年末年始が過ぎ、今年度も後○ヶ月…早いなぁと思う反面、まだ○ヶ月もあると感じる人も少なくないと思います。
そしてこの時期になると保育士の皆さんが特に気になってくるのは来年度の人事についてです。保育士間でも、来年はこの人がここだろうと予想などが白熱してきていると思います。
今回は保育士の人事発表について、いつどのように発表されるのか、発表された後はどのような準備に入るのかを解説していきます。園によって発表の内容や仕方は様々だと思いますが、今、来年度のことで緊張している方は参考にして頂ければと思います。
複数回の転職経験があります
勤務している園で新年度を迎えた経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園の人事発表とは?
保育士として現在も働いている方ならわかると思いますが、1月からは皆さんソワソワし出し、保育士の間では来年度は誰がどこの担任になるかという話題で持ちきりになります。
色々な先生が色々な予想をしていてそれを聞くのは楽しい時もありますが、そうなったら嫌だなという思いもあります。そしてその年によって退職する先生がいるかいないかでもだいぶ変わってきますが、大体あの人はここだろうという予想を立てていきます。
しかし、決めるのは保育士ではありません。決め方も園によって色々あると思いますので、ここからはどのように決まるのか、発表時期はいつなのかを解説していきます。
保育園の人事の決め方
まず、人事の決め方ですが、これは園によって様々です。園長先生が日々の保育士の様子を観察し、園長先生1人で決める所、副園長先生や主任と相談しながら決める所、職員全員と面談を行って決める所と様々です。
人事の決め方として大事なのは、
先生たちの相性、向き不向きがあること、この学年をこの人に1年間任せられるか
ということだと思います。
園によっては、幼児クラス(3〜5歳児)乳児クラス(0〜2歳児)と区切っていて、幼児の先生はずっと幼児、乳児の先生はずっと乳児と決めているところもあります。逆に、全員が色々なところをできるようになって欲しいと毎年様々な学年に行ったり、持ち上がりをさせたりと色々な事情を踏まえながら決めていきます。
人数が十分にいる園では、誰がフリーになるかも気になってきますね。フリーの先生は固定のクラスに入ってはいないものの毎日違うクラスに入るのでとても大変です。
しかしながら最近はどこの園でも、1年のうちに1度は園長先生と面談を行い、希望を聞いているところもあるようです。希望を聞かないという園もありますが、思いがあるのなら伝えておくのも1つの手だと思います。
公立園の発表時期
公立園は自治体に雇用されている地方公務員になります。そのため、私立園とは違い、他園への異動というのも可能性としてはあり得ます。大体1つの園に3〜4年勤めると異動のタイミングがやってくるという話を聞きますが、人によっては園が合わず1年で異動希望を出す方もいるようです。
発表される時期ですが、私立園と変わらず3月に発表されることが多いようです。異動辞令は異動日の直前に発表されることも多いようで、この時期はとてもバタバタしてしまいますので、身構えておく必要があります。
私立園の発表時期
私立園は公立園とは違うので、他園へ異動は基本的にありません。たくさんの保育園を運営している保育園会社などで、色々な場所に園があるところは異動もできなくはないようですが、基本的に社会福祉法人などの園はその園のみに雇用され、合わない場合は転職という形になります。
そして、私立園の人事発表時期ですが、こちらも公立園同様、3月が多いようです。私の経験では、退職者がいない場合は早めに発表すると言われ、2月中に発表されることもありました。園によっては早めに発表してくれるところもあるようなので、早く知りたい場合は嬉しいですね。しかし、絶望的な人事になることもあり、まだ聞かなければよかったと思うこともあります。
発表の仕方
人事発表の仕方ですが、一般的には職員会議として先生たちが集まり、その中で園長先生から発表されることが多いです。また、書面でも発表されると思います。この時が1番ドキドキしますが、言われたからには頑張ろうという気持ちになります。納得がいかない時はなぜ私はここなのかと直接園長先生に聞く方もいるようです。ちゃんと理由を聞けば、それなら頑張ろうと思えるようですね。
しかし、この人事案はもちろん正式な公表までは保護者の方などに絶対に話さないよう気をつけなければいけません。変わる可能性もありますし、変な噂になってしまうのを避けるためです。うっかり、来年も〜と言ってしまわないよう気を付けましょう。
保育士が人事や担任クラスの希望は伝えても良い?
保育士の方で、来年度の人事において、
- ◯歳児の担任がしたい
- 〇〇さんと組みたい
- フリーになりたい
というような希望をがあるという方もいらっしゃると思います。
まず、保育士が人事や担任クラスの希望は伝えても良いかどうかですが、もちろん、希望は伝えても全く問題ありませんし、伝えられるのであれば希望をしておいたほうが良いです。ただし、どんな保育園に勤務していたとしても、必ず希望通りになるということはないので、注意しましょう。
希望を伝えるタイミングは、その年の意向調査の面談の際などが最適です。保育園にもよりますが、おおよそ前年度の秋ごろに園長と保育士の個人面談の機会がある保育園が多いです。
ただ、この機会は、次年度を人事を決めるタイミングからすると、結構前になるので、希望がしっかりある場合は、2月3月頃にも改めて希望を伝えておくのが良いです。
保育士が人事や担任クラスの希望を通すコツ
保育園ではたくさんの人が働いていて、それぞれに希望や思惑などがあるので、自分一人の希望が通るということはありません。ただ「〇〇組の担任をしたいです」というだけでは、希望が通る可能性は低いです。
保育士が人事や担任クラスの希望を通すには、コツがあるので、それらを紹介します。
日頃の仕事ぶりが重要
まず、保育士の人事や担任クラスの希望を通すために重要なことは、日頃の仕事ぶりです。
誰であっても当たり前のことですが、日頃の仕事振りがきちんとしている人は優遇をしたくなります。それは評価という形の給与への反映だけではなく、人事という面でもです。
保育園としても、園長としても、きちんと仕事をしている人は辞めてほしくないので、希望を通してくれる可能性が高くなります。
逆に、普段からサボっているような人は、希望だけしても、叶えてもらえる可能性は低いですし、むしろそのような人は希望は伝えない方が良いまであるかもしれません。
ネガティブな理由ではなくポジティブな理由を
自分の希望を伝える際は、ネガティブな理由ではなくポジティブな理由を用意しましょう。
例えば、
- 〇〇さんと組みたくない
- 〇〇組は苦手
これらはネガティブな理由と言えます。これだと、人事を決める園長も「仕事なんだからやりたくないこともやってほしい」という気持ちになり、かえって逆効果です。
そうではなく、
- 〇〇さんとは組んだことがないので、ペアになって色々学びたい
- 〇〇歳は担任したことがないので、経験したい
やりたくないことを伝えるのではなく、自分がやりたいことを伝えることで、希望の受け取り手の印象も変わってきます。
自分ではなく保育園にメリットを
また、希望を伝える際に大切なことは、自分ではなく保育園にメリットがあるようにするということです。
- 〇〇をすると自分が楽になるから
- 〇〇をすると自分が経験したことのないスキルが身につくから
これは、自分にとって何かメリットがあるから希望をしているという状態です。もちろん、これで希望を通してくれる場合もあるとは思います。
ただ、もっと可能性を上げるためには、自分ではなく保育園のメリットを考えることが大切です。
例えば、
- 私が〇〇組の担任をすれば、〇〇さんが〇〇組に入れて、効率が良くなる
- 〇〇さんは◯歳児の担任をしていないから、私が組んで教えたい
というような感じです。自分だけではく、保育園全体のメリットなども踏まえて、希望を出すとより可能性が高くなります。
根回しをしておく
人事を決めるのは園長や主任といった役職を持っている人になるので、希望はその人に伝えれば良いと思うかもしれませんがそうではありません。
その人達も次年度の人事を誰かに相談したり、意見などを求める場合もよくあることです。
なので、自分の希望を日頃から同僚などに伝えておくと、他の人が人事を決める園長等に「〇〇さんは〇〇がやりたいらしい」というようなことを伝えてくれる場合があります。自分一人だけではなく、周りのひとも伝えてくれれば、より希望が通る可能性も高くなります。
また、先ほども書きましたが、意向調査の面談などは、人事を決める時期よりかなり前になるので、園長も忘れてしまっていることもあります。なので、2月3月頃にも改めて希望を伝えるようにしておくと、より可能性が高くなります。
人事発表後に変更をしてもらうことはできる?
保育園の人事発表は、保護者の方にも発表をする場合があるので、発表後に変えてもらうというのはなかなか難しいです。ただし、事情によっては対応してくれる可能性がないわけではありません。
それこそ、人間関係の問題、特にパワハラなどが絡んできて、退職にも繋がってしまうような事情であれば、保育園側も検討し直さなければいけなくなる可能性もあります。
いずれにしても絶対に受け入れられない条件などがある場合は、人事発表される前に園長等に伝えておくのが無難であるのは、間違い有りません。
発表後から新年度までの準備
人事を発表されたら新年度に向けて、準備が始まります。発表時期が3月ですが、新年度までは1ヶ月。しかし、卒園式や入園式の準備、日々の仕事など、やることはたくさんで、この時期は本当に忙しくなります。体調を崩しやすくなりますので、体調管理に気をつけながら、準備。進めていく必要があります。どんな準備があるのか、学年別に解説をしていきます。
主な準備内容
進級に向けて、全学年で行うべきことをまとめていきます。また、以下では年齢別にもまとめていきますので参考にして下さい!
⁃ 次年度の担任や小学校への引き継ぎ
⁃ 保護者への挨拶
⁃ 新クラスの準備
⁃ 名札の用意
⁃ オムツ入れの準備
⁃ ロッカーの準備
⁃ 誕生日表の準備
⁃ 書類の準備
⁃ 保育士の持ち物類の整理と準備
⁃ 4月配布物の用意
この内容を以下で詳しく説明していきます!
次年度の担任や小学校への引き継ぎ
担任が変わるということは次の担任へどういうクラスなのか、どういう子がいるか等引き継ぎをしなければなりません。子どもたちの様子は毎月などに個人の記録としてまとめてはいますが、他にも伝えるべきことはまとめておくといいでしょう。
また、年長を担任している場合は小学校へ渡す指導要録を作成しなければなりません。年度末の時期は準備が多く忙しくなるので日々まとめておければ後々楽になります!
保護者への挨拶
新年度に向けて、新しいクラスが決まったらどういうクラスにしていきたいか考えておくべきです。年度の初めはバタバタしていて、懇談会などもあるため、保護者へどんな挨拶をするかあらかじめ考えておけるといいと思います。
新クラスの準備
- 名札の用意
- 新しいクラスの子どもたちが使うロッカーや、靴箱、タオルかけ等につける名札を用意しておきます。名札の作り方は園によって様々ですが、動物や食べ物などのシールを貼って、シールで覚えさせることが多いので、用意しておく必要があります。
- オムツ入れの準備
- 乳児クラスの担任になった場合は、トイレにストックしておくオムツ入れを用意します。自分たちで取りやすいように、且つ何枚か置いて置けるよう、カゴなどを用意して名前をつけておきます。
- ロッカーの準備
- 名札の準備と重複しますが、一人一人のロッカーの場所を決めて道具類をどう置くか考えておきます。
- 誕生日表の準備
- 新しいクラスの子どもたちの誕生日がわかるように誕生日表を部屋に掲示するために作成します。各クラスの先生のセンスが出る壁面になりますので、わたしはいつもかわいいものを選びます!ですが、作るのには時間がかかるのでとても大変な作業です。他にも壁面を作る園もあるので前もってやっておくといいですね。
- 書類の準備
- 新しいクラスで使う、日案や月案、呼吸チェック表など、日々の書類類は前もって準備し、コピーをしておかなくてはなりません。乳児と幼児で書類も違うと思うので、確認して用意しておきましょう。
保育士の持ち物類の整理と準備
今のクラスから他の場所へ保育士も引っ越しをしなくてはなりません。私物や、書類がたくさんあると思うので、捨てられるものはシュレッダーにかけて整理をしておきましょう。
4月配布物の用意
4月からは新しく入園してくる子どもたちもいます。加えて在園児の方にも書類を配ることになると思うので、ごちゃごちゃにならないよう早めに用意できるものは用意しておきます。特に入園してくる子には渡す書類も多いと思うので、注意しましょう。
【まとめ】保育士の次年度の人事発表はいつ頃?新年度までにやることは?
ここまで、年度末の人事発表や新年度に向けての準備を解説してきました。この時期は先生方も緊張していて、仕事が手につかないなんてこともあるかと思います。発表されてからは、今のクラスの子どもたちと楽しく思い出作りをしながら、新年度に向けて着々と準備を進めていきましょう!