保育園で働く保育士の皆様。本社の社員が自分より高い給料を貰っているということを知って憤りを感じてしまっているという人もいらっしゃるかもしれません。
今回は、保育園本社の社員は保育士より給料が高いのは、本当なのか、保育士の仕事から異動や転職はできるのかということを説明します。
保育園を多数運営する保育園会社の保育園で勤務した経験があります。
その経験が参考になればと思います
大きな保育園会社は本社に勤務する社員もいる
保育園で働く保育士の方にとっては、本社の社員と接する機会はあまり多くは無いと思いますが、多くの社員が働いています。
たくさんの保育園を運営するような保育園会社には、本社に勤務する社員もたくさんいます。運営する保育園の数が多ければ多いほど、本社に勤務する社員の人数も多くなります。また、保育園会社には、保育園を運営する以外の業務を行っている会社もあるので、まったく別の業務を行っている本社勤務の職員がいるということもあります。
保育園運営会社の総合職や事務職
保育園の運営会社の本社で働いているのは、総合職や事務職として採用された職員になります。保育士の方が働いているということは基本的にはありません。
保育園本社の社員の仕事内容は様々
保育園本社の社員の仕事内容は様々です。一般的な会社にある、以下のような仕事は、保育園会社にも当然あります。
- 人事
- 総務
- 事務
- 経理
- 法務
- 情報システム
また、これら以外に保育園会社特有の仕事を行っています。
- 地域の保育園の管理業務
- 自治体への各種手続きや法令への対応
総合職の場合は、採用されてから配属されるので、どの仕事を担当することになるかは、配属次第ということになります。
保育園本社の社員は保育士より給料が高いって本当?
本題の保育園本社の仕事は保育士より給料が高いのは本当なのかという点になります。日本には様々な保育園の会社があり、その全てが給与の情報などを公開しているわけではないので、一概にどうだということは難しいです。ただ、様々な求人情報を見たり、評判などを参考にすると、平均すると保育園本社の仕事は保育士より給料が高い傾向があります。
ただ、新卒の時点や若手の時点であれば、保育士のほうが給料が高いという会社も増えてきています。 昨今は、保育士不足で保育士の採用競争が激化してて、新卒のスタート時の給料を上げている保育園が多いためです。また、勤務する地域によっては、国や自治体が実施する保育士宿舎借り上げ制度という、賃貸の補助制度が導入されている園もあり、その場合は、自己負担1万円程度で賃貸に住むことができるため、保育士の実質の待遇はもっと高くなります。
保育士は勤続年数が比較的短いということと、採用されてからの保育士の給料の伸びが鈍化してしまう会社が多いため、最終的には本社の総合職の職員のほうが給与額は上回るケースも多いです。もちろん、国全体として保育士の給与待遇を改善するという動きはあるので、今後、この状況が変わる可能性もあります。
なぜ保育園本社の社員は保育士より給料が高いことが多い?
そもそも、保育園会社の本社の社員の給料は保育士より高い傾向があると言っても、一般的な会社員と比較すると決して高い給料を貰っているわけではありません。平均的な給与額であることが多いです。
つまり、 どちらからというと、保育士の給料が低いというのが正しいです。
保育士に支払う給料額というのは、たしかに、保育園の会社が決めていますが、その元となっているお金は、国や自治体が決めている保育園の運営費から出ています。そもそも、認可保育園の利用料は国や自治体によって決められており、保育園を運営する会社は、勝手に利用料を上げたりすることはできません。そのため、保育士の給料を上げたいと思っても上げられないという側面もあります。
もちろん、一部の保育園の会社は経営者があまりに、利益を取りすぎているということもあるので、周辺の保育園で働く保育士と比べてもあまりにも給与が安かったり、サービス残業や持ち帰りの仕事等の労働違反を行っているという場合は、また別の話になるでしょう。
保育園本社の社員の給料を下げれば保育士の給料が上がるとは限らない
大きな保育園会社で働く保育士の方のなかには、本社の社員が自分より高い給料を貰っているということを知って憤りを感じてしまっているという人もいらっしゃるかもしれません。保育園本社の社員の給料を下げで保育士の給料を上げてほしいと思うと思います。
たしかに、理論上は、本社の社員の給料を低めに設定すれば、現場で働く保育士の給料をあげることということは可能です。実際にそうしているという会社もあるでしょう。ただし、大抵の場合は保育園に本社で勤務する社員の人数よりも保育園で働いている保育士の職員の人数のほうが圧倒的に多いので、保育園本社の社員の給料を下げたくらいでは、保育士の給料が極端に上がるということは無いでしょう。
それどころか、保育園本社で働く社員の給料が低い場合、優秀な社員を採用できなかったり、他の会社に転職してしまう可能性も高くなるので、保育園の運営に問題や支障をきたしてしまうという可能性も高いです。
周辺の保育園で働く保育士と比べてもあまりにも給与が安かったり、サービス残業や持ち帰りの仕事等の労働違反を行っているという場合は、会社に文句を言うのは当然かも知れませんが、そうでない場合は、やはり、国に対して改善を求めて行くしか無いのかもしれません。
保育士から本社勤務に異動はできる?
保育士を辞めて本社勤務になりたいという方もいらっしゃると思います。
一般的に、保育園の本社の総合職採用と保育士の採用は別採用になるので、保育士職から本社勤務に異動できるということはありません。もちろん、その逆もしかりです。ただし、保育士としての仕事ぶり、施設長としての仕事ぶりなどが会社に評価された場合は、本社勤務に切り替えて勤務するということも絶対に不可能ということは無いでしょう。
もちろん、その場合は、保育園の保育士として働くわけではなく、本社勤務で、本社の仕事をするということになります。もし、現在、大きな保育園の会社に勤めていて、将来的にには、本社勤務をしたいというかたは、そのような制度や前例などがあるかどうかを会社に聞いてみると良いと思います。
保育士経験者が保育園会社の本社(総合職採用)に転職できる?
現在の会社で異動や配置転換という形で、本社勤務に異動することはできなさそうという方は、転職をして保育園会社の本社に採用されて働くという方法もあります。
第二新卒や中途採用を行っている会社の募集があれば、募集要件を満たすことで、採用の選考に進むことはもちろん可能です。保育士としての経験があれば、有利になる可能性もあります。もちろん、先程も書いたように、保育園本社の社員の仕事内容は様々なので、その適正があるかどうかという点も含めて、採用可否が判断されることになります。
まとめ:保育園本社の社員は保育士より給料が高いって本当?保育士から異動や転職はできる?
今回は、保育園本社の仕事は保育士より給料が高いのは、本当なのか、保育士の仕事から異動や転職はできるのかということを説明しました。
本社の社員が自分より高い給料を貰っているということを知って憤りを感じてしまっているという人もいるかも知れませんが、一般的な会社員と比較すると決して高い給料を貰っているわけではありません。平均的な給与額であることが多いです。つまり、どちらからというと、保育士の給料が低いというのが正しいです。
もちろん、周辺の保育園で働く保育士と比べてもあまりにも給与が安かったり、サービス残業や持ち帰りの仕事等の労働違反を行っているという場合は、会社に文句を言うのは当然かも知れませんが、そうでない場合は、やはり、国に対して改善を求めて行くしか無いのかもしれません。