保育士の皆様。「入職前の面接で聞いていた話と違う」ということは、割と保育士の転職にありがちな罠だと思っています。
このような話は残念ながらよく聞くことです。
「入職前の面接で聞いていた話と違う」ということがないように転職の際はどのような手段がとれるのか、
もし既に「入職前の面接で聞いていた話と違う」ということが発生している場合はどのようなことができるのかを紹介します。
保育施設の面接を受けた経験もたくさんあります
その経験が参考になればと思います
保育士の転職においては入職後に事前に聞いていた話と違うということがよくある
- 5歳の担任と聞いていたのに2歳の担任になった
- 有給が取得できなかった
- 残業時間が少ないと言っていたけど多かった
- 持ち帰りの仕事はないと言っていたのに実際はあった
- ボーナスが少なかった
などのように保育士が転職の際に、面接や見学で事前に聞いていた話と違うということはよくあります。
なぜこのようなことが起こるのか?
保育園の面接の現場でなぜこのようなことが起こるのかを解説します。
保育士不足で保育園を良く見せようとするため
保育園に限らずどこの会社でも、良い部分はアピールして悪い部分は隠すというのは普通のことだと思います。なのでその保育園の良い部分だけを聞いて、入職してみたら嫌なこともたくさんあったということがおきます。
また、保育園はどこも保育士不足で保育士確保に躍起になっています。残念ながらあまり能力のない保育園は「待遇を良くする」「働きやすい環境をつくる」という問題の本質の改善をすることができずに、小手先だけの方法で新たな保育士を雇おうとします。そのために保育園を良く見せようと話を盛ったりする、嘘をついて引き入れようとする保育園があるのも事実です。
一度、正職員として入職したら実際に聞いていた話と多少の違いがあっても我慢して受け入れてしまう保育士も多いです。そのため、このような保育士の転職においては入職後に事前に聞いていた話と違うということが起きがちです。
コミュニケーションの行き違いによるもの
他の一般企業の面接などと同様、面接時などの採用担当と面接を受ける保育士のコミュニケーション不足で理解内容に齟齬が起きることも当然あります。
保育士が入職する際に保育園側とやりとりする回数はあまり多くありません。少なければ1日で見学・面接がすべて終わる場合もあると思います。
そのような短い時間の中で、初対面同士が同じ認識を持つというのはなかなか難しいことだと思います。先程も書いたように、保育園側も保育士を採用するために良い部分をアピールし悪い部分は隠したいのが本音です。
短い時間の中では、言葉足らずになってしまったり深い意図まではわからないということも多いので、「入職前の面接で聞いていた話と違う」ということに繋がります。
保育士は、なるべくたくさんの質問などをして、保育園側が隠したい悪い部分をしっかりあぶり出す必要があります。できることであれば見学や面接、体験入職などでたくさん保育園との接触機会を持ったほうが良いと思います。
保育士が転職活動中にできる対処法
入職前に聞いていた話と違うということを防ぐために転職活動中にできることを紹介します。
保育士が転職活動中にできる対処法は以下のような内容です。
- 詳細条件を書面で用意してもらう
- 入職後に聞いていた話と違った場合はすぐに退職するというような意志を伝えておく【内定後に】
- 見学をさせてもらう
このような場合は、保育士の転職エージェントを活用するのが一番良いです。一個人ではかけることができない圧を保育園側にかけることが可能です。圧というとなにか大げさかもしれませんが、簡単には納得しないという姿勢のことです。
まず、保育園から内定を貰ったらエージェントの方に「詳細条件を書面で貰う」ことが大切です。転職エージェントは申し出れば必ず書面を用意してくれると思います。なるべく具体的な項目が記載された詳細条件を用意してもらうことが大切です。
この書類があれば、入職後に「言った言わない」の不毛なやり取りを回避することができます。保育園側にも強い抑止力になります。
加えて「入職後に聞いていた話と違った場合はすぐに退職する」というような意志をしっかり伝えておくことも大切です。これは転職エージェントは入職後一定の期間を就業しない場合には、報酬として手数料を保育園側から受け取ることができないためです。特に重要な条件面に関しては、保育士側から強い要請をしておくことで、再三に渡って保育園側に釘を指してくれると思います。
「入職前の面接で聞いていた話と違う」というのはこのような対応で、防ぐことができる部分は多いと思います。
ちなみにエージェントを利用した場合は、「入職前の面接で聞いていた話と違う」ということがあれば、入職後に苦情を入れれば対応してくれる場合があります。
「担当する年齢が違った」「残業が多かった」などの細かい条件にまで対応してくれるかどうかはわかりませんが、「給与額が違う」というレベルのものであれば対応してくれるはずです。
あとは「見学をしっかりする」ということも大切です。保育体験のような形で実際の勤務内容を見ることができる機会を作ってもらうのが良いです。たとえば、休憩はしっかり取れているか、何時ぐらいに帰っているかというようなリアルな内情を直接垣間見ることもできると思います。実際に働いている保育士へ気になっていることを直接聞くという手段も取れると思います。
あいまいな表現は参考にしない、詳しく聞く
もうひとつ大切なポイントは曖昧な表現を参考にしないということです。
- 残業が少ない
- 有給が取りやすい
- 人間関係が良い
- 離職率が低い
これらの表現は全て曖昧な表現です。話し手と受け取り側によって解釈が異なる内容だからです。例えば、残業が月10時間なら少ないと考える人もいるだろうし多いと思う人もいます。
面接などでこのような表現があった場合は、
- 残業は具体的に月何時間か?
- 有給の消化率は具体的に何割か?
- 人間関係が良いというのは具体的にどういうことか?
- ここ3年で何人が離職しているか?
などのように具体的な数値やエピソードなどを求めたほうが良いです。それで答えられないようであれば適当に話しているだけかもしれません。
現状の保育士が事前にできる最大の防御策はこれくらいになると思います。正直十分とは言えないですが、大規模な株式会社保育園などは運営している保育園も多く、働いている保育士の数も多いので「働く人の口コミ」を探すことができる可能性はありますが、小さい社会福祉法人が運営している保育園の場合は、事前に内情を入手するのはなかなか難しいです。
すでに入職後で「聞いていた話と違う」場合の対処法
すでに入職後で「聞いていた話と違う」という場合は、正直に言って改善するのはかなり難しいと思います。言った言わないの争いで終わりになってしまうことも多いです。
- 「交渉する」
- 「転職する」
「交渉する」
自分自身で保育園に対して「聞いていた話と違う」と伝えるのはもちろん、転職エージェントを利用して転職したのであればエージェント経由で伝えるというのも手もありです。先程も書いたとおり退職も辞さない覚悟で交渉すれば、エージェント側も強く抗議してくれる可能性があります。
それ以外にも「介護・保育ユニオン」などの個人加盟労働組合に相談することも手段に入れるべきだと思います。
法律違反は労働基準監督署・個人加盟労働組合などを頼る
もちろん、「給与が支払われない」「残業しているのに残業代出ない」「有給休暇が取れない」というように、起きている「聞いていた話と違う」というのが法律に違反することであれば、労働基準監督署・個人加盟労働組合などに相談することで改善することは可能かもしれません。
「転職する」
悪意があって騙すような形で保育士を雇用しているのであれば、「転職する」というのがもっとも良い手段だと思います。
まったく信頼できない状態で長く働いていても精神衛生上も良くないと思います。今後もなにかトラブルが起きるかもしれません。早い段階で見切りをつけて別の保育園を探すというのが最善だと思います。
【まとめ】「聞いていた話と違う」はがんばれば多少は防げる
これからの時代は、「働きやすい保育園」というのが少ないなかで保育士が自分自身でしっかりと働く保育園を見極めるという力が必要になってきていると思います。
よくある転職活動の最悪なパターンとしては、翌年4月の入職の求人に早い段階で内定をもらい転職活動を辞めてしまっていた場合です。
内定後に何度かやり取りをしていくうちに「あれ、なんかおかしいな」と思うことが起きた場合にもう転職活動を辞めてしまっているので、もう後戻りができなくなってしまっていたということもしばしばです。
はっきり言って保育業界に限らず聞いていた話と違うということはよくあることだと思います。紹介したように聞いていた話と違うということは転職前であれば、事前に対策を打つことができなくはないです。事前に最大限対策をとりつつリスクを減らしておくことが大事だと思います。
自分が納得できるのであれば最終的には「我慢して受け入れる」ので良いですが、私は「聞いていた話と違う」ということを我慢して受け入れるというのは絶対にやってはいけないことだと思います。
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