保育園で働く保育士の皆様。新年度は本当に忙しいですよね。新年度すぐに5月病になってしまったという方もいらっしゃるかもしれません。
5月病というと学生や新入社員というイメージがあるかもしれませんが、実は保育園で働く保育士にも多い症状になります。5月病はほっておくとより深刻な精神病に発展してしまうリスクもあります。
今回は、保育士にも多い5月病の特徴と解決方法を紹介します。
5月病については、一般社団法人大阪府医師会の情報を参考にしています
その経験が参考になればと思います
そもそも5月病とは?
5月病に関する情報を発出している一般社団法人大阪府医師会では、5月病に関して以下のように説明しています。
●五月病ってどんな病気?
入学や就職にともない学校や職場で新たな生活がスタートします。新生活は、慣れないことも多く知らず知らずのうちにストレスがたまるものです。気づかないうちに無理をしてしまうことも少なくありません。また、仕事の内容や環境が自分に合っていないために、「適応障害」を起こしていることもあります。こうして1カ月が過ぎ5月になる頃に、身体のだるさ、疲れやすさ、意欲がわかない、物事を悲観的に考えてしまう、よく眠れない、食欲がないなどの心身の症状が現れることがあります。これを「五月病」といいます。五月病は、正式な医学用語ではありませんが、一般に、この季節に学生や新入社員に起こりやすいため、こう呼ばれています。
※引用:五月病 一般社団法人大阪府医師会https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv85.html
5月病に新しい環境で慣れないことが多く、知らずしらずのうちにためているストレスによって以下の症状が出てしまうということです。
- 身体のだるさ
- 疲れやすさ
- 意欲がわかない
- 物事を悲観的に考えてしまう
- よく眠れない
- 食欲がない
5月の時期に起こりやすいためにそのように呼ばれていて、学生や新入社員に起こりやすいと説明されていますが、実は、保育園で働く保育士でも5月病のような症状が出てしまうことが多いです。
なぜ保育士にも5月病が多い
前項でも紹介した、一般社団法人大阪府医師会の情報によると、5月病は、一般に、この季節に学生や新入社員に起こりやすいとありますが、保育園で働く保育士にも多いです。
一般的な会社でも新年度の4月を機に異動や転勤を命じられることはあると思いますが、新年度になっても特に何も変わらないという方も多いと思います。4月からも今まで通りの毎日が続くという方もいらっしゃるでしょう。
ですが、保育園で働く保育士にも5月病が多いのは、新年度である4月を機会に保育園内の状況が一気に変わるためです。
4月には新入園児が入る
保育園で働く保育士は、4月を機に大きく状況が変わります。まず、4月からは新入園児が新しく入ります。保育士自身でも5月病になるくらいなので、子どもが新しい環境に慣れるということは相当な負担がかかることが想定されるでしょう。そういった状況で、園児をサポートしていく必要があります。そのため、保育士自身への負担も大きいです。
また、それに伴い保護者の方も新しい方もおみえになります。お互いにまだ慣れていないので、ぎこちないコミュニケーションになってしまうこともあるでしょう。保護者の方との信頼関係もまだできていないので、ささいなことでもトラブルにも発展しやすいです。
4月で担任・副担任クラスを変わる
担任クラスに関しても4月をさかいにガラッと入れ替えるという保育園が多いと思います。そのまま同じクラスを持ち上がりで担任するという保育園はあまり多くない印象です。当然、担任・副担任などのペア、普段一緒に仕事をする同僚の保育士も変わるでしょう。また、新年度から新しく入職した保育士さんもいる場合があるので、慣れるまでには余計に時間がかかってしまうでしょう。
慣れてきた人同士の担任ペアが入れ替わると仕事の効率も変わってしまいます。その上で、ちょっと苦手な人と組まなければいけなくなってしまったなんてこともあります。
結果として、保育士への負担も増加するので、5月病の原因になってしまうことになります。
保育士が特に忙しい4月
このような理由から、保育士は4月から5月にかけてが特に忙しくなります。園児、保護者、同僚、それぞれとの関係性がまだできておらず、加えて、新年度で新しい仕事も増えている時期になるので、仕事での負担は特に大きくなります。これらの変化にうまく適応できないと5月病といわれるような症状が出てしまう保育士の方も出てきてしまいます。
保育士が自分が5月病だと思った場合の対処法は?
ここからは、5月病に関する情報を発出している一般社団法人大阪府医師会の情報をもとに、保育士の方が自分が5月病だと思った場合の対処法について紹介します。
五月病を防ぐにはどうすればいいの?
「ストレスは必ずあるもの」と認識して、ストレスと上手につきあう方法を考えましょう。十分な睡眠、休息を取るように心がけ、自分に合ったストレス解消法を見つけることが重要です。特に几帳面でまじめ、嫌と言えずに物事を引き受けてしまうといったタイプの人に五月病やうつ病が多いと言われていますので、注意が必要です。深刻に物事をとらえ過ぎず、新しい仕事や環境では失敗はつきものと考え、「できる範囲でいいや」と気を楽に持つことも大切です。ひとりで悩みを抱え込まずに、日頃から上司、同僚、家族などの身近な人に相談するようにしましょう。
※引用:五月病 一般社団法人大阪府医師会https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv85.html
この内容を参考に、自分なりに保育園で働く保育士ができる5月病の対策に落としこんで説明していきます。
できることから片付けていく
保育園での新年度の仕事は、あれもしなきゃ、これもしなきゃということがどんどん出てきてしまいます。その上で上手くできないと、あれもできていないこれもできていないというような負の連鎖になってしまいます。そうならないためにまずはできることから片付けていくということが大切です。新しい環境に慣れるまでは、すべてを完璧にこなそうとせずに、自分が得意なこと・できることをしっかりとこなしていくということです。例えば、ピアノは一旦あまり重視しないで、連絡帳などの書類をしっかりこなしていく、あるいは、まずは園児の安全面だけを重視して、教育や成長などの側面は一旦置いておくなどです。
5月病は、まだ新しい環境に慣れてきていないことが原因なので、慣れるまでは自分が得意なことをしっかりとこなして、他は少し手を抜くということも悪いことではないでしょう。
親しい友人・仲間と遊ぶ
5月病だと感じながら仕事をしている間にも少なからず休みがあると思います。親しい友人と交流をすることで、新しい環境から一時的に慣れ親しんだ環境に自分を戻すことができます。溜まっているストレスの解消にもなり、一時的に仕事のことを忘れることができると思います。仲間と遊んでも、仕事自体のストレスは減らないかもしれませんが、ストレスと上手く付き合うことができると思います。なるべくストレスを溜め込まないで仕事に望むことができます。
よく食べてよく寝る
よく食べてよく寝るということもストレスと付き合うためには重要です。特に、保育士は体をよく動かし体力も使う仕事なので、日々しっかりと体力を回復して仕事に望むことは大切です。5月病という精神的な問題が、体調面の問題に発展してしまう場合もあります。そうならないために、よく食べてよく寝ましょう。
趣味に没頭する
5月病のような状態になっているのが、もし新しい環境に慣れていないということが原因であるのであれば、時が経つことで解決してくれる場合もあります。段々と仕事に慣れていけば、自然と負担は少なくなっていきます。つまり、少し大変な4月・5月を乗り越えることができれば解消されることがあります。仕事以外の時間で趣味に没頭することであっという間に時間が過ぎていき、気づけば新しい環境に慣れていたということもあります。
心療内科や精神科に相談する
5月病に関する情報を発出している一般社団法人大阪府医師会では、5月病のような状態を放置してしまうと本格的なうつ病に発展してしまうリスクを指摘しています。
五月病は放っておくと、本格的なうつ病に進んでしまうこともあります。早めに心療内科や精神科で相談するようにしましょう。
※引用:五月病 一般社団法人大阪府医師会https://www.osaka.med.or.jp/citizen/tv85.html
自分の精神や体調が本当にまずいという風に感じは見目た場合は、心療内科や精神科に相談するようにしましょう。心療内科や精神科というとちょっと重たいように感じるかもしれませんが、風邪や腹痛などと同様で気軽に受診が可能です。
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まとめ:保育士にも多い5月病の特徴と対処方法を紹介!
今回は、保育園で働く保育士にも実は多い5月病の特徴や対策について紹介しました。5月病というと学生や新入社員というイメージがあるかもしれませんが、実は保育園で働く保育士にも多い症状になります。
5月病の症状は以下のような内容です。
- 身体のだるさ
- 疲れやすさ
- 意欲がわかない
- 物事を悲観的に考えてしまう
- よく眠れない
- 食欲がない
そして、保育士向けの5月病の対策として以下の内容を紹介しました。
- できることから片付けていく
- 親しい友人・仲間と遊ぶ
- よく食べてよく寝る
- 趣味に没頭する
最終的に、本当にツライと思ったら心療内科や精神科に相談することも視野に入れましょう。