保育園で働く保育士の方。
今回は、保育士個人が働く保育園でのトラブル等を役所に相談や解決できるのかということについて紹介します。また、今回は、 あくまでも保育士個人として、自分が働いている保育園でのトラブルや地域の保育園の情報などに関して相談するということを想定 した話になっています。保育園の代表者として役所に対して相談をする、連携をするというような話とは別になるので、その点は間違いないようにしてください。
複数回の退職、転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士個人が働く保育園でのトラブル等を役所に相談や解決できる?
市区町村内の認可保育所を管轄しているのは、各市区町村になります。そのため、保育士個人が働く保育園で何かトラブル等に巻き込まれた場合に、役所に相談することで相談や解決できる可能性があります。
また、認可外保育施設であっても、市区町村から個別に認証を受けていたり、補助金等などの交付を受けている場合もあるので、役所等で相談ができないとは限りません。
役所の保育園関連の相談窓口はどこにある?
自治体によってそれぞれの窓口の担当部署の名称は異なります。
- 保育課
- こども家庭課
- こども福祉課
- こども未来課
というような名称がつけられていることが多いです。仮に間違っていたとしても正しい窓口を教えてくれるので問題はありません。
保育士個人が働く保育園でのトラブル等を役所に相談する場合の注意点
ここからは保育士個人が働く保育園でのトラブル等を役所に相談する場合の注意点について紹介します。
対応はそれぞれの役所、役場や担当者によっても異なる
各市区町村の役所のそれぞれの窓口において、対応してもらえる内容は異なります。また、担当者レベルでも対応が異なるということもあります。
市区町村の保育課やこども家庭課のような窓口は、基本的には、保育所を利用する保護者の方への対応に重点をおいていることが多いです。
そのため、保育園で働く保育士が相談する内容によっては、別の機関に相談をするようにたらい回しにされてしまう場合もあります。ただ、正しい相談先を教えてもらえるということも悪いことではないので、困っていることや、悩んでいるようなことがある場合は、相談してみるということは悪い選択肢ではないでしょう。
相談ができる = 解決できる わけではない
市区町村の役所に相談する際に、注意しなければいけないことは、「相談ができる」からといって「解決ができる」わけではないことも多いです。各市区町村ができることや権限などは限られているので、相談ができるからと言って、必ず解決ができるとは限りません。そのことを念頭に相談をするということが重要です。
保育園でのトラブルは役所に相談したという事実が重要になる場合も多い
相談内容によっては、「市区町村に報告・相談したこと」が後々、重要になるケースも多いです。仮に解決できなかったとしても、自治体に報告・相談をしておくこと自体がとても重要な行為になります。
過去に保育士の一斉退職などで問題になった際に、その市区町村は保育士から相談や苦情などが寄せられていたが、対処できなかったということがありました。当然、自治体の責任も問われることになりました。
相談せずに自分一人で抱えてしまった、ということと、相談したけど対処してもらえなかったから自分一人で抱えてしまったというほうが、後々有利になるケースも多いです。
役所への相談は匿名できる?
相談内容によっては匿名で相談をしたいという場合もあると思います。役所への相談が匿名でできるかどうかは、それぞれの役所の対応次第になります。
役所の対応によって、名前や勤務している保育園を明かさずに相談ができるという場合もありますし、名前等を確認した上で、勤務している保育園には伝えないということで相談ができる場合もあります。
ただ、役所への相談に限った話ではないですが、匿名で相談が出来たとしても、相談後何か進展がある場合は、内容によって、誰が役所に話したんだということが保育園側が推測できてしまう場合があります。その点は注意して相談をするようにしましょう。
保育士個人が役所に相談できること
ここからは、保育士個人が役所に相談できることについて紹介します。先程も書いたように、各市区町村の役所のそれぞれの窓口において、対応してもらえる内容は異なるので注意してください。
また、今回は、 あくまでも保育士個人として、自分が働いている保育園でのトラブルや地域の保育園の情報などに関して相談するということを想定 した話になっています。保育園の代表者として役所に対して相談をする、連携をするというような話とは別になるので、その点は間違いないようにしてください。
市区町村内にどのような保育園があるか
市区町村内にどのような保育園があるかという情報は、市区町村が管理している内容になります。そのため、役所で聞くことで地域内の保育園の情報を入手することができます。また、保育所を利用する保護者向けの資料等ももらえる場合もあるので、働く保育園選びに活用できる場合があります。
公立保育園の求人情報
市区町村によっては、地域内で公立保育園を運営している場合があります。公立保育園を運営している場合は、それぞれの保育園の求人情報なども教えてもらえます。また、公務員保育士を目指すという場合は、採用試験の情報なども役所に行けば教えてもらえるでしょう。
働いている保育園の違反事項等について
勤務している保育園の違反事項については、役所で相談ができるでしょう。地域内の認可保育所を管轄しているのは各市区町村になるので、認可保育所で何かトラブルがあれば、市区町村の責任も問われるためです。
また、先程も書きましたが、認可外保育施設であっても、市区町村から個別に認証を受けていたり、補助金等などの交付を受けている場合もあるので、役所等に相談・解決ができる場合も多いです。
保育士個人が役所にあまり相談できないこと
ここからは、反対に保育士個人が役所に相談しにくい内容について紹介します。絶対に相談を受け付けてもらえないとは限らないので、一度、 相談ができるかどうかを相談してみる のは良いかもしれません。
どの保育園が現在、保育士を募集しているか
私立保育園の保育士の募集状況などに関しては、役所は基本的に把握していません。そのため、市役所に言ってもそれぞれの保育園に確認してくださいと言われてしまうでしょう。一方で、公立保育園の場合は、募集情報やどこを確認すれば募集情報がわかるかを教えてもらえます。
労働関係のトラブルの相談など
働いている保育園における、例えば、
- サービス残業や持ち帰りの仕事などの労働関係のトラブル
- 給料の支払いの遅延
- 園長の保育士に対するパワハラ・モラハラ
などは、労働関係の専門の機関等に相談をするように言われてしまう可能性が高いです。
例えば、労働基準監督署や署内の総合労働相談コーナーなどが適切な相談先として挙げられます。
ただし、労働問題そのものの相談は難しくても、例えば、
- 園児の個人情報が書かれている書類を家に持ち帰って仕事をさせられていて、紛失のリスクを負わされている
- 保育士ではなく園児や保護者が何か被害を被っている、今後そのリスクがある
というような、 保育園としての違反やモラル的な問題などが付随して発生している場合は、そのことを役所に相談するということはできるでしょう。
まとめ:保育士個人が働く保育園でのトラブル等を役所に相談や解決できる?できることやあまりできないこと
今回は、保育士個人が働く保育園でのトラブル等を役所に相談や解決できるのかということについて紹介します。
認可保育園は市区町村が管轄している認可事業なので、保育士個人が働く保育園で何かトラブル等に巻き込まれた場合に、役所に相談することで相談や解決できる可能性があります。もちろん、解決につながらない場合もありますが、「市区町村に報告・相談したこと」自体が後々、重要になるケースも多いです。
また、どんな内容であっても、相談を受け付けてもらえないとは限らないので、他に適切な相談先がない場合は、一度、 相談ができるかどうかを相談してみる のは良いかもしれません。