保育園で働く保育士の皆様。保育園の給料に不満があるという方。
今回は、保育士で年収200万円代は低いのかという点について解説します。
年収200万円代で勤務していた経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士の年収と手取りの違い
本題に入る前に年収額と手取り額は違うということをきちんと理解しておく必要があります。
年収額は税金や保険料などが引かれる前の支給額で、手取り額は引かれた後の支給額になります。この点を勘違いしてしまうと、年収について公平な比較をすることができません。例えば、毎月自分の銀行口座に振り込まれる金額を、一年間足して合計の金額は「手取り額」になります。
また、年収や手取り金額には、実費で支給されてる交通費の金額等も含まれているため、例えば、遠方から来ている人の場合は、交通費の額が高く含まれるので、比較をする場合は、その点にも注意が必要です。
さらに加えて、保育園で働く保育士の場合は、保育士宿舎借り上げ制度を利用しているという方も多いと思います。保育士宿舎借り上げ制度は、給料に手当として住宅補助が出ているというわけではなく、保育園が賃貸を借りていて、そこに住むという借り上げの形を取るため、年収や手取りには反映されません。
自分の正確な年収を把握するには、毎月の給与明細の「総支給額」を確認するか、年度ごとにもらうことができる「源泉徴収票」を確認しましょう。そこには、正確な年収額が記載されています。
自分の年収が高いか低いかを考える際には、正確な年収の金額を把握するとともに、交通費や保育士宿舎借り上げ制度についても考慮に入れるようにしましょう。
保育士の平均的な年収とは?
令和5年度の国の調査では保育士の平均年収は約396.9万円となっています。※出典:「厚生労働省-令和5年賃金構造基本統計調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2023/index.html
職種 | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与その他特別給与額 | 年収 |
---|---|---|---|
保育士 | 271,400円 | 712,200円 | 3,969,000円 |
保育士の平均年収については以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。
保育士で年収が200万円台は低い?
本題になりますが、保育士で年収が200万円台は低いのでしょうか。
結論としては、正規の保育士で年収が200万円台となると、かなり低い部類になると思います。ただ、同時に保育士ならあり得ない金額ではないという印象もあります。
月収18万円と賞与4ヶ月であれば、年収は288万円になります。 新卒や若手の保育士で、保育士の給与が低い水準の地域であれば、想定できない金額というわけではなさそうです。
ただし、東京都内等の都心部で働く保育士であれる場合は、年収200万円代というのは、かなり低い数値です。保育士宿舎借り上げ制度を使えているのであれば、生活できないことは無いと思いますが、そうでない場合は、生活もかなり厳しいと思います。
新卒1年目なら低いとは限らない
一点注意が必要なのが、新卒1年目の方の年収になります。新卒1年目の年収であれば、年収200万円代は低いとは限りません。
まず、新卒の4月入職の場合は、1〜3月は働いていないので給料を貰っていないことになります。また、夏のボーナスについても満額もらえなかったり、減額されて支給されることが多いためです。そのため、年収額は他の保育士と比較してもかなり低くなる傾向があります。
新卒1年目の保育士の方の場合は、次年度、一年間働いた場合におおよそいくらもらえるのかを計算すると良いでしょう。
保育士の収入は地域による差もかなりある
先程も説明しましたが、保育士の給料は地域による差もかなりあります。保育需要が高い都心部などは保育士の給料も高い傾向がありますし、そのような地域では、低すぎる金額では保育士を募集しても、誰も応募しないでしょう。また、自治体によって国の補助金とは別に、保育士に対して処遇改善を上乗せしている場合などもあります。そういう自治体であれば、仮に、保育士として同じ会社でまったく同じ仕事をしたとしても給料は高いということになります。
そのため、自分が貰っている給料が適切かどうかを判断するためには、周辺の地域の保育士の給料と比較する必要があります。
周辺の保育園の求人を探して比較してみよう
先程書いたように、分が貰っている給料が適切かどうかを判断するためには、周辺の地域の保育士の給料と比較する必要があります。周辺の保育園も同じような給与待遇であるという場合は、ある意味では、低い年収であっても仕方がないといえます。
保育園が募集している求人は「月給〇〇万円〜」となっていることが多いと思うので、その下限の金額と年間の賞与の金額を足して年収を割り出してみましょう。賞与は「◯ヶ月分」と記載されていると思うので、月給の◯ヶ月分という形で計算ができます。
近隣の複数の保育園が、自分の保育園の給料と比較しても、明らかに高い年収となっている場合は、自分の保育園は相場よりかなり低い給料だと言えるということになります。
保育士で年収200万円代を脱出するには転職するのが最善
保育士の方で年収200万円代を脱出するには、転職するというのが一番おすすめの方法です。もちろん、今の保育園で仕事を頑張って、少しずづ昇給していくということも可能ではありますが、とても非効率です。転職をすればその日から給料は上がりますし、その後も少しづつ昇給をしていくということは変わりません。
特に、周辺の保育園の求人募集を見てみて、明らかに自分が勤めている保育園より高い年収が期待できるという場合は、引っ越しなどをせずに、働く保育園を変えるだけで、年収200万円代を脱出することができます。
さらに、都心部に引っ越しをして働けば、保育園を選ばなくても年収200万円台を脱出することができます。
逆に言えば、転職さえしてしまえば、年収200万円代を脱出するというのは難しいことではありません。もちろん、保育士が働く上では、年収だけがすべてではないので、人間関係が悪いブラックな保育園に就職しないということも大切です。
まとめ:保育士で年収200万円代は低い?転職するしか無い?
今回は、保育士で年収200万円代は低いのかという点について解説しました。
保育士で年収200万円代というのは全国的に見ても低い水準であると言えます。ただ、同時に保育士であれば、あり得ない金額ではないという印象もあります。
周辺の保育園も同じような給与待遇であるという場合は、ある意味では、低い年収であっても仕方がないといえますが、周辺の保育園よりも明らかに給与が悪いという場合は、転職するのが最善です。転職をすればその日から給料は上がりますが、その保育園で働いているだけでは、いつ年収200万円台を脱出できるかわかりません。
もちろん、保育士が働く上では、年収だけがすべてではないので、人間関係が悪いブラックな保育園に就職しないということも大切です。