今回は、保育士が産休育休終了と同時や直後に保育園を退職するのはありなのか、退職の伝え方や伝えるタイミングなどについて紹介します。
複数回の退職、転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士が産休育休直後に保育園を退職するのはあり?
本題の結論になりますが、保育士が産休育休直後に保育園を退職するというのは、法律的にもまったく問題ありません。
- 育児休業中
- 育児休業の終了と同時
- 復帰直後
のどのタイミングであっても問題なく退職することができます。そのため、わざわざ「少しだけ復帰してから退職する」必要もありません。
復帰するつもりで育児休業を取得したという場合でも、実際に子どもが生まれて育児をし始めたら、保育園へ復帰して保育士として働くのが難しいと感じる場合があると思います。実際に、世の中の会社でも保育園で働く保育士でも、育休終了後に退職する人も多いです。
保育士が産休育休直後に保育園を退職するのは裏切り行為?
保育士が産休育休直後に保育園を退職するのは裏切り行為なのではないかと考える人もいるかも知れません。
勘違いしている人も多いですが、産前産後休業や育児休業の手当てや給付金などは、保育園の法人が支払っているわけではありません。つまり、お金をもらって休んでいたのに、復帰しないなんで裏切りだという指摘はお門違いです。
たしかに、保育士を雇用している保育園の法人は、関係各所に対して産休や育休の手続きなどを実施はしているので、多少の手間は掛かっています。ですが、それらは従業員を雇用する会社としての義務になるので、それができなければ、会社を運営する資格はありません。やりたくなければ、従業員を雇わずに一人で会社を運営すれば良いでしょう。
勘違いで裏切り行為と考える人もいるかも知れませんが、もし産休育休直後に保育園を退職するかどうか悩んでいるという保育士の方は、その点を気にする必要はないでしょう。
保育士が産休育休直後に退職すると保育園は困る?
それでもやはり、保育士が産休育休直後に退職すると保育園が困るということは間違い無いです。
ただし、保育園が困るのは、想定外に退職者が出てしまったということに関してです。
保育園は、規模や定員に対して、必要な保育士の人数が決まっているので、退職者が出れば、その分、新たに雇用をしなければ行けないということは間違いないです。一部のブラックな保育園はそうしているかもしれませんが、保育士が足りないまま運営を続けるというのは難しいです。そういった意味では、保育園は困ることになります。
ただし、これは産休育休直後かどうかに関係なく、退職者が出た場合に共通して言えることです。
もし「産休育休直後の退職は流石にまずいから、少しは復帰しないと。。」と考えているのであれば、それは保育園目線では、意味のない考えになってしまっています。本当に、保育園に迷惑をかけたくないのであれば、「早く退職するということを伝え」代わりの保育士を採用する猶予期間を与えてあげるということが良いでしょう。
保育士が産休育休直後の保育園の退職を避けるための手段
ここからは、産休育休直後に保育園を退職するかどうか迷っているという方向けに、退職を避けるための手段や活用できる制度などを紹介します。
育休を延長する
保育士が産休育休直後の保育園の退職を避けるための手段の1つ目は、育休を延長するというものです。
育児休業が取得ができるのあは、やむを得ない理由がある場合を除けば、子どもが1歳になるまでの期間になります。保育所に入所を希望したのにも関わらず入所ができなかった場合などがやむを得ない事情として挙げられ、1歳6ヶ月、2歳までの延長が可能です。ですが、この制度はあくまでも、単に、仕事に復帰したくないから延長をするということではなく、不可抗力的に復帰できない状況になってしまった場合に延長ができるという趣旨になります。そのため、自分で申し込んだり、希望をすれば自由に育児休業を延長できるというわけではありません。
ただし、従業員を雇用する企業のなかには、この公的な育児休業の制度とは別に、育児休暇・育児休職の制度を設けている場合があります。
これは、法律で決まられているものではないので、制度があるかどうかは勤めている保育園次第になります。
保育園が独自の育児休暇・育児休職の制度を設けていれば、育児休業終了後に延長して育児休暇を取得できる可能性があるということになります。育児休業とは異なり、基本的にはこの期間は給料は支払われないことが多いので注意しましょう。会社独自の休暇が取得できれば、とりあえず、退職するかどうかの結論は先延ばしにすることができます。
子育てが大変ですぐには復帰ができそうにないという方は、勤めている保育園にこのような制度がないか確認してもらいましょう。
保育園に配慮してもらう
保育士が産休育休直後の保育園の退職を避けるための手段の2つ目は保育園に配慮をしてもらうというものです。
所定労働時間を短くする短時間勤務制度を利用する
子どもを養育する労働者は、育児のために短時間勤務制度を利用することができます。育児介護休業法により、3歳未満の子を養育する男女労働者は、1日の所定労働時間を原則として6時間とする短時間勤務制度が利用できます。
この制度は、従業員を雇用する会社に義務付けられているものになるので、申し出をすれば必ず利用することができます。当然ですが、夫婦どちらも利用することができます。
一日の勤務時間を短くすることができるので、その分、育児や家事に時間を費やすことができます。
残業免除制度を利用する
育児介護休業法により、残業免除制度(所定外労働時間の免除)があります。これは、3歳未満の子どもを養育している方が対象で、原則として残業なしとなる制度です。この制度についても、従業員を雇用する会社に義務付けられているものになるので、申し出をすれば必ず利用することができます。こちらも、当然ですが、夫婦どちらも利用することができます。
残業免除制度を適用すれば、残業をしなくても良くなるので、保育園での仕事復帰において、特に残業面の負担に不安がある方にはおすすめです。
シフトを固定的にしてもらう
保育園で働く保育士のシフトは不規則なことが多いと思いますが、そのことが復帰のあしかせになってしまっているという方もいらっしゃると思います。もし、シフトが固定的になれば、保育園のお迎えや家事を踏まえて、働きやすくなるという場合もあると思います。
これは、あくまでも保育園へのお願いということで、必ず実現できるとは限りませんが、前例がなくても、不安を伝えれば保育園側が配慮してくれる可能性もあるので、まずは職場の人に相談をしてみましょう。
担任クラスなどを配慮してもらう
保育園の業務の中には特に負担が多い仕事もあると思います。働いている園にもよると思いますが、年長クラスの担任が大変というような、担任クラスでの負担の違いです。このような仕事の負担面での配慮を保育園側にお願いするということです。
こちらも、あくまでも保育園へのお願いということで、必ず実現できるとは限りませんが、復帰を迷っているということを伝えれば、配慮してもらえる可能性もあります。
保育士の産休育休直後の退職の方法や手順とは?
ここからは、保育士が産休育休直後に退職する方法や手順について紹介します。実は、産休育休直後だからといって、通常の退職と異なる手続きや手順などが必要というわけではありません。通常の退職と同様に、退職する意思と日付を保育園の園長や人事の担当に人に伝えればよいです。
育休中に退職をする場合
育児休業中に退職をするということも可能ですが、その場合、その段階で、育児休業給付金は受け取れなくなってしまいます。そのため、基本的には育休中に退職をするメリットはありません。
育休終了と同時に退職をする場合
育休終了と同時に退職をするよいうことも可能です。その場合は、育休終了前のタイミングで保育園に対して、退職する旨を伝える必要があります。概ね1ヶ月前などを目安に退職の意志を園長等に伝えればよいでしょう。そのために、あらかじめ、復帰するかどうか迷っているということを園長に相談をしておくのが良いかもしれません。
復帰後に退職をする場合
産休育休からの復帰後に退職するという場合は、通常の退職の手順と違いはありません。実際に少し働いてみてやっぱり難しかったと感じる場合があると思うので、その際は、できるだけ早く園長等に退職の意志を園長等に伝えましょう。
保育士の産休育休直後の退職理由や伝え方はどうすれば良い?
産休育休直後の退職理由や伝え方に悩んでいる人も多いかと思いますが、
正直に、
子育てとの両立が難しい
というような理由を伝えれば問題ありません。保育士であっても、自分の子の子育ての負担はやってみてからでないとわからないですし、大変さも人によって様々です。
そもそも退職するということに理由はいらないので、正直なことを話せば良いです。
保育士の産休育休直後の退職はいつ伝えれば良い?
続いて、保育士の産休育休直後の退職はいつ伝えれば良いのかと悩んでいる方もいらっしゃると思います。基本的には、通常の退職の場合と同様に、復帰日の二週間以上前に伝えれば良いです。もし、保育園に迷惑をかけたくないのであれば、退職するということが決まってからできるだけ早く伝えるのが良いでしょう。
保育園としても、中途半端に復帰されて急に退職されるよりは、余裕を持って代わりの保育士を採用する期間が取れたほうが良いです。