どんな職場においても人間関係の問題というのはつきものですよね。
人間関係の問題で深刻なものの一つがイジメですよね。実際、保育園でも大小様々なイジメがあると思います。きちんと指導すべきことが、指導ではなくイジメという状態になってしまうことも。もちろん、イジメというのはパワハラでどんな場合であっても肯定されることでは無いです。
今回は保育園でイジメられてしまう保育士のよくある原因と、イジメにあってしまった場合の対処法を紹介します。
その経験が参考になればと思います
保育園でよくあるイジメられてしまう保育士の内容
まずは、何をもっていじめとするのかというのは、本当に難しい問題ですが、保育園でよくあるイジメの内容について紹介します。
- 無視される、質問に答えてくれない
- 人格否定をされる
- 仕事を押し付けられる
- 陰口を言われる
これらのことが日常的に行われているのであれば、いじめが起きているといっても過言ではないでしょう。
無視される、質問に答えてくれない
保育園で働く保育士の場合は、仕事をする上で、周囲とのコミュニケーションが必須になります。そのため、無視をされたり、質問に答えてくれないということは、精神的なダメージも大きいですが、仕事にも大きな悪影響を及ぼす場合があります。
人格否定をされる
人格否定をされるというのも、典型的ないじめの例になります。
- 頭が悪い
- 性格が悪い
- 育ちが悪い
- 太っている
- ブス
などの言葉は、人格否定の代表的な言葉になります。その人が持つ人間性や性格などの本質的な部分を否定し、精神的なダメージを与えます。
仕事を押し付けられる
不当に仕事を押し付けられたり、不当に望んでいない仕事ばかり任されるというのもいじめの一種と言えます。
陰口を言われる
自分以外の集団が、自分のいないところ悪口を言っているのもいじめになります。もちろん、聞かなかれば、本人にはわかりませんが、聞いてしまったり、ほかの誰かから知らされるということも意外に多いです。
このようないじめは、自分の立場などを利用して行われるものが多く、実際にこれらをしている人は、これがイジメだと自覚していないことも少なくないです。
これらのイジメにあって、保育士自体を辞めてしまったり、精神的に病んでしまって病気になってしまう保育士も少なくないと思います。そうなってしまうと肉体的にも問題が出てきてしまうこともあるので、そうなる前に対処をすることが大切です。
保育園でイジメられてしまう保育士のよくある原因
保育園でイジメられてしまう保育士のよくある原因について紹介します。もちろん、イジメはパワハラでどんな場合であっても肯定されることでは無いです。何か問題の原因がその人にあったとしても本来はキチンと指導をして改善を促すべきです。
立場が弱い
いじめというのは、基本的に立場が強いひとから弱い人に対して起こります。先輩から後輩、上司から部下というような形です。保育園の場合はちょっといびつな人間関係があることがあり、暦が長いパート保育士や役職がない常勤保育士も「お局様」という感じで、園での立場が強いという人もまれにいます。
単純に地位などが弱いということだけではなく、「何かを言われても我慢してしまう」「ついつい顔色を伺ってしまう」性格の人もイジメの対象になりやすいです。いじめをしたとしても反撃されることがないので、いじめをしやすいと感じるのでしょう。
仕事、保育ができない
保育園での仕事や保育が、他の人と比較してうまくこなせていないという場合もいじめの対象になってしまう場合があります。
保育園の場合は、誰かができない分は誰かがカバーしなくてはいけないという側面があるので、仕事ができないということが、他の誰かの負担につながってしまうことがあります。
保育士として仕事があまりうまくできず第三者に迷惑をかけてしまったり、周囲の思い通りに動くことができずにもたついてしまったりしてしまうと、それがイジメのきっかけになってしまうこともあります。自分の思い通りにいかないので、思う通りに動かせようとすることがいじめにつながってしまう場合です。
できなかったとしても学ぶ姿勢があったり、努力している姿勢があれば別ですが、できないからやらない、やる気もないというような姿勢だと、反感を買ってしまうことが多いです。どうしても保育園という仕組み上、誰かが仕事をおろそかにしていたり、サボったりしてしまうと、そのツケは他の誰かにいくことになります。
そういう人にはあえて優しくしようと思う人がいないので、段々と、敵が増えているというような状況が生まれます。
ついつい言い訳してしまう
言い訳が多いという人も、周囲の人間から反感を買いやすくなってしまいます。
何か問題やトラブルが発生すると、ついつい言い訳をしてしまうという人もイジメあってしまうことが多いです。周囲の人間からすると言い訳というものは正しくても正しくなくてもフラストレーションを感じることが多いためです。
でも、実際は、正当な言い訳をしているのに、なぜか反感を買ってしまっているという人も少なくないです。
自信がない
自分に自信がないという、職場の同僚も自分のことをよく思っていないと考えてしまうことが多いです。「どうせ自分は期待されていない」「邪魔者だと思われている」というようなネガティブな感情を生んでしまいます。保育園での仕事の面でもそうですし、人間関係の構築という面でも自信がない人は、どうしても周りが敵に見えてしまうことがあります。
気持ちがネガティブになっている
自分に自信がないということとも関連しますが、自分自身の気持ちがネガティブになってしまっていると、周りの人間の行動や人間関係に対してもネガティブに考えてしまうことが多いです。例えば、誰か一人に怒られてしまったりすると、同僚、先輩、上司等の全員が自分の悪口を言っているように錯覚してしまう場合があります。
仲間がいない
人間関係の難しい部分でもありますが、職場に信頼できる人や相談できる仲間がいないと、どうしても敵に見えてしまう場合があります。例えば、他の同僚同士は仲が良いのに、自分だけは一人という感じだと、疎外感はどんどん強くなります。そんな状況下で、もし、同僚の一人だけでも、良好な関係を築けないというようなことが起きると、全員が的に見えてしまいます。
協調性がない
やるべきときにやるべきことをやらず別のことをしてしまっている、というような協調性のない行動が目立ってしまうと、周囲から煙たがられてしまうことがあります。このような行動を繰り返していると、いつの間にか周囲が敵ばかりになってしまっていたという場合もあります。
おかしな先輩・上司・園長がいる
保育園におかしな先輩・上司・園長等がいるという場合も、保育士が職場で周りが敵ばかりになってしまう原因になります。
おかしな先輩・上司・園長とは、例えば、根拠がない「気に食わない」というような逆恨みのような感情で、個人を攻撃するような人です。このような人物が責任のある立場にいると、どうしても、他の同僚たちも歯向かうことができずに、流されてしまうことが多いです。また、嘘や悪意のある悪口などを言いふらされてしまうというような場合もあります。
これらを改善したらイジメはなくなるか?
保育園でイジメられてしまう保育士のよくある原因を紹介しましたが、大事なポイントはこれらを改善したらイジメはなくなるか?ということだと思います。
答えは多分「NO」です。
おそらく、前述したイジメられてしまう原因を取り除いていったところで完全にイジメがなくなるとは限りません。それでイジメがなくなるのであれば世の中のイジメはすべて無くすことができますよね。
そもそもすべてを完璧に改善、対処するというのは難しいですし、イジメる人が新たなあら捜しをしてくるかもしれません。例えば、世の中には「仕事ができない」からイジメるというのもありますが、「仕事ができる」からイジメるということもあります。それは嫉妬の気持ちが原因です。
そもそも指導をするのではなく、イジメをするという行為をしている時点でおかしい人なので、正しい行為をしていけばイジメがなくなるという考え方はなくしたほうが良いでしょう。
結局イジメの対処法はどうすれば良いか?
イジメられる原因を改善してもイジメはなくならないかもということを書きましたが、それでは結局イジメに対してどのように対処したら良いのでしょうか。
イジメへの対処は大きく3つがあります。
- 自分のほうが立場が強くなる
- 気にしないようにする
- 退職する、転職する
これらにについて詳細を解説します。
自分のほうが立場が強くなる
イジメというのは 共通して立場が強いほうから弱い方に対して行われます。 保育園であれば、先輩から後輩、園長から保育士に対して、というようにそこには必ず上下関係があります。
この逆で立場が弱い方から強い方へのイジメは基本的には起こりえません。園長であれば保育士に対して、例えば、査定を下げてボーナスを減らすなどの対処ができるためです。そう聞くと、いや保育士が園長をイジメていることもあると考える人もいると思いますが、それはなんらかの事情があって、通常の役職による上下関係が実は逆転してしまっている場合が多いと思います。
また、一見は上下関係がないように見えても、上下関係というものは必ずあります。例えば、味方が多いとか少ない、仕事ができるできない等です。
つまり、自分のほうが立場が強くなれば、基本的にはイジメというのは起こらなくなります。
- とにかく仕事ができるようになる
- 園長や先輩を味方につける
- 外部の機関を頼る
保育士として仕事ができるようになり、子どもや保護者からも信頼を得られるような立場になっていくというのが自分の立場を強くする一つの手段です。
また、すぐにはそれが難しいようであれば、園長や先輩などを味方につけるということでも自分の立場をあげることができます。
あまりにイジメの内容が悪質でひどいようであれば外部の機関に頼るというのも選択肢の一つです。外部の機関とは労働局や労働基準監督署です。イジメやパワハラなどのトラブルに巻き込まれた際の窓口があります。
昨今でもパワハラなどが原因で保育士が一斉退職し、それがSNS等で話題になり最終的に会社の運営元自体が変わるということがありました。これはSNSやニュースで話題になることで、立場が一気に逆転したために起きたことです。
外部の機関を頼る場合には、日々の仕事でイジメを受けているという客観的な証拠を残すようにしましょう。
気にしないようにする
イジメ自体を気にしないようにするということも一つの対処法になります。イジメは受けている本人がイジメだと思えばイジメになりますし、逆にそう思わなければイジメではありません。
これは状況によってはかなり難しいことかもしれませんが、目の前にある自分のやるべきことに没頭し保育士として仕事をするということです。このように淡々と仕事をこなし無視を続けることで、状況が改善していくこともあります。また、そうしている間に他の解決の糸口が見つかるかもしれません。
抱え込まない
保育士が職場で周りが敵ばかりという状況に陥ってしまった場合は、まずは「抱え込まない」ということが大切です。あれもこれも「一人でやらなきゃ」「もっと敵を作ってしまう」というような考え方をしてしまうと、どんどん追い込まれてしまっていくことになります。
本当は周りに敵ばかりではないという事を知る
先程も書きましたが、保育士が職場で周りが敵ばかりだと思ってしまっているのは、ネガティブな気持ちに起因する錯覚であることも多いです。本当に職場の人全員が敵になっているという状況は、そこまで多くはないです。
そのように見えても、一部の人は、立場が強い人に話や態度を合わせているだけで、本当に敵意があるわけではないことが多いです。本心はなんとも思っていなかったり、可哀想と思ってくれている場合もあります。まずは、職場の保育園には敵ばかりとは、勝手に思い込まないということが大切です。
まずは一人味方を作る
保育園で周りが敵ばかりと感じている場合は、まずは、一人だけでも良いので味方を作りましょう。一人でも味方がいるだけで、精神的にも心強くなります。どんな些細なことからでも良いので、まずは気軽に話せるような関係の同僚を一人作るようにしましょう。
みんながやりたくない仕事を率先してやる
まずは一人から職場に味方を作るための手っ取り早い方法は、みんながやりたくない仕事を率先してやるということです。
結局のところ、ほとんどの人は、生活のため、お金を稼ぐためにその保育園で保育士の仕事をしているという場合が多いです。給料は支払わないけれど続けますかと言われれば、続けないという人がほとんどでしょう。もちろん、そのなかで、個人個人がやりがいなどを感じて仕事をしているということになります。
そんな中で、組織として必要な仕事というのは、個人個人がやりたい仕事ばかりではありません。必ず、やりたくない仕事というのが出てきます。そして、それらは得てして、他のみんなもやりたがらない仕事であることが多いです。
日々の細かい雑用でも、行事の担当などでも、誰もやりたがらないという場合があると思います。そのような仕事を率先してやることで、どんな人でも「自分がやりたくない仕事をやってくれる」 → 「ありがたい」 という感情を抱くようになります。自分がやりたくない仕事をやってくれる人は、辞めてほしくないので、自然と優しく接してくれるようになります。
そうすることで、少しづつ味方を増やしていくことができます。
辞める、転職する
どうしても、まわりが敵ばかりという状況を改善することができなければ、退職や転職するということも視野に入れましょう。まわりが敵ばかりという状況が続き、あまりに自分を追い込んでしまうと「適応障害」や「うつ病」などになってしまうリスクもあります。そうなると、今度は働くこと自体ができなくなってしまう可能性もあります。
最終的には退職する、転職するということが一番の方法になります。転職すれば人間関係を完全にリセットすることができます。
また、先程も書いたように、保育園でおかしな先輩や上司、園長に当たってしまったら、自分だけの力ではどうしようもない場合もあります。自分が保育士として、人間としてもどんなに完璧に立ち回ったとしても、園長の「気に食わない」というような逆恨み一つで、その職場に自分の居場所がなくなってしまうという場合もあります。
そもそもおかしな先輩や上司、園長ということになるので、どんなに自分自信の行動や立ち振舞を良くしたとしても、改善できない場合があります。そのような環境で我慢したり、耐えたとしても、その状況が良くなる保証はありません。
ただし、あきらかにイジメられている原因が自分にあるという場合(イジメられる原因があるからといってイジメを肯定しているわけではありません)は、別の保育園に行ってからも同様な状況に陥ってしまう可能性があります。
なので次の職場では、きちんとした保育園に就職することはもちろん、最低限、自分がイジメられてしまうような原因を作ってしまうことを無くす対策をしましょう。
昨今は、保育士不足で転職先はたくさんあるので、その点は心配ありません。
まとめ:保育園でイジメられてしまう保育士のよくある原因と対処法を紹介。
保育園でよくあるイジメは以下のようなものです。
- 無視される、質問に答えてくれない
- 人格否定をされる
- 仕事を押し付けられる
- 陰口を言われる
どれもイジメというよりパワハラといったほうが適切かもしれません。
そして、以下のような人がイジメにあいやすいです。
- 立場が弱い
- 仕事、保育ができない
- ついつい言い訳してしまう
自分がイジメに遭いやすい行動をしてしまっているなと思う方は、行動を見直してみると良いかもしれません。
ただし、これらをすべて改善したらイジメはなくなるかというとそういうわけではありません。指導をするのではなく、イジメをするという行為をしている時点で相手はおかしい人なので、正しい行為をしていけばイジメがなくなるという考え方はなくしたほうが良いでしょう。
既に職場でイジメに遭ってしまっている場合は以下の対処法をとる必要があります。
- 自分のほうが立場が強くなる
- 気にしないようにする
- 退職する、転職する
実際問題、保育園という小さな職場で一度イジメにあってしまうと、それをうまく改善して勤務を続けるというのはとても難しいです。
仮にイジメが無くなったとしても、過去の自分をイジメてきた人と心地よく仕事ができるでしょうか。
やはり、最終的にはどちらがいなくならなければいけないですが、相手をその保育園からいなくするというのはかなり難しいです。
受け入れてくれる良い保育園はあるので、自分を追い込んでしまって精神的に病気になってしまう前に、自らその職場を抜け出す決断も大切です。
これらのイジメにあって、保育士を自体を辞めてしまったり、精神的に病んでしまって病気になってしまう保育士も少なくないと思います。そうなってしまうと肉体的にも問題が出てきてしまうこともあるので、そうなる前に対処をすることが大切です。
本当に職場の人全員が敵ばかりという状況はあまりないです。多くの場合は、自分自身の考え方の問題で、周りが敵ばかりだと錯覚してしまっているというケースです。まわりが敵ばかりという状況が続き、あまりに自分を追い込んでしまうと「適応障害」や「うつ病」などになってしまうリスクもあります。そうなると、今度は働くこと自体ができなくなってしまう可能性もあります。
どうしても、まわりが敵ばかりという状況を改善することができなければ、退職や転職するということも視野に入れましょう。