目次 | 内容 |
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保育園の分園とは? | ・既存の保育園を運営する法人が、近くに開設する定員が少ない認可保育所 ・本園と分園が同じ法人で運営される形態 |
分園を開設できるのは既に保育園を運営している法人 | ・社会福祉法人、株式会社、地方公共団体など ・既に認可保育園を運営中の法人や市区町村のみ開設可能 ・新規法人は不可、本園とセットでの運営が前提 |
分園の保育園定員は30人未満程度 | ・一般的に定員30人未満の規模 ・認可保育園(20名以上)より小規模 ・小規模保育事業(19名以下)よりやや大きい規模 |
本園と分園の距離は30分程度以内 | ・通常の交通手段で30分以内が目安 ・本園と連携できる体制を整えるため近距離に設置 |
調理員などを設置しなくても良い | ・調理員の配置が不要 ・調理スペースがいらず開設が容易な点がメリット ・給食は本園から運搬するケースあり、保育士の業務負担につながる可能性 |
分園の園児の構成は? | ・特定の年齢で本園に移行するパターン ・他の園に転園するパターン ・分園内ですべての年齢に対応するパターンなど様々 ・保育士は担当する年齢に注意が必要 |
なぜ保育園の分園を設置する? | ・保育園の設置がより容易なため ・待機児童解消に向けた早期の定員確保が目的 ・既存法人が開設し、人員の融通、土地・建物の確保が容易 ・将来的な保育需要減少時、本園への吸収も可能 |
保育士が働く保育園選びで分園のある保育園の気をつける点は? | ・本園・分園間で日常的な移動や会議、合同行事が発生する可能性 ・本園・分園間で配置換えが発生する可能性 ・担当する園児の年齢層が限定される可能性 ・事前に具体的な連携体制や役割分担を確認することが重要 |
【まとめ】保育園の分園とは?保育士が働く保育園選びで分園の保育園の気をつける点は? | ・分園は既存の保育園が設置する、定員30人未満程度の認可保育所 ・待機児童解消を目的とし、本園と連携して運営 ・保育士は本園との連携に伴う移動や配置換え、担当年齢層に注意 ・就職・転職時には、本園と分園の役割分担の事前の把握が重要 |
よくある質問(FAQ) | ・分園で働く際の具体的な疑問への回答を提示 ・本園との連携状況や移動頻度、キャリアパス、担当年齢構成への言及 ・人間関係、園庭がない場合の活動工夫などへの言及 ・転職前には、施設見学や具体的な質問で情報収集を推奨 |
- 保育園の分園って何?
- 別の保育園として開園するのではだめなの?
- 分園で保育士が働く場合に気をつける点は?
現役の保育士の方で、今後のキャリアや転職を考える中で「保育園の分園」について疑問をお持ちではありませんか?特に、分園で働く上で気をつけるべき点は、保育園選びの重要な判断基準です。
この記事では、保育所を既に運営している法人が近隣に開設する認可保育所である「分園」の定義や設置目的を解説し、保育士として分園で働く際に知っておくべき具体的な注意点を詳しく紹介しています。

分園ってどんな施設で、本園とどう違うの?働く上で特に注意すべき点も知りたいな。

分園の概要から、保育士が押さえるべき働き方のポイントまで、本記事でしっかりと理解できます。
保育園の分園とは、 保育所を既に運営している法人が近隣に開設する定員の少ない認可保育所のこと ですが、一体なんのために、そして、なぜ設置が進んでいるのでしょうか?
また、保育士が働く保育園選びで、分園のある保育園で気をつける点についてもあわせて紹介しています。転職就職を考えている方で、本園・分園のある保育園の求人が気になったという方は、参考にしてみてください。
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その経験が参考になればと思います
保育園の分園とは?
保育園の分園を簡単に説明すると、
保育園の分園とは、 保育所を既に運営している法人が近隣に開設する定員の少ない認可保育所のこと を指します。
- ひまわり保育園
- ひまわり保育園分園
という形で中心保育所(ひまわり保育園)と分園(ひまわり保育園分園)が近隣に保育園を開設しているケースが多いです。これらの2つの保育園は、同じ法人が運営しています。
分園を開設できるのは既に保育園を運営している法人
先にも書いたとおり、保育園の分園を開設できるのは、既に保育園を運営している法人(社会福祉法人や株式会社、学校法人等)や市区町村などの地方公共団体になります。
つまり、現状、認可保育園を運営していない法人などが分園を開くということはできません。あくまでも、本園である中心保育所とセットで分園は運営されるような前提になっています。
分園の保育園定員は30人未満程度
分園の保育園の定員数は30人未満程度であることが一般的です。
認可保育園の定員は20名以上であるため、20名からおおむね60名程度の保育定員数が設定されていることが多いと思います。
小規模保育事業の保育園の定員が19名以下なので、それと比較するとやや大きい保育園であることになります。
本園と分園の距離は30分程度以内
本園と分園の距離は、通常の交通手段により、30分以内の距離を目安とされています。
本園のすぐ近くに分園を設置することによって、なにかあっても本園と連携できるような体制が整えられています。
調理員などを設置しなくても良い
保育園の分園には、調理員を設置しなくても良いということになっています。
調理スペースがいらないので、より簡単に保育園を開くことができるというメリットがあります。
一方で、例えば、園児の給食については、調理室、及び調理員がいない分園では、本園から分園に運搬しているというようなケースもあるようです。このような点では働く保育士の業務の負担にも関わっくるかもしれません。
分園の園児の構成は?
分園はそれだけで、ひとつの保育園として小学校入学まで機能するようなものもあれば、特定の年齢で本園に移行するパターンなど様々存在します。
- 特定の年齢になったら本園に移行する
- 他の園に転園する
- 分園内ですべての年齢に対応する
保育士として働く場合は、対応している年齢などに注意が必要になると思います。
なぜ保育園の分園を設置する?
ここまで、保育園の分園とはなんなのかを紹介ましたが、なぜ保育園の分園を設置する必要があるのでしょうか?
たしかに、
- ひまわり保育園
- ひまわり保育園分園
とせずに
- ひまわりA保育園
- ひまわりB保育園
と別々の保育園を開設すれば良いとも思いますよね。実際にそのように近隣に保育園を複数開設している法人も多いです。
保育園を運営している法人が分園を開くのは、実はより簡単に設置ができるためです。
昨今では、待機児童も増えていて、より早期に保育定員を確保する必要が増えてきています。そんな中で、既存の保育園の運営実績がある法人が近隣に保育園を開設することで、人員の融通も効かせることができます。つまり本園で働いていた保育士を分園で働かせたり、あるいは、シフトによっては両方に出勤するという形態も可能です。
また、先に書いたとおり、調理室などの設置も必ずしも必要がないので、広い土地の必要もなく土地や建物の確保も比較的容易です。待機児童が多く発生している東京などのエリアでは、保育士の確保と同様に、保育園を運営する土地や建物の確保も難しくなっています。
また、将来的に、保育の需要が減ってしまった場合でも、分園から本園に吸収することで、保育園の運営を継続させることが可能です。保育需要は伸びていますが、少子高齢化は進んでいるので、最終的には保育需要が落ち着いていくことが想定されています。
分園の設置は、このように開設しやすさの面で、保育園側に大きなメリットがあります。分園を認可する自治体や市区町村としても、早期に待機児童を解消するために、分園の設置を促すという動きも見られています。いち早く保育園ができれば、待機児童もいち早く減らすことが可能です。
保育士が働く保育園選びで分園のある保育園の気をつける点は?
これから就職や転職をしようとしている保育士の方で、分園がある保育園に就職を考えている方もいると思います。保育士が保育園選びで分園のある保育園の気をつける点について紹介します。
- 本園・分園間で日常的に移動があるかも
- 本園・分園間で配置換えがあるかも
- 児童の年齢層にも注意
保育士が保育園選びで分園のある保育園の気をつける点としては、主に上記の3つが挙げられます。これらについて詳細を解説します。
本園・分園間で日常的に移動があるかも
本園・分園間で日常的に移動があるかもしれないという点に注意が必要です。
移動というのは、会議などで、本園に集合して会議を行ったり、行事などは合同で行うこともあると思います。また、給食に関しても分園では賄うことができない場合に、本園への移動や運搬を伴う可能性があります。
そのような場合は、当然ですが分園に勤めている保育士も本園に移動が必要になってきます。本園と分園の距離にもよりますが、毎回の移動は体力的にも時間的にも、結構な負担になる可能性があります。
本園・分園という体制の保育園では、どうような体制で運営がなされているのかを事前に詳細に確認したほうが良いかもしれません。
本園・分園間で配置換えがあるかも
将来的な保育人員の変更などに伴って、本園・分園間で勤務場所が変わるということは容易に想像することができます。「来年度は本園で働いてください」というように分園・本園間での配置換えが起きるということです。
例えば、最初は分園で自宅から近いと思っていたら、次年度は本園での勤務になり、少し遠方になってしまうということもあると思います。
日常的な、本園・分園間での移動も考慮に入れる必要がありますが、担任などの配置換えによる年度ごとの異動に関しても気をつける必要があります。
児童の年齢層にも注意
分園の特徴でも紹介しましたが、分園は分園内ですべての年齢の園児に対応する場合もあります。一方で、例えば、0〜2歳は分園で、3〜5歳は本園に移行するというパターンもあります。
このような場合に、分園・本園にそれぞれに配属になった場合に、保育士として担当できる年齢が限られてきてしまうことになります。幅広い年齢の子どもを担当したいと思っていてもそれが叶わなかったり、卒園までを担当したいと思っても、本園・分園で別れてしまって、園児との関わりが少なくなってしまうということが想定できます。
保育士として卒園するまでの期間、子どもと関わりたいという方にとっては、もの足りなく感じてしまうこともあるかもしれません。
本園と分園でどのような役割分担がなされているかという点も就職・転職の際は気にかけたほうが良いです。
まとめ
この記事では、保育園の分園がどのような施設であるか、そして保育士として働く上で特に注意すべき点を具体的に解説しました。
分園は既存の保育園が設置する、定員30人未満程度の認可保育所であり、待機児童解消を目的として、本園と連携しながら運営される点が特徴です。
分園で働く際に重要なポイントは以下の通りです。
本園と分園が連携されて運営されているため、保育士として分園での勤務を考えていらっしゃる場合は、就職前に本園と分園がどのような役割で運営されているかを、しっかりと事前に把握しておくことが大切です。
本園と連携されて運営されているので、保育士として就職を考えている場合は、本園と分園がどのような役割で運営されているかをしっかり事前に把握しておくことが大切です。
ご自身の働き方に合った保育園を見つけるためにも、ぜひこの情報を参考に、事前の情報収集を丁寧に行ってみてください。
よくある質問(FAQ)
- Q保育園の分園で働く保育士の日常的な働き方はどのようなものですか?
- A
分園で働く保育士の日常は、本園との連携状況によって大きく変わります。
本園と分園が近距離にあり、活発に交流している園では、会議や合同行事のために日常的に本園へ移動する場合があります。
また、分園に調理施設がない場合は、給食の運搬など本園との連携業務が発生する可能性もあります。
事前に本園と分園間の具体的な連携体制や移動の頻度を確認しておくことが大切です。
- Q分園で働くことで、本園と比べてどのようなキャリアパスや昇進機会がありますか?
- A
分園で働く場合でも、基本的には本園と同様にキャリアパスや昇進の機会が与えられます。
しかし、分園の独立性や運営方針によっては、特定の年齢層の保育に特化する機会が多いです。
専門性を深めることで、その分野でのスキルアップが期待できます。
入職前に、昇進・昇格の基準や研修制度が本園と分園で共通であるか、他園への異動の可能性も含めて確認することをおすすめします。
- Q分園は乳児専門が多いと聞きますが、担当できる年齢層は限定されますか?
- A
多くの分園は0~2歳児の乳児専門で運営されていますが、分園内で全年齢の子どもを保育する施設や、特定の年齢になったら本園へ移行する園もあります。
もし、あなたが幅広い年齢層の子どもを担当したいと考えている場合は、就職・転職活動の際に、その分園がどのような園児構成で、担当できる年齢層がどこまでなのかを明確に確認することが重要です。
- Q分園で働く上で、人間関係において特に注意すべき点はありますか?
- A
分園は本園に比べて少人数の職員で運営されることが多いため、人間関係が密になりやすい特徴があります。
チームワークが良好な場合は働きやすい環境ですが、万一人間関係に悩むと影響が大きいこともあります。
本園との職員交流や、緊急時のサポート体制がどのように構築されているかを確認し、入職前に見学などを通して職場の雰囲気を把握することが、円滑な人間関係を築く上で役立ちます。
- Q分園に園庭がない場合、子どもたちの活動や保育内容はどのように工夫されていますか?
- A
分園の中には園庭がない施設もあります。
そのような場合でも、保育の質を確保するため、工夫を凝らした活動が行われています。
例えば、近隣の公園を積極的に利用して外遊びの時間を設けたり、室内でも体を動かせる広いスペースや、遊具を設置したりするなど、環境面で配慮されています。
また、本園の園庭やホールを利用して、合同で運動会や発表会などの行事を実施することもあります。
- Q分園への転職を検討する際に、入職前に確認すべき具体的なチェックポイントは何ですか?
- A
分園への転職を検討する際は、以下の点を具体的に確認することが重要です。
まず、本園と分園の距離や日常的な連携状況、職員間の情報共有の仕組みを確認しましょう。
次に、担当する年齢層や業務範囲、一人あたりの業務量についても具体的に質問することをおすすめします。
また、施設の見学を通して、分園の広さ、設備、職員の休憩スペースなども自分の目で確かめておくことで、入職後のギャップを減らすことができます。