが、仕事の分担や割り振りでギスギスしてしまうことも多いです。結局どちらかが、我慢したり妥協しなければいけない場面も多いです。
自分に思い通りに行かない
一人担任で挙げたある程度自分の好きなように保育ができるというメリットの逆で、複数担任の場合は、なかなか自分の思い通りにいきません。
リーダーになると大変
複数担任制のなかでも、主副やリーダーが決められてクラス運営されている保育園が多いです。複数担任制の場合は、リーダーになると、まとめるのが大変になるというデメリットがあります。自分の仕事をしつつ、後輩を育てなくてはいけないので、状況次第では、かえって責任や仕事量が増してしまうこともあるでしょう。
伝達漏れがある
複数担任制だと、毎日同じ保護者と顔を合わせるということは少なくなります。クラス内の情報はなるべく、すべての担任で共有されているべきですが、どうしても忙しいと伝達漏れが起きてしまうことも多いです。そのことが、保護者を巻き込んだトラブルに発展してしまうことが多いです。
保育士は一人担任と複数担任はどちらが仕事しやすい?
本題の「保育士は一人担任と複数担任はどちらが仕事しやすい?」という疑問への回答になります。
前項に挙げた一人担任と複数担任のそれぞれのメリット・デメリットを見てもらえばわかると思いますが、 一概にどちらが仕事しやすいということは難しい です。
自分の経験や性格
と
複数担任になる場合のペアとなる相手次第
でどちらが仕事しやすいということは変わってきます。
例えば、自分自身が保育士として一人前で一通りの仕事ができるという人であれば、一人担任のほうが仕事しやすいと思うかも知れません。一方でまだ経験が浅く、先輩上司から学んで吸収していきたいという人は、複数担任のほうが向いていると言えるでしょう。
ただし、いずれの場合であっても、複数担任の場合は、ペアになる相手がとても重要です。普段から仕事をサボっているような人とペアになると、自分の負担は増えてしまいます。また、性格や考え方が合わない人と毎日近い距離で仕事をするというのも苦痛でしょう。
一概にどちらが仕事しやすいということや、どちらが良い悪いということも言えないので、保育士としては、どちらにも対応できるように経験を積んで行くのが良いです。
まとめ:保育士は一人担任と複数担任はどちらが仕事しやすい?
今回は、保育士は一人担任と複数担任はどちらが仕事しやすいのかということを、それぞれのメリット・デメリットを踏まえて解説しました。
これから新たに働く保育園を探しているという方のなかには「一人担任」か「複数担任」かということを気にして保育園を選んでいるという方もいらっしゃると思います。注意が必要なのは、保育士の働きやすさを比較する際に「一人担任」か「複数担任」かということ以上に、例えば、保育士に対する園児の人数などの、その他の要素もとても重要だということです。結局、保育士が足りていなければ、一人担任でも複数担任でも保育士が感じる負担は大きくなってしまいます。
保育士の仕事のしやすさという点では、
自分の経験や性格
と
複数担任になる場合のペアとなる相手次第
になるので、一概にどちらが仕事しやすいということや、どちらが良い悪いということも言えないので、保育士としては、どちらにも対応できるように経験を積んで行くのが良いかもしれません。