保育士の皆様。保育園での個人情報の取り扱いは本当に難しいですよね。
今回は、保育士の保育園での個人情報取り扱いの注意点について自分自身の経験などをもとにまとめています。
こちらの記事は、あくまでも保育園における個人情報の取り扱いにおいて、個人的な経験や気をつけるべき点をまとめたものになります。実際の各保育園の個人情報の取り扱いについては、必ず各保育園で定められている規則等を確認してください。
保育園での個人情報を取り扱った経験があります
その経験が参考になればと思います
そもそも保育園の個人情報が書かれた書類ってどんなもの?
保育園にはそもそも書類がたくさんありますよね。書類が多すぎてどの書類が特に取り扱いに注意が必要なものは以下のようなものになります。
- 出席簿
- 連絡帳
- 日誌
- 個人記録
代表的には上記のようなものが、取り扱いに特に注意が必要な書類ということになります。
氏名が書かれているものであれば基本的に個人情報になり得ますし、保護者向けのお便りのようなものでも場合によっては個人情報が書かれていることがあると思います。また、書かれていなくても次の月の予定などが園外に流出してしまうのは防犯上もよろしくないので気をつけましょう。
また、園児や保護者と関係がないものでも、保育士のシフト表や会社の規則、議事録等も同様に取り扱いに注意が必要な書類になります。「社外秘」などと書かれている書類は、社外に秘密にしておかなければいけない書類ということになります。
気持ち的には、保育園にある書類は基本的にはすべて個人情報が書かれているものだと思って取り扱ったほうが良いかもしれません。
日々の園での出来事も個人情報の一つ
保育園で保育士として働いていると、
- 熱でお休みした
- お友達をたたいてしまった
- 週末に〇〇お出かけした
- 〇〇パパとママが離婚した
- 〇〇のパパは△△に勤めている
など保育園に勤めていると、各家庭の状況や園内でしか知り得ない情報などが自然と入ってくることがあると思います。
これらの情報源は、直接見たり、本人から聞いたり、提出された書類に書かれていたり様々だと思います。このようなことも、個人情報に該当する可能性があります。
書類などはわかりやすく個人情報だとわかりますが、このような自分の頭のなかにある情報なども、個人情報としてきちんと取り扱う必要があります。
保育園の個人情報の取扱いの基本指針:保育園のルールをきちんと把握する
まず保育園の個人情報の取扱いの基本指針として、就業している保育園の個人情報の取り扱いのルールをきちんと把握することが大切です。各保育園ではルールやマニュアルなどが用意されていると思うのでそちらを必ず確認しましょう。
冒頭にも書いていますが、こちらの記事は、あくまでも保育園における個人情報の取り扱いにおいて、個人的な経験や気をつけるべき点をまとめたものになります。実際の各保育園の個人情報の取り扱いについては、必ず各保育園で定められている規則等を確認してください。そして、その保育園ではその保育園のルールを守ることのみが正解になります。他の園ではこうしている、一般的にはこうだろうというようなことは、正解ではありません。
これは、保育士個人として自分自身を守ることにも繋がります。万が一個人情報の書かれた書類などを紛失してしまった際に、保育園の個人情報の取扱のルールに不十分な点があれば、責任の一端は保育園にもあります。ただし、良かれと思ったとしても個人で勝手に判断して行動してしまうと、個人の責任になってしまうこともあります。
だからこそ、保育園の個人情報の取り扱いのルールをきちんと把握してそれを守ることが大切です。保育園のルールに不備などがあれば、勝手に変えて行動するのではなく、ルールの改善を園長等に提案しましょう。
保育士の個人情報取り扱いの注意点!
保育士の個人情報取り扱いの基本的な注意点を紹介します。
保育園の書類を園外に持ち出さない
基本的には、保育園の書類を園外に持ち出さないというのが鉄則になります。園外に持ち出すことで、紛失や流出のリスクが高まるためです。同じ紛失でも園内と園外では対応は全く異なるものにもなります。
なので冒頭に上げたような個人情報が書かれた書類は、指示がない限り園外に持ち出さないようにしましょう。
自宅での仕事や作業を指示されていて個人情報の書かれた書類を持ち帰らなければいけないのであれば、その扱いには最大限に注意しましよう。例えば、よくあるのが通勤中にかばんを網棚の上に置き忘れてしまってそのまま紛失してしまうというケースです。
ただし自宅での仕事を指示されているにも関わらず、残業代等が支給されていないのであれば、サービス残業(違法残業)の状態ということにもなります。その上、保育士個人が日々個人情報の紛失のリスクも背負っているということなので、保育園としてあまり芳しい状態ではないかもしれません。仮に、紛失してしまった場合に、保育士が勝手に持ち帰ったという言い訳をされる可能性もあります。
この点にリスクを感じた場合は、園長等に指摘をするか、それでも改善しないようであれば、認可保育園であれば管轄している市区町村などの自治体に匿名でも良いので報告を入れると改善の可能性があるかもしれません。
一般的な会社では、会社の重要な書類を紛失した場合は、処分されることがあってもニュースとして扱われることはあまりないと思います。ただ、保育園においてはそれがニュースとして報道される可能性もあります。そうなった場合に、ミスをした本人としては、責任感などから保育園に居づらくなってしまうということもあるので、本当に注意しましょう。自分の身は自分で守るということも必要になります。
個人情報の書かれた書類等の保管にも気をつける
前項では、保育園の外に個人情報などが書かれた書類を持ち出さないことを書きましたが、園内であっても個人情報の書かれた書類の取り扱いには注意が必要です。
保育園には保護者を始めとした不特定の人が出入りする状況になります。保護者が迎えに来た時に、個人情報が書かれた書類が無造作に置かれていたらどのように感じるでしょうか。それ自体が個人情報の流出になりますし、保護者としてはクレームの対象にもなります。
保育士の仕事は合間を縫って書類の作業をしなければいけないので、ついつい忙しくてそのままにしてしまいがちですが、保育園の規則に従って専用の保管場所にきちんと保管するようにしましょう。
保護者に他の園児のことを不必要に話さない
こちらはケースバイケースにはなりますが、園児のプライバシーに関わることは無関係の他の保護者等に不必要に話すべきではないです。私の場合は状況的に名前を出さざるをえない時は「おともだち」という様な表現にしています。
送り迎えの会話の際にも注意する
保護者の方がお子さんを送り迎えする際に、その日にあったことなどを会話すると思いますが、その際にも個人情報の取り扱いには注意が必要です。
本人にはなしても良いことであっても、周囲の人には聞かれたくないこともあると思います。送り迎えの際は、同時の他の保護者の方が来たり、園児なども近くにいる場合があるので、不用意に個人情報に関連のある話をするということも気をつけなくてはいけません。
先ほど書いた、自分の頭の中にある個人情報を漏らしてしまう可能性があるので、園の方針に従って、その場で話すべき内容などを精査する必要があります。
よくあるミス「連絡帳の渡し間違い」に注意
保育士が身近で一番やってしまいがちなミスの一つが「連絡帳の渡し間違い」です。連絡帳が園児個人のプライバシーに関する情報が書かれているので、連絡帳を間違えて渡してしまうということは、それ自体が即、個人情報の流出ということになってしまいます。もちろん、保護者からも大きなクレームの対象となります。
保育園によって間違えることがないように様々な工夫がなされていると思いますが、いま一度手順等を見直してみましょう。
保育園(園児や職員)の写真の管理に注意する
続いて気をつけるべきは、保育園における写真の取り扱いについてです。特に注意が必要なのは、園児の顔などが写った写真の取り扱いになります。
以前には保育士が園児の写真が写ったデジカメを紛失してしまったということがニュースとして報道されたこともありました。園児の写真を紛失してしまうと、このようにニュースとしてとりあげられてしまうことにもなるので、扱う場合はより一層の注意が必要になります。
もちろん、保育士が私的な理由などで園児が写った写真をとることは、保育園では許されません。ただ、保育園で行事ごとなどをやる際には、園児の写った写真を残す必要があることもあると思います。保護者に後ほど配布したり、卒園アルバムの写真として残す必要がある際などです。その際には、前述したようになるべく個人のスマートフォンではなく保育園の専用のデジカメやスマートフォンを利用することが望ましいです。
ただ、デジカメは紛失すると中の写真を見ることができる場合が多いので、ロックを掛けられるスマートフォンを園の写真撮影専用に用意するほうが良いかもしれません。保育園の園長にこのような提案をするのも良いかもしれません。
どうしても、保育園の事情で個人のスマートフォンなどで写真を取らなければいけない状況になった場合は以下の点に注意しましょう。
- 不要になったらすぐに削除する・・・印刷・現像や保育園のパソコンなどへのコピーが完了したら、即座にスマートフォンから削除しましょう
- スマートフォンにはロックをかける・・・万が一、紛失してしまった際に、流失を避けることができます
- クラウドなどへの自動アップロードに注意する・・・最近のスマートフォンは、撮った写真をiCloudやGoogle Photoなどに自動でアップロードする機能がある場合があります。削除したとしても、クラウド上にデータが残る場合があります
園児の写真に限らず、個人情報が書かれた保育園の書類などもを撮影した写真についても、基本的には、同様の対応になります。書類自体を直接持ち帰らなかったとしても、後で家で見ようと思って写真をとった場合でも同じように流出の危険があるので、基本的にはしないようにしましょう。
シュレッダー等で処分する
不要になった書類は必ず、シュレッダー等で復元が不可能な状態にして処分します。
万が一書類等を紛失した場合の対応は?
紛失しないことが一番ですが、気をつけていても紛失してしまった場合もあると思います。
保育士が万が一書類等を紛失してしまった場合の対応は、
- すぐに園長に報告する
この一択になります。その後は園長の指示に従いましょう。とにかく隠さず、ありのままを伝えて、早く対応することがなくしてしまった段階では必要な対処になります。
「探せば見つかるかもしれない」と考えてずるずると報告が遅れてしまうことがありますが、報告が遅れることがさらなる問題につながることもあります。「探せば見つかるかもしれない」という場合であっても、そのことを含めて紛失してしまったことを報告しましよう。
まとめ:保育園の保育士の個人情報取り扱いの注意点!万が一書類等を紛失した場合の対応は?
保育園の個人情報の取扱いの基本指針は保育園のルールをきちんと把握するということです。まずは、保育園で定められているルールをしっかり把握しましょう。注意が必要なのは、書類そのものは間違いなく個人情報ですが、それらの書類や日々の会話のなかなどから、自分自身の頭の中にも個人情報は紛れているということです。
個人情報が書かれた書類だけでなく、自分の頭のなかにある個人情報もきちんとした管理が必要です。
そして、万が一、書類等を無くしてしまった場合は、すぐに園長に報告しましょう。そして、その後は園長の指示に従いましょう。保育士が個人情報の取り扱いに注意するということは、自分自身の身を守ることにも繋がります。