目次 | 内容 |
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幼稚園教諭の仕事内容、一日の流れを紹介 | ・早番と通常勤務のシフト制、早番は開園準備や送迎バス対応を担当 ・日中は自由遊び、朝礼、クラス別活動、昼食、午後の活動を経て園児が降園 ・降園後はバス添乗、片付け、延長保育、書類作成などの業務 ・定時は17時だが、多くの場合残業あり |
幼稚園教諭の起床時間について | ・勤務時間により異なるが、筆者の場合は午前6時頃に起床 ・通勤に約30分、給食がない日は弁当作りが必要 ・園児と共食のため、購入した弁当は原則不可 |
幼稚園教諭の休憩の時間について | ・基本的にまとまった休憩時間の確保は困難 ・園児の降園後に多少の解放感を得られる程度 ・給食や弁当の時間が建前上の休憩時間 |
幼稚園教諭の残業などの時間について | ・日々の業務や行事準備により、毎日1〜2時間の残業が常態化 ・特に行事前は残業時間が増加する傾向 ・残業代や早番の早出勤手当の支給は基本的にない |
幼稚園教諭の持ち帰りの仕事について | ・月の指導計画作成や連絡帳などの書類仕事を自宅で実施 ・ピアノが不得意な場合、発表会などの行事前の練習も必要 ・1日平均30分から1時間程度の持ち帰り業務が発生 |
幼稚園教諭の就寝時間について | ・持ち帰りの仕事があるため、帰宅後は食事、入浴、就寝が中心の生活 ・平日に自分のための自由な時間は1時間程度確保できれば良い方 |
まとめ | ・仕事内容は保育活動に加え、開園準備、書類仕事、行事計画・実行と多岐にわたる業務 ・まとまった休憩は取りづらく、残業や持ち帰り仕事が発生しやすい傾向 ・早番は他の職員より早く出勤し、園全体の環境整備や受け入れ準備を担当 ・これらは一個人の体験であり、実際の勤務状況は園により異なる点を明記 |
よくある質問(FAQ) | ・やりがい:子どもの成長の瞬間の立ち会いや日々の成長の見守り、保護者からの感謝、行事成功の達成感 ・保育士との違い:幼稚園教諭は「教育」重視(文部科学省管轄)、保育士は「生活面の援助」を含む「保育」全般(厚生労働省管轄) ・保護者との関わり:送迎時の情報交換、連絡帳、個別相談、定期的な懇談会や個人面談での情報共有 ・行事準備と持ち帰り仕事:子どもの練習指導、衣装・道具製作、運営計画等。持ち帰り仕事は書類作成や製作物、ピアノ練習など |
- 幼稚園教諭の具体的な仕事内容が知りたい!
- 幼稚園教諭の仕事の一日の流れを知りたい!
幼稚園教諭の仕事に興味があるけれど、実際のところ毎日どんな仕事をしているのか、どれくらい忙しいのか、気になりますよね。
この記事では、元幼稚園教諭の私が、子どもたちと過ごす時間だけでなく、書類仕事や行事準備、さらには休憩や残業といったリアルな一日を、朝の出勤から夜の退勤、持ち帰り仕事まで詳しくお伝えします。

幼稚園の先生って、パンフレットに載ってない仕事もたくさんあるのかな?休憩とかちゃんと取れるんだろうか…

大丈夫ですよ、この記事を読めば、幼稚園教諭の具体的な業務内容から勤務実態までしっかりわかります!
- 元幼稚園教諭が語るリアルな一日の流れ
- 幼稚園教諭の具体的な仕事内容とタイムスケジュール
- 残業や休憩時間、持ち帰り仕事の実態
- 早番・通常勤務の出勤・退勤時間
この記事では当時幼稚園教諭だった私のリアルな一日の仕事の流れを解説しています。あくまでも私の場合の一日の流れなので一般的なものと違う場合もあるのでその点はご了承ください。
その経験が参考になればと思います
幼稚園教諭の仕事内容、一日の流れを紹介
平日の普通の日の幼稚園教諭の一日の仕事の流れを紹介します。あくまでも私が勤めていた幼稚園での一日の流れになります。その点はご留意ください。
幼稚園教諭のシフト・出勤時間について
私が勤めていた幼稚園ではシフトは「早番の人」と「それ以外の通常の勤務時間の人」にわかれていました。出勤時間は一週間ごとに変更する交代制でした。一週間は同じ時間に出勤します。
出勤時間がわかれているのは主に幼稚園の解錠や送迎バスの対応があるためです。
出勤時間は分かれていましたが、退勤時間は残業などがない場合は基本的に一緒でした。つまり、早番の人が労働時間が長いことになります。(後述しますが、出勤時間が早くても残業代は出ず、退勤時間は一緒でした)
早番・中番・遅番は持ち回りでくじによってなるべく均等に割り振られていました。
早番の開園準備など 7:50〜
早番の幼稚園教諭は幼稚園の開園前に出勤して様々な準備を行います。ちなみに早番は3人体制です。
早番の3人のうち1人は園児の送迎バスに乗ります。それ以外の2人の早番の先生は以下の作業を行います。
バスは一台のバスが様々なルートを回っているので、時間差での登園になります。
- 幼稚園の解錠
- ゴミ捨て
- 全部屋のカーテンあけ(全部で7部屋くらいあるので大変)
- 窓開け
- 前日捨てたゴミ箱の設置
- 冬場は加湿器の設置
- 電話対応
- 休みの子の連絡がきたら電話をとり休みの子の記入
これらの作業を他の先生が出勤してくる8時30分までに終わらせます。
ちなみに、さらに早くから来てピアノの練習なども独自に行うことがありました。
早番以外の人の出勤 8:30〜
出勤後は自分の係の仕事を行います。例えば以下のような仕事があります。
- バス添乗
- 台所でお湯を沸かしたりの準備
- 遊具設置係
- 朝の朝礼司会
- お預かりの担当
係がなかったり、終わった人は各クラスの準備を始めます。
自由遊び・戸外遊び 9:00〜
私の働いていた幼稚園では、「徒歩通園」「バス通園」の2つのパターンがあり、バスは5つのコースを1台が巡回するので、時間差での登園になります。
最初の方は子どもの人数が少ないため2つの部屋で自由遊びになります。それぞれの教室に一人ずつの先生が見ています。
室内での自由遊びが終わったら戸外遊びを10時頃まで行います。10時までに片付けを終わらせます。
朝礼 10:00〜
10時からは朝礼を行います。朝礼は以下の内容になっています。
- 挨拶
- 先生の話
- その時期に行なっている体操(運動会前ならラジオ体操や旗体操など)
体操後は各クラスで鉄棒、滑り台、フラフープなどなにかしらの遊具を使うか、スキップケンケンなどの活動を1つ行って入室します。
クラス別の活動 10:30〜
ここからは各クラスの活動になります。毎月カリキュラムが決まっていて担任がその日にやることを決めて行います。
年長は字やピアニカを習ったり、製作活動がメインになります。毎週1回は外部の体操の先生が来て体操を行っていました。
年少や年中は製作活動などがメインです。そのほかにも毎月できるようになりたい運動などを目標にして活動の中に取り入れたりしていました。
時期によってはプールや運動会練習、発表会練習(私が働いていた幼稚園はオペレッタと合唱奏でした)を主活動で行っていました。
昼食(弁当 or 給食)12:00〜
12時過ぎから昼食です。私が働いていた幼稚園では弁当の日と給食の日がありました。週2回は給食の日があり、先生もその給食を食べていました。それ以外の日はお弁当だったので先生もお弁当を持ってくる必要がありました。
食べ終えたら、14時の降園時間まで再度活動を行います。
基本的に自由遊びはなく、年長は午後も製作や字の練習などをしなければ月のカリキュラムがこなせないため意外とキツキツの状態でした。
年少や年中は午後自由遊びや外遊びをする時もありました。
降園 14:00〜
13時半過ぎから降園の準備をし14時に降園が始まります。
朝と同様にバスに乗る子は各ルートに分かれて部屋で待機しているため、自分たちで移動します。
バス待ちの子は自由遊びをしたり絵本を読んだり手遊びゲームをして待ちます。徒歩通園の子は14時ぴったりに降園になります。
片付けや延長の預かり保育 14:00〜
14時以降は先生は以下の役割ごとに分かれます。役割は持ち回りで担当になります。
- バス添乗する人
- 部屋のゴミを集め、片付け
- 使っていない部屋のカーテンや戸締りを済ませる人
- 洗い物をする人
- 遊具を片付ける人
- 17時まで延長の子の保育をする人の係
自分の係の仕事が終わった後は日誌を書いたり、次の日の保育の準備や行事の準備を行います。
退勤 17:00〜
17時まで延長担当の先生のみ1日保育を行う形になりますが、それ以外の先生は自分の係の仕事が終わったあとは自分の担当の書類系の仕事に集中できるようになります。
このときに日誌を書いたり、次の日の保育の準備や行事の準備を行っていました。
17時になったら延長の子どもも全員が帰るので、先生たちも退勤の時間になります。
ただし、大体やることが終わっていなかったり、ピアノの練習をしたりしているので1〜2時間は残業があります。
幼稚園教諭の起床時間について
早番などの時間にもよりますが、私の場合は朝の6時には起床していることが多かったです。
通勤時間は30分程度でしたが、給食がない日は(給食は週2回あり、それは先生も食べることができる)お弁当を作る必要があったので、それに時間がかかりました。今は保育園勤務で給食が毎日出るのでとてもありがたく、この差は意外と大きいです。
ちなみに給食の場合は、園児が食べるものと同様の仕出し弁当が出されました。多くの保育園とは違い、園内で調理しているものではなく外部の業者が届けたものになります。たまたまその園がそうだっただけかもしれませんが、お世辞にも美味しいと言えるものではなかったです。
また、お弁当は園児と一緒に取るので、スーパーやコンビニなどのお弁当やおにぎり、サンドイッチなどの購入品は駄目でした。先生がコンビニ弁当を食べているというのは見栄えが悪いからだと思います。それでも面倒なときは最低でも、購入したものを自分のお弁当箱に詰め替えるという作業が必要でした。
幼稚園教諭の休憩の時間について
幼稚園教諭時代は基本的に休憩という形のまとまった時間はありませんでした。園児の降園後にちょっと気が抜ける時間がある程度でした。
労働基準法などを正確に守るとしたら、業務から完全に離れている休憩時間を1時間は取る必要があるはずですが、それができる環境ではありませんでした。
幼稚園側の建前としては給食(お弁当)の時間が休憩の時間ということになっていたと思います。
幼稚園教諭の残業などの時間について
前項にも記載したとおり、一日でやることが詰まっており、行事の準備などもあるので毎日1〜2時間は残業をしていました。特に行事前は遅くまで残るということがありました。
それでも終わらない場合は家に持ち帰って残っている作業をやる必要がありました。しかしながらあくまでも残業は自主的にやっているという形だったので残業代というものは出たことはありません。
当然、早番で早く出勤していた分についても手当等の支給はありませんでした。全部の幼稚園がそうとは限りませんが、周りの話を聞くと残業代が出ない場合が多いです。
幼稚園教諭の持ち帰りの仕事について
幼稚園教諭時代は、月のカリキュラムを考えたり、書類の仕事を持ち帰ってやる必要がありました。書類を持ち帰ることができる状態になっていたので、多くの人が持ち帰りの仕事をしていました。もちろん給料は出ないのでサービス残業という形になります。
私はあまりピアノが得意というわけではなかったので、それ以外にもピアノの練習なども定期的に必要でした。特に発表会などの行事の前は課題曲の練習に多く時間を割く必要がありました。もちろんピアノができるという人は必要がなかったです。
まとめると、だいたい一日30分から1時間はなんらかの仕事を家でやっていたと思います。
幼稚園教諭の就寝時間について
前述の通り持ち帰りの仕事があるので家ではそれをこなす必要があります。次の日も朝が早いので、家では食事(手のかからない自炊かスーパーなどで購入したもの)を食べてお風呂に入って寝るぐらいの時間しかありませんでした。平日は、自分の時間が一日1時間取れれば良いほうといった感じです。
まとめ
この記事では、元幼稚園教諭が体験した幼稚園の先生の具体的な仕事内容や、出勤から退勤までのリアルな一日の流れ、さらには残業や休憩の実態について詳しくお伝えしました。
幼稚園教諭の一日の仕事の流れを時系列順にまとめると以下のようになります。
- 早番の開園準備など 7:50〜
- 早番以外の人の出勤 8:30〜
- 自由遊び・戸外遊び 9:00〜
- 朝礼 10:00〜
- クラス別の活動 10:30〜
- 昼食(弁当 or 給食)12:00〜
- 降園 14:00〜
- 片付けや延長の預かり保育 14:00〜
- 退勤 17:00〜
もちろん日によっては違いがありますが、大まかにはこのような流れで仕事をしています。
幼稚園教諭の仕事について、特に以下の点が重要になります。
- 子どもたちの保育活動に加え、園の開園準備から書類仕事、行事の計画・実行まで、仕事内容は多岐にわたること
- 昼食時以外にまとまった休憩時間は取りづらく、日々の残業や持ち帰り仕事が発生しやすい傾向
- 早番シフトの場合、他の職員よりも早く出勤し、園全体の環境整備や受け入れ準備を行うこと
- これらはあくまで一人の元幼稚園教諭の体験であり、実際の勤務状況は園によって大きく異なる点
この記事で紹介した幼稚園教諭の一日の仕事内容や勤務の実態が、みなさんが幼稚園の先生を目指す上での参考になり、具体的な働き方をイメージする一助となれば幸いです。
自分が働いていた幼稚園の話で、幼稚園によっても様々な違いはあると思いますので、参考程度に考えていただけたら幸いです。
保育士の一日の仕事の流れについては以下の記事で紹介していますので、そちらとも比較してみてください。
よくある質問(FAQ)
- Q幼稚園教諭の仕事で、大変なことだけでなく、やりがいを感じるのはどんな時ですか?
- A
子どもたちの「できた!」という瞬間に立ち会えたり、日々の成長を間近で見守れたりすることに、大きな喜びを感じます。
保護者の方から感謝の言葉をいただいた時や、運動会や発表会などの行事をクラス一丸となって成功させた時の達成感も、この仕事ならではのやりがいと言えるでしょう。
- Q幼稚園教諭と保育士の仕事内容で、一番大きな違いは何でしょうか?
- A
幼稚園教諭は小学校以降の教育への接続を意識した「教育」に重点を置いているのに対し、保育士は食事や排泄などの「生活面の援助」を含めた「保育」全般を担う点に違いがあります。
幼稚園は文部科学省、保育所は厚生労働省の管轄という違いもあり、活動内容の計画性なども異なりますね。
- Q毎日の保育以外に、保護者の方とはどのように関わりますか?
- A
朝の受け入れや帰りの引き渡し時の短い時間での情報交換はもちろん、連絡帳を使って日々の様子を伝え合ったり、個別の相談に応じたりします。
定期的にクラス懇談会や個人面談を実施し、子どもの園での様子や成長について共有し、家庭と連携して子育てをサポートすることも大切な業務です。
- Q運動会や発表会などの行事準備は、具体的にどのようなことをするのですか?
- A
行事に向けて、子どもたちの練習指導が中心になりますが、それ以外にもやることはたくさんありますよ。
例えば、衣装や大道具・小道具の製作、会場の飾り付け、プログラムの作成、当日の運営計画など、多岐にわたる準備を職員同士で協力して進めます。
事前の会議で内容を詰め、計画的に準備を進めることが大切です。
- Q持ち帰り仕事は、具体的にどのような内容が多いのでしょうか?
- A
園によって状況は異なりますが、日中の保育時間内だけでは終わらない業務を持ち帰ることがあります。
具体的には、指導案やクラスだより、園児の記録といった書類作成、壁面飾りや行事で使うものの製作などが多い傾向です。
ピアノが苦手な場合は、発表会に向けて自宅で練習することもありました。
- Q記事では休憩が取れないとありましたが、昼食以外に少しでも休める時間はありますか?
- A
子どもたちが降園した後の片付けや書類業務の合間など、意識的に時間を見つけて短い休憩を取ることは可能です。
しかし、電話対応や急な来客対応などが入ることも多く、労働基準法で定められているような、業務から完全に解放されたまとまった休憩時間を毎日確保するのは、残念ながら難しい職場が多いのが実態かもしれません。