20代の若手保育士の方で、転職をするかどうか迷っているという方。まだまだ経験が浅いので、なんとなく転職はしないほうが良いと思っていませんか。
結論から言うと、20代保育士が転職を考えたり、転職をするというのは決して早すぎることではないです。むしろ、保育士は不満があるならなるべく早く転職したほうが良いです。
それには一般企業の転職とは少し理由が異なる事情があります。今回は、保育士は不満があるなら早く転職したほうが良い理由について解説しています。
複数の保育士転職サイトを利用して転職活動をした経験があります
20代での転職経験が複数回あります
その経験が参考になればと思います
20代保育士が転職は早くない。不満があるなら早く転職したほうが良い理由
20代保育士が転職をする、考えるというのは決して早すぎることではないです。以下に大きく4つの理由を上げています。
- 理由1:保育士の転職に時期はあまり関係ない【タイミング】
- 理由2:保育士は経験○年ないと転職できないということがない
- 理由3:保育士のほとんどのスキルは転職後も経験できる
- 理由4:保育士は不満のある環境に我慢して得られるものは少ない
これらの理由についてそれぞれ詳細を解説していきます。
理由1:保育士の転職に時期はあまり関係ない【タイミング】
保育士以外の一般の会社などの場合は、転職を考えている人にとっている転職するかというのはとても重要な要素になります。
時期によってはそもそも求人が少なかったり、景気不景気によっても左右されるためです。例えば、コロナウィルスの流行が起きる直前と直後では、求人の状況というのは大きく異なっています。
同じ人が転職活動をした場合に、おそらくコロナウィルスの流行後のほうが圧倒的に選択肢も少なく待遇面も悪くなると思います。なので、不景気になってくると不満があっても転職をせずに、とりあえず今の会社で我慢しようと考える人が多いです。
一方、保育士の場合は、あまり景気や時期などに左右されることがありません。過去にもリーマンショックなどで不景気が訪れた際にも保育業界にほとんど影響はありませんでした。その上、近年は保育士不足で毎年保育士の求人募集も増加傾向にあります。
新年度に向けて求人が増加することはありますが、採用する保育士の人数は決まっているので、採用枠が埋まり次第、求人が減っていきます。なので早く転職活動をしたほうが良い求人が残っている場合も多いです。
理由2:保育士は経験○年ないと転職できないということがない
次にスキルや経験面ですが、よく言われるのは最低でも3年間は同じ会社で働けというようなものだと思います。一般企業はもしかしたらそのような傾向は強いかもしれません。新卒ですぐに会社を辞めただけで「我慢できない」「問題児」というレッテルを貼られてしまうことも少なくないようです。
ただ、保育士は経験○年ないと転職できないということがほとんどありません。特に昨今は保育士不足なので、猫の手でも借りたいというのが保育園の本音だと思います。
極端な話、経験が浅く従順で人件費の安く済む若手保育士のほうが、独自のやり方に染まっている人件費の高いベテラン保育士より優先して採用したいという保育園もあります。(ただし、ブラック保育園にありがちな考え方でもあるので、注意してください。)
なかには主任経験など経験がある保育士を募集しているという保育園ももちろんありますが、それらを除いても求人はありあまるほどあるのが現状です。なので保育士が20代で経験が浅い、経験が数年以上ない場合でも、応募できるまったく求人がないということは現状ありません。
理由3:保育士のほとんどのスキルは転職後も経験できる
一般企業では、不満があっても今の会社で少々大変でもその経験を積んでおくことで、転職時のアピールになるということが考えられます。仕事内容が会社によって大きく異なるので、その会社でしか経験できないという内容も多いと思います。20代となるとスキル不足でまだ転職しないほうが良いと考えて、とりえず今の会社で働くことを選ぶこともあります。
一方、保育士はというと、基本的に認可保育園であれば積むことができる経験はかなり似通っています(教育手法・園の保育方針の違いや定員規模によって多少は異なりますが)。同じような経験を積むのであれば、不満がある環境ではなく、長く働けると思う環境で経験を積んだほうが効果的だと私は思います。
20代であれば、まだ、保育に関するスキルや考え方も定着していないこともあると思います。スキル面でもより自分にとって良い環境で定着させたほうが効率も良いです。例えば、今が子どもへの態度や扱いが良くない保育園だとしたら、その保育園で変なんスキルが身についてしまうかもしれません。
その園でしか積むことができない特別な経験が今後待ち構えているならまだしも、そうでないのであれば、不満に耐えて働くのは得策とは言えないでしょう。
理由4:保育士は不満のある環境に我慢して得られるものは少ない
保育士は不満のある環境に我慢して得られるものは少ないです。例えが適切かはわかりませんが「昭和の部活動で水を飲むことを禁止する」というような考え方です。これにまったく意味がないとは言い切りませんが、私はそこまで意味のあることだとは思いません。
前述したとおり、不満のある保育園でも、そうでない保育園でもほとんどの業務内容は似通っています。そうであれば、不満に耐えるよりも、給料面、人間関係などの面で自分が納得のいく環境で不満が少なく働いたほうが良いです。そのほうがスキルや知識面でも結果的に良くなると事が多いと思います。
辛い環境に耐えることに意味があると考える方以外は、できる限り早く転職をしたほうが良いです。
理由5:給料面でも早く転職したほうが良い
20代で経験も浅く、昇給に関してはあまり考えていない人も多いかもしれませんが、給料面を考えても、早く転職したほうが将来的に良くなる場合が多いです。保育士としての評価のされ方も園によって、園長によっても異なるためです。長く働けると自分が思った保育園で昇給を目指したほうが効率が良くなります。
今の不満のある保育園の求めるスキルや経験を積んで昇給を目指すよりも、転職先の保育園で求められるスキルや経験を積んで昇給を目指したほうが、将来的には給料もよくなるでしょう。
また、有給休暇に関しても、勤続年数で付与日数が増えていくので、はやいうちに不満のある保育園を退職して、新しい保育園の勤続年数を増やしたほうがお得です。(有給休暇は初年度10日付与、次年度11日付与と同じ法人での勤続年数で増えていくのが一般的です。)
その他にも、勤続年数などに応じて休暇などで利用できる制度がある保育園も少なくないので、辞めると思いながら働き続けるのはもったいないことです。
【注意点】さらに悪い環境の保育園に転職してしまう可能性もある
ここまで「不満があるなら早く転職したほうが良い」と少し煽るような形になってしまいましたが、もちろん保育士の転職にはリスクもあります。
それは「今よりも悪い環境の保育園に転職してしまう」ということです。20代で転職経験もないと、ブラック保育園に騙されてしまって入職をしてしまうということもありえます。
給料面は事前にある程度わかると思いますが、入職して後に昇給額が雀の涙ほどしかない園だったとか、処遇改善が正しく支給されない園だったと発覚して転職を後悔する人も少なくないです。
人間関係に関しても、面接のときは良い雰囲気だったけど、入ったら地獄のような雰囲気だった等がありえます。これらは、保育士の転職あるあるようになってしまっていると思います。
そうならないために、まずは、今の保育園の労働環境を冷静に客観的に判断することが大切です。今の保育園の環境が周りの保育園と比べてどのように異なっているかということです。
給料はもちろん、サービス残業や持ち帰りの仕事、出勤日数や休暇の取得のしやすさ、保育士の人数は足りているのか、適切な評価を受けているか、人間関係についても大切です。それ以外にも自分が保育士として働く上で大切にしている基準等もです。
- サービス残業
- 持ち帰りの仕事
- 出勤日数
- 休暇の取得のしやすさ
- 保育士の人数は足りているのか
- 適切な評価を受けているか
- 人間関係 等
以下の記事でも転職の判断基準について書いています。
それらの様々な条件を考慮して、いまより良くなるかどうかということを考えて転職活動に望むことが重要です。ただやみくもに、なんとなく不満だから転職をしよう、なんとなく良さそうだからこの園に転職してみようと転職を決めてしまうと、いまより悪い環境になってしまうかもしれません。そうなってしまったら転職の意味がないですよね。
その他にもブラック保育園の見極め方、転職時のコツなどを「転職マニュアル」として公開しています。参考にしてみてください。
【まとめ】20代保育士が転職は早すぎない。保育士は不満があるなら早く転職したほうが良い!
20代保育士が転職は早すぎるということはなく、むしろ、保育士は不満があるなら早く転職したほうが良いです。
- 理由1:保育士の転職に時期はあまり関係ない【タイミング】
- 理由2:保育士は経験○年ないと転職できないということがない
- 理由3:保育士のほとんどのスキルは転職後も経験できる
- 理由4:保育士は不満のある環境に我慢して得られるものは少ない
特に認可保育園は制度も補助金もほとんど横並びなので、不満のある保育園ではなく、不満が少ない保育園いち早く働いたほうが自分自身にとって良いことが多いです。無責任だとか我慢しろなど周囲の人は言うかもしれませんが、それはその人にとって転職されるのが都合が悪いからです。本人のことを考えて言っていることではありません。
ただし、転職にはもちろん注意点もあります。注意点はさらに悪い環境の保育園に転職してしまうリスクもあるということです。
そのようにならないために、保育士が転職をする際の保育園の見極めがとても重要になっています。しっかりと転職先の保育園を見極めて転職を成功させましょう。