保育園で働く保育士の皆様。
保育園では毎月、各クラスごとに園での様子や予定、お知らせ等を知らせるおたよりを配布しているところが多いと思います。皆さんの園のおたよりはどのように作成されていますか?
おたよりの作成方法は園によって様々で手書き指定の園や、今はパソコンで園のホームページに記載するという園もあるかと思います。手書きで書くのが苦手、字やイラストに自信がない、という方も多いかと思います。
今回は、保育園のおたよりの役割と、書き方のコツをお伝えし、保育士の皆さんの力になればと思います。
複数回の保育園のおたよりの作成経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園のおたよりの大まかな内容
おたよりは毎月、各クラスの様子を伝えるために作成されています。主な内容としては、
- 子どもの様子
- 月の行事予定
- その月の誕生日の子の名前や日付け
- クラスで流行っている遊び
- 月の歌
- おすすめ絵本
- 保護者へのお知らせやお願い事項
- 園内で流行っている病気や対策
などを書いています。毎月全ての内容を書いてるわけではありませんので、適宜必要な内容を記載していく必要があります。
保育園のおたよりを作成する上で1番大切なこと
おたよりを作成する上で1番重要なことは、
読み手方(保護者)の気持ちを考えて作成することです。
おたよりを書く際に伝えたいことは毎月山ほどあると思います。ですが、仕事をして、家事もして、育児もして、、、忙しい保護者の方が、文だけが長々と書かれたおたよりを読む気になるでしょうか?雑に書かれた字のおたよりを読む気にはならないかもしれまえん。自分だったら、綺麗な字とかわいいイラストが書かれたものなら、忙しくても読んでみようかなという気になります。
おたより作成で特に大事なポイントは
- イラストと文字のバランス
- 文章力と文字の綺麗さ
- 強調すべきところを決める(色使い)
の3点です。
以下で3点の解説と、すぐに使える季節の例文を載せますので確認してみて下さい。
1. イラストと文字のバランス
おたよりは文字だけを書けばいいわけではありません。その月に合わせた季節感のあるイラストや囲みを取り入れることで、おたよりに花が出て、柔らかな雰囲気になります。
だからと言って、何でもかんでもイラストを入れればいいのか?というとそういうわけでもなく‥限られた紙の大きさに合わせて文字とイラストのバランスを考えながら入れていくのがベストになります。
初めて書く際やイラストを描くのが苦手な方は、ピコロやプリプリといった保育雑誌の後ろにあるおたよりのイラストデザインをコピーして使うのが良いかと思います。
今はインスタグラムなどでもおたよりのイラスト例を描いてくれている方がたくさんいますので、ぜひ参考にしてみて下さい。
後は、これは園によってかもしれませんが、写真を載せても良いという園もあります。子どもたちの様子を写真付きで載せることで、保護者の読みたいという欲も高まりますね。
2. 文章力と文字の綺麗さ
文章を書くのが苦手な方、たくさんいますよね。毎回同じような文章になってしまう‥内容が中々決まらなくて時間がかかってしまうという悩みもあります。
まず、大切なことは文の構成を決めること、後は否定的な文章にならないということです。
文の構成例としては、
- 季語
- 桜が見頃を迎え、暖かな春の日差しが心地良く感じられる季節となりました。
- 園の様子
- 無事に4月を迎え、新しい環境となり進級したことを喜ぶ子どもたち。一方で慣れない保育士や保育室に戸惑う姿も見られました。それでも、初めてのクラスでの散歩や製作活動にとても意欲的な姿が見られ、今後の生活がとても楽しみです。
- 今後について(目標など)
- この新しいクラスで1年間、友達との関わりを増やしながら楽しく元気に過ごしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します!
構成を明確にすることで、自分でも思ったより早く文章が書けるようになります。後は、字を綺麗に書くこと。これは苦手な方も意識して頑張ってみてほしいと思います。
3. 強調すべきところを決める(色使い)
おたよりはカラーで描ける園も多いかと思います。色のバランスとセンス‥難しいですよね。カラフルにできるからといって色をたくさん使いすぎると派手すぎてよくわからなくなってしまいます。
まず第一にその月のおたよりで特に強調したいところは先に色付けをするのがいいかと思います。私は特に、保護者に対して準備してもらいたいものや、参加してほしい行事のお知らせなどがある際、そこに1番目がいくような色付けをしています。その方が時間がなくてパッとしかおたよりに目を通せない保護者の方にも見てもらえる確率が上がりますよね!
後は色は足しすぎず、2、3色で使い回すなどすると統一感が出てごちゃつかずにいいかと思います。色の組み合わせは私も勉強中です!
保育園のおたよりの季節の例文集
おたよりを書くにあたって必ず必要な季語。各時期で使える季語や例文を載せていきます。ぜひ、参考にしてみて下さい!
1月
1月は新年の挨拶を必ず入れましょう。あとは今年の抱負などを書くと良いかと思います。
・あけましておめでとうございます。冬休みは楽しく過ごしましたか?
新年を迎え、久しぶりの登園も笑顔がたくさんの子どもたち。今年もみんなで楽しいこと、辛いこと、様々なことを共有しながら逞しく成長していって欲しいと思います。
今年もよろしくお願い致します!
・あけましておめでとうございます。
新年の挨拶を子どもたち同士でしながら、休み中の思い出を楽しく語り合っていた子どもたち。また新たな1年、たくさんの思い出を作っていこうと思います。
今年もよろしくお願い致します!
2月
- 季語
- 今年は一段と寒さの厳しい時期となりました。
- 立春を過ぎ、本格的な春の訪れが待ち遠しい季節となりました。
- 寒さの中にも春の兆しが感じられる頃となりました。
- 様子
- 例年になく雪が積もった2月は、白い銀世界に大興奮の子どもたちで雪遊びを満喫しました。友達同士で雪合戦。とっても楽しんでいましたよ。
- 今月は節分があり、〇〇保育園にも赤鬼と青鬼が!お友達はみんな大号泣で、豆どころか、保育者から1歩も離れられずでした。それでも鬼さんがいなくなるとすぐに笑顔が。よく頑張った〇〇組さんでした。
3月
- 季語
- 春の訪れを感じられる今日この頃。
- 日ごとに春めいてまいりました。
- 花の便りが聞かれる頃となりました。
- 様子
- 進級を心待ちにしている子どもたち。〇〇組になったら〇〇できるよね!と今までの年上児の姿を想像しながら期待を高めている姿が印象的でした。
- 1年んで心身共に大きく成長した子どもたち。キラキラ輝く笑顔がとても素敵な〇〇組さんです。
4月
- 季語
- 春風が心地よい季節となりました。
- うららかな春の日が続く、気持ちの良いこの頃。
- 綺麗な青空が多く、すっきりとした日が続いています。
- 様子
- 進級当初、見慣れない保育士に初めての環境。涙がこぼれるお友達もいましたが、1ヶ月でだいぶ慣れ、笑顔が増えてきました。
- 進級して1ヶ月です。年長組は保育者と一緒に散歩で〇〇鬼を楽しんでいます。これから様々なルールのある遊びをみんなで楽しんで行きたいです。
5月
- 季語
- 五月晴れの日が続いております。
- さわやかな初夏の風が吹くころ。
- 風薫るすがすがしい季節。
- 様子
- 園庭や散歩先の公園で小さな虫たちを見かけるようになりました。虫に興味深々の子どもたち。子どもたちにとっては、小さなお友だちがたくさん増えたように見えます。
- 暖かさが増す一方で、徐々に湿気を感じるようになりました。6月からは梅雨が始まります。子どもたちにも、季節の移り変わりについて伝えていきたいですね。
6月
- 季語
- 雨に濡れる紫陽花が綺麗な季節となりました。
- 梅雨明けが待ち遠しいこの頃。
- 底冷えのする梅雨寒の日が続いております。
- 様子
- 雨が続いている今月は室内活動。室内での活動は主に、自由遊び、製作、粘土遊び、ダンスや体操、マット運動、室内鉄棒、ゲーム(椅子取りゲームなど)を行っています。雨に負けないくらい元気な声が園内に響き渡っています。
- 園近くの紫陽花が綺麗に咲き、雨の合間に見に行く機会が何度かありました。すると子どもたちから紫陽花を作りたい!との声が。絵の具を使って思い思いに紫陽花作りを楽しんでいました。
7月
- 季語
- 梅雨明けを迎え、より一層暑い日が続いています。
- 本格的な夏の訪れとなりました。
- ひまわりの花が咲き始めました。
- 様子
- 暑さに負けず、元気に戸外を駆け回る子どもたちの汗がキラキラと輝いています。楽しく、安全に園生活を過ごせるよう環境を整えていきたいと思います。
- いよいよプール活動が始まりました。水の感触、開放感を存分に感じて五感を高めていきたいと思います。
8月
- 季語
- 立秋とはいえ、まだまだ暑い日が続いています。
- 残暑が厳しい季節となりました。
- 虫の音に秋のおとずれを感じる今日この頃です。
- 様子
- 暑さによる体力の消耗や、長期のお休みを挟んでの生活リズムの変化など、子どもたちの体調も変化しやすい時期になっています。園でもこまめな体調管理をして、十分な休息を取れるよう配慮していきます。
- 先日は、園行事の夏祭り会へのご参加、ありがとうございました。盆踊りは毎日みんなで練習をしてきましたので、保護者の方に見てもらうことができ、満足げな子どもたちでしたね。
9月
- 季語
- コスモスの花が秋風に揺れる季節となりました。
- 朝晩は涼しさが感じられる今日この頃。
- 少しずつ日暮れの時間が早くなり、秋の気配を感じています。
- 様子
- 残暑にも負けず、戸外で元気に遊ぶ子どもたち。朝晩の気温差が大きい日が増えてきましたので、子どもたちの体調管理にも気を付けていきたいと思います。
- 夏から秋への季節の変化に合わせて、壁面を少しずつ秋っぽくしたり、秋っぽい本を読んだり。子どもたちにも、季節の移り変わりを感じてもらえる工夫をしていきたいと考えています。
10月
- 季語
- すがすがしい秋晴れの今日この頃。
- 木々の葉も少しずつ色づいてきました。
- 空が高く、雲がくっきり見える、すがすがしい季節となりました。
- 様子
- 来月に迫った運動会。子どもたちは日々一生懸命練習してきました。今年は新型コロナの影響で例年と同じような開催は難しいですが、練習に励む子どもたちの発表の場として、盛り上げていきたいと思います。
- 今月末のハロウィンでは、仮装をした子どもたちの姿がとても印象的でした。互いに仮装を褒め合いながら、ハロウィンという行事を楽しむことができましたよ。
11月
- 季語
- 秋も深まり朝夕は冷え込む様になりました。
- 紅葉が美しく見頃を迎えたこの頃。
- 冬が近づいてきているこの頃。
- 様子
- どんぐり、栗、松ぼっくり。さまざまな種類の木の実拾いに夢中の子どもたち。自然に興味を持つきっかけになってほしいと願っています。
- 今月は運動会にご参加頂き、ありがとうございました!子どもたちの頑張りと成長を見ていただき、嬉しく思います。運動会を通してまた1つ大きくなった子どもたちに拍手を送りたいと思います。
12月
- 季語
- 師走を迎え、何かと慌ただしい時期となりました。
- 寒さが身に染みる今日この頃。
- 早いもので、今年も残すところ数日となりました。
- 様子
- 園では、クリスマスにお正月と盛りだくさんな時期に高まる子どもたち。園内には季節の歌を楽しそうにうたう子どもたちの声が響き渡っています。
- 今年は年長組になり、運動会など大きな行事を通してさらに成長した子どもたち。保護者の皆様にはたくさんのサポートを頂き、ご理解とご協力に感謝致します。来年も素敵な年になりますように。お休みに入りますが体調には十分気をつけて楽しくお過ごし下さい。よいお年をお迎えください。
まとめ:保育園のおたより例文と書き方のコツ
保育園のおたより例文と書き方のコツを解説しました!
おたよりに書く内容は主に以下の内容のなかから必要なものを記載します。
- 子どもの様子
- 月の行事予定
- その月の誕生日の子の名前や日付け
- クラスで流行っている遊び
- 月の歌
- おすすめ絵本
- 保護者へのお知らせやお願い事項
- 園内で流行っている病気や対策
ポイントは、読み手方(保護者)の気持ちを考えて作成すること です。
保育園のおたよりを書くのが苦手‥あまり好きじゃない‥という方も書き方とコツを覚えて、楽しくおたより作りをしていって欲しいと思います。一生懸命書いたものはきっと保護者の方にも伝わります。ぜひ、読み手の方に寄り添いながら作成していってみて下さい。