- こんな保育園では働きたくない!
保育士さんの就職や転職活動において、新しい職場を決める上で面接や見学時に感じる「違和感」は、後悔のない選択をするための重要な手がかりになります。
この記事では、私自身の複数回の転職経験から、保育士が面接で「この保育園では働きたくない」と見抜く具体的な瞬間や注意点について解説します。

面接や見学で、安心して長く働ける保育園を見抜くにはどうすれば良いのでしょうか?

あなたの直感を信じ、この記事で解説するポイントを参考にすれば、ミスマッチのない転職が成功します。
転職をして働き始めた後も、面接の時のことをよくよく思い返すと「そういえばあの時もこんな感じだったなぁ」と思うことも多いです。面接では、保育園側も保育士によく見せようと取り繕うこともありますが、やはりその保育園の本質は見え隠れしています。つまり、面接でもある程度、その保育園の良し悪しを見抜くことができます。
今回は、私自身の転職時の面接の経験などから、保育士が面接でわかるこの保育園では働きたくないと思う瞬間について紹介します。 ※あくまでも個人の考え方になります。
複数回の転職経験があります
複数の保育士転職サイトを利用して転職活動をした経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園の保育士面接でも隠せない保育園の本当の部分
昨今は、保育士不足が続いており、採用においても保育士が有利という状況です。つまり、保育士が働く保育園を選ぶという構図になっています。一方で、働き始めてから、こんなはずじゃなかった・聞いていた話と違うというようなトラブルなどが起きることもあります。
保育士不足の状況下で保育園は、働く保育士を確保しなければいけません。保育園の特性上、一度働き始めたら退職しにくいので、とりあえず保育士の頭数だけは揃えようと考える経営者もいます。そのため、基本的に保育士を採用する面接においても、選んでもらうために自園をよく見せるという保育園は少なからずあります。
仮にそうだとして、面接は人が行うので、やはりどこかでボロが出てきます。嘘をついていれば怪しく感じる瞬間があったり、常識から逸脱した考えが染み付いてしまっている人は、それをおかしいことだと思わなくなるので、普通の会話からそのような違和感を感じとれる場合もあります。
保育園の面接は園長がやることが多いと思いますが、園長の考え方はその園の考え方といっても過言ではないので、面接を受け園長と直接話すことで、保育園の本当の部分というのが見えてくる場合があります。
こんな保育園に注意。保育士が面接でわかるこの保育園では働きたくないと思う瞬間
保育士が面接や見学などでは、保育園の様々な情報を知ることができます。
私自身の転職時の面接の経験などから、保育士が面接でわかるこの保育園では働きたくないと思う瞬間について以下を挙げます。
- 面接開始前からほとんど合格の空気
- 面接や選考が適当
- 園長などが丁寧過ぎる
- 高圧的な圧迫面接などをしてくる
- 面接での具体的な質問に対して曖昧な答えが多い
- ファミリー感、仲の良さを全面に押し出してくる
- 園の雰囲気が良くない
- 園長があまり保育に詳しくない
以下から、保育士が面接でわかるこんな保育園には注意というポイントそれぞれについて解説します。
面接開始前からほとんど合格の空気
とにかく保育士が不足していて、猫の手も借りたいという状態の保育園は面接が始まる前からほとんど合格という空気で接してくることがあります。
園の面接に合格するということは良いことですが、きちんとした面接が行われていないということは、他の同僚も同じような選考を経て入職しているということになります。つまり、こういってはなんですが、性格に問題があったり、トラブルのもとになるような方が同僚にいる可能性も多くなります。
正社員は簡単にはクビにできないので、きちんとした選考を行っている保育園ほど、同僚もきちんとした人が多い可能性が高くなります。
面接や選考が適当
一回の簡単な面接や見学だけで採用の内定を出すような保育園にも注意が必要です。これも前項と同じことで、面接や選考が適当ということは、既にいる同僚やこれから入る同僚も同じように適当な面接を経て入職している可能性があります。保育園がブラックで人手不足の場合ほど、選考も適当になります。
あれこれ聞かれることがないということは選考を受ける人にとっては気持ちが楽で良いかもしれません。ですが、たくさんのことを根掘り葉掘り聞いてくるということは、それだけその人のことをしっかりと見極めようとしているという姿の現れになります。あまり詳しく聞かれることがなく合格するということは、履歴書のような文字だけの情報で人を判断している可能性もあります。
園長などが丁寧過ぎる
これは、見極めが難しいですが、園長などが選考を受ける保育士に対してあまりに丁寧過ぎるという場合も注意が必要です。 選考を受ける保育士に丁寧に接するということは良いことですが、少なくともそれが入職してからも続くとは思わないほうが賢明です。
とにかく足りない人をいち早く補充したいので、園に悪印象を抱かれないようにしているという場合があります。
高圧的な圧迫面接などをしてくる
前項で園長などが丁寧過ぎるのは注意と言いましたが、もちろん、高圧的に接してくる場合も注意です。もし、圧迫面接のような形になっている場合は、論外です。
まだ外部の者である面接を受ける人に対して圧迫面接をしてくるような保育園は入職してからもパワハラなどが発生する可能性が高いです。その場で即帰宅でも問題ないくらいです。
面接での具体的な質問に対して曖昧な答えが多い
面接で保育士側から保育園の待遇面に対して具体的な質問をした際に曖昧な回答が多い場合は特に注意が必要です。
- 残業時間
- 持ち帰りの仕事
- 昇給
- 有給休暇の消化状況
もし相手が園長であれば、保育士が知りたがるこのような情報はしっかりと把握し伝えるべきです。具体的な質問に対して曖昧な回答が続く場合、園が重要な情報を開示したがらない、または隠している可能性を示唆します。
曖昧な答えとは、「残業は少ないほうだと思う」「持ち帰りの仕事は基本的に認めていない」「有給休暇の消化は他と比較したら良いと思う」などです。これに対して、曖昧ではない回答とは「残業は月平均3時間で少ない」「持ち帰りの仕事は行われていない」「有給休暇は一人年10日間平均で消化できている」などです。
具体的でないような回答をされた場合は、より具体的な回答を求めたほうが良いかもしれません。保育士が働く保育園をしっかりと見極めるということを意識しましょう。
ファミリー感、アットホーム感、仲の良さを全面に押し出してくる
保育園の情報の中で、人間関係に関する情報がもっとも曖昧です。給与や休みなどの情報は数値化されていて、ごまかしが効かないです。
一方で人間関係というのは、人によって感じ方が違うので、表現するのも難しいです。逆に言えば、簡単に嘘をつくことができます。入職後に保育士がクレームをつけたとしても、「これがうちの園だから」と言われればそれまでです。
園のアピールポイントが人間関係に関するもので、ファミリー感や仲の良さを過度に強調してくる場合は、他に魅力的な要素が不足している可能性を示唆します。
保育士のなかには、人間関係に躓いて転職を考えた人も多くいると思いますが、人間関係が良さそうと思って転職すると、大抵、人間関係が良くないということがあります。
園の雰囲気が良くない
面接の際などに保育園の中を見学させてもらう際に感じた雰囲気などの情報はとても大切です。なんか雰囲気が悪いなと思った保育園は、入職して働き始めてからもその雰囲気は変わらないことが多いです。
もちろん、雰囲気が悪いなというのは、自分の主観の情報なので、働いている本人たちがそう感じているとは限りません。なので、働いている保育士本人から聞くことよりも、主観的な視点から、自分自身が感じたことが重要です。
明るく楽しい雰囲気で保育の仕事がしたい、黙々と仕事をしたいなど、それぞれ好みはあると思うので、自分自身にあっているかどうかを確認しましょう。
園長があまり保育に詳しくない
施設形態によりますが、保育園の施設長、園長は実は保育の経験が無くてもなることが可能な場合もあります。加えて言えば、保育士の資格も必ずしも必要ではないこともあります。
なので、保育園によっては園長が保育未経験でまったく保育に詳しくないということがあります。この事自体は必ずしも悪いことではなく、例えば、別の業界でのマネジメント経験などを買われてその保育園の園長に就任している可能性もあります。
一方で、身内やコネなどによって園長に選ばれている可能性もあります。そういう場合は、保育園の運営がうまくいかないことも多く、入職後の不満の種になってしまうこともあります。
園長が保育にあまり詳しくなさそうであれば、どのような経緯で園長をしているのか、そして、保育経験がない部分をサポートできる主任保育士や副園長などのサポート役がいるのかという点をしっかりと見極めることが大切です。
保育園の保育士の面接で違和感を感じたら
面接中に感じた違和感というのは、働き始めてからも感じることが多いです。保育園の面接をする人は園長などが多いと思います。保育園とは違う一般的な大企業であれば、採用担当者がいて、仮にその人とは反りが合わなかったとしても、自分が働く部署では関わることも少ないですが、園長とは入職後も頻繁に関わるためです。
すでに面接を受けたからといって、必ずしも、その保育園に就職しないといけないわけではありません。合格・内定を貰ったとしても、一度一呼吸おいて、しっかりと保育園の良し悪しを見極めましょう。
面接中に感じた違和感と同じようなことを、毎日感じながら仕事をしなければいけないかもしれないということを想像してみましょう。それが耐えられなさそうだなと感じた場合は、内定を貰っても辞退して、別の保育園の面接を受けるのが良いかもしれません。
【まとめ】働く保育園は保育士が選ぶ!!
今回は、保育士が面接でわかるこんな保育園には注意というポイントについて解説しました。今の時代は保育士不足のため、特に働く保育園は保育士が選ぶ時代になっています。
就職や転職活動において、面接や見学時に感じる「違和感」を信じることが、後悔しない職場選びにつながります。
この記事で重要なポイントは以下の3点です。
就職や転職の際に保育園の内部を訪れることができるのは、基本的には、面接や見学の際だけだと思います。そのときに、就職や転職を考えている保育士本人が感じたことはとても大切です。
昨今では、まだまだ、ブラックな保育園も多いと言われているので、自分自身の考え方や基準をしっかり持ち、働く保育園を選び抜きましょう。ご自身の直感を大切に、面接や見学という貴重な機会を最大限に活用してください。
納得できる保育園を選び、笑顔で長く働ける職場を見つけることができます。
保育士の面接や見学時の注意点は以下の記事でも紹介しています。
よくある質問(FAQ)
- Q面接時の「違和感」は、具体的にどのような点を指しますか?
- A
面接中に「何か違う」と感じる違和感は、まさにその保育園の本質が見え隠れしている証拠です。
具体的な例としては、質問への回答が曖昧な場合、園長や職員の表情に笑顔が少ない場合、子どもたちの活気がない様子、施設が整理整頓されていないことなどが挙げられます。
こうした直感を大切にしてください。
- Q「常に求人が出ている」「急募」という保育園は避けるべきですか?
- A
「常に求人が出ている」あるいは「急募」といった状況は、保育士の離職率が高い、いわゆるブラック保育園の特徴であることが多いです。
これは、人手不足が慢性化しているため、急いで人員を確保しようとしている証拠と考えます。
このような園では、残業や持ち帰り仕事が常態化し、過酷な労働環境である可能性が高いと考えるべきです。
- Q面接で確認すべき具体的な労働条件や待遇に関する質問は何ですか?
- A
労働条件や待遇について明確にするため、私は残業時間、持ち帰り仕事の有無、昇給制度、有給休暇の平均消化日数について具体的に尋ねることをお勧めします。
例えば、「月平均の残業時間は何時間くらいですか?」や「持ち帰り仕事はどの程度発生しますか?」といった質問で、曖昧な返答ではなく、具体的な数字や状況を引き出すことが大切です。
- Q面接担当者の態度が威圧的だった場合、入職は避けるべきでしょうか?
- A
はい、面接担当者が高圧的であったり、圧迫面接のような態度をとったりした場合は、入職を避けるべきだと私は考えます。
まだ外部の人間である面接の段階でそのような態度を取る園は、入職後もパワハラや人間関係の悪さに繋がる可能性が非常に高いです。
ご自身の心を守るためにも、そのような園は避けるのが賢明な選択になります。
- Q園内見学で、子どもたちの様子から園の雰囲気を見抜くポイントはありますか?
- A
園内見学では、子どもたちの表情や活動に活気があるか、先生の指示なしで自発的に遊べているか、子どもたちが過度に萎縮していないかを確認することが重要です。
子どもたちが笑顔で楽しそうに過ごしているか、また、保育士が子どもたちと温かいコミュニケーションを取っているかに注目してください。
子どもたちの姿は、園の人間関係や保育方針を映し出す鏡だと言えます。
- Q内定をもらった後でも、面接で感じた違和感が拭えない場合はどうすれば良いですか?
- A
内定をもらった後でも、面接時に感じた違和感が拭えないのであれば、その内定を辞退することも一つの大切な選択です。
私が複数回の転職経験から言えるのは、面接で感じた違和感は、働き始めてからも継続して感じることが多いということです。
後悔のない職場選びのためにも、ご自身の直感を信じ、毎日笑顔で働ける場所を選んでください。