保育士の皆様。
保育士を長年続けていくと見えてくるのはやはり園長(施設長)という仕事だと思います。保育園の園長はその保育園の責任者であり管理監督能力が求められ、保育士の仕事とは全く異なるものになります。
今回の記事では、保育園の園長(施設長)の仕事内容、給料、なり方について解説します。
先に結論を簡潔にまとめると以下のようになります。
- 園長になるには法律上は条件などは特に無い
- 一般の求人では主任保育士以上の経験が求められることが多い
- 雇われ園長の給料は500万以上
- 保育園の園長の求人を探すには保育士の転職サイト利用がおすすめ
その経験が参考になればと思います
保育園の園長(施設長)とは?
保育園には必ず園長が一人在籍しています。園長ではなく「施設長」という呼称をする保育園もあります。これは単に保育園が「〇〇園」という名前とは限らないためです。つまり、世の中の保育園の数だけ園長が存在することになります。
園長によって、保育園の方針や色も変わってくるるので非常に重要な存在になります。
そして、園長には実は2種類のパターンがあります。
- 雇われ園長
- 経営者の園長
「雇われ園長」は保育園を運営する法人が雇う園長になります。感覚的にはチェーン店の飲食店の店長のような立場になります。
「経営者の園長」は保育園を立ち上げた経営者の園長になります。感覚としては街の居酒屋のオーナーのような立場になります。
保育園も飲食店同様に、同じ園名で多店舗展開しているものもあれば、街で一箇所だけの園を運営している場合もあります。
このような「雇われ園長」と「経営者の園長」では、その保育園での立場や影響力、仕事内容なども異なってきます。
雇われ園長は基本的には会社の方針に従って保育園を運営することになります。経営者の園長は自分が保育園の方針を決めて運営を行います。
このように、同じ園長という存在であっても権限や立場は異なってきます。
園長の仕事内容
保育園の園長の仕事内容は多岐にわたっています。
- 保育園の運営
- 資金の管理
- 保育士の管理・指導
- シフトの作成
- 保護者の見学の対応や説明会
- クレームの対応
- 保育士の採用や面接
- 会議への出席
- 法人本部とのやり取り
など様々です。保育園の運営に必要な管理業務をすべて行います。実際に子どもの保育を直接行なうことは少ないですが、保育経験のある園長であれば、現場を見直す意味でも保育を実施することもあります。
園長では足りない場合は副園長や主任保育士に指示を出して、業務を遂行していく必要があります。
うまく指示が出せなかったり、園長としての責務をまっとうできないと法人本部と保育士の間で板挟みとなってしまうこともあります。
なにかトラブルがあれば矢面に立って対応することが求められますし、事故の責任なども園長が取る必要が出る場合もあります。
例えば、大津の園児に車が突っ込んだ事故では、当該の法人の理事長や保育園の園長が公の場で記者会見を行っていました。
これは稀有な例ではありますが、いずれにしても責任も重大で楽な仕事ではないのが園長という業務になります。
園長になるための条件とは?
ここでは保育園の園長になるための条件を紹介します。
資格は必要?
実は保育園の園長になるために資格は必要ありません。実は保育士の資格も必要はないです。園長(施設長)はあくまでも保育園の管理業務をするので保育士の資格は必要がないのです。(一部の種類の保育施設においては保育士資格が必須であることもあります。)
保育士としてその保育園で何年か経験を積んで研修などを受けると園長になることが認められるという制度にはなっていません。
なのでルール上は認可外保育施設はもちろん、認可保育園であっても誰でも保育園の園長になることができます。そのため家族経営の保育園の法人だと、園長や副園長が保育士の経験がない身内で固められているあんてこともよくあります。
そのほかによくある例としては、介護施設なども運営している社会福祉法人の保育園であれば、運営している介護施設の優秀な職員などを保育園の園長として連れてくるという方法です。
このように、世の中の保育園には保育士資格を持っていない園長も多く存在します。もちろんそのような園長は子どもと直接関わる保育の仕事をすることはなく保育園の管理業務をしています。
保育士の資格や経験が必要ないのは法律上の話で、実際には保育園を運営する多くの法人では保育士の資格と保育経験のあることを条件に園長を募集しています。保育の経験があって保育現場のことを理解していないと保育園の管理業務もつとまりにくいからです。
必要な経験は?
園長として一番必要な資質は保育士と同様で子どもが好きで熱意を持って保育園の運営に取り組めるかということです。
園長になるのに必要なのはおおよそ10年以上の保育経験が目安として必要になります。ただ、年齢でいうと最近では新設の保育園も増えていて若い園長も増えてきています。経験年数だけではなくマネジメントスキルなどの手腕があれば、若手でも園長を目指すことは十分な時代に可能になっています。
また、子どもの定員が少ない小規模な保育園(小規模保育事業)も増えているのでマネジメントができる保育士を園長として雇用したいという保育園の運営会社も増えています。しっかりと会社の意図などを把握して園を運営していく必要があります。
もちろん年数だけではなく、保育園を運営する上で様々な能力が必要になってきます。最低限として、保育園で主任保育士が務まるくらいの経験は必要です。
まずは主任保育士として園長候補として採用されて、園長業務を教えて園長として独り立ちさせるという採用方法も増えています。
こんな人が園長に向いている
保育園の園長に向いているのはズバリ「リーダーシップのある人」になります。
時には、保育士に対して厳しく指導することも必要です。また、決めるべきことは園長がしっかりと決断する必要があります。自治体とのやりとりなども園長が代表して行なうことも多いです。
自分の手が足りないときは、副園長や主任保育士にしっかり指示を出して手を借りことが必要です。
頼りない園長だと保育士に見られてしまい、辞められてしまったりすると、また新たな保育士を雇う必要があります。
保育士不足なので、保育士の就業の満足度もあげつつ良い保育園を運営していくにはリーダーシップのある園長が不可欠になっています。
また、園長はその保育園の顔になるので、保護者からのイメージや信頼も重要です。
保護者からの信頼を得られないと、不信感が増してクレームに繋がったり、翌年以降の園児の募集にも影響が出てしまいます。
保育園の園長の給料は?
保育園の園長の給料は最低でも月給30万円以上になります。各種手当などを含めて年収に換算すると500万以上が相場になります。
雇われの園長の場合は年収500万円〜700万円くらいに収まる人がほとんどだと思います。自分で保育園を経営している園長はもっと給料をもらっていることもあると思います。ある程度自分で給料を決めることができるためです。
保育士の給料と比べるともちろん高い水準であることは間違いないので、キャリアアップとして目指す価値があるのが園長職になると思います。
保育園の園長になる方法
保育園の園長になる方法は大きく以下の二通りの方法があります。
- 自分で保育園を作って園長になる
- 既存の保育園の園長の求人に応募する
自分で保育園を作るというのはなかなかハードルが高いです。認可保育園であれば、国や自治体が定める様々な条件を満たした保育園を作る必要があります。
また、先にも書いたとおり、家族経営の保育園では園長などの重要なポストは身内で固められることがほとんどなので、そのような保育園で園長に就任するというのもなかなか難しいのが実情です。
前に勤めてた園の園長が亡くなりもともと副園長だった娘が園長になったそうです。そして、副園長には無関係だった娘の旦那が急に就任したそうです。家族経営はこういうことが起こるので頑張って園に尽くしても無駄ですね。
— 保育士さえこ@ブラック脱出済 (@hoikushisaeko) December 8, 2019
なので、普通の保育士が園長を目指すのであれば、保育園をたくさん運営する法人の園長職が一番手っ取り早いです。
最近では、多くの法人が新設の保育園をオープンしているのでその分の園長職の確保も必要になってきます。このような法人ではまずは園長候補として主任保育士などに採用されることが多いです。
求人も保育士の採用とは別に用意されているので、条件などをよく確認して応募する必要があります。
ただ、園長職の求人はハローワークや求人誌には余り出回らないことが多いです。なので、保育士の転職サイト利用がおすすめです。
転職サイトはたくさんの保育園を運営する法人に保育士の紹介もたくさんしているので、園長職の募集も同時にかけていることが多いです。ネット上では見つからない非公開の求人を紹介してもらうことができます。
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まとめ:保育園の園長(施設長)の仕事内容、給料、なり方を紹介!
保育園の園長(施設長)の仕事内容、給料、なり方の結論を簡潔にまとめると以下のようになります。
- 園長になるには法律上は条件などは特に無い
- 一般の求人では主任保育士以上の経験が求められることが多い
- 雇われ園長の給料は500万以上
- 保育園の園長の求人を探すには保育士の転職サイト利用がおすすめ
責任もとても大きいですが、やりがいもとてもあるのが保育園の園長です。給料の面でも保育士の方は目指してみるのも良いと思います。