幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは?切り替えはできる?保育士資格との違いは?

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これから幼稚園の免許や保育士の資格の取得を考えている方。幼稚園教諭の資格には実は種類があります。

こんな疑問や悩み、不満、経験はありませんか?
  • 幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは?
  • 切り替えはできる?
  • 保育士資格との違いは?

これから幼稚園の免許や保育士の資格の取得を考えている方向けに、幼稚園教諭一種と二種、専修などのそれぞれの違いを解説します。それぞれの違いによる、給料や待遇への影響や保育士資格との違いについても解説しています。

また、これから資格取得を考えている方の場合は、幼稚園教諭の取得と保育士の資格の取得のどちらがおすすめなのかという点も解説しています。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
その経験が参考になればと思います

幼稚園教諭免許状ってそもそもなに?

幼稚園教諭免許状は国家資格で、文部科学省の管轄する幼稚園で働く場合に必要な免許状になります。

つまり、幼稚園の先生になるためには取得が必須な資格になっています。

幼稚園教諭の資格取得方法は?

幼稚園教諭4年制大学・短大・専門学校・通信制大学で卒業と同時に資格の取得が可能です。

「教育職員免許法」に基づき短大・大学等の課程で所定の単位を習得、卒業後各都道府県教育委員会に申請し免許状が授与されることになります。

逆にいうとこれ以外には、資格を取得する方法は基本的にはありません。例外としては、教員資格認定試験や保育士向けの幼稚園免許取得の特例制度などがあります。

幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは?

幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは以下のような違いになっています。

専修・・・・大学院修士課程修了以上の学歴を有する者。
一種・・・・大学卒業以上の学歴を有する者。
二種・・・・短期大学卒業以上の学歴を有する者。(専門学校含む)

つまり、卒業している学校の種類によって取得できる免許が異なっています。

給料の違いは?

給料に関しては、一種や専修の保持者のほうが高く設定されている幼稚園もあります。これに関してはその幼稚園次第になると思います。

幼稚園に限らず、保育園や一般企業でも、短大や専門学校卒者よりも大卒や院卒者のほうが優遇される場合が多いです。

ただ、年齢は短大や専門学校を卒業している二種の取得者のほうが若い場合が多いので、将来的な給料には、そこまで大きく関係がないことも多いと思います。

その他の違いは?

幼稚園教諭として幼稚園できることに一種と二種、専修でほとんど違いは有りません。

実際、幼稚園で働いている同僚がどの種類の免許なのかを気にする場面はまったくありません。

唯一違う点としては、幼稚園の園長になる場合です。園長を目指す場合は一種か専修の免許状の保持が必要になります。

つまり、園長を目指す場合以外においては、資格上の違いは特にないということになります。

切り替えはできる?

また、二種の場合でも5年以上の実務経験を経たあと大学等で単位を取得することで一種へ切り替えることができるので、すでに二種を取得済みの方も、園長を目指すことは可能になっています。

なので、これから資格を取ろうという方の場合は、あまり、資格の種類自体を気にする必要は無いと思います。

保育士の資格との違いは?

保育士の資格と、幼稚園教諭の免許は全く異なるものになります。保育士の資格の管轄は、厚生労働省で幼稚園教諭の資格の管轄は文部科学省になります。

保育士の仕事は保育園で働く際に必要になり、幼稚園教諭の資格は幼稚園で働く際に必要になります。最近では、両方の資格が必要な保育教諭という職業もあり、そちらは認定こども園で働く両方の資格の保持者になります。

働くことができる施設の違い

保育士の資格がある場合は、保育園で働くことが可能です。保育園では0歳から5歳までの未就学児の保育を行います。

幼稚園教諭の資格を持っている方は、幼稚園で働くことが可能です。幼稚園は3歳から5歳までの未就学児に教育を行います。

ただし、最近では、保育園でも教育を、幼稚園でも保育を行うという方針になっており、その違いはかなり曖昧になってきていると思います。

また、幼稚園と保育園の機能を併せ持った認定こども園も増えており、さらにそれぞれの役割は曖昧になってきていると思います。

認定こども園では保育士と幼稚園教諭の資格の両方を持った保育教諭が就業が可能ですが、現時点では特例として片方の資格のみで働ける場合もあります。

保育園と幼稚園のそれぞれで働く場合の給料や働き方の違いについては以下の記事を参照してください。

更新に関する違い

保育士の資格は、保育士試験に合格する、もしくは、専門学校や大学などで単位を取得して卒業した取得しますが、その後に、「保育士登録」を行うと更新は不要になります。

幼稚園教諭の免許は、更新制になっていて、資格を得てから10年後の年度末までが有効期限になっています。それまでに更新の作業が必要になります。多くの人の場合は、大学や専門学校を卒業した場合の、10年後の年度末が期限になると思います。

更新しないと、幼稚園教諭として働くことができなくなってしまうので、注意が必要です。

ただし、その時点で幼稚園教諭として働いておらず、今後も働く気が無いのであれば、更新の作業は必ずしも必要ではありません。

ちなみに、現時点で幼稚園教諭として働いていない場合は、万が一、更新を忘れてしまった場合や、更新をしなかった場合に、再度講習を受講することで免許の再授与を受けることも可能です。

資格取得の難易度は?

保育士と幼稚園教諭の資格取得の難易度はほとんど差は無く、短大、専門学校や大学などで必要な単位を取得して卒業することで取得が可能です。その場合はどちらも最短で二年で取得が可能です。

ただ、大きな違いとしては、保育士の資格には、保育士試験があり、試験の受験資格(大卒以上等)を満たしていれば、試験に合格すれば、学校などに通うことなく、取得が可能です。

その場合は、最短で半年程度で取得が可能になります。

そういった点では、特に就業中の社会人に関しては、これから資格取得を考える場合は、保育士の資格の取得がおすすめです。働きながらでも取得の可能性があるのが保育士資格になります。

幼稚園教諭の資格を就業しながらでも取得は可能ですが、夜間や休日などに専門学校へ通う必要が出てくることなると思います。

保育士試験の詳細は以下の記事でも解説しています。

これから資格取得を考えている方の場合は、保育士の資格の取得がおすすめ

幼稚園教諭の免許を取るか、保育士の資格を取得するかで迷っている方もいると思います。

幼稚園教諭と保育士では、仕事内容や役割は異なりますが、どちらの仕事も魅力的で迷っているという方の場合は、どちらが良いかをおすすめしてほしいということであれば、私は保育士の資格の取得がおすすめしたいです。

理由は、「保育士」として保育園で働くほうが今の時代は需要が高いためです。

需要が高いということは、給料も高かったり、働き方の面でもメリットが大きいです。保育士が不足していて、保育士に長く働いて貰おう、新しい保育士に就職してもらおうと保育園側も力を尽くすので、保育士の待遇も全体的によくなってきている傾向があります。

もちろん、保育士の待遇というのは国の補助金でほぼ決まるようにできているので、保育士不足だからといって青天井で給料や待遇が上がるわけではありません。

保育園側としても限られた資金の中で安定的に運営をするために、保育士に長く働いてくれるために、努力をしていることが多いです。残業を減らしたり、持ち帰りの仕事をなくすようにしたりなどです。

例えば、間違ってしまってブラックな保育園に就職をしてしまったとしても、他に働ける保育園がたくさんあるので、すぐに転職を考えることが可能です。

幼稚園はそもそも、子育て世代の需要が減っていて(保育園に入所を希望する人が多くなっているため)、幼稚園教諭の需要も減ってきています。

園児が集まらないと、新しい先生の雇用は控えたり、なんとか運営を続けるために人件費を削るということにも繋がりかねないです。そうなると、サービス残業や休暇の取得も難しくなるかもしれません。

また、このような状況のため、ブラック幼稚園に雇用されてしまい、転職するのにも一苦労があります。

なかには認定こども園に移行する幼稚園も増えてきています。認定こども園ともなると、保育士の資格でも働ける可能性がでてきます。これについては前述の働くことができる施設の違いにて説明しています。

保育士の資格を持っていれば、保育園や一部の認定こども園で働くことができ、実務経験を3年程度以上積むことによって、幼稚園教諭の資格の取得が簡単に可能になる特例制度があります。

特例制度は期間が限定されていますが、この期間内に実務経験がつめるような予定の人であれば、利用がおすすめです。この特例制度についても後で解説しています。

この制度を使えば、最終的に保育士と幼稚園教諭の資格の両方が取得できます。もちろん反対に、幼稚園教諭の免許のみを取得してから、実務経験を積んで、保育士の資格を取ることも可能ですが、前述の働きやすさの面から保育士として最初は就業したほうが、

どちらを取得するか迷っているという方にはより、保育士の資格の取得がおすすめです。

特例制度も視野に入れよう

幼稚園教諭、保育士のそれぞれの資格保持者には、それぞれ特例制度というものがあります。

どちらか一方の資格をもっている場合は、通算で3年以上の実務経験を減ることで、通常必要な単位取得や試験などのほとんどを省略して、もう一方の資格を取得することが可能となる特例制度になります。

例えば、幼稚園教諭の資格を持っていて、幼稚園で3年間働いた実務経験があると、専門学校などで数単位を取得して申請すれば、保育士試験が免除になります。

この特例制度は、平成27年度に始まり一旦は平成31年度末まで期間限定でしたが、さらに令和6年度末まで延長になっています。

つまり、令和6年度末までにどちらかの資格を持っていて、実務経験も積むことができるようであれば、幼稚園教諭と保育士のW取得が可能になります。

これから資格取得を考えている方は、この制度の活用も検討すると良いと思います。

【まとめ】幼稚園教諭一種と二種、専修の違いは?

幼稚園教諭一種と二種、専修のそれぞれに働く上で、大きな違いはありません。違いは幼稚園の園長になれるかどうかです。

幼稚園教諭二種では、園長になることはできないので、一種が専修を取得する必要があります。ただ、二種の保持者でも実務経験と通信制の大学などで追加の単位を取得して申請すれば、一種などへの切り替えも可能です。

将来的に幼稚園の園長を目指したいという場合以外は、どの資格を取得しても大きな違いはないと言えます。

給料的には、短大卒(専門卒)、大卒の違いもあり、一種の所持者のほうが初任給を設定している幼稚園もありますが、これはその幼稚園次第です。

また、これから資格取得を考えている方の場合は、幼稚園教諭ではなく、保育士の資格の取得がおすすめ

「保育士」として保育園で働くほうが今の時代は需要が高く、ブラックで働くことを回避できる可能性が高いためです。将来的には、特例制度などで、幼稚園教諭と保育士のW取得も可能です。