目次 | 内容 |
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保育学生は保育士・幼稚園教諭以外の就職先に就職できる | ・保育系の学校を卒業しても保育士以外への就職は可能 ・卒業生の約半数が保育士以外の進路に進む ・低賃金などのイメージから一般企業を選ぶ学生も多い |
保育士にならないのことはもったいないことではない | ・資格を取っても保育士にならないのは「もったいない」ことではない ・保育士資格はいつでも使える国家資格 ・他の仕事が合わなければ保育士に戻る選択肢がある |
どうやって親や周囲を説得すべき? | ・なぜ保育士以外を希望するのか具体的な理由を説明 ・年収や労働条件の実情を比較して伝えるのも有効 ・資格が無駄にならず将来役立つ可能性を説明 ・親の不安を解消することが大切 |
思っている以上に就職活動で不利にはならない | ・保育系の学校卒でも他業種への就職で不利になりにくい ・多くの企業は新卒に真面目さやコミュニケーション能力を重視 ・資格取得に向けた努力は強みとなる |
保育以外の会社に就職する際のポイント | ・一般常識と会話力・コミュニケーション能力が重要 ・これらは新卒採用で広く求められる能力 ・応募先によっては一般常識テスト対策も必要 |
保育士を活かそうと思う必要は必ずしもない | ・保育の経験を無理に活かせる仕事に固執する必要はない ・保育士は異業種への転職が難しい傾向 ・まず自分のやりたい仕事に挑戦するのが良い |
必ず聞かれるのは「なぜ保育園で働かない」か | ・他業種の面接でほぼ必ず聞かれる質問 ・なぜその会社で働きたいか理由と熱意を伝える ・説得力を持って話せれば普通より有利になる可能性もある |
せっかく資格取ったんだからと家族などに反対される | ・家族の反対は資格を使わないのは「もったいない」気持ちから ・資格があっても他の業種を経験し合わなければ保育士に戻れば良い ・他の仕事からの保育士への転職は現在比較的容易 |
まとめ:保育学生は保育士・幼稚園教諭以外の就職先に就職できる? | ・保育学生も保育士以外に就職可能 ・資格は将来いつでも活用できる国家資格 ・他業種への就活で不利になりにくい ・興味のある分野に挑戦することも有効 |
よくある質問(FAQ) | ・保育の学びはコミュニケーション能力など多くの職場で役立つ ・親の反対理由は「もったいない」気持ちや将来への不安 ・保育系卒が一般企業の就活で不利になることは少ない ・他の仕事から保育士への転職は現在容易 |
- 保育学生だけど保育士や幼稚園教諭以外の就職先に就職したい
- 保育学生は現実的に保育士・幼稚園教諭以外の就職先に就職できる?
保育士・幼稚園教諭をめざして勉強しているみなさんの中には、将来の進路に悩んだり、本当にこの仕事が自分に合うのかと不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
せっかく資格を取るのに、保育以外の仕事を選ぶのはもったいないのかもしれないと迷うこともあるかと思います。
結論からお伝えしますと、保育系の学校を卒業したとしても、保育士や幼稚園教諭以外の就職先に進むことは十分に可能です。
これは決して特別なことではありません。
そして私個人としては、せっかく保育士の資格を取るのですから、まず保育以外の業種で働いてみて、もし合わないと感じたら保育士に戻るというキャリアの選択肢を持つのは、むしろ良い方法だと考えています。

保育の勉強をしてきたけれど、本当に保育士以外の仕事に就けるのかな?

心配ありません、他の業種へ就職することは可能です
結論から言うと、保育の専門学校や保育科などを卒業していても保育士・幼稚園教諭以外の就職先に就職することはもちろん可能です。
むしろ私個人的な考えでは、せっかく保育士の資格があるので、保育以外の業種で働いてみてだめだったら保育士に戻れば良いと思っています。なので一般企業を経験してから保育士になるというのは割と良い選択だと思います。今回はこのことを中心に保育学生は保育士・幼稚園教諭以外の就職先に就職できるのかということを説明します。
新卒の際に就職活動をした経験があります
その経験が参考になればと思います
保育学生は保育士・幼稚園教諭以外の就職先に就職できる
結論から言うと、保育の専門学校や保育科などを卒業していても保育士・幼稚園教諭以外の就職先に就職することはもちろん可能です。
2015年の厚生労働省の調査によると、保育士養成施設の卒業者の約半数(約55%)は保育士施設に就職しており、約45%はそれ以外の進路(就職、進学、その他)に進んでいます。
実際に、保育士養成施設を卒業して保育士資格を取得しても保育園などで働かない人が結構多いことがわかります。
やはり低賃金やサービス残業などの保育士のブラックなイメージから、保育士にはならずに一般企業に就職する人が多いのでしょうか。
保育士にならないのことはもったいないことではない
- 「せっかく資格をとったのにもったいない」
- 「なんのために学費を出したと思っているの」
保育士の養成施設を卒業して保育士の資格を取った学生が、保育士にならないことを家族や友人に告げると必ず言われることのが上記のような内容です。
果たして本当に「もったいない」のでしょうか。私個人としては、そうは思いません。むしろ逆で、保育士資格があるのに別のことに挑戦しないのがもったいないと思います。
なぜなら、保育士には 割と いつでもなることができるからです。これについては以下の記事でも解説しています。
仮に親が学費を負担していたとしても、それは無駄では有りません。「保育士」の資格は、国家資格ですし、半永久的に有効です。
もし万が一、新卒で入った保育以外の企業に合わなかった場合にあらためて保育士になるという選択肢を取ることができます。これは大いに意味があることです。
昨今の保育士不足の影響から、保育士以外の職業から保育士になるのは割と可能ではありますが、保育士から他の職業になるのは結構難しいです。
どうやって親や周囲を説得すべき?
自分で学費を出して保育士の資格をとったのならとやかく言われる筋合いは無いと思いますが、実際、学費などを負担してもらっている人も多いと思います。
そのような場合にどのように親や周囲の人間を説得すれば良いかを紹介します。
- なぜ保育士以外のことをやりたいのか具体的に説明する
- 保育士資格を取ったことは無駄ではないことを説明する
例えば自分の興味や趣味だけで、〇〇になりたいと漠然というのは、親からすると反対したくなることが多いです。
そうではなく、具体的にどういう点で保育士が悪く、こちらの職業が良いのかという点を説明したほうが良いです。
単に保育士になるのが嫌で、保育士以外に具体的な希望の職種・職業がない場合でも説得は可能です。
例えば、初任給はいくらで、年収がいくら、将来的にどれくらい昇給するかなどを比較して説明すればよいです。実情として、サービス残業、持ち帰り残業、有給も取りにくいということもあわせて説明しても良いです。
比較した結果、保育士以外の職業の方がよいという結論に至ったことを説明します。
そして、前述したように保育士資格を取ったことは無駄ではなく、今後そのことが生きてくる可能性があることもあわせて伝えられると良いです。
大前提として、親は子どもに対して不安を抱きたくないという考えの方が多いので、それを払拭することが大切です。相手にもよるとは思いますが、ここまでくれば、最終的には自分の決断・判断になります。
思っている以上に就職活動で不利にはならない
日本の会社は新卒にそこまで即戦力を求めない場合が多いので、保育系の専門学校などの卒業見込みだからといって他の業種の就職活動で不利になるということは少ないです。もちろん、他の業種の企業は「なぜ保育士にならないのか」ということは気になるとは思います。
大学を卒業しても実務には役に立たない分野しか学んでいなかったり、ただ遊んでいただけの人もいます。それでも新卒として就職活動をしてうまく就職できている人もいます。
それを考えるとしっかり勉強をして、保育士などの資格を取る予定のある学生が不利になるということは考えづらいです。
もちろん会社によっては公では明言されることはないですが、学歴フィルターのような形で一定の学歴がないとそもそも面接すらしてくれないという会社もあるので、その点は注意が必要です。
特に、新卒を採用する企業はコミュニケーション能力を重視する傾向があるので、その点をアピールできるとより有利かもしれません。
保育以外の会社に就職する際のポイント
保育以外の会社に就職する際のポイントは以下になります。
- 一般常識はある程度必要
- 会話・コミュニケーション力
などになってくると思います。このような情報は新卒向けの就職サイトなどが得意な分野になると思うのでここでは詳細は割愛します。
これでわかるように、別に保育学生だからといって不利になるような内容では有りません。むしろ保育園の新卒の採用でも求められる能力になってくると思います。
なので保育園に採用されるような保育士は一般企業でも採用してくれる可能性は高いわけです。
ただ、保育園の面接では少ないですが、企業によってはSPIと言われる一般常識テストを出題することがあります。そこであまりにも点数が低いと落とされてしまうということもあります。
なので、そのような一般常識も業種・業界によってはある程度は身につける必要があるかもしれません。
保育士を活かそうと思う必要は必ずしもない
保育系の学生によくありがちなので、勉強してきた保育の経験を無理に活かそうと就職先を考えてしまうことです。つまり子供と関わる職業にしようなどという考えです。
もちろん、本人の希望としてそういう仕事をしたいのであれば全く問題ないですが、安易に採用されそうだからといってそのような仕事を選ぶのは軽率かなと思います。
先にも言ったように日本の会社は新卒に対してそこまで即戦力のような人材を求めているわけではありません。
なので無理に自分がやりたいことを曲げて、勉強してきた保育の経験にすり寄る必要はないです。
残念ながら、保育士自体の待遇が低いので、基本的に保育士資格を活かせるような仕事も低待遇である場合が多いです。もしそのような仕事があれば、保育士がそちらに多く流れているはずです。
今は保育士不足、異業種から保育士に転職するのはそこまで難しくないです。逆に保育士から異業種への転職はなかなか難しいです。
つまり、もし万が一新卒で入った会社が合わずに、やっぱり保育士になったけど、やっぱり保育士がキツかったという場合に、A業種 -> 保育士 -> A業種という転職が可能です。経験のあるもとの業種に戻るという方法です。A業種と業務内容が近い、C業種やB業種といった形での転職もしやすいかもしれません。
しかし、保育士の資格を活かそうとすると、保育士を活かした業種から保育士へ、そして再び保育士を活かした業種へという転職の流れになってしまいます。すべて保育が軸になってしまうので、保育業界から抜け出すのが難しくなってしまいます。
とりあえず勉強してきた保育の経験は置いておいて自分の第一希望の職種や職業の会社の選考を受けてみると良いと思います。
その後にどうしても採用してくれないということになれば、子供と関わる職業を狙うのが良いと思います。
必ず聞かれるのは「なぜ保育園で働かない」か
保育学生は保育士・幼稚園教諭以外の就職先を探す際に面接などで必ず聞かれることは「なぜ保育園で働かないのか」ということです。
無難な受け答えとしては、
- 実習したらブラック過ぎた
- 先輩などブラックな噂しか聞かない
等だと思います。
答え方によって、受け取り手の業種や性格にもよると思いますが「飽きっぽい性格」だと思われてしまうとマイナスになってしまうこともあります。
企業からしたらすぐに辞められてしまうのではないかという懸念を抱かれてしまうからです。
一度は保育士として保育園で働こうと思って保育系の学校に入っていると思うので、そこがなぜ変わっていま面接している会社で働きたいと思うようになったのか。
それをしっかり説得力や熱意を含めて答えられるようになれば、むしろ普通の新卒よりも有利になる可能性すらあると思います。
せっかく資格取ったんだからと家族などに反対される
よく聞くことで、保育系の学生が他業種に就職しようとすると「せっかく資格取ったんだから」と家族などに反対されるということです。
これに関しては、私個人の意見としては間違っていると思っています。
私はむしろ逆で、せっかく保育士の資格があるので、保育以外の業種で働いてみて、だめだったら保育士に戻れば良いという考え方です。これについて以下の記事でも解説しています。
昨今の保育士不足の情勢を考えると、保育士から一般企業に転職するのはなかなか大変ですが、一般企業から保育士に転職するのは割と簡単です。
なので一般企業を経験してから保育士になるというのは割と良い選択だと思います。
最近では、保育士の処遇改善も進んできているので、そのころには今より保育士の給料があがっているかもしれません。
保育士以外にチャレンジしてみたい夢がある場合は先にそちらにチャレンジしてから保育士になっても遅くないと思います。
まとめ:保育学生は保育士・幼稚園教諭以外の就職先に就職できる?
この記事では、保育学生のみなさんが抱える「保育士・幼稚園教諭以外の就職はできるのか」という疑問についてお答えしました。
一番お伝えしたいのは、せっかく保育士の資格を取得したのですから、一度他の分野で経験を積んでみて、もし違うと感じたら保育士に戻るというキャリアの選択肢を持つことは、むしろ素晴らしいことだという点です。
卒業後の進路に悩んでいるみなさん、ぜひこの記事を参考に、ご自身の可能性を広げてみてください。
せっかく保育士資格を取ることができるので、違うことにチャレンジしてみるのも良いと思います。応援しています。
よくある質問(FAQ)
- Q保育士資格や保育の学びは、保育士以外のどのような仕事で活かせますか?
- A
保育士の資格や保育の学びは、子どもと関わる仕事(学童保育、放課後等デイサービス、病児保育など)以外にも、さまざまな仕事で活かせます。
例えば、保護者や子どもとの丁寧なコミュニケーション能力、相手の気持ちを理解しようとする姿勢、臨機応変に対応する力などは、どのような職場でも求められる能力です。
また、子どもの発達に関する知識や心理への理解は、子ども向けの商品を扱う企業や、教育関連の企業などでも役立てられます。
必ずしも直接的に保育の専門知識を使う仕事でなくても、学生時代に培った人間性や問題解決能力は、一般企業の就職活動で有利に働くポイントとなります。
- Q保育以外の会社に就職することに対して、親が反対する主な理由は何だと考えられますか?
- A
親が保育以外の会社に就職することに反対する場合、「せっかく高い学費を払って保育士資格を取得するのに、使わないのはもったいない」という気持ちがあることが大きな理由の一つと考えられます。
また、「保育士という安定した資格を活かさないで大丈夫か」「子どもが将来後悔しないか」といった、お子さんのキャリアパスや将来への漠然とした不安も関係しています。
親の心配を和らげるためには、なぜ保育士以外の仕事に興味を持ったのか、その仕事でどのようなスキルを身につけたいのかを具体的に説明し、保育士資格は将来いつでも活かせる国家資格であることを丁寧に伝えることが大切です。
- Q保育系の学校を卒業したことが、一般企業への就職活動で不利になることはありますか?
- A
保育系の学校を卒業したことが、一般企業の就職活動でそれほど不利になるということは考えにくいです。
日本の多くの企業は新卒採用において、即戦力よりも、真面目さ、学ぶ意欲、コミュニケーション能力などを重視する傾向があります。
保育の学びを通して培われたコミュニケーション能力や、資格取得に向けて努力した経験は、むしろ強みとしてアピールできます。
企業によっては「なぜ保育士にならないのか」と質問されることがありますが、正直に理由を説明し、入社したい企業への熱意を伝えられれば問題ありません。
学歴だけで判断する企業もありますが、しっかり準備をして臨めば、不利になることはありません。
- Qもし保育士以外の仕事が合わなかった場合、保育士に戻ることは簡単にできますか?
- A
新卒で保育士以外の企業に就職した後で、もしその仕事が合わなかった場合、保育士に戻ることは十分に可能ですし、むしろ異業種から保育士への転職はしやすい状況にあります。
現在は全国的に保育士が不足しています。
そのため、一度保育士資格を取得していれば、経験がない方でも採用されやすい傾向があります。
せっかく取った保育士資格を将来の選択肢として持っておくことは、キャリアを考える上で非常に有効な手段となります。
一般企業で社会人経験を積んでから保育士になることは、一般常識やコミュニケーション能力といった面で保育士の仕事にも役立つことが多くあります。
- Q保育士以外の仕事を選んだ場合、給料や働き方は保育士と比べてどう違うことが多いですか?
- A
保育士の給料は他の業種と比較して低い傾向にあると言われています。
そのため、保育士以外の一般企業などに就職した場合、職種や企業規模にもよりますが、一般的には保育士よりも給料が良い、あるいは昇給が見込めるケースが多くなります。
また、サービス残業や持ち帰り残業が少ない、有給休暇が取りやすいなど、保育士と比べて働き方の面で良い条件の職場が見つかる可能性もあります。
もちろん、これも業界や個々の企業によって大きく異なりますので、応募する企業の労働条件をしっかりと確認することが重要となります。
- Q保育士以外の会社に就職する場合の面接で、「なぜ保育園で働かないのか」以外によく聞かれる質問はありますか?
- A
「なぜ保育園で働かないのか」という質問はほぼ必ず聞かれると考えられますが、それ以外には一般的な新卒採用の面接で聞かれることが多い質問が中心となります。
「志望動機」「学生時代に力を入れたこと(ゼミ活動、サークル活動、アルバイトなど)」「自己PR(長所・短所)」といった質問への準備は必須です。
保育系学科での学びや経験を通じて、どのようなことを頑張ったのか、そこから何を学んだのかを具体的に話せると良い印象を与えられます。
特にコミュニケーション能力や、チームで協力した経験などは、多くの企業が重視する点となります。