これからあらたに就職・転職を考えている保育士の皆様。
「海外で働いてみたい、けど、保育士・幼稚園教諭の職は無理だろう」と思っていませんか。
実は保育士・幼稚園教諭は今海外でもかなり需要が高いです。しかも、日本語だけがしゃべれれば良く、英語が必須でないことも多いです。もちろん人気の求人でもあるので、しっかりとした情報収集が必要です。
保育士不足と言われながらもなかなか改善されない現場に嫌気がさしたら一度海外に出てみるのもありだと思います。
今回は、海外で保育士・幼稚園教諭の求人の探し方・働く方法を紹介していきます。
海外で運営されている保育園や幼稚園の公式HPの情報を参考にしています
その経験が参考になればと思います
保育士・幼稚園教諭が海外で働くことができる施設は?
保育士・幼稚園教諭が海外で働くことができる施設について紹介します。
現地の日本人向けの幼稚園・保育園
保育士・幼稚園教諭が海外で働く場合のもっともポピュラーな施設は現地の日本人向けの幼稚園・保育園になります。特に多いのは幼稚園になります。
日系企業、政府機関などが海外へ進出している場合、日本人の社員も海外で働いている人がたくさんいます。このように海外で働く日本人社員のことを「駐在員」といいますが、駐在員は家族で海外に住んでいることも多いです。
その駐在員のお子様などを対象とした幼稚園・保育園の需要があります。
そのため、日系企業が多く進出しているアメリカ・中国などにはたくさんの日系幼稚園・保育園があるため、日本の保育士・幼稚園教諭の需要も高いです。
駐在員の多くは、割と短期的な期間で入れ替わり、いずれは日本に帰り日本で暮らします。家族もそれに合わせることになります。
そのため、現地の幼稚園や保育園ではなく、日本の文化や伝統、教育方法などを知っている日系の幼稚園や保育園に子どもを預けたいという需要があります。
将来子どもが日本に住んだ時に、日本語をしゃべれない、日本の文化を何も知らないということで、日本社会に溶け込めなくなってしまうのを防ぐためです。
そういった考えから、日本語や日本の文化を学ぶことができる日系の幼稚園・保育園の需要が高くなっています。
インターナショナル・プリスクール
海外のインターナショナル・プリスクールで働くことも可能です。ただし、こちらは現地の言語や英語が必須となる場合が多いです。
プリスクールとは英語圏では2歳頃から、5歳までの子どもが通う施設のことを指します。インターナショナル・プリスクールは英語教育を伴うプリスクールという意味で総称されている場合が多いです。
海外の場合は、英語と母国語の教育を伴う施設になると思います。駐在員向けでは英語と日本語(それに加えて現地の母国語)などの教育を行う施設が多いと思います。
最近では、海外のインターナショナル・プリスクールであっても、日本流の指導が求めらることもあるため日本での保育経験を活かすことができます。
海外の保育士・幼稚園教諭の求人が多くある国は?
以下の国や都市の求人が多くあります。特に、欧米系の国は人気が高く求人が出てくると応募が殺到することも多いようです。
英語が母国語の国では英語が話せることが必須の場合が多いですが、それ以外の言語が母国語の場合は、かならずしも母国語が話せることは必須ではないことが多いです。
流石に、英語以外の現地の母国語を話せる保育士・幼稚園教諭となってしまうと極端に採用対象の人数が減ってしまうという実情もあると思います。なぜならそのような人材はほとんど存在しないためです。
もっとも、需要が高いのは中国で、多数の日系企業が進出しているため、保育士・幼稚園教諭の需要も高いです。中国は、需要が高いわりに、保育士・幼稚園教諭からの人気が高いわけではないので、応募できる求人の数はかなり多いです。
- アメリカ
- ロサンゼルス、ニューヨーク
- イギリス
- ロンドン
- インド
- オーストラリア
- メルボルン
- オランダ
- アムステルダム
- シンガポール
- スリランカ
- タイ
- バンコク
- ドイツ
- フィリピン
- マニラ
- ベトナム
- ホーチミン、ハノイ
- マーレシア
- クアラルンプール
- メキシコ
- 台湾
- 中国
- 上海、北京、天津、蘇州、深圳
- 香港
必要な資格・経験は?
保育士・幼稚園教諭が海外で働くための必要な資格・経験を紹介します。
必要な資格
幼稚園教諭第一種、幼稚園教諭第二種、または、保育士の資格のどちらかが求められる場合が多いです。海外の施設であるため、その国の法律として保育士や幼稚園教諭の資格が必要というわけではありませんが、施設側の希望として持っていることが望ましいということになると思います。
最近では、モンテッソーリ教育が導入されている幼稚園・保育園が多いのでモンテッソーリの関連資格があると優遇される場合があります。
それ以外でも、英語関連の資格などは持っていると優遇される可能性は高いです。例えば、TOEICや英語検定など日本で信頼されて利用されている英語の能力検定試験などは取得していると有利になると思います。
必要な学歴
基本的には学歴が求められる場合は少ないですが、一部の米国やシンガポールなどの就業ビザにおいて4年生の大学の卒業などが求められる場合があるので、国によっては大卒が必須条件になる場合があります。
幼児教育や保育などに関連する学科というわけではなく、単に大学を卒業していれば問題ないことが多いです。卒業している大学も、知名度が高い必要などは特にありません。
これは、就業希望の国や地域によってそれぞれことなります。東南アジアは比較的にゆるい条件であることが多いです。
必要な実務経験
求人を見る限りは、概ね保育園・幼稚園での3年程度以上の経験が求められる場合が多いです。ただし、需要が高い国では、未経験でも募集がある場合があります。
どちらかというと、実務経験云々というよりは海外への適応力を求められる傾向があると思います。
適応力というのは、海外で過ごした経験があって慣れていたりなど、日本とは違う環境で長く過ごせるかということです。海外というとキラキラしたイメージがある方も多いと思いますが、実際に移住してみて日本と違っていろいろな面で不便なことも多いです。
実際に移住してみて、想像と違いホームシックのような形になってすぐに日本に帰国してしまう人も多いようです。なので、ある程度の経験がある場合は、どちらかというと海外への適用力のほうが求められると思います。
面接の際は、そのような点もアピールできると合格の可能性が上がるかもしれません。
必要な語学力
日系の幼稚園・保育園では日本語以外の語学力が求められる場合は少ないです。インターナショナル・プリスクールの場合は日常会話レベルの現地の語学力が求められる場合もあります。
日本語のみでも対応できる求人は多くありますが、やはり現地の言語が話せる場合は採用でかなり有利になると思います。
また、先程も書きましたが、英語関連の資格などは持っていると優遇される可能性は高いです。
必要なスキル
幼稚園教諭の場合は、簡単なピアノの演奏能力が求められる場合があります。いずれも、幼稚園や保育園で働いた経験が有る方なら問題なく勤まると思います。
また、現地での生活経験がある場合は優遇される可能性が高いです。
園側もできれば長く働いてほしいと思うので、先程も言ったように「働いてみてなんかイメージと違ったので帰ります」ということの可能性がない人のほうが採用されることは多いでしょう。
急に保育士や幼稚園教諭が辞めてしまった場合に、日本のようにすぐに変わりは見つからないので、その点はかなり慎重になると思います。
海外での保育士・幼稚園教諭の勤務条件
勤務条件は概ね日本で働く場合と同様だと思いますが、給与待遇や休暇などは海外が基準になってくるので、日本のようなサービス残業は発生しにくくなっています。
給料
給料は国によっても、幼稚園・保育園によっても大きくが差があります。
ただし、どの国であってもその収入だけで現地で生活することが可能な設定になっています。
- アメリカ(20万円)
- イギリス(20万円)
- インド(16万円)
- オーストラリア(20万円)
- オランダ(20万円)
- シンガポール(20万円)
- スリランカ(16万円)
- タイ(16万円)
- ドイツ(20万円)
- フィリピン(16万円)
- ベトナム(16万円)
- マーレシア(16万円)
- メキシコ(20万円)
- 台湾(16万円)
- 中国(20万円)
- 香港(16万円)
上記はおおよその給与月額の相場感になります。参考程度にしていただけると幸いです。基本的には、現地の物価にあわせて設定されていることが多いです。
賞与・ボーナス
賞与・ボーナスは設定されている場合が多く、年に1ヶ月分から4ヶ月分程度が多いです。
○月分と言っても、就業する国によって基本給に大きく差があるため、ボーナスの部分でもかなり差が出るので求人はを探す際は注意してみましよう。
休日・休暇
休日・休暇は基本的には現地のカレンダー通りという場合が多いです。ただ、日系の保育園・幼稚園の場合は日本のカレンダー通りという場合もあります。利用者の大半を占める駐在員の方のカレンダーが採用されている可能性もあります。
幼稚園の場合は、これに加えて春夏冬に長期休暇がある場合もあります。これは日本の幼稚園と同様ですね。
長期休暇がある場合は、その期間に日本に一時帰国したり、周辺国へ旅行にいく人も多いようです。
渡航費・帰国費
保育園・幼稚園によっては渡航費や帰国にかかる費用を出してくれる場合もあります。日本への渡航費は、国によりますが飛行機で10万〜20万円程度と高額になる場合が多いので、とてもありがたい制度です。
また、渡航費を出してくれる場合でも例えば3年間の勤務後にという条件つきの場合もあるので注意が必要です。
住宅手当・社宅など
海外の保育園・幼稚園の求人選びで最も重要な点は住宅手当・社宅の有無です。
シャアハウスのような物件や、アパートが用意されている場合もあれば、別途手当を支給して、物件は自分で決める必要がある場合もあります。
アジア圏であれば住宅費用は日本と比べても家賃にかかる費用をことができますが、欧米・シンガポール・香港などは賃貸費用が日本より高額になる場合もあるので注意してください。
面接・選考方法は?
保育士・幼稚園教諭が海外で働く場合の面接・選考方法について解説します。
まずは郵送での書類審査、その後、面接になります。
ほとんどの幼稚園・保育園でスカイプやzoomなどを利用したテレビ電話による面接に対応しているため、海外に行くことなく日本で選考を完結させることができます。
また、世界展開している大規模な日系の幼稚園・保育園であれば、日本に支社がある場合があります。その場合は、支社に出向いて選考を行う場合もあります。
基本的な選考内容や面接の内容は日本の保育園・幼稚園と大きく変わる点はないと思います。
ただし、現地に住んでいない限りは園の見学というのが、難しくなっているのでその点は注意したほうがよい点になります。
入職後もすぐに辞めるというのはなかなか難しいので、働く側としても、より慎重に見極めたほうが良いかもしれません。