目次 | 内容 |
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保育士の仕事の大きな悩みの1つが人間関係 | ・保育士にとって人間関係は大きな悩みの一つ ・保育園は組織が小さく、仕事の押し付け合いで人間関係の問題が起きやすい ・特に担任ペアの相方は毎年気を揉む要因 |
なぜ保育園の担任ペアの組み合わせは重要なのか | ・ほぼ毎日、同じ空間で密接に仕事をするため ・仕事内容を共有・分担するため、どちらかの負担が偏ると軋轢が生じる ・連携やフォローが円滑な関係でないと、足の引っ張り合いになるため極めて重要 |
嫌い・苦手な保育士と担任ペアを組むことになってしまった | ・クラス担任や副担任などで、苦手な保育士とペアを組む状況は多く発生 ・保育園の仕事は密なコミュニケーションが不可欠 ・無視して仕事を進めるのは難しく、精神的な負担が大きい |
嫌い・苦手な保育士とのペアが決まった場合にとれる対処法は? | ・園長に相談し、人事の再検討を求める ・状況を改善するための工夫として、我慢して働く方法も一つ ・心身に支障が出るほどの状況なら退職も最終的な選択肢 |
理想は人事発表の前に対処するのが良い | ・人事発表後の変更は園や保育士に手間やデメリットが多く、人間関係悪化のリスクがある ・発表前なら園長も柔軟に対応しやすく、交渉が成功する可能性が高まる ・人事発表の1ヶ月前を目安に、具体的な内容を添えて園長に相談が有効 |
理想は誰とでも組める保育士になること | ・園長が人事決定で助かる存在となり、給与査定にも良い影響がある ・良好な人間関係を築けている証拠で、日々の仕事も働きやすい ・将来のペア関係を円滑にするためにも、日頃から良好な関係を意識することが推奨 |
【まとめ】どうしても耐えられないと思うなら転職すべき | ・「嫌い・苦手な保育士」とのペアは大きな悩みだが、心身の健康を最優先 ・園長相談、働き方の工夫、転職など複数の選択肢を検討 ・ペア変更が困難で耐えられない場合、転職は有効な手段であり、後悔のない決断が重要 |
よくある質問(FAQ) | ・心構え: 個人的感情は脇に置き、子どものためにプロ意識を大切に。仕事とプライベートの線引きも有効な手段 ・コミュニケーション: 業務に必要な情報を簡潔に具体的に伝え、非対面連絡も活用し不要な軋轢を回避 ・仕事の割り振り: 仕事内容を明確にし、役割と責任を具体的に決めることで負担の偏りを防ぐ ・主任や園長への相談: 苦手感情だけでなく、具体的な業務上の問題点を整理して伝える。他の同僚に知られないよう配慮 ・副担任のサポート: 担任の意向を尊重し円滑な保育を最優先でサポート。情報伝達や手が回らない部分のフォロー、意見が異なる際は冷静な話し合い ・状況改善しない場合の退職: 心身の健康が最優先。過度なストレスで体調や精神に支障をきたす場合は、最終選択肢として退職も視野に入れるべき |
- 嫌い・苦手な保育士の先生と組むことになってしまった
- 苦手な先生との仕事をうまく乗り切りたい
保育士にとって、人間関係の悩みは尽きない課題です。
特に、毎日顔を合わせる担任ペアとの関係は、仕事の質や自身の心の健康に直結する重要な要素となります。
この記事では、嫌いな保育士や苦手な保育士と担任ペアを組むことになってしまったあなたへ、具体的な対処法や心構えを解説します。

苦手な保育士と担任ペアになってしまい、毎日がストレスでつらいですよね。

無理に働き続け、体調や精神に支障をきたしてしまうことが最も良くないことだと私は考えています。
誰しも人間関係の合う合わないは必ずあると思うので、難しい問題ですよね。嫌い・苦手の度合いにより、パワハラ・モラハラを受けるような体調や精神に支障が出てしまうこともあると思います。とはいっても、組織なので、全員の希望が叶うということは確率としては少ないでしょう。
今回は、嫌い・苦手な保育士と組むことになってしまった場合の対処法について解説します。
嫌い・苦手な保育士と担任ペアを組んだ経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士の仕事の大きな悩みの1つが人間関係
保育士の仕事においての、大きな悩みごとの1つが人間関係です。人間関係だけが理由で、転職を考える保育士の方もいると思います。
もちろん、人間関係の問題は、保育士に限った話ではありませんが、特に、保育園は、1つが非常に小さい組織であるということや全体の仕事量が一定で仕事の押し付け合いになりやすいという面で、人間関係の問題が起きやすい環境にあると思います。
そのなかでも、最も自分と近い距離で仕事をすることになる担任ペアの相方の問題というのは、毎年、保育園で働いている保育士が気を揉む問題になっていると思います。
なぜ保育園の担任ペアの組み合わせは重要なのか
保育園で保育士が働くうえで、働いている保育士にとっても、保育園にとっても担任ペアの組み合わせは重要です。それには、保育園ならではの事情があります。
ほぼ毎日、密接に仕事をするため
担任ペア同士は、1年の出勤日のうち、お互いの休暇を除けば、ほぼ毎日、同じ空間・同じ部屋の中で仕事をすることになります。しかも、クラス担任という名目上、途中で入れ替わったりということもほとんどありません。担任ペアが決まれば、ほぼ確実に向こう1年間はこの状況に置かれるということになります。
シフトによって出勤時間はそれぞれ多少異なりますが、ほとんど全ての時間を同じ空間で共有するということになります。当然お互い連携しなければならない回数はとても多くなります。
仕事を共有しなくてはいけないため
園によっては細かく厳密に仕事内容が割り振られている場合もあると思いますが、担任ペア同士は仕事が共有されている場合が多いと思います。
このクラスで担任に必要な仕事はこれ、あとは担任でうまく分担してね、というようなイメージです。
このことが、担任ペア同士で大きな軋轢を生んでしまうケースが多いです。一方の担任がやっていないことは、もう一方の担任がやらなくては行けないですし、その逆もしかりです。これは、書類仕事などの単位でも、日々の保育という単位でも同じことが言えます。つまり、どちらかが全体の30%の仕事をして、もう一方が70%の仕事をするということもあり得ます。
当然、70%の仕事をしているほうからすると、もっと仕事して!ということになります。
これが、ある程度仲が良くコミュニケーションが取れている担任ペア同士だと、うまい具合に気を使いあいながら、フォローをしあって仕事を進めることができます。ですが、そうでないと、お互いの足の引っ張り合いになってしまうこともしばしばです。結果的に、もともと仲が良くなかった人同士が余計に険悪になってしまうということは良くあります。
このような理由で、保育園の担任ペアの組み合わせは保育園にとっても保育士にとってもとても重要になります。
嫌い・苦手な保育士と担任ペアを組むことになってしまった
保育園は、ひとつのクラスに複数の担当の保育士がつくのが普通です。特に、子どもの年齢が若い乳児などは対人数を考えると複数人での保育が必然になります。
その場合、担任・副担任というペアになったり、担任が二人以上というパターンもあると思います。それ以外にも、柔軟に複数のクラスにつくフリー保育士などもいます。
そのなかで、自分が嫌い・苦手と思う保育士と担任ペアを組むことになってしまって悩んでいるという方も多いと思います。
保育園で働く保育士の場合は、ペアになった人とは無視して黙々と自分だけの仕事をするというのはなかなか難しいですよね。必然的に多くのコミュニケーションが発生するので、耐えられなくなってしまうということも痛いほどわかります。
嫌い・苦手な保育士とのペアが決まった場合にとれる対処法は?
嫌い・苦手な保育士との担任ペアが決まった場合に取ることができる対処法には大きく3つあります。
- 園長に相談する
- 我慢して働く
- 退職する
この場合に取れる対策はあまり多くありませんが、これらについて紹介していきます。
園長に相談する
保育園の園長に相談をすることで、あらためて担任構成などを組み直してくれる可能性があります。
保育園の人事は様々な思惑があって決まっているので、勤務している保育士全員の意見を反映するのは事実上不可能です。特に、嫌い・苦手だからという理由で変更をしていたら、いつまでたっても人事を決めることは出来ないです。一人の意見を聞き出したら、他の人からも文句が出てしまうこともあると思います。
そのため、園長に相談する際には、相談の仕方も大切です。嫌い・苦手ということだけではなく、具体的な内容なども織り交ぜて、どのようにしてほしいのかということを伝えましょう。もちろん、相談したからと言って変更をしてくれるとは限りませんが、相談してみる価値は十分にあります。
また、このような人事面での交渉には、日頃の仕事ぶりや行いなどもとても大切です。園長が日頃から保育園において良い活躍をしている人は優遇しよう、意見を取り入れようとするのは当たり前のことです。
特に、自分が嫌い・苦手だと思っている人は他の人からもそう思われている場合も多いので、日頃の仕事振りがあんまりだと自分一人の意見が通るということは少なくなります。
相談をする際は、あまり公にはせずに基本的には園長との二人のやり取りの中で完結できるようにしましょう。そうしないと、さらに働きにくくなってしまうことに繋がります。
我慢して働く
対処法にはなっていませんが、我慢して働くということは、どんな会社や組織でも嫌な人と仕事をしなければ行けない瞬間というのは必ず訪れることだと思います。
今後も保育園で保育士として働くつもりであるのであれば、嫌い・苦手な人と組むたびに退職を考えるというわけにもいかないと思います。その時に、自分自身の力でどのような対処法をとることができるのかということも大切なスキルになると思います。
例えば、
- その人に徹底的に合わせてなるべく仕事が穏便に進むようにする
- 割り切ってなるべく関わらないようにする
- 関係を改善するために思い切って腹を割って話してみる
などです。状況によってできることはあると思います。相手も、やりづらいのは嫌だと思うので、こちらから何らかの行動をすることで関係性もよくなることもあります。
だたし、これらの方法をとることがが裏目に出てしまうこともあります。
もちろん、これらは嫌い・苦手の度合いにもよると思います。パワハラ・モラハラなどを受けるような、体調や精神に支障が出てしまうくらいの状況であれば、迷わず「退職をする」という一択になると思います。
我慢できるようであれば、工夫をして我慢して働く・出来ないようであれば退職を考えるのが良いかもしれません。
退職する
どうしてもペアが嫌い・苦手で耐えられないという場合の最終手段としてあるのは、退職をするということです。これがシンプルで必ず問題を解決してくれる方法になります。
また、退職をするという意思を園長等に示した場合に、ただの相談だけでは動かなかった事象に変化が起きる可能性もあります。保育園も人手不足なので、辞めるほどであれば人事を変更しようと園長も思うかもしれません。
ちなみに、人事発表後に退職をするということは新年度の直前の退職になると思います。迷惑がかかるという理由で、退職することを躊躇してしまう方も多いですが、人事発表後に退職することはなんの問題もありません。退職をする際は、最低限退職日の2週間以上前に退職を伝えれば良いです。
保育士の退職については以下の記事などでも解説しているので参考にしてみてください。
ただし、退職する気は一切ないのにも関わらず、退職をちらつかせるということはすべきではないです。もし交渉がうまくいかず、やっぱり退職することを辞めるとなれば、信頼も失いますし、今後働く上でマイナスになってしまうことが多いです。
理想は人事発表の前に対処するのが良い
嫌い・苦手な保育士と組むことになってしまった場合の対処法を説明しましたが、理想は人事発表の前に対処することです。
人事発表後に園長に相談すると、一度みんなが新たな担任クラスについて知った後に変更をすることになります。これは、保育園にとっても各保育士にとっても手間が増えてしまいデメリットが多いです。
また、一度発表された人事に訂正があるというのは、他の同僚に理由を詮索されたり、苦手・嫌いな相手本人にも事情を知られてしまう可能性もあがります。そうなると、さらに人間関係が悪化してしまうことも考えられます。
そうならないために、勤務している保育園の人事は発表がある一ヶ月前くらいを目安に、嫌い・苦手でどうしても組みたくない人がいるということを園長に相談してみましよう。面談の際などが適切なタイミングになります。
前述したとおり、嫌い・苦手ということだけではなく、具体的な内容なども織り交ぜて、どのようにしてほしいのかということを伝えることが大切です。
人事発表前であれば、園長も柔軟に対応することができるので、園長への交渉の可能性もあがります。もちろん、願いどおりになるとは限りませんが、人事発表の後よりは可能性が上がるでしょう。
理想は誰とでも組める保育士になること
最後に、担任周りの問題に関して、保育士としてもっとも理想的な状態は、誰とでも組むことができるという状態です。
これは、人事を決める園長からしても、とても助かる存在です。園長が人事を決める際には、この人とこの人は組ませない方が良いという形で消去法で決めなければならないシーンも多いですが、誰とでも組める保育士の場合は、その必要性がなくなります。給与査定などに良い影響を与える場合もあるでしょう。
また、保育士として、誰とでも担任を組めるという状態は、その保育園で非常に良好な人間関係を築けているということにもなるので、単純に、日々の仕事においても働きやすいという状態になっているはずです。
保育園で良好な人間関係を築いておくということは、将来の担任ペアになった時に円滑に仕事を進めることができるというメリットもあるので、日頃から意識しておくのがおすすめです。
【まとめ】どうしても耐えられないと思うなら転職すべき
「嫌いな保育士」や「苦手な保育士」と担任ペアを組むことは、保育士の仕事において大きな悩みのひとつであると私自身も感じています。
しかし、最も大切なことは、無理して働き続けて体調や精神に支障をきたしてしまうのを避けることです。
この状況を乗り越えるために、以下のポイントを検討してみましょう。
まずは園長に相談してみて、担任ペアを変えることができないか聞いてみましょう。
我慢して働くということは直接的な対処になってはいませんが、今後も保育園で保育士として働くつもりであるのであれば、嫌い・苦手な人と組むたびに退職を考えるというわけにもいかないと思います。その時に、自分自身の力でどのような対処法をとることができるのかということも大切なスキルになります。
最終的に、ペアの変更も難しい、そして、その人とのペアがどうしても耐えられないというのであれば、転職を考えるべきです。来年度の人事発表後であっても二週間以上前に退職を申し出れば、退職は当然可能です。
ご自身の心身の健康を最優先に考え、状況をよく踏まえた上で、後悔のない決断をしてください。
よくある質問(FAQ)
- Q嫌い・苦手な保育士と担任ペアになった場合の心構えは?
- A
個人的な感情は脇に置き、子どもたちのために最善の保育を提供するというプロ意識を大切にすることが重要です。
相手を変えることは難しいので、ご自身ができること、コントロールできることに焦点を当ててみましょう。
時には、仕事とプライベートの線引きを明確にすることも、心理的距離を保つ上で役立ちます。
- Q嫌い・苦手な担任ペアの同僚と、どのようにコミュニケーションを取れば良いですか?
- A
業務上必要な情報のみを簡潔に、具体的に伝えることを心がけてください。
例えば、「〇〇をしてほしい」と具体的に要望を伝えることで、誤解が減り、円滑な業務につながることがあります。
非対面での連絡方法(メモや連絡帳など)を有効活用することも、不必要な軋轢を避ける一つの方法です。
- Q担任ペアの同僚との仕事の割り振りで悩んでいます。どのようにすれば良いでしょうか?
- A
クラスで必要な仕事内容を明確にし、それぞれが担当する役割や責任の所在を具体的に決めましょう。
書類仕事や日々の保育の単位で「この仕事は自分がやる」と明確にすることで、一方への負担が偏るのを防ぎます。
これにより、お互いが気持ちよく仕事を進め、結果的に、保育士のペア関係の対処法として機能します。
- Q苦手な担任の先生がいる場合、主任や園長に相談しても良いのでしょうか?
- A
はい、相談することは大切です。
苦手という感情だけでなく、具体的な業務上の問題点や事実を整理して伝えるようにしましょう。
主任や園長への相談は、状況改善のための第一歩になります。
ただし、他の同僚に知られないよう、個人的な場を選ぶことが重要です。
- Q副担任として苦手な担任と組んだ場合、どのようにサポートすれば良いですか?
- A
副担任としては、まず担任の先生の意向を尊重し、円滑な保育を最優先でサポートします。
担任が把握すべき情報は正確かつタイムリーに伝え、見落としがちな点や手が回らない部分を積極的にフォローすることが求められます。
意見が異なる場合は、直接対立を避け、冷静に話し合いを試みる姿勢が大切です。
- Qどうしても状況が改善しない場合、退職も選択肢として考えるべきですか?
- A
ご自身の心身の健康が何よりも大切です。
保育士の人間関係によるストレスが過度になり、体調や精神に支障をきたしてしまう場合は、最終的な選択肢として退職も視野に入れるべきです。
無理をして働き続ける必要はありません。
自分自身の状況を踏まえて、後悔のない決断をしてください。