保育士の皆様。保育園では保育士のクラス担任などの人事発表の季節になるとドキドキしますよね。人事発表は、保育園で仕事をする上でも特に緊張する瞬間だと思います。
こんな場合もあると思います。誰しも人間関係のあうあわないは必ずあると思うので、難しい問題ですよね。嫌い・苦手の度合いにより、パワハラ・モラハラを受けるような体調や精神に支障が出てしまうこともあると思います。とはいっても、組織なので、全員の希望が叶うということは確率としては少ないでしょう。
今回は、嫌い・苦手な保育士と組むことになってしまった場合の対処法について解説します。
嫌い・苦手な保育士と担任ペアを組んだ経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士の仕事の大きな悩みの1つが人間関係
保育士の仕事においての、大きな悩みごとの1つが人間関係です。人間関係だけが理由で、転職を考える保育士の方もいると思います。
もちろん、人間関係の問題は、保育士に限った話ではありませんが、特に、保育園は、1つが非常に小さい組織であるということや全体の仕事量が一定で仕事の押し付け合いになりやすいという面で、人間関係の問題が起きやすい環境にあると思います。
そのなかでも、最も自分と近い距離で仕事をすることになる担任ペアの相方の問題というのは、毎年、保育園で働いている保育士が気を揉む問題になっていると思います。
なぜ保育園の担任ペアの組み合わせは重要なのか
保育園で保育士が働くうえで、働いている保育士にとっても、保育園にとっても担任ペアの組み合わせは重要です。それには、保育園ならではの事情があります。
ほぼ毎日、密接に仕事をするため
担任ペア同士は、1年の出勤日のうち、お互いの休暇を除けば、ほぼ毎日、同じ空間・同じ部屋の中で仕事をすることになります。しかも、クラス担任という名目上、途中で入れ替わったりということもほとんどありません。担任ペアが決まれば、ほぼ確実に向こう1年間はこの状況に置かれるということになります。
シフトによって出勤時間はそれぞれ多少異なりますが、ほとんど全ての時間を同じ空間で共有するということになります。当然お互い連携しなければ行けない回数はとても多くなります。
仕事を共有しなくてはいけないため
園によっては細かく厳密に仕事内容が割り振られている場合もあると思いますが、担任ペア同士は仕事が共有されている場合が多いと思います。
このクラスで担任に必要な仕事はこれ!であとは担任でうまく分担してね!というようなイメージです。
このことが、担任ペア同士で大きな軋轢を生んでしまうケースが多いです。一方の担任がやっていないことは、もう一方の担任がやらなくては行けないですし、その逆もしかりです。これは、書類仕事などの単位でも、日々の保育という単位でも同じことが言えます。つまり、どちらかが全体の30%の仕事をして、もう一方が70%の仕事をするということもあり得ます。
当然、70%の仕事をしているほうからすると、もっと仕事して!ということになります。
これが、ある程度仲が良くコミュニケーションが取れている担任ペア同士だと、うまい具合に気を使いあいながら、フォローをしあって仕事を進めることができます。ですが、そうでないと、お互いの足の引っ張り合いになってしまうこともしばしばです。結果的に、もともと仲が良くなかった人同士が余計に険悪になってしまうということは良くあります。
このような理由で、保育園の担任ペアの組み合わせは保育園にとっても保育士にとってもとても重要になります。
嫌い・苦手な保育士と担任ペアを組むことになってしまった
保育園は、ひとつのクラスに複数の担当の保育士がつくのが普通です。特に、子どもの年齢が若い乳児などは対人数を考えると複数人での保育が必然になります。
その場合、担任・副担任というペアになったり、担任が二人以上というパターンもあると思います。それ以外にも、柔軟に複数のクラスにつくフリー保育士などもいます。
そのなかで、自分が嫌い・苦手と思う保育士と担任ペアを組むことになってしまって悩んでいるという方も多いと思います。
保育園で働く保育士の場合は、ペアになった人とは無視して黙々と自分だけの仕事をするというのはなかなか難しいですよね。必然的に多くのコミュニケーションが発生するので、耐えられなくなってしまうということも痛いほどわかります。
嫌い・苦手な保育士とのペアが決まった場合にとれる対処法は?
嫌い・苦手な保育士との担任ペアが決まった場合に取ることができる対処法には大きく3つあります。
- 園長に相談する
- 我慢して働く
- 退職する
この場合に取れる対策はあまり多くありませんが、これらについて紹介していきます。
園長に相談する
保育園の園長に相談をすることで、あらためて担任構成などを組み直してくれる可能性があります。
保育園の人事は様々な思惑があって決まっているので、勤務している保育士全員の意見を反映するのは事実上不可能です。特に、嫌い・苦手だからという理由で変更をしていたら、いつまでたっても人事を決めることは出来ないです。一人の意見を聞き出したら、他の人からも文句が出てしまうこともあると思います。
そのため、園長に相談する際には、相談の仕方も大切です。嫌い・苦手ということだけではなく、具体的な内容なども織り交ぜて、どのようにしてほしいのかということを伝えましょう。もちろん、相談したからと言って変更をしてくれるとは限りませんが、相談をして見る価値は十分にあります。
また、このような人事面での交渉には、日頃の仕事ぶりや行いなどもとても大切です。園長が日頃から保育園において良い活躍をしている人は優遇しよう、意見を取り入れようとするのは当たり前のことです。
特に、自分が嫌い・苦手だと思っている人は他の人からもそう思われている場合も多いので、日頃の仕事振りがあんまりだと自分一人の意見が通るということは少なくなります。
相談をする際は、あまり公にはせずに基本的には園長との二人のやり取りの中で完結できるようにしましょう。そうしないと、さらに働きにくくなってしまうことに繋がります。
我慢して働く
対処法にはなっていませんが、我慢して働くということは、どんな会社や組織でも嫌な人と仕事をしなければ行けない瞬間というのは必ず訪れることだと思います。
今後も保育園で保育士として働くつもりであるのであれば、嫌い・苦手な人と組むたびに退職を考えるというわけにもいかないと思います。その時に、自分自身の力でどのような対処法をとることができるのかということも大切なスキルになると思います。
例えば、
- その人に徹底的に合わせてなるべく仕事が穏便に進むようにする
- 割り切ってなるべく関わらないようにする
- 関係を改善するために思い切って腹を割って話してみる
などです。状況によってできることはあると思います。相手も、やりづらいのは嫌だと思うので、こちらから何らかの行動をすることで関係性もよくなることもあります。
だたし、これらの方法をとることがが裏目に出てしまうこともあります。
もちろん、これらは嫌い・苦手の度合いのもよると思います。パワハラ・モラハラなどを受けるような、体調や精神に支障が出てしまうくらいの状況であれば、迷わず「退職をする」という一択になると思います。
我慢できるようであれば、工夫をして我慢して働く・出来ないようであれば退職を考えるのが良いかもしれません。
退職する
どうしてもペアが嫌い・苦手で耐えられないという場合の最終手段としてあるのは、退職をするということです。これがシンプルで必ず問題を解決してくれる方法になります。
また、退職をするという意思を園長等に示した場合に、ただの相談だけでは動かなかった事象に変化が起きる可能性もあります。保育園も人手不足なので、辞めるほどであれば人事を変更しようと園長も思うかもしれません。
ちなみに、人事発表後に退職をするということは新年度の直前の退職になると思います。迷惑がかかるという理由で、退職することを躊躇してしまう方も多いですが、人事発表後に退職することはなんの問題もありません。退職をする際は、最低限退職日の2週間以上前に退職を伝えれば良いです。
保育士の退職については以下の記事などでも解説しているので参考にしてみてください。
ただし、退職する気は一切ないのにも関わらず、退職をちらつかせるということはすべきではないです。もし交渉がうまくいかず、やっぱり退職することを辞めるとなれば、信頼も失いますし、今後働く上でマイナスになってしまうことが多いです。
理想は人事発表の前に対処するのが良い
嫌い・苦手な保育士と組むことになってしまった場合の対処法を説明しましたが、理想は人事発表の前に対処することです。
人事発表後に園長に相談すると、一度みんなが新たな担任クラスについて知った後に変更をすることになります。これは、保育園にとっても各保育士にとっても手間が増えてしまいデメリットが多いです。
また、一度発表された人事に訂正があるというのは、他の同僚に理由を詮索されたり、苦手・嫌いな相手本人にも事情を知られてしまう可能性もあがります。そうなると、さらに人間関係が悪化してしまうことも考えられます。
そうならないために、勤務している保育園の人事は発表がある一ヶ月前くらいを目安に、嫌い・苦手でどうしても組みたくない人がいるということを園長に相談してみましよう。面談の際などが適切なタイミングになります。
前述したとおり、嫌い・苦手ということだけではなく、具体的な内容などもおりまぜて、どのようにしてほしいのかということを伝えることが大切です。
人事発表前であれば、園長も柔軟に対応することができるので、園長への交渉の可能性もあがります。もちろん、願いどおりになるとは限りませんが、人事発表の後よりは可能性が上がるでしょう。
理想は誰とでも組める保育士になること
最後に、担任周りの問題に関して、保育士としてもっとも理想的な状態は、誰とでも組むことができるという状態です。
これは、人事を決める園長からしても、とても助かる存在です。人事を決める際に、この人とこの人は組ませない方が良いという形で消去法で決めなくてはいけないシーンも多いですが、誰とでも組める保育士の場合は、その必要性がなくなります。給与査定などにも良い影響がある場合もあるでしょう。
また、保育士として、誰とでも担任を組めるという状態は、その保育園で非常に良好な人間関係を築けているということにもなるので、単純に、日々の仕事においても働きやすいという状態になっているはずです。
保育園で良好な人間関係を築いておくということは、将来の担任ペアになった時に円滑に仕事を進めることができるというメリットもあるので、日頃から意識しておくのがおすすめです。
【まとめ】どうしても耐えられないと思うなら転職すべき
嫌い・苦手な保育士と組むことになってしまった場合の対処法について解説しました。
取ることができる対処法は大きく3つです。
- 園長に相談する
- 我慢して働く
- 退職する
まずは園長に相談してみて、担任ペアを変えることができないか聞いてみましょう。
我慢して働くということは直接的な対処になってはいませんが、今後も保育園で保育士として働くつもりであるのであれば、嫌い・苦手な人と組むたびに退職を考えるというわけにもいかないと思います。その時に、自分自身の力でどのような対処法をとることができるのかということも大切なスキルになります。
最終的に、ペアの変更も難しい、そして、その人とのペアがどうしても耐えられないというのであれば、転職を考えるべきです。来年度の人事発表後であっても二週間以上前に退職を申し出れば、退職は当然可能です。
無理して働いて、体調や精神に支障をきたしてしまうのが一番良くないことなので、自分自身の状況を踏まえてよく考えて決断してみましょう。