結婚や同棲でも利用できる?保育士宿舎借り上げ支援事業は絶対に利用すべき【家賃補助】

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保育園で働く保育士の方。保育士宿舎借り上げ支援事業についてご存知ですか?

こんな疑問や悩み、不満はありませんか?
  • 保育士宿舎借り上げ支援事業はどんな内容?
  • 誰が利用できるの?
  • 同棲でも利用できるの?
  • 結婚してても利用できるの?
  • いつまで利用できるの?
先に結論!!

保育士宿舎借り上げ支援事業が結婚後や恋人との同棲でも利用できるかは 自治体と保育園を運営している法人次第 になります。

結婚後や恋人との同棲でも確実に利用したい場合は、保育士の転職エージェントの利用をおすすめします。担当のコンサルタントがあらかじめ結婚後や恋人との同棲でも保育士宿舎借り上げ支援事業が利用できる求人に絞って紹介してくれます。

履歴書を作って面接した後に「実は同棲だと利用できない」と発覚して時間を無駄にしてしまうことを防ぐことができます。

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国の保育士の待遇改善の事業の中で最も金額的なメリットが大きいのが、保育士宿舎借り上げ支援事業だと思います。その反面、保育士の宿舎借り上げ支援事業は市区町村や保育園によって細かいルールが異なるので注意も必要です。

宿舎借り上げ制度を利用できると思って就職転職を決めたけど、よくよく聞いてみると対象外だったということも起きてしまいます。ただ、保育士の宿舎借り上げ支援事業はほぼ自己負担無しで賃貸に住むことができるので保育士にとっては利用しないメリットはないです。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
保育士宿舎借り上げ支援事業を利用して賃貸に住んだ経験があります
その経験が参考になればと思います

保育士宿舎借り上げ支援事業とは?

保育士宿舎借り上げ支援事業は国が制度として導入し、実施の主体は市区町村となっています。つまり市区町村が実施していなければ、その市区町村にある保育施設は保育士宿舎借り上げ支援事業を実施していないことになります。

もちろん、制度とは別に家賃補助や保育士向けに賃貸などを貸し与える法人もありますが、数としては限られていると思います。

この制度は、保育士が保育園で働くことで保育士が生活に必要な宿舎(つまり賃貸)に関して補助を行う制度になります。市区町村が保育園を運営する事業者を通して保育士に補助が行われます。市区町村から直接、保育士に補助が行われるわけでないので注意が必要です。

つまり保育士宿舎借り上げ支援事業に関するすべての金銭的な申し込みなどのやりとりは働いている保育園を通して行われることになります。つまり市区町村が制度を実施していても保育園が利用できないと言えば利用することはできません。

働く保育士としてはほぼ自己負担は無しで、賃貸物件に住むことができるので利用しない手はないとてもお得な制度となっています。

保育士宿舎借り上げ支援事業の対象の保育施設の種類は?

市区町村によって多少は対象の施設が異なるかもしれませんが、一般的な保育士宿舎借り上げ支援事業の対象の保育施設は以下になっています。

  • 認可保育所
  • 認定こども園
  • 小規模保育事業(小規模保育C型を除く)
  • 事業所内保育事業
  • 待機児童解消加速化プランの対象の認可外保育施設

都道府県又は市町村以外の者が運営することが条件です。つまり、公立の保育施設は対象外となります。おそらく、公立の保育施設で働く保育士は公務員になるので、待遇的には私立保育園よりも良いので対象外になっていると思います。

保育士宿舎借り上げ支援事業の補助金額は?

補助の金額は基本的には月額上限8万2千円です。この金額を国、市区町村、保育園を運営する事業所が分担して負担を行います。

ただし、市町村によっては金額を上乗せしている場合があります。例えば、東京都千代田区は月額13万円、東京都港区は11万2,000円、東京都目黒区は9万2千円の補助となっていて、家賃が高いエリアは更に上乗せの補助金を受けることができます。

ポイントは金額の一部を保育園を運営する事業者も負担しているという点です。なので保育園側も保育士に対して制度の利用条件を独自に課す場合があります。

例えば、よくあるのは保育園の近隣に住むということを条件とする場合です。そうすることで保育園側は保育士に支払う交通費負担を抑えることができます。また、なにか保育園でトラブル等あれば、すぐに保育士が駆けつけられるというメリットも保育園側にはあります。

保育士宿舎借り上げ支援事業の補助割合は?

ちなみに、利用者である保育士はあまり意識する必要はないかもしれませんが、保育士宿舎借り上げ支援事業の補助金の補助割合は以下のようになっています。

  • 国:1/2、市区町村:1/4、事業者:1/4

8万円の物件に自己負担1万円で保育士宿舎借り上げ支援事業を利用している場合は、残りの7万円を上記の割合で負担が行われています。事業者というのは保育園のことです。

  • 国:35,000円
  • 市区町村:17,500円
  • 事業者:17,500円

それぞれ、上記の割合での負担が発生します。

国や自治体の制度だからといって、利用する場合は勤務している保育園にも負担が発生するということは留意しておくべきかもしれません。

なので、保育園によっては、交通費がかからない近隣エリアに保育士を住まわせることで、実質的な負担額を減らそうという試みを行っている場合もあります。

保育士宿舎借り上げ支援事業の利用可能期間はいつまで?

現時点(令和元年度時点)では、制度としては 保育士が採用されてから10年間が利用可能な期間 となっています。毎月8万2千円を最大10年間となるので、最大984万円を家賃補助として受けられるということになります。

ただし、市区町村によってはこの期間が異なる場合があります。市区町村が予算に応じで国の制度を利用して、保育士宿舎借り上げ支援事業を実施するかを決めているので、国の定める期間より利用期間を短くしている市区町村も存在します。

当然、市区町村の財政状況や予算状況によっては、翌年から打ち切られるという可能性もなくはないです。いつまでの期間利用できるかについては、勤務している保育園のある市区町村に問い合わせるのが確実です。ただ市区町村も国の指針に従うので、確実なことが言えない場合も多いです。

加えて、万が一市区町村が制度を実施していたとしても、勤務している保育園の判断等によって制度の利用を辞めた場合は、この期間内であっても利用が継続できないことにもなります。(例えば、保育園での利用枠数が決まっていて、来年度からは他の保育士に利用させたいという保育園の意向があるという場合等)

あくまでも、賃貸物件の名義人である借り主は保育園の法人なので、保育園がNOといえば、それに従うしかないので、その点も注意が必要だと思います。

また、規定では「保育士が採用されてから10年」という形になっています。なので、例えば、採用直後の1年間は制度を利用していないとしても、残りの利用可能期間は9年間になるという点にも注意をしておきたいです。

ここまで、現時点(令和元年度)での保育士宿舎借り上げ支援事業の制度の利用可能期間を紹介しましたが、今後もこの条件が継続されるわけではありません。

例えば、今後は、利用可能な期間を該当の市区町村の待機児童や保育士の有効求人倍率を持って、5年なのか、10年なのかについてを判断するようにするという案も出ているようです。

また、補助金額として全国一律で設定してきた8万2千円という金額も地域ごとの実勢を踏まえて、再設定し直すという案も出ています。

10年間使えると思っていたのが、突然5年間になったり、月ごとの補助金額が縮小するということも考えられます。

そうなった場合に、すでに5年を超えて利用していた場合はどうなるのか、などの問題も発生することになります。

これらの要素があるため、 10年間に渡って確実に制度を利用できるとは思わないほうが良いかもしれません。

※ 追記 2021年6月14日

令和3年度時点では、保育士宿舎借り上げ支援事業は以下の条件となっています。

【対 象 者】 採用された日から起算して10年以内の常勤の保育士
※ ただし、以下の場合は採用された日から5年以内の常勤の保育士
・ 直近2か年の4月1日時点の待機児童数が連続して50人未満、かつ、直近2か年の1月の保育士の有効求人倍率が連続して全国平均以下の市区町村
・ ただし、待機児童数が50人未満(前年度)から50人以上(事業実施年度)となった場合で、かつ、直近2か年の1月の保育士の有効求人倍率が連続して全国平均以下の市区町村も5年以内とする

※ 「保育士の現状と主な取組」よりhttps://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf

勤務する市区町村の待機児童数によって制度が利用できる期間が縮小されます。近年は多くの市区町村で待機児童数は減少傾向にあるので、実質的に5年間が上限と考えたほうが良いかも知れません。

保育士宿舎借り上げ支援事業自体はいつまで続く

国や各市区町村において、今後の実施を継続するかどうか状況は基本的には未定になっていると思います。そのため、今後は待機児童や保育士の有効求人倍率の状況などをみて国が制度の延長を決めれば、利用期間は伸びる可能性はあります。

逆に国自体が制度の終了を決めた場合は、市区町村も制度を終了する可能性は高いです。もちろん、近い将来に制度が終了となる可能性もあるので、その点も踏まえながら働く保育園を選ぶべきかもしれません。

初期費用の負担はどうなる?

初期費用の負担に関しては、市区町村によって異なります。礼金や鍵交換費用などの費用を別途補助してくれる場合はあったり、単に8家賃と含めて万2千円以内だったら補助しますという場合もあります。また、多くの自治体では市区町村では敷金に関しては返還される可能性があるので、補助の対象外となっています。逆に礼金は返却されないので対象となっていることがあります。これらは保育園によっても制度が異なるので、最終的には保育園を運営している事業者次第となっています。

保育園を運営している事業者によっては引っ越しの資金や初期費用までを負担してくれる場合もあるので、求人を探す際に確認してみるとよいです。

結婚して同居の妻や夫がいる場合に利用できる?

結婚などにより同居している場合を補助の対象外としている市区町村はあまりないですが、保育園が独自で制限をかけている場合があります。そのため結婚による同居で保育士宿舎借り上げ支援事業が利用できるかどうかは、最終的には保育園を運営している事業者次第となっています。ただし、同居の人が家賃補助や住宅手当を受けている場合は補助の対象外となることが多いようです。

未婚で同棲している場合に利用できる?

こちらも結婚での同居の場合と同様です。

未婚で彼氏彼女などと同棲している場合を補助の対象外としている市区町村はあまりないですが、保育園が独自で制限をかけている場合があります。そのため、同棲で保育士宿舎借り上げ支援事業が利用できるかどうかは、最終的には保育園を運営している事業者次第となっています。

家族が同居する場合に利用できる?

子どもや両親などが同居するを補助の対象外としている市区町村はあまりないですが、保育園が独自で制限をかけている場合があります。そのため、家族が同居する場合で保育士宿舎借り上げ支援事業が利用できるかどうかは、最終的には保育園を運営している事業者次第となっています。

物件は自分で選ぶことができる?

保育士宿舎借り上げ支援事業で住む物件は自分で選ぶことができる場合もあれば、保育園が指定した物件に入居するという場合もあります。それ以外にも、現在住んでいる賃貸の名義を保育園を運営している法人に変更して制度を利用するという方法もあります。こちらも最終的には勤務する保育園次第になるので、入職前にしっかりと確認する必要があります。

近隣の市区町村に住む場合は利用できる?

市区町村によっては条件付きで隣接する市区町村に住んでも補助の対象とする場合があります。また、保育園を運営する事業者が独自に園からの通勤時間などを制限している場合もあります。こちらも最終的には勤務する保育園次第になるので、入職前にしっかりと確認する必要があります。

すでに一人暮らしを始めてしまっている場合に利用できる?

保育士宿舎借り上げ支援事業の大前提は、物件の賃借人は保育園を運営する事業者である必要があります。不動産の管理会社と勤務する保育園がOKであるならば、名義を保育園を運営する事業者に変更して補助を受けることができる可能性があります。
こちらも複雑な手続きになるので入職前に保育園や不動産管理会社に確認する必要があります。

少なくとも最終的には賃貸の名義は保育園を運営している事業者にする必要があるので、それが実現可能かどうかがポイントになると思います。

パートやアルバイトなどでも利用できる?

基本的には週の労働時間に最低条件を設けている自治体が多いです。フルタイムに近い労働時間のパートであれば利用条件を満たす市区町村が多いですが、保育園側が良しとする可能性は低いかもしれません。

宿舎借り上げ制度も自治体によっては予算に上限があり、保育園ごとに枠が決まってしまっていることもあります。そうなるとやはり正職員が優先されるので、パート保育士が利用できる可能性が低くなってしまいます。

産休育休中は利用継続できる?

宿舎借り上げ制度は、産休、育休中など基本的に保育園で保育士として雇用が継続されている場合は、そのまま利用を継続できるルールになっていることが多いです。

ただし、これについても市区町村や保育園を運営する法人によって扱いが異なる可能性があるので、しっかりと確認することをおすすめします。

保育士宿舎借り上げ支援事業は不公平な制度では?

たまに、保育士宿舎借り上げ支援事業は不公平な制度だという批判を目にすることがあります。

これは確かにその通りで、この制度を利用しているかしていないかで実質的に所得に毎月8万円程度の差が出てしまうことになります。仕事内容は関係なくこのような差が生まれてしまうことになります。

ローンを組んで持ち家やマンションを買った保育士もいるでしょうから、そのような保育士は同じような条件で働いているのに、所得に差ができてしまうということになります。

制度を利用できるのは、採用されてから10年以内という期限があるので、10年未満の保育士と10年以上の保育士では、若手のほうが待遇が良いということも発生しうることです。

これは、同じ保育園内でも起きますし、地域間の保育士の待遇の格差にもつながっていると思います。

保育士宿舎借り上げ支援事業にデメリットはある?

保育士宿舎借り上げ支援事業は絶対利用すべきと書いてはいますが、デメリットに関しても説明します。

保育園を辞めにくくなる

保育士宿舎借り上げ支援事業の一番のデメリットは、保育園を辞めにくくなるということです。

保育士宿舎借り上げ支援事業を利用する場合は、賃貸の名義は保育園の法人で契約することになります。つまり保育園を辞める場合は、名義を自分に変更してもらうか、新たに新しい物件に引っ越す必要が出てきます。

煩雑な手続きになってしまうので、転職や退職を躊躇するということが心理的に起きやすくなると思います。

また、次に転職する保育園でも制度が確実に利用できる保証もないので、少々ブラックな保育園であっても我慢して、退職を躊躇してしまうということも発生します。

また、保育園によっては住むエリアも保育園の近くなどに限定する場合もあったり、保育園が物件を選ぶ場合もあるので、物件選びの自由度も減ってしまうことになります。

同様に、気軽に好きな場所への引越しなどもしにくくなってしまうというデメリットも発生します。

生活レベルが上がってしまう

もう一つのデメリットとしては、必然的に生活レベルがあがってしまうということです。

これは一見良いことかもしれませんが、一度生活レベルを上げてしまうと、元の生活レベルに下げることができないという方も多くいます。

平均的な給料を考慮すると、都内で保育士が保育士宿舎借り上げ支援事業の利用なしに一人暮らしをしようとした場合は、5万円以下に家賃を抑えようとする人が多いと思います。

でも制度があると、約8万円の上限ぎりぎり、つまり9万円程度の家賃の物件に住む人多いと思います。

そして、いずれ制度が利用できなくなるということを考えると、もし同じ物件に住むとするとある月から9万円の家賃負担が発生することになります。

それでも、5万円の物件に全額自己負担で一人暮らししている場合よりも、約4万円も毎月使える金額が多いので、食費などの生活に当てられる金額も多くなると思います。

前述しましたが、現状では、制度が使えるのはそもそも最大10年間で、もしかしたら5年間になるかもしれませんし、次年度にいきなり使えなくなるかもしれません。

そうなった場合に、家賃の低い家に引越したり、食費を抑えるような努力をしなければいけなくなる未来が来るかもしれません。

保育士宿舎借り上げ支援事業を確実に利用する方法

最後に 保育士宿舎借り上げ支援事業を確実に利用する方法を紹介します。

【その1】まずは自治体のルールを確認する

保育士宿舎借り上げ支援事業の実施主体は市区町村で、細かいルールも異なるので、まずは就業希望先の自治体のルールを確認する必要があります。「保育士宿舎借り上げ支援事業 〇〇市」というような検索をすることで市区町村が公開している情報を見つけることができます。市区町村によっては年度ごとの予算が決まっている場合もあるので、年度途中で利用できるかどうかも確認する必要があります。

先に書きましたが、既に決まっている年度分は制度が実施されるとは思いますが、国や市区町村の方針変更によって次年度から急に制度が利用できなくなる場合もあるかもしれません。

逆に、現時点では保育士宿舎借り上げ支援事業を実施していない自治体でも、保育士の過不足状況などから新たに制度を開始する可能性もあります。

いずれにしても情報収集をきちんと行うことが大切になります。

【その2】保育園を運営する法人のルールを確認する

保育士宿舎借り上げ支援事業の細かい利用制限は保育園を運営している事業者次第なので、求人を探す際に保育園にしっかりと条件を確認する必要があります。
保育園によっては単身のみであったり、保育園からの距離が決められていたりします。

  • 単身のみ
  • 同居もOKか
  • 物件は自分で選べるか

などの詳細条件をしっかり保育園側に聞く必要があります。

保育士の転職サイトの活用がおすすめ

保育士が求人を探す上でよくあることは、求人票に「保育士宿舎借り上げ支援事業」について特に記載がないということです。そして、実際に問い合わせてみると利用できるということもあります。
また、保育士宿舎借り上げ支援事業が利用可能と書いてあって問い合わせてみたら、単身のみ可能で同居の場合はだめだった ということもあります。

保育士宿舎借り上げ支援事業は保育園によって様々な独自のルールを課している場合も多いので、求人票だけの情報では不十分なことが多いです。

よくあるのは、求人票を鵜呑みにしてしまい履歴書も準備して面接に行ってしまうということです。実際に応募して面接に行ってみたら条件があわなかったということが起きます。保育士宿舎借り上げ支援事業が使えることが第一条件だった場合は、時間の無駄になってしまいます。

保育士の転職サイトを活用すれば、事前に細かい条件を保育園側に確認してくれるので、確実に保育士宿舎借り上げ支援事業を利用する保育園に転職することができます。

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