- 「社会保険」ってよくわからない
- 厚生年金とか健康保険組合とか国民保険とか何が何だか分からない
- どこの会社でも一緒じゃないの?
- 扶養に入りたくないんだけど?
保育士として働く上で重要な社会保険。
実は、加入する保険は会社によって異なり、将来もらえる年金額や給付金に差が出る場合があることをご存知ですか?
この記事では、保育士の社会保険の種類や、転職時に確認すべきポイントをわかりやすく解説します。

社会保険ってどこも同じじゃないの?

いいえ、社会保険の種類によって、将来の年金や手当に差が出る可能性があるんです
- 社会保険の種類と概要
- 社会保険に加入するメリット・デメリット
- 保育士の雇用形態別の社会保険加入条件
- 求人票で確認すべきポイント
- 転職エージェントを活用するメリット
協会けんぽの情報は協会けんぽの公式HPの情報を参考にしています
私学共済の情報は私学共済の公式HPの情報を参考にしています
その経験が参考になればと思います
目次 | 内容 |
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そもそも社会保険って? | ・健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の総称 ・正社員は原則加入、条件を満たすパートも対象 ・自営業者は国民健康保険と国民年金に加入 ・正社員は失業手当を受給できる場合がある |
社会保険に加入するメリットは? | ・会社が保険料を半額負担するため、国民健康保険より負担が少ない ・厚生年金保険により、将来もらえる年金が増える ・病気や出産で働けない場合、傷病手当金が支給される ・国保加入の自営業者には傷病手当金はない |
社会保険に加入するデメリットは? | ・被扶養者が社会保険に加入すると手取りが減る場合がある ・年収130万円、106万円を超えると扶養から外れる基準になる ・扶養内で働くパートも多い ・採用時に扶養内かどうかが決まっている場合がある |
保育士の雇用形態における社会保険の加入に有無について | ・正社員は社会保険加入が必須 ・パート・アルバイトは週20時間以上の勤務で一定の条件を満たす必要あり ・一定の条件とは、月額賃金、雇用期間、学生でないこと、従業員数など ・求人の「社会保険完備」は当然のことが多い |
主な保育士の社会保険・健康保険組合の比較 | ・全国健康保険協会(協会けんぽ)は一般企業が多い ・組合健保は保険料率が安い場合があり、付加給付がある場合も ・学校法人の運営する保育園は私学共済の可能性が高い ・私学共済は結婚祝い金が充実している |
保育士の転職は転職サイト・エージェントがおすすめ! | ・転職エージェントは求人票にない詳細情報を教えてくれる ・履歴書作成前に保育園の情報を入手できる ・非公開求人を紹介してもらえる ・社会保険の詳細も確認可能 |
まとめ | ・社会保険は将来の年金や手当に影響するため、求人検討時に確認が重要 ・社会保険の種類、加入条件、求人票の確認ポイントを解説 ・会社との保険料折半、将来年金の増加、給付金制度などがメリット ・転職エージェント活用で詳細情報を収集 |
よくある質問(FAQ) | ・保育士が加入する社会保険は健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険 ・社会保険加入で保険料負担減、将来年金増、給付金受給などのメリット ・パート・アルバイトでも条件を満たせば社会保険に加入可能 ・求人票では健康保険組合の種類を確認 ・転職エージェントで詳細な情報が得られる |
そもそも社会保険って?
社会保険とは「健康保険」「厚生年金保険」「雇用保険」「労災保険」の4つの保険の総称となります。
- 健康保険・・・ 病気や怪我の際の保険で国保のようなものです。これがあると病院に行く際は3割負担になります。出産などの休業の際の保険もあります。
- 厚生年金保険・・・国民年金を更にグッレードアップさせたような年金です。将来もらえる金額が上乗せされます。
- 雇用保険・・・失業時などに利用できる保険です。
- 労災保険・・・業務中の災害に対する保険です。
これら4つは正社員の保育士であれば必ず加入することになります。加入する内容については法人ごとに決まっているので、被雇用者である保育士側が選ぶことはできません。
また、正社員でなくても条件を満たす場合は、加入が義務付けられています。その場合の加入の条件については、後述しています。
自営業などは国民健康保険+国民年金に加入する
自営業の方(会社に所属しないフリーランスや自分で店を経営している人)は、国民健康保険と国民年金に加入します。
機能としては、健康保険・厚生年金保険と同様ですが、支払う金額や年金の受給額などが異なってきます。厚生年金に加入している場合は、国民年金に加入している人と比較して年金の受給額は多くなります。
フリーランスなどの自営業者は会社に雇用されているわけではないので、雇用保険や労災保険には加入しません。つまり、フリーランスの場合は、仮に失業状態になっても失業手当などは貰えないということになります。
正社員の保育士の場合は、仮に会社が倒産したりリストラなどに合った場合、自己都合で退職した場合なども条件を満たせば失業手当を貰うことが可能です。
社会保険に加入するメリットは?
社会保険に加入するメリットについて紹介します。
会社が保険料を半額負担してくれる
社会保険は国民健康保険と異なり、保険料の半額を会社が負担することが義務付けられています。そのため同じ年収であれば、保険料は国民健康保険で支払っていたときの約半分になります。
例えば保育士を一時的に退職して国民健康保険に切り替えた場合、毎月の保険料は約2倍になる可能性があります。
会社が保険料を負担するのは、法律で義務付けられているためです。当然そのお金は会社のお金で支払われているので、厳密に言えばその分給料が減らされているとも考えることができます。
将来もらえる年金が増える
厚生年金保険は仕組み上、国民年金に金額を上乗せして支払っている形となります。そのため将来もらえる年金額は国民年金に加入している場合と比べて多くなります。
ちなみに厚生年金の掛け金も半額は会社が負担になっているので、そういう点でも、とてもお得な制度になっています。
そのため、保育士を一時的に退職して国民年金に切り替えた場合、国民年金のみの支払いとなるため、在職中と比べて負担額はほとんど変わりません。
国民年金のみに加入していた自営業者やフリーランスよりも、厚生年金に加入していた方が年金の受給額は多くなります。
病気や出産の際に給付を受けることができる
社会保険には、病気や出産の際で働けなくなった場合でも一定期間、一定額の給料が保証される「傷病手当金」という制度があります。
例えば、保育士はうつ病になりやすい傾向があります。うつ病で働けなくなってしまった場合でも、条件を満たすことで一定期間、給料の一部が保証されます。
平均的には1年半程度の期間は給料の7割程度の金額が保証されます。条件や支給額の計算方法は加入している健康保険組合などで異なります。
逆に、国保に加入しているフリーランスの方などは、「うつ病」などで働けなくなったとしても「傷病手当金」を貰うことはできません。
社会保険に加入するデメリットは?
社会保険に加入する唯一のデメリットは、夫や妻などの被扶養者だった方が社会保険に加入した場合です。この場合、毎月の手取り額が減ってしまうことになります。
年収130万円と年収106万円は扶養の範囲を超える基準となり、これを超えると手取り額が減少する場合があります。そのため、年収が基準を超える場合は、130万円以内に抑えた方が手取り額が高くなる場合があります。
保育士のパートの場合は、扶養内で働くという人も多く、採用の際に扶養内なのか・そうではないのかと言うのが決まっている場合も多いです。
保育士の雇用形態における社会保険の加入に有無について
正社員の保育士 ・・・正社員として雇用される保育士は、どのような規模の事業所であっても「社会保険」の加入は必須になっています。
派遣・パート・アルバイトの保育士 ・・・「週20時間以上」の勤務で 一定の条件 を満たす方の加入は必須になっています。
- 一定の条件
- 月額の賃金が88,000円以上
- 雇用期間の見込みが1年以上であること
- 学生でないこと
- 従業員が500人以上の会社
- 従業員が500人以下の会社で、社会保険に加入することについて労使で合意
逆に、夫や妻などの配偶者の被扶養者として健康保険に加入をしたい場合は、パート・アルバイトなどで週30~20時間以内の勤務にするか、従業員が500人以下の会社で社会保険の加入のない会社で働く必要があります。
正社員の求人における「社会保険完備」は当たり前
ちなみに、前述の「保育士の雇用形態における社会保険の加入について」でも書いたように、正社員として雇用される場合は、どのような規模の保育園であっても「社会保険」の加入は必須になっています。
よく求人に書かれている「社会保険完備」というのは当たり前といえば当たり前なのです。ただ歴史的な経緯などもあり、書いてないと不安に思う人もいるので多くの求人には「社会保険完備」と書かれているという状態になります。
なので、もし会社に社会保険が完備されていないということがあれば、なんらかの法律に違反している可能性もあります。
また、前述したとおりパートの場合でも、一定の条件を満たせば加入が義務付けられています。こちらももし会社に社会保険が完備されていないということがあれば、なんらかの法律に違反している状態の可能性が高いです。
主な保育士の社会保険・健康保険組合の比較
多くの保育園では以下にあげる健康保険組合へ加入することが多くなっています。求人を探す際は、全国健康保険協会なのか組合健保なのかという観点でもチェックすると良いと思います。
加入する健康保険によって、産休・育休の手当や給付金、結婚祝い金、傷病手当金の期間などが異なります。
また、保険料自体も実は加入する組合などによって異なってくるので、意外に差が出る部分になります。ただし、現在では多くの健康保険組合が赤字となっており、協会けんぽへの移行が進んでいる点には留意が必要です。
全国健康保険協会(協会けんぽ)
全国健康保険協会(協会けんぽ)は全国健康保険協会が運営していて一般企業が多く加入しています。多くの会社の健康保険の受け皿になっています。
組合健保の運営が悪化した場合、解散して協会けんぽに移行することがあります。運営が悪化する要因としては、加入者の高齢化による医療費の増加や、運用資金の投資の失敗などが挙げられます。
小規模な社会福祉法人が運営する保育園は、全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入していることが多いです。
私学共済など組合健保・共済
組合健保は従業員が常時700人以上いる単独の企業や、複数の企業などが自前で健康保険組合を運営しているものです。
保険料率が協会けんぽと比べると安い場合があり、その場合は毎月引かれる保険料の額が少なくなります。それ以外にも病気や怪我の際に、法定給付とは別に付加給付を受けられる場合もあるため、基本的には協会けんぽと比べていると制度が充実している傾向があります。
学校法人が運営する保育園・幼稚園・認定こども園の場合、健康保険組合は「私学共済」である可能性が高いです。
私学共済では、結婚祝い金が充実しており、支給額は80,000円です。多くの健康保険組合では、結婚祝い金が支給されない場合があるため、手厚い制度と言えます。
保育士の転職は転職サイト・エージェントがおすすめ!
健康保険の情報の詳細は、求人票の段階ではわからないことが多いです。転職エージェントに登録すると詳しい条件をコンサルタントが教えてくれます。
保育士の転職活動では、履歴書・職務経歴書を作成して面接を受けたものの、求人票に記載のない条件が提示されることがあります。希望条件に合わない場合は面接を受ける必要がないため、時間の無駄になります。 保育園の求人では、条件があまり良くない場合、求人情報に記載されないこともあります。転職エージェントを活用すれば、履歴書を書く前に保育園の様々な情報を入手することができます。
転職エージェントは、一般に公開されていない非公開求人を紹介してくれるためおすすめです。
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まとめ
保育士の社会保険は、将来の年金や手当に影響を与えるため、求人検討時に確認が重要です。
この記事では、社会保険の種類、加入条件、求人票の確認ポイントを解説します。

社会保険って、どこも同じじゃないの?
- 社会保険には、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の4種類がある
- 保険料は会社と折半のため、国民健康保険より負担が少ない
- 厚生年金保険は、将来もらえる年金が増える
- 病気や出産の際に給付金を受けられる

社会保険の種類によって、将来の年金や手当に差が出る可能性があるんですね。
保育園選びの際は、加入する社会保険の種類を確認し、転職エージェントを活用して詳しい情報を集めましょう。
よくある質問(FAQ)
- Q保育士が加入する社会保険の種類を教えてください。
- A
保育士が加入する社会保険は、健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険の4種類です。これらの保険は、正社員として働く場合は基本的に加入することになります。
- Q社会保険に加入すると、どんなメリットがありますか?
- A
社会保険に加入すると、保険料を会社が半分負担してくれるため、国民健康保険に比べて保険料の負担が少なくなります。また、将来もらえる年金が増えたり、病気や出産の際に給付金を受け取ることができるといったメリットがあります。
- Qパートやアルバイトでも社会保険に加入できますか?
- A
はい、パートやアルバイトの保育士でも、週の労働時間が20時間以上で、月額賃金が88,000円以上などの条件を満たす場合は、社会保険に加入することができます。
- Q求人票で社会保険について確認する際、どんな点に注意すれば良いですか?
- A
求人票を確認する際は、加入する健康保険組合の種類(協会けんぽ、私学共済など)に注目すると良いでしょう。健康保険組合によって、保険料率や給付内容が異なる場合があります。
- Q転職エージェントを活用すると、社会保険についてどんな情報が得られますか?
- A
転職エージェントに登録すると、求人票だけではわからない社会保険の詳細な情報や、各保育園の社会保険制度の違いについて詳しく教えてもらうことができます。
- Qなぜ保育園によって加入する社会保険が異なるのですか?
- A
保育園の運営形態や規模によって、加入する健康保険組合が異なる場合があります。例えば、学校法人が運営する保育園では私学共済に加入していることが多いです。社会福祉法人が運営する小規模な保育園は、協会けんぽに加入していることが多いです。