中途採用で転職した保育士なのに新卒や後輩と同じか安い給料ってあり得る?

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  • 経験のある保育士なのに新卒と同じ基本給になっている
  • 保育士としての経験年数が自分より少ない後輩より安い給料であることがわかった

中途採用で転職した保育士なのに新卒や後輩と同じか安い給料ってあり得ることなのかということについてその理由などをもとに対策なども含めて解説します。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
複数回の退職、転職経験があります
その経験が参考になればと思います

転職した保育士なのに新卒や後輩と同じ、安い給料になってしまっている。。。

あらたに転職をした保育園で働き始めたけれど、

  • 転職した経験のある保育士なのに新卒と同じ基本給になっている
  • 保育士としての経験年数が自分より少ない後輩より安い給料であることがわかった

というようなことがわかって、不公平感を感じている方もいらっしゃると思います。

実際、中途採用で転職した保育士なのに新卒や後輩と同じか安い給料になってしまうということは、起こり得ることです。

中途採用で転職した保育士なのに新卒や後輩と同じか安い給料になってしまう理由

まずは、中途採用で転職した保育士なのに新卒や後輩と同じか安い給料になってしまう理由について紹介します。

過去の経験が評価されていない

過去の保育士としての経験がきちんと評価されておらず、転職時の給与に反映されていないという場合に、中途採用で転職した保育士なのに新卒や後輩と同じか安い給料になってしまうことがあります。

例えば、保育園によっては、

  • パート保育士として勤務した経験
  • 非常勤保育士として勤務した経験
  • 幼稚園教諭として勤務した経験
  • 認可外保育施設で勤務した経験

等の期間が転職時の給与を決定する期間に含まれないということもあります。

どのような条件で転職時の給与を判断するかはそれぞれの保育園次第 になるため、保育士経験があったとしても、それがきちんと転職時の給与に反映されていないと、新卒や後輩と同じかそれより安い給料になってしまうということも発生してしまいます。

新卒と中途採用で給与体系が異なる

保育園の会社によっては、そもそも新卒採用の場合と中途採用で給与体系が異なる場合があります。

不公平な仕組みかもしれませんが、会社側としては、新卒としてゼロから長く働いてくれる人の優遇したい、そして、自分たちもその仕組みによって優遇されたいという考えがあるので、新卒と中途採用で異なる給与体系が設定されているというような背景があります。

新卒と中途採用で給与体系が異なれば、もちろん、自分よりも保育士経験が少ない後輩や新卒と比較した場合に、同じか安い給料になってしまう、不公平な状態が生まれてしまう可能性は十分あります。

職種によって給与体系が異なるため

保育士の経験年数だけではなく、職種によって給与体系が異なる会社存在します。保育園で働く保育士なんだから職種は一緒だと思うかもしれませんが、例えば、大規模な保育園会社には、

  • 総合職保育士
  • 一般保育士

というように保育士のなかでも複数の職種が用意されている場合があります。前者は、転勤などを伴う可能性がある保育士の仕事で、その分、給料も高く設定されている場合があります。後者は、転勤の可能性がなく、地域を限定して働く保育士で、その分、転勤の可能性がある保育士職よりも給料が低い場合があります。

このような職種に違いがある場合は、自分が保育士経験としては先輩であっても、後輩や新卒と給料が同じくらいか安くなってしまうということもあります。

新卒の給与が引き上げられたため

昨今は保育士不足が続いているので、各保育園会社では保育士の獲得競争なども繰り広げられているケースがあります。そのなかの一つの施策が、新卒者の給与引き上げです。新卒保育士の給料を引き上げることで、安定的に保育士を確保しようという考え方になります。

ですが、新卒者の給与が引き上げられたからといって、既に働いている保育士の給与も同じように引き上げられるとは限らないので、一時的に経験者との差がなくなってしまったり、場合によっては給料が逆転してしまうということも起きてしまいます。

もちろん、先程も書いたように、新卒か中途採用かで職種や勤務範囲などがそもそも異なり、給料も異なる設定となっている場合はもあります。

学歴による給与体系の違いのため

保育園によっては、学歴によっても給与体系が異なる場合があります。

  • 専門学校卒
  • 短大卒
  • 4大卒

などによって、異なる給与体系が設定されているというケースです。学歴をまったく加味しない場合もあれば、4大卒のほうが高く設定している場合もあります。この場合、専門学校を卒業した

後輩がたくさん昇給しているため

保育園によりますが、保育士の給料は、年功序列で全員一律の金額を昇給する仕組みになっているとは限りません。

保育士等キャリアアップ研修をたくさん受けて役職を付与されていたり、上司(主任、園長)からの評価によっても昇給額がそれぞれ異なる場合もあります。

自分より保育士経験が少ないとされる後輩でも、保育士等キャリアアップ研修をたくさん受けて役職を付与されていたり、上司からの評価が良く、たくさん昇給しているという場合もあります。その場合は、経験年数が長い自分と同じかそれ以上の給料を受け取っていても、おかしいことではありません。

昇給幅が少なく、同じ給料に見えているだけ

中途採用で転職した保育士なのに新卒や後輩と同じか安い給料に見えてしまう理由として、その保育園の昇給幅が少ないためということが考えられます。

その保育園での定期的な昇給がとても少ないと、仮にきちんと保育士経験者としての経験が適切に評価されていたとしても、新卒で入職した保育士とほとんと給料が変わらないということになります。例えば、年1000円しか昇給がないという場合は、新卒者と経験6年目の保育士の給料の差は月5000円となります。

月5000円の違いくらいだと、給与明細をじっくり見比べずに、口頭で給料を確認したくらいでは、同じ給料に見えてしまう場合があります。

手当などの違いによって同じか安い給料に見えているだけ

支給される手当などの違いによって同じか安い給料に見えているだけという場合もあります。

例えば、

  • 家賃補助
  • 交通費

などは、それぞれの保育士のよって支給の有無や、金額にも差があります。

賃貸に住んでいて家賃補助がもらえているという場合とそうでない場合は給与額が異なりますし、自宅から遠い保育園に通勤している人とそうでない人は、交通費で月額数万円の差が出ることがあります。

また、見落としがちなのが。

  • 残業代

についてです。

残業代もそれぞれの保育士によって時間が違うため、給与額に差をもたらす要因になっています。

手取り金額の違いによって同じか安い給料に見えているだけ

それぞれの保育士の手取りの金額の違いによって給料が同等か安く見えてしまうということもよくあります。

給料のうち、税金等を除いた金額が手取り額として振り込まれることになります。ここで給料から引かれる税金などの金額は、支給される給料だけの情報で決まるわけではありません。それぞれの会社員の状況などによって異なる金額が決定されます。

また、特に新卒者の人と大きく違う部分は、住民税の支払いについてです。住民税は、前年度の収入をもとに翌年度に支払う仕組みになっています。これは所得税や社会保険料などとは異なる仕組みになっています。

前年に就業していない社会人1年目は住民税の支払いがないため、手取りの金額が多くなります。それ以外にも前年度に多く稼いだという場合は、住民税の金額も多くなります。

このように、手取りの金額だけを比較してしまうと、正確に給料を比較できない場合があります。

転職後の給与で不公平感を感じないために転職前には確認、対策すべきこと

中途採用で転職した保育士なのに新卒や後輩と同じか安い給料となってしまって、不公平な思いをしないためにも、転職前にはチェックが必要です。

新卒募集の給与について調べる

転職後の給与で不公平感を感じないためにチェックすべきことは、その保育園で新卒保育士がどれくらいの給与で募集されているかということです。

転職活動で保育園の面接を受け、無事に内定を貰った場合は、詳細な雇用条件を通知してくれると思います。月給や勤務体系、休暇なの細かい雇用条件になります。その月給にきちんと自分の保育士としての経験が加味されているかどうかを判断するためには、その保育園の新卒保育士の給料額と比べると良いです。

例えば、新卒保育士の月給と変わらなければ、これまでの経験はまったく加味されていないということになります。保育士10年目で新卒と1万円しか月給に差がない場合は、昇給に換算して年1000円くらいということになります。

新卒募集の給与と比較することで、自分の転職時の給与に関して様々なことが見えてきます。どのくらいの差があれば適切とは言えませんが、その金額で自分自身が納得できるかどうかということが重要になります。

昇給条件をきちんと聞く

その保育園で勤続を続けた場合の昇給条件をきちんと聞くということも重要です。

前項で書いたように、その保育園での新卒の月の基本給がわかれば、そこから定期的な昇給額をもとに逆算することで、自分の経験がおおよそ何年分の昇給に値するのかということがわかると思います。

例えば、年2000円が定期昇給する保育園で、

  • 新卒の給与が20万円
  • 転職時に提示された給与が21万円

となった場合、おおよそ5年分の経験が給与として加味されているということがわかると思います。

その保育園の昇給条件をきちんと把握しておかないと、入職してから、自分より経験が少ない後輩よりも給与が低いということが起きてしまう可能性があります。

転職時の給料は交渉も重要

転職時に給料の交渉をするということも重要です。

保育士が給料の交渉ができるのは、転職時だけと言っても過言ではありません。入職してから給料を上げてくれといっても受け入れられることはまずないでしょう。これは、保育士に限ったことではなくどの会社でも言えることだと思います。

先程も上げた、新卒時の給料やその保育園での昇給条件などを参考に、自分自身のこれまでの保育士としての経験がきちんと転職時の給料に加味されていないと判断できる場合は、内定をもらった後に給料の交渉をするということも大切です。

まずは、自分の経験がどのように加味されているのかということを確認してみましょう。

とはいっても、このような給与の交渉を個人で行うというのは精神的にもなかなかしんどいものがあると思います。これから働くかもしれない保育園なので、関係をこじらせるわけにはいかないですよね。そういう方は、転職活動をする際は、あらかじめ保育士転職エージェントを利用するのが良いです。保育士転職エージェントを利用して面接等を受ければ、内定後に担当者が条件交渉などを行ってくれます。

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