保育園で働く保育士の皆様。軽い気持ちで持ち帰りの仕事やサービス残業をしてしまっていませんか?
軽い気持ちで持ち帰りの仕事やサービス残業をしてしまっている方もいらっしゃるかも知れません。今回は、保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしてはいけないということを説明します。
その経験が参考になればと思います
保育士は持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしてはいけない
保育士は持ち帰りの仕事やサービス残業は絶対にするべきではありません。
自分は少々の持ち帰りの残業くらい苦じゃないという人もいるかもしれませんが、そのような人でも、持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしないほうが良いです。保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業をしてしまうことは、それによって失う時間や残業代以上に保育園で働く保育士にとって悪影響を及ぼします。
保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしてはいけない理由
ここからは、保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしてはいけない理由について説明します。先程も書いたように、保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業をしてしまうことは、それによって失う時間や残業代以上に保育園で働く保育士にとって悪影響を及ぼすためです。
単純に時間と賃金を損する
保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしてはいけない理由の一つ目は単純に、自分自身の賃金の面で損するためです。本来であれば、賃金が発生する残業時間のはずですが、持ち帰りの仕事やサービス残業の場合はそれがないので、その分はタダ働きされていることになります。
例えば、毎日たった30分だけと思うかも知れませんが、それが一ヶ月続くと合計で10時間ほどになります。10時間の残業代は安く見積もっても、1万5千円程度になります。1年間それが続けば、18万円ほどになります。18万円もあれば、何ができるでしょうか?
たった30分でも、持ち帰りの仕事やサービス残業を繰り返し行えば、それだけの金額を損しているということになります。
また、時間についても同様で、先程の例だと一年間で120時間を持ち帰りの仕事やサービス残業の時間に割いていることになりますが、120時間も時間があれば、何ができるでしょうか。
保育園に改善意識が生まれにくい
続いての保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしてはいけない理由は、持ち帰りの仕事やサービス残業があると保育園に改善意識が生まれにくいというものです。
保育所は、特に私立の保育所は、営利目的ではないと言われることもあるかも知れませんが、少なからず営利目的という側面もあります。赤字続きでは、閉鎖されてしまいますし、利益がでなければ、誰も経営しようとは思いません。
持ち帰りの仕事やサービス残業についての話に戻すと、利益を追求する企業にとって残業代というのは、通常の賃金よりも割増になるので、基本的には推奨されません。特に、保育園の場合は、運営費は国の公定価格に基づいて、一定の金額が支給されるので、残業によって人件費が増えれば、増えるほど、保育園の利益が削られていくことになります。
逆に言うと、保育士が残業をおこない残業代が発生すると、保育園はなんとかして保育士の残業を抑えようとします。 保育園の利益が削られるためです。なんとかして、保育士が日中の保育時間中に保育から離れて、書類業務や行事の担当の仕事を行えるようにしたり、全体的な保育士の業務を効率化したり、負担を減らすという施策を考えるでしょう。
一方、保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業をしても、保育園の人件費は増えないので、保育園にとって表面的な痛手はありません。そうすると、保育園は別に何もしなくても良い・このままで良いという考え方になります。
結果的に、保育園に保育士の就労環境に対する改善意識が生まれず、保育士の仕事量や負担が多くてもずっと働きにくいままということになっていまいます。
回り回って働きにくくなる
例えば、先輩や同僚の保育士が持ち帰って仕事を終わらせていると、後輩や他の同僚の保育士はどうするでしょうか。人によっては、自分も持ち帰って仕事を終わらせないといけないという感情になると思います。
そうやって持ち帰りの仕事やサービス残業という仕組みが保育園に根付いていくことになります。自分は少々の持ち帰りの残業くらい苦じゃないという人は、それでも保育園での仕事は成立するので問題ないと思うかも知れません。
ただ、そのような、勤務している保育士が時間や賃金の面で損している状況や、仕事量や負担が多いという状態であると、次に起きることは、保育士の離職 です。サービス残業や持ち帰りの仕事は、違法残業なので、当たり前のことではありません。働く保育園を変えれば、サービス残業や持ち帰りの仕事をなくすことができます。表面的な理由では、結婚や引っ越し、出産などを理由に職場を去っているのかも知れませんが、実際は、持ち帰りの仕事やサービス残業が嫌で退職するという人も出るでしょう。
その保育園で働くことに慣れた人が退職をすると、新たに以下の費用や労力、労働時間等が発生します。
- 新たに保育士を雇用するための費用
- 新たに雇用した保育士に研修、教育するための労力や時間
保育士を雇うための求人募集もタダでは難しいですし、見学の案内・面接官をする時間、退職の手続きや入職の事務手続きをする人の時間にも人件費がかかります。新しく入った保育士に、その保育園でのしきたりやルールを教えるのにも時間と労力がかかります。
当然ですが、その負担の一部が自分は少々の持ち帰りの残業くらい苦じゃないと考えて、その保育園で働き続けている保育士にも降りかかります。 もちろん、保育園に余計な費用がかかるので、回り回って保育士の給料にも悪い影響が出るかも知れません。
特に、昨今は、保育士不足なので、誰かが退職した後にすぐに新しい人を雇用できる保証もありません。一時的に人数が足りていない状況で保育をしなければいけなくなったり、採用できても経験がなかったり、社会人として問題のある人を採用してしまうというケースもあります。
このように、自分は少々の持ち帰りの残業くらい苦じゃないから別に良いという人であっても、保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業をしてしまうと、回り回って保育園全体に悪影響を及ぼします。保育士の持ち帰りの仕事やサービス残業がこのような負のスパイラルを生み出します。
個人情報や社外秘情報の流出リスクもある
また、保育士の持ち帰りの仕事やサービス残業には、個人情報や社外秘情報の流出リスクもあります。例えば、園児の個人記録や要録などは、紛失してしまうと大問題になりかねないです。保護者の方や自治体などを巻き込んだ問題に発展する可能性があります。
自分から進んで持ち帰って仕事をしている場合は、当然ですが、自分の責任になります。また、保育園から持ち帰っての仕事を強いられているという場合でも、紛失した場合に園が自分のことをかばってくれるとは思えません。そもそも違法残業である持ち帰っての仕事を保育士に強いている時点で、保育士をかばうとは考えにくいです。
このような個人情報や社外秘情報の流出リスクもあるため、軽い気持ちで持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしないほうが良いです。
まとめ:保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしてはいけない理由
今回は、保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業を絶対にしてはいけないということを説明しました。それは、保育園で働く保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業をしてしまうことは、以下の理由で、それによって失う時間や残業代以上に保育園で働く保育士にとって悪影響を及ぼしてしまうためです。
- 単純に時間と賃金を損する
- 保育園に改善意識が生まれにくい
- 回り回って働きにくくなる
- 個人情報や社外秘情報の流出リスクもある
以下の記事では、保育士が持ち帰りの仕事やサービス残業を回避する方法についても紹介しているので参考にしてみてください。