公立保育園に勤める公務員保育士の方で退職を考えている方。
民間の会社を退職する場合とは異なる文化や常識などもあるかと思います。また、「退職はもったいないのでは?」と悩んでしまっている方もいらっしゃると思います。
今回は、公務員保育士の退職マニュアルについて紹介します。
複数回の退職、転職経験
その経験が参考になればと思います
公務員保育士の退職はもったいない?
公務員保育士の退職はもったいないのでは、と自分自身も悩んでしまっていたり、周囲からも言われてしまうこともあると思います。たしかに、公務員保育士は私立保育園で働く保育士や一般的な企業の会社員と比べても、給与待遇も悪いわけではないと思います。
ただ、自分自身の状況は自分にしかわかりません。傍から見たら、もったいない、バカだと思われるような退職になったとしても、 その後の自分自身が幸せに近づければよい わけです。保育士として公務員で働いていても、自分が楽しくなく・幸せでないということもあると思います。例えば、そんな時に自分に「退職はもったいない」と言ってきた人は、その状況から救ってくれるわけではありません。
もちろん、一方で、今の仕事が本当にきつく、公務員保育士を退職したとしても、必ずしも今より人生がよくなる保証があるわけではありません。 結局、自分自身で判断しなければいけない ことになります。
公務員保育士の退職マニュアル
ここからは、公務員保育士が退職する場合の手順について紹介していきます。
転職先を決める
公務員保育士の方は、特に、退職の意思を伝える前に転職活動をして転職先を決めたほうが良いです。実際のところ、退職してからじっくり転職先を探すということも可能ではあります。
ですが、特に、保育士以外の異業種に転職する場合は、自分がどのような会社から内定をもらえるかどうか予測ができませんし、やりたい仕事に就ける保証もありません。そして、一度退職してしまうと後戻りはできません。給料がもらえない期間が長引くと、焦って転職先を探すことになり、希望のしない会社やブラックな企業に転職してしまう可能性もあります。
また、転職先が決まっていないと、退職の希望を伝えた時に引き止められてしまう可能性も高くなります。次が決まっていないなら決まるまで働けば?と言われてしまったら何も返せる言葉が無いためです。そういった意味でも、退職の意思を伝える前に転職活動をして転職先を決めのが良いでしょう。
公務員保育士が保育士を辞めて民間企業に転職する方法は以下の記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
退職日を決める
入職日の前日までに退職が完了している必要があります。例えば、転職先への入職日の1ヶ月前に退職をして、その後の1ヶ月は休暇とするということも全く問題ありません。退職日は退職の意思を所属長に伝える一ヶ月以上先であれば、自分自身の希望で決めてよいです。後述もしていますが、公務員保育士の方でなるべく円満に退職したいという場合は、年度末である3月31日退職とするのが良いでしょう。もし、なんらかの事情があって1ヶ月以内の直近の日程で退職をしなければいけないという場合は、相談になるでしょう。
退職を申し出る
退職日を決めたら退職を申し出る必要があります。一番緊張する瞬間かもしれませんが、伝えないことには日付だけが進んでしまい、お互いにとってデメリットが多いです。退職に関しては、最初に伝える段階では、退職願や退職届のような正式な書類は必要ありません。なぜなら、多くの場合が、後ほどそれぞれの市区町村が利用しているフォーマットで退職届を出すように指示されるためです。
退職は所属長に申し出ます。公務員保育士の場合は、勤めている園の園長になると思います。勤めている自治体で慣習やルールがある場合はそちらを優先しましょう。その後の手続きに関しては、指示に従って行けば良いので基本的に受け身の姿勢で問題ありません。
退職を引き止められた場合は?
退職を申し出た段階で引き止められる場合もあるかもしれません。基本的には引き止めは「お願い」になるので、従うか従わないかはあなた次第になります。しっかりとした退職理由と強い意志を持っていれば、言いくるめられてしまうということは無いでしょう。退職日を変えてほしいという依頼もあるかもしれませんが、それも1ヶ月以上先の日程であれば、従うか従わないかはあなた次第になります。その段階で、転職先の入職日を変更できるようであれば、応じても良いかもしれません。
退職日まで働く
退職が決まったら退職日まで責任を持って働きましょう。引き継ぎなどが必要な場合は、普段の保育業務とは別に引き継ぎの作業も実施するようにしましょう。また、同僚の方とは、もちろん、園児や保護者の方にも挨拶を済ませて、気持ちよく退職できると良いでしょう。
公務員保育士が円満退職をしたい
そもそも、退職するという時点で円満ではなくなってしまう場合もありますし、円満退職は必要ないという意見もあります。ただ、自分自身の性格的にもできる限り円満退職をしたいという方はいらっしゃると思います。公務員保育士ができる限り円満退職をしたいという場合の条件は以下の2点があります。
- できる限り早く退職の意志を伝える
- 年度末に退職をする
というものです。
できる限り早く退職の意志を伝える
公立保育園でも、保育士が足りなくなった場合は、追加の人員を補充しなければいけません。正規の公務員保育士の場合は、採用試験などもあるため、民間の保育園と違って「じゃあ明日から来てください」なんてことは難しいでしょう。会計年度任用職員で保育士を補充する場合であっても、採用にはある程度の期間が必要になります。そのため、退職ことがわかるのが早ければ早いほど、自治体は対処がしやすくなります。
公務員保育士の方の場合は、毎年10月〜11月頃に人事異動の面談があることが多いと思うので、その際に、所属長に退職の意志を伝えるのが良いでしょう。
年度末に退職をする
公務員はそもそも年度ごとに人事異動を行っているのが通例です。加えて、保育園自体が年度ごとのクラス運営になっています。当然、年度途中でクラス担任に変更があるということは子どもの安定面でも、人員の面でもあまり好ましいことではないでしょう。先程も書いたように、保育士の場合は、退職者が出たら人員の補充も必要でしょう。そのため、年度末にきりよく退職するのが、周囲になるべく負担をかけない退職時期になるでしょう。
公務員保育士が退職時に有給休暇を消化したい
退職日前に、残っている有給休暇を消化することは可能です。ただし、保育士が不足してしまう場合や引き継ぎの仕事が残っている場合など、状況によって有給消化が難しい雰囲気になってしまう場合もあります。もちろん、有給休暇は労働者の権利なので、強制的に取らせないということはできませんが、雰囲気的に取りにくくなってしまうかもしれません。そのため、有給消化についても、あらかじめ退職日を伝えるのと同時に、何日〜何日に残っている有給休暇を消化しますということを伝えるようにしましょう。また、それまでに必要な作業を終わらせるようにしましょう。
まとめ:公務員保育士の退職マニュアル。退職はもったいない?
今回は、公務員保育士の退職の手順を紹介しました。
ポイントは、
- 退職の意思を伝える前に転職先を決定する
- 1ヶ月以上先に日付で退職日を決定して所属長に申し出る
というものです。できるだけ円満に退職したいという場合は、年度末の退職にし、できる限り早く退職の意志を伝えるのが良いでしょう。