規定の定員より多くの園児を受け入れる保育園がある?定員の弾力化とは?

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  • 規定の定員より多くの園児を受け入れる保育園がある?
  • 規定の定員より多くの園児を受け入れるのは不正ではないの?

今回は、世の中に規定の定員より多くの園児を受け入れる保育園があるのはなぜなのか?保育園の定員の弾力化というものについて紹介します。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
保育所定員の弾力化については、厚生労働省の情報を参考にしています
その経験が参考になればと思います

そもそも保育園の園児定員はどのように決まる?

本題に入る前にまず説明しておく必要があるのことは、そもそもそもそも保育園の園児定員はどのように決まるのかということです。

保育園の定員数は、適当な人数を設定しているわけではありません。おおまかに、以下の基準によって受け入れることができる人数が決まっています。

  • 保育室等の面積
  • 園庭等の面積
  • 保育士の数

各自治体等が定めたこれらの基準などをもとに認可定員が決定されます。そして、基本的にはその人数を上限として園児の受け入れを行います。

保育園の定員はどうやって決まるのかということの詳細については以下の記事を参考にしてみてください。

規定の園児定員より多くの園児を受け入れる保育園がある?

本題の結論になりますが、規定の園児定員より多くの園児を受け入れを行っている保育園があります。

先程も書いたように、認可保育園の定員数は、適当な人数を設定しているわけではなく、自治体等によるきちんとした規定によって定められています。

では、なぜ世の中には、規定の園児定員より多くの園児を受け入れる保育園があるのでしょうか。これについて以下から説明していきます。

規定の園児定員より多くの園児を受け入れるのは不正?

規定の園児定員より多くの園児を受け入れるのは不正なのではと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、規定の園児定員より多くの園児を受け入れるというのは不正な行為というわけではありません。

規定の園児定員より多くの園児を受け入れを行っているのは「保育所の定員の弾力化」 というもので、あくまでも、国の指針に基づき、市区町村などの自治体によって認められています。そもそも、認可保育園の入園における利用調整は市区町村などの自治体が行うため、保育園が勝手に定員を増やして多くの園児を受け入れるということはできなくなっています。

保育園の定員の弾力化とは?

ここでは保育園の定員の弾力化について説明します。

弾力化の言葉の意味とは?

「弾力化」という言葉があまり聞き馴染みが無い方もいらっしゃると思います。「弾力化」の言葉としての意味は、”ある程度の融通を効かせる”という意味になります。行政、法律などで利用される場合は、規制緩和というような意味合いを指すことになります。

保育園の定員の弾力化とは?

保育園が規定の園児定員より多くの園児を受け入れるということは、

保育所定員の弾力化とは、市町村において待機児童解消等のため、定員を超えて入所できるようにすることをいう。

※引用「厚生労働省 結果の概要」https://www.mhlw.go.jp/www1/toukei/tiikij99_8/tk1.html 引用日:2023年10月24日

自治体による保育園の定員の弾力化運営の例

ここでは、自治体による保育園の定員の弾力化運営の例について紹介します。例えば、神奈川県川崎市では以下のようになっています。

○本市における保育の実施にあたっては、あらかじめ定めた利用定員及びその歳児別内訳に従って行うことを基本とするが、認可基準条例に定める設備及び職員配置の基準等を逸脱しない範囲において、定員の弾力化を図ってよいものとする。
○ただし、その弾力化は概ね125%までとし、それを超える場合には、定員を増員するよう指導するものとし、連続する過去5年度間常に定員を超えており、かつ、各年度の年間平均在所率が120%以上の場合にも、定員を増員するよう指導するものとする。

※引用「川崎市の民間保育所の認可・運営基準について」https://www.city.kawasaki.jp/450/cmsfiles/contents/0000123/123343/2-1.pdf 引用日:2023年10月24日

なぜ保育園は定員の弾力化をしている?

先程も書きましたが、市区町村等の自治体は待機児童を解消するために定員の弾力化を認めています。市区町村内の待機児童が減るということは自治体にとってもメリットがあることになります。

保育所がある 1,590 市町村のうち、「定員の弾力化を認めている」は 1,265 市町村(79.6%)で、「定員の弾力化を認めていない」は 325 市町村(20.4%)となっている。

※引用「令和2年 地域児童福祉事業等調査結果の概況」https://www.mhlw.go.jp/content/11920000/000843669.pdf 引用日:2023年10月24日

このように多くの自治体では、実際に定員の弾力化を行っているという状況になっています。

また、弾力化により多くの園児を受けいれる保育園は、自治体と同様に待機児童を減らすという地域貢献の意味合いもありますし、多くの定員を受け入れることで収益を増やして安定した運営をすることにも繋げることができるというメリットがあります。

保育所定員の弾力化をしている保育園は保育の質が下がる?

これから保育園を利用しようと考えている保護者の方やあらたに就職や転職を考えている保育士の方が気になるのが、保育所定員の弾力化をしている保育園は保育の質が下がってしまうのではないかということだと思います。

先程の川崎市の例にもあるように、基本的には認可基準条例に定める設備及び職員配置の基準等を逸脱しない範囲で定員の弾力化が行われています。

そのため、保育園が定員の弾力化を行っているからといって、

  • 保育室が狭くて子どもたちがぎゅうぎゅう詰め状態になってしまう
  • 子どもあたりの保育士の人数が基準を下回ってしまう

というようなことは発生しないようなルールになっています。

そのため、保育園が定員の弾力化をしているからといって、保育の質が下がってしまっていると決めつけることは出来ません。

ただし、保育園は本来の定員数を想定した作りになっていたり、弾力化のために新たな保育士を雇用するとは限りません。そもそもなんのための定員設定なのかという話にもなるため、保育所定員の弾力化が、まったく保育園に悪い影響を与えないとは言えないかもしれません。

まとめ:規定の定員より多くの園児を受け入れる保育園がある?定員の弾力化とは?

今回は、世の中に規定の定員より多くの園児を受け入れる保育園があるのはなぜなのか?保育園の定員の弾力化というものについて紹介しました。

規定の園児定員より多くの園児を受け入れを行っているのは「保育所の定員の弾力化」というもので、あくまでも、国の指針に基づき、市区町村などの自治体によって認められています。市区町村等の自治体は、市区町村等の自治体は待機児童を解消するために定員の弾力化を認めています。

定員の弾力化は、基本的には認可基準条例に定める設備及び職員配置の基準等を逸脱しない範囲でおこなわれるため、それにより保育の質が下がってしまっていると決めつけることは出来ません。ただし、悪い影響がまったくないとも言えないかもしれません。