保育園での大きな行事で、どの園でも基本的に行われていること、その一つは入園式です。
長年続いている保育園から出来立ての新規園まで、規模の大きさに関わりなく認可保育園ではこの2つの行事はほとんど行われていると思います。
入園式や卒園式と聞いて思うのは、しっかり準備された環境の中で、保育士もいつもと違った服装に緊張感の中で式が行われているという印象があるかと思います。ここでは保育士が行っている式の準備から当日の流れや服装について経験を基に紹介しています。
保育士として入園式に参加した経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園の入園式とはどんなものか
保育園の入園式は、新年度になり、新入園児を迎える際に行われる式です。日程については園によって様々ですが4月の初めに行われることがほとんどです。
新入園児は0歳児が多く、次いで進級した各年齢に空きがある数だけ新入園児が入園してきます。
保育園は働く保護者の子どもを預かるということが基本です。そのため、幼稚園のように数時間かけて行われるような式ではなく、1時間ほどでサクッと終わるところが多いようです。
私は幼稚園も経験していますが、幼稚園の入園式は園児が一人で席に座り緊張感のある中で行われるのでこちらも準備から大変だった印象があります。そういう点では気が楽かもしれません。
式の出席者は何人?服装は?
保育園の入園式の際、出席する方は、職員、各園の理事長や創設者、新入園児の保護者(働いている方が多いため父母のみあるいは父母のどちらかで来る方が多いです)で、来賓等はほとんどいません。
出席者の方々はスーツで来る方、普段着で来る方と様々で園の規模によっても様々ですが、堅苦しくない印象があります。
また、新入園児も可愛いスーツを着てきたり普段着で来たりと様々です。
式の日に在園児はいるのか
式当日は平日がほとんどです。そのため、当日、在園児は通常通り登園してきます。基本的に式は9時〜10時頃に始まることが多く、式中も在園児の保育をしなければいけないという状況になります。式当日の保育士の動きについては以下で詳しく紹介していきます。
式当日の新入園児は式後にどうするのか
入園式は1時間程で終わり、その後の新入園児はそのまま預かるのか降園するのか疑問に思うところですが、基本的には新入園児はこの日が初めての保育園です。
保育園に入園すると慣らし保育といって、初めから長時間預かることはせず短い時間から保育園生活に慣れていくという方法をとっているところがほとんどです。
これも園によってですが私の経験上はほとんどの方がそのまま一緒に降園していました。また父母がどうしても仕事という方は祖父母と帰るなどしていたのでほとんどの方が入園式の次の日から慣らし保育を開始していました。
入園式までの保育士の準備
入園式は新年度の初めに行われるものです。そのため当然準備は前年度の最後、3月頃の卒園式が終わった頃から始まります。前もって準備しておくことから直前の準備までを具体的に挙げると、
- 入園式当日のプログラム計画
- 新入園児への事前に伝えるべき項目のまとめ
- 配布物の作成
- 入園式当日の保育士の動きと配置計画
- 新入園児の名札やロッカー準備
- 保育室の壁面、環境設定
- 保育室の整理整頓、清掃
これらについて以下で詳しく説明していきます。
入園式当日のプログラム計画
これは前年度の計画や反省を基に考えていきます。プログラムは入園式の係が考えたり、園長や副園長、主任など役職のついた方が考えるケースも多いです。人数によっても変わることがありますが大体前年度と変わらない流れで行われています。プログラムの具体例は以下で紹介していきます。
新入園児への事前に伝えるべき項目のまとめ
入園が決まった新入園児は事前に園にきて保育士と面談をしたり、入園の際の準備物を聞きます。その日までに入園に向けて必要なものをまとめておく必要があります。こちらも毎年同じことが多いので前年度のものを作成して決めます。用意してもらうものの具体例は、お昼寝セット、着替え、園帽子や園の指定のものがあればそちらを購入してもらい記名をしてきてもらうなどです。
配布物の作成
入園式当日には園からの手紙もいくつかありますのでそちらの作成やまとめをしすぐに渡せるように準備しておきます。
入園式当日の保育士の動きと配置計画
式当日は前項でも書いたように、新入園児だけでなく在園児も登園してきています。そのため当日は式には園長先生は確実に出席しますが保育士は在園児の保育もしなくてはなりません。
式を進める司会や新入園児の担任は式に出席しますが他の保育士は保育士の紹介の時のみ交代で式に出ることがあります。ですので当日誰がどのように動くかは細かく計画し、保育士間でしっかり共有する必要があります。
新入園児の名札やロッカー準備
新入園児が入園するまでに、靴箱・ロッカー・オムツ入れ・靴下や帽子入れなど使うべき場所に必要な名札は全て作っておきます。手書きのところもあれば、ネームシールを印刷しているところもあります。
保育室の壁面、環境設定
新年度を迎え、期待と不安のある子どもたちです。保育室の壁に可愛い飾りがあると見つけて喜ぶ子もいます。飾りを作ったり、入園式で使うものを準備しておきます。
保育室の整理整頓、清掃
これは式の直前にやることですが、保育室を清潔に保つために清掃を念入りにしておきます。また棚などには荷物を置かず綺麗に整頓しておくことが大切です。綺麗な保育室だと保護者の方も子どもたちも安心できます。
入園式までに保育士が作るもの
前項でも触れましたが、入園式当日までに保育士が作るものは、保育室の壁面・名札・手紙・入園式で使うものなどです。
保育室の壁面
名札や手紙は先ほども説明しましたが、壁面については、『にゅうえんおめでとう』などの大きな文字とともに周りには華やかな飾りを作ります。春のおめでたいことなので明るい色を使い花などをたくさん使うことが多い印象です。保育室だけでなく大きな玄関であったり階段、各保育室などに飾るところもあり作る量は割と多い印象です。
他にも入園式という門を作ったり、最近ではフォトスポットを作るところもあるようです。
プレゼント
入園式で園からのプレゼントとして新入園児へメダルなどをプレゼントしたりすることもあります。プレゼントは園によって様々ですが手作りのものをあげたり、在園児(年長児)が
作ったものを渡すこともあるようです。
ぜひ参考にしてみて下さい。
入園式当日の保育士の動き
前項で触れましたが、入園式当日は新入園児だけでなく在園児も通常通り登園してきています。園によっては在園児(幼児のみ)が式に出席するところもありますが式中は各部屋または合同クラスになり保育を行うことになります。そのため、式に出席する保育士と保育をする保育士とに分かれます。
式当日の役割
式に出席するのは園長、副園長、主任など役のある方、新入園児の担任、その他保育士です。式中は司会・歌などを歌う場合はピアノ担当・手遊び担当・写真担当・園児や保護者誘導担当などに分かれます。こちらは事前に決めますがピアノの担当は緊張しますよね。私は司会かピアノかだったら司会を選びます。ピアノは好きですが得意ではないです。
式に参加せず在園児を保育する保育士も何名か決め、職員紹介の時のみ入園式に出る形となります。保育をする先生は基本的にスーツなどは着用せず、普段通りの服装で一時的に出席する形になります。
入園式当日の保育士の服装
式に参加する保育士は正装、園指定の制服などがあればそちらの着用になります。スカートにジャケットが望ましいでしょう。
ストッキングは肌色の着用が基本です。
私が今まで経験してきた園は明るい色(白系)のスーツを着用するよう義務付けられたり、園指定の制服を着たり、普段着でOKというところもありました。
園によってこだわりもあるので、転職時にしっかり聞いておくといいと思います。スーツ指定の園の際は私は自腹でスーツを購入しました。こういうところも転職のポイントだったりします。
入園式プログラムの具体例
入園式のプログラムは園によって様々です。しかし働く保護者のことを考え何時間もかかるものは行わず軽めに行われることがほとんどです。具体的な流れですが、
- 開式の言葉
- 園長先生より挨拶
- 理事長先生より挨拶
- 新入園児紹介
- 担任と職員の紹介、一言
- 祝電披露
- 手遊び、保育士からの出し物など
- 在園児からの歌
- 閉会の言葉
この後に記念撮影などがあり、担任と話をして終了となります。
新入園児紹介のポイント
新入園児を紹介する際は名前を呼んであげるのが基本です。元気に返事ができる子、泣いている子、恥ずかしがる子と様々ですが、保護者の方が近くにいると泣かずに聞いていてくれます。
名前を呼んで、手を挙げたり元気に返事ができた時は拍手をして会場を盛り上げましょう。また、返事ができたら、担任からプレゼントをあげるなどすると喜んでくれます。
担任と職員紹介のポイント
担任や職員を紹介していきます。名前と入園おめでとうございますという言葉はもちろん〇〇先生と呼んでねと言うと保護者の方もその後に覚えて呼んでくれるのでおすすめです。また、自分の好きなこと、
先生は絵を描くのが好きです!
走るのが好きです!みんなでいっぱい遊びましょう!
などというと幼児の子はよく聞いているので覚えてくれます。
全員一言で終わる時は簡単に話し、担任のみ少し長めに話す必要がある時は保護者の方向けにもどういう子に育てたいか、どんな生活を送らせていきたいか話してもいいと思います。しかし話しすぎず、簡潔にまとめるようにしましょう。
手遊び、保育士からの出し物のポイント
入園式で保育士から出し物をする際の例としては、
- 人形劇
- ペープサート
- 歌
- ダンス
- 紙芝居や絵本
- 手遊び
などがあります。
準備が簡単なものは紙芝居や絵本、手遊びなどで簡単に時間もかからず楽しめるのでおすすめしています。
現役保育士おすすめの入園式のアイデア
入園式でのアイディアを具体的に細かく分けて紹介していきますのでぜひ参考にしてみて下さい!
壁面や門のアイディア
- 桜
- 虹
- 動物
- 人間(園服や園帽子を被った)
- 立体的のもの
保育雑誌を参考にすると可愛いものがたくさんのっています。
保育士の出し物アイディア
- アンパンマンの人形劇
- はらぺこ青虫の絵本
- だるまさんがの絵本
- パプリカのダンス
- エビカニクスのダンス
- むすんでひらいての手遊び
- 大きな栗の木の下での手遊び
- あたまかたひざぽんの手遊び
などです。知っている子も多いものばかりなので釘付けで見てくれます!
まとめ:保育園の入園式!保育士の出し物の準備や服装、当日は何をする?を解説!
入園式はどの保育園においても必ず行われる行事になります。子どもにとっても保護者にとって保育士にとっても最初の行事になるので、みんな緊張することも多いと思います。
入園式は新年度を始めるにあたり大切な式です。事前の準備から大変なことも多いですが、新しい年度を気持ちよく始めるために保育士の方々で協力してより良い式を作っていきましょう。また、堅苦しくなりすぎず、和やかで温かな雰囲気作りを心がけ、保護者の方と子どもたちの緊張を和らげてあげましょう。良い式になりますように!