これから保育士になるという方。保育実習を終えた保育学生の方。
保育実習で保育士になるのを辞めたくなってしまったという方もいらっしゃるかもしれません。今回は、そのような方向けに、対処法や考え方を紹介します。
その経験が参考になればと思います
保育実習で保育士になりたくなくなってしまうよくある原因や理由
まずは、保育実習で保育士になりたくなくなってしまうよくある原因や理由について紹介します。これらに当てはまったという人は多いと思います。
仕事内容が想像と違ったため
保育実習を経験して、保育士になりたくなくなってしまうよくある理由の一つが、「仕事内容が想像と違ったため」というものです。
大学や専門学校などで、保育士になるために保育について学んでいることと、実際に仕事をするということは大きく異なります。保育士の仕事にキラキラしたイメージを持っていたという方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には、想像以上に体力仕事ですし、人間関係でも気を使う部分はたくさんあります。また、子どもと関わる保育以外にも、様々な雑務や書類などの仕事があります。
そして、たしかに保育士の仕事は、子どもたちと関われて楽しい、というだけでは、どうにもならない場面もあります。保育実習を通して、本当の保育士の仕事を垣間見ることで、働きたくないと思ってしまうことは多いです。
仕事が大変過ぎたため
続いての保育実習で保育士になりたくなくなってしまうよくある原因や理由は、仕事が大変過ぎたためというものです。
前項にも書きましたが、保育士の仕事は、かなり体力を使う仕事になります。そして、実習中は、実際に保育園に行っている時間以外も、自宅等で書かなければいけない書類等もあると思います。その生活をして見ることで、保育実習をすることで、自分の体力が追いついていないことに驚いてしまうことも多いと思います。あまりの大変さに、机に向かって座ってする仕事が良いと思ってしまうこともあるでしょう。
たしかに、就職して働き出したたら、休みを除いてほぼ毎日この仕事が続くと考えると、自分が耐えられる気がしないと思ってしまうかもしれません。
労働環境が悪すぎたため
保育実習をした保育園の労働環境が悪すぎたというのも、保育実習を終え保育士になりたくなくなってしまうよくある理由になります。
例えば、
- まともに休憩を取っている人がいない
- 園内がなんだか荒れている
- 残業をしている人が多い
- なんだか事故が起きそう
というような内容です。
保育実習で、保育園を内側から見ると、仮に噂などでは聞いていたとしても、労働環境の悪さにびっくりしてしまうことがあると思います。働いている人たちは、それに慣れてしまっているので、なんとも思っていないことも少なくないです。その違和感はなかなか大きいものだと思います。自分が保育士として働き出した場合も、それらを耐えていかなければいけないと考えると、保育士になりたくなってしまう場合もあるでしょう。
人間関係が悪すぎたため
実習をしている自分に対してはもちろんですが、仮に、実習生に対しては優しく接していたとしても、近くで見ていると職員同士がギクシャクしているということを感じ取れることが多いと思います。実習生はお客さんという側面もあるので、実習生には優しく丁寧に接してくれる保育士の人も多いですが、大切なのは、自分が働き出したときにどのように扱われるかということだと思います。
おそらく間違いなく、働き始めた場合は、自分も同じようにギクシャクした人間関係に巻き込まれることになるでしょう。それを想像したら、保育士として働くのが嫌になってしまうのも無理はないかもしれません。
実習で放置されてしまった
保育実習において、実習生が放置されてしまうということはしばしばあることです。保育園で働く職員が忙しすぎて、うまく対応ができない保育園もあります。これは、前述した保育園の労働環境の悪さや人間関係の悪さなども原因の一つです。
自習中に放置されてしまって、何をしたらよいかわからない、という状況は忙しいことよりも苦痛な時間になります。実際に働き始めた場合も、先輩からきちんとした指導を受けられないということを想像してしまうと、保育士として働くのも嫌になってしまいます。
働いている保育士が輝いて見えなかったため
実習した保育園で働いている保育士が輝いて見えなかった、楽しそうに見えなかったということも、保育士になりたくなくなってしまうよくある原因や理由になります。夢や希望などを抱いて保育士のしごとを目指した人も多いと思います。その上で仕事が大変であるということは、既に覚悟していたという保育学生の方も多いと思います。保育園で実際に働いている先輩たちも、大変でありながらも、輝いている存在だと想像していたと思いますが、それが全く輝いて見えないと、自分もそうなってしまのではないかという懸念が生まれてしまうと思います。
保育実習で保育士になりたくなくなってしまった際の対処法や考え方
続いては、保育実習で保育士になりたくなくなってしまった際の対処法や考え方について紹介します。せっかく資格を取るために大学や専門学校に行ったのにもったいないということを言いたいわけではなく、人生において、より良い選択を考えるための対処法や考え方を紹介します。
実習した保育園がすべてではない
まず始めに理解しておくべきことは、実習した保育園が全てではないということです。日本中には、保育園がたくさんあります。もちろん、保育園を運営する会社・法人もたくさんあります。実習した保育園はそのなかのたった一つの園に過ぎません。
実習した保育園で経験したことが、他のすべての保育園でも起こるわけではありません。当然ですが、ブラックな保育園もあれば、ホワイトな保育園もあります。おそらく、実習で嫌な思いをしたという場合は、ブラックな保育園である可能性も高いです。
現状の保育園の平均を知る
前項では、日本中に保育園がたくさんあるということを書きました。たくさん保育園があると、何が保育業界では、当たり前なのかが重要です。
- 休憩が取れないのが当たり前なのか
- サービス残業や持ち帰りの仕事が当たり前なのか
- 給料は平均するとどれくらいなのか
- 人間関係が悪いのは当たり前なのか
というようなことです。
自分が保育実習をした園での出来事が、保育園では当たり前のことなのか、それともその保育園がおかしいのかという知るということです。もし、保育実習で保育士になりたくなくなった原因が、保育業界での当たり前であれば、それは就職してからも経験する可能性があります。その反対に、その保育園がおかしいということであれば、きちんとした保育園に就職すれば、その経験はしないで済むことになります。
仕事は慣れると変わることもある
例えば、保育士の仕事が体力的につらかった、全然うまく立ち回ることができなかったということであれば、それは、実際に働き始めて仕事をしていけば、ある程度は慣れてくるものでもあります。仕事は、日々、繰り返して行うので、最初はあんなにきつかったということが、嘘のように、負担に感じないことも多いです。
お金を稼ぐと変わることもある
保育実習は、あくまでも、実習として行っていて、実際にお金を稼いでいるわけではありません。もし、保育士として働き始めた場合は、労働の対価として給料を得ることになります。実習中は、なんでこんなに大変な思いをしなければいけないのかというような思いがあったとしても、実際に給料をもらえるようになると、考え方が変わる場合もあります。給料をもらえるということ自体が、モチベーションになって、楽しく仕事ができるということもあります。
もちろん、逆に、こんなに大変なのに、なんでこれしかもらえないのかという不満も抱く可能性もあります。その点は、保育園の保育士の給料相場などをよく把握して、想像してみるのが良いかもしれません。
無理に保育士になる必要はない
保育実習で保育士になりたくなくなってしまったということを、周囲に打ち明けた場合に、せっかく資格を取るために大学や専門学校に行ったのにもったいないと言われてしまうことも多いと思います。ですが、個人的には、無理に保育士になる必要は無いと思っています。特に、昨今は、保育士が不足している状況になるので、資格さえ取っておけば、未経験でも保育士として就業できる可能性は高いです。つまり、新卒では、他の職種や企業に就職して、それがやっぱり違ったという場合に、保育士に転職をするということが比較的にしやすい状況です。逆は、なかなか難しいので、新卒のうちに、保育士以外の仕事を経験をしておくということは悪いことではないです。
保育士以外が天国ということもない
無理に保育士になる必要はないということを書きましたが、一方で、保育士以外の仕事がすべて天国というわけではもちろんありません。保育園と同じように、ブラックもあればホワイトな会社もあります。そして、自分自身の向き不向きも様々です。
保育実習で育士になりたくなくなってしまうような思いを経験すると、保育士だけにはなりたくない、と考えてしまいがちですが、他の仕事でも、同じ様な思いをする可能性は低くはありません。もし、保育士を目指さないということであっても、保育園選びと同様かそれ以上に、自分にとってよりよい職種や会社に就職をするということが大切になります。
まとめ:保育実習で保育士になりたくなくなった。原因、対処法や考え方を紹介。
今回は、保育実習で保育士になるのを辞めたくなってしまったという方向けに、対処法や考え方を紹介しました。
保育実習で保育士になりたくなくなってしまうよくある原因や理由として以下の内容を紹介しました。
- 仕事内容が想像と違ったため
- 仕事が大変過ぎたため
- 労働環境が悪すぎたため
- 人間関係が悪すぎたため
- 実習で放置されてしまった
- 働いている保育士が輝いて見えなかったため
また、保育実習で保育士になりたくなくなってしまった際の対処法や考え方として以下の内容を紹介しました。
- 実習した保育園がすべてではない
- 現状の保育園の平均を知る
- 仕事は慣れると変わることもある
- お金を稼ぐと変わることもある
- 無理に保育士になる必要はない
- 保育士以外が天国ということもない
無理に保育士になる必要もありませんが、実習した保育園は数ある保育園のなかの一つに過ぎません。保育士以外のしごとが天国ということもないので、慎重に判断する必要があるのは間違いないでしょう。