正社員からパート保育士になって働こうと考えている保育士の皆様もいらっしゃると思います。正規は責任も負担も重いので、パートになって負担を減らしたいという方は多いと思います。
その場合は基本的には、転職をするべきか、同じ職場でパートになるかの2つの選択肢があると思います。
今回は、保育士が正社員からパートに切り替えはできるのかという点を説明します。同じ保育園で正社員からパートに切り替えるのにはメリットやデメリット、注意点もあるのであわせて紹介します。
正社員、パートとそれぞれの雇用形態で勤務した経験があります
その経験が参考になればと思います
保育士が同じ保育園で正社員からパートに切り替えはできる?
結論としては、勤めている保育園次第ですが、正社員からパートへの切り替えを受け入れてくれる保育園は多いと思います。切り替えたい理由次第でもありますが、まだまだ保育士不足なので、パートでも職場に慣れた保育士はできるだけ残ってほしいという保育園が多いと思います。逆に、あまりにも保育士が不足している保育園だと、できれば継続して正職員で働いてほしいという思いもあるかもしれません。
ただし、あまりにも、正職員として今までの勤務態度が良くないと、パートに切り替えたいと申し出たタイミングで辞めてほしいと思われる可能性もあります。そういった意味では、今までの仕事ぶりも非常に重要です。
また、あまりに急にパートに切り替えたいといっても、保育園も人員の調整が必要なので、すぐに対応できないこともあります。あらかじめ早い段階でパートに切り替えたいということを園長等に伝えて、日程などを決めておくとスムーズかもしれません。
保育士が正社員からパートに切り替えるメリット
まずは、保育士が正社員からパートに切り替えるメリットを紹介します。
有給休暇の残日数を引き継げる
同じ保育園で正社員からパートに切り替えるメリットは有給休暇の残日数を引き継げるという点です。実は、同じ会社に雇用されるのであれば、切替時に有給休暇の残日数を引き継ぐことができます。
また、通常は転職などをして新たなパート保育士として雇用された場合は、あらたな有給休暇が付与されるのは、最短でも入社後半年後になります。ですが、退職せずに正職員からパートに切り替えをした場合は、勤続年数も引き継がれるので、次の有給付与日に基準によって新たに計算された付与日数が付与されるということになります。つまり、退職する場合よりもより早く・より多く有給休暇を付与してもらえることになります。
ただし、パートへの切り替え後は、有給休暇によって支給される金額が変わってしまうことには注意が必要です。パートタイマーになってから有給休暇を消化すると、支給される金額はパートの時給によって計算されます。
つまり、有給休暇を一日消化すると「時給×8時間(基本の勤務時間)」分の給与が支払われるということになります。多くの場合は、正社員の頃と比較して実質的に時給が下がっていると思います。
また、本来は正しくないですが、保育園によっては「うちはパートに有給休暇はない」と(嘘を)言って、パートへ切り替え後に有給休暇を実質的に消化できなくしようとする可能性もあります。
このような損失を防ぐために、正社員の状態の時に有給休暇を消化してしまうというのも良いかもしれません。
人間関係を維持できる
もう一つのメリットは、現在の人間関係を維持できるということです。正社員として働いていたということは、同僚がどんな人なのか、子どもたちについてもすべて把握している状態になると思います。
もし、パートになるために新たな保育園に転職した場合は、それらの人間関係もまた一から構築しなければいけません。新しい職場には自分が苦手な人がいるかも知れませんし、ブラック保育園にあたってしまう可能性もあります。そういった意味で、現状働くことが出来ている保育園でそのまま働けるということはメリットが多いです。
仕事の負担が減る
当たり前のことですが、正社員からパート保育士に切り替われば、就業時間が少なくなり仕事の負担が減ります。多くの保育園はクラス担任を正職員に任せていると思うので、担任を任されることも無くなる可能性が高いです。実際に、月何時間程度就業するかどうかは保育園との相談になると思いますが、パートになれば確実に仕事の負担は減るでしょう。ただし、勤めている保育園によってはパートも正規も仕事内容は変わらないという場合もあるので、自分が勤めている保育園のパート保育士事情をよく考慮して判断しましょう。
保育士が正社員からパートに切り替えるデメリット
続いて保育士が正社員からパートに切り替えるデメリットを紹介します。
給料が減る
当たり前のことではありますが、給料が減るというのが保育士が正社員からパートに切り替えるデメリットになります。
給料が減るというのは、単に働く時間が減った分の月給が減るというだけの考えでは少し甘いです。
まず、パート保育士になると、ほとんどの保育園で賞与が支給されないか、支給されても雀の涙ほどになります。
- 賞与
賞与は、正職員とパートを比較した場合に、一番給与額に影響を与えるものになります。実は保育士の場合は、単純に正社員の月給を時給に換算した金額とパートの時給の金額はそこまで大きな開きはありませんが、賞与までを加味すると大きな差があります。
- 処遇改善費
パート保育士にも処遇改善が無いわけではないですが、正社員の頃と比較して少なくなることが多いでしょう。実際にいくら支給されるかは保育園次第という部分もあるので、自分が勤めている保育園のパート保育士の給料事情はよく把握しておきましょう。
- 退職金
正職員保育士として働いていると保育園によっては退職した際に退職金をもらうことができることが多いと思いますが、パートではあまり支給されない場合が多いです。切り替え後の退職金の扱いは事前に保育園に確認しましょう。
- 有給休暇の付与日数
フルタイムで働くことがなくなるということは有給休暇の付与日数も少なくなります。また、先程も書いたとおり、有給休暇を利用した際の支給金額も正社員の頃と比較して少なくなります。
- 将来的に貰える年金額
忘れがちなのが将来的にもらうことができる年金額の減少です。パートとして働く期間が長くなると、厚生年金の受給額も減ることになります。
保育士が正社員からパートに切り替え際に注意すべき点
最後に保育士が正社員からパートに切り替え際に注意すべき点について紹介します。
何がどう変わるのかを保育園にきちんと確認する
正社員からパートに切り替わったら、何がどう変わるのかを保育園にきちんと確認することが重要です。
時給について
もちろん交渉次第だと思いますが、時給に関しては、やはり正社員として働いていたということであれば、通常の新規のパートで働く場合と比べても多少は上乗せしてもらいたいですよね。パートになるからといって遠慮をする必要はありません。
退職金について
正職員の頃は、退職金をもらうことができる契約になっていることがあると思いますが、それがパートに切り替わった際にどのような扱いになるのかという点です。
社会保険について
就業時間が短いと、社会保険に入る基準を満たせなくなってしまう場合もあります。逆に結婚している方は労働時間が長いと社会保険の加入が義務となり、パートナーの扶養などに入るのが難しくなってしまうということもあります。事前にどういう条件でパート保育士として就業したいのかを保育園と相談しましょう。
仕事内容について
同じ保育園で、正社員保育士からパートに切り替えた場合によくあることが、そもそも正社員として働いていたので、周囲の同僚からもその時と同じ感覚で仕事をすることになってしまうということです。自分が正社員として働いていた時にパートの人は楽そうと思ってパート保育士になりたいと思っていたはずが、実際に切り替えてみて責任のある判断や仕事をお願いされてしまうということです。
勤務時間やシフトについて
勤務時間やシフトは切り替える前に保育園側としっかり調整をしておいたほうが良い内容になります。事前に詳細を話し合っておかないと、後から出勤日を減らされてしまったり、逆に増やされてしまう可能性もあります。
保育士宿舎借り上げ支援制度はどうなる?
自治体のルールにもよりますが、パート保育士でも月の就業時間などの基準を満たせば、保育士宿舎借り上げ支援制度を使えることが多いです。ただし、自治体のルールでよくても、最終的にそれを許可するかどうかは保育園次第なので、保育園にきちんとどうなるかを確認しましょう。利用枠に限りがある場合など、保育園としてはできるだけ正職員のために使いたいと考えると思うので、条件などをきちんと確認しましょう。
まとめ:保育士が正社員からパートに切り替えはできる?メリットや注意点を紹介!
今回は、保育士が正社員からパートに切り替えはできるのかという点を説明しました。
結論としては、保育園次第ですが、保育士が正社員からパートに切り替えはできることが多いでしょう。
同じ保育園で正社員からパートに切り替えるのにはメリットやデメリット、注意点も紹介しました。
メリットは、
- 有給休暇の残日数を引き継げる
- 人間関係を維持できる
- 仕事の負担が減る
ということです。
逆にデメリットは、
- 給料が減る
ということです。給料が減るというのは、単に働く時間が減った分の月給が減るというだけの考えではなく様々な手当などについて考慮する必要があります。
- 賞与
- 処遇改善費
- 退職金
- 有給休暇の付与日数
- 将来的に貰える年金額
などです。
保育士が正社員からパートに切り替え際に注意すべき点は、 何がどう変わるのかを保育園にきちんと確認する ということです。
切り替えた後から交渉をし直すというのはなかなか難しいので、切り替える前にしっかりと条件を確認しましょう。