保育士は結婚を機に退職できる?判断材料にするために知っておくべきこと。

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結婚を機に退職などを考えている保育士の方。

こんな疑問や悩み、不満、経験はありませんか?
  • 保育士は結婚を機に退職できる?
  • 続けたほうが良い?辞めたほうが良い?

様々な事情や考え方があり、そのまま正職員として働くか、パートになるか、退職をして保育士を辞めるか等を迷っている方もいらっしゃると思います。

ただし、実際に退職をするかどうか、すべきかどうかというのは、個人の状況や考え方など次第で一概にどうしたほうが良いということを一つの結論として言うことはできません。

そのため、今回は、保育士が結婚を機に退職するかどうかについて、それぞれの方が判断材料にするために知っておくべきこと、情報などをまとめてみましたので、今度の行動の参考にしてみてください。

この記事の信頼性
私は保育園、幼稚園、認定こども園で勤務した経験があります
保育士として勤務中に結婚をした経験があります
その経験が参考になればと思います

判断材料にするために知っておくべきこと

実際に退職をするかどうか、すべきかどうかというのは、個人の状況や考え方など次第で一概にどうしたほうが良いということを言うことはできません。当たり前ですが、退職したほうが良い人もいれば続けたほうが良いという状況の人もいるはずです。

そのため、今回は、結婚を機に退職するかどうかを迷っている保育士の方向けに、その判断材料とするべき情報などを紹介します。

目先の、もう保育士はやりたくないというような感情だけではなく、様々な情報から判断して決断できると後悔が少ないかもしれません。

  • ブランク後の復帰について
  • パートなどへの雇用形態の転換について
  • 産休育休関連について
  • 保育士宿舎借り上げ制度について
  • 扶養内・扶養外について
  • 他者の目線について

これらについて以下から説明していきます。

ブランクがあっても正職員保育士に戻ることは現状は可能

退職するかどうか迷っている方が、将来的にまた保育士に戻ることができるかどうかということもあると思います。一度は退職したけどやっぱり仕事がしたいという方や、金銭的な面で復帰したいと思う方はいらっしゃると思います。

現状の保育士不足の状況が続くと仮定すると、ブランクが空いたとしてもパート保育士はもちろん、正職員保育士にも復帰するということは可能でしょう。また、今後、保育士不足がある程度解消されたとしても、よほどの高賃金を望まないのであれば、パート保育士、正職員保育士には復帰できる可能性が高いというのが私の見解になります。

就業を継続したままパートなどの非正規にも転換が可能なことが多い

保育士は、退職をせずにパートなどの非正規雇用に転換してもらうということも可能な場合があります。勤務している保育園にもよりますが、正規で働いている人がパートに転換するという事例は比較的多いです。もちろん、その逆も可能であることが多いです。正社員→パート→正社員という形も可能ということです。

同じ保育園で継続して働くことができれば、人間関係などを維持したまま仕事を続けることができます。新しい保育園だとうまく馴染めない可能性もありますよね。

保育園側としても、保育士の働きぶりを理解しているので、普通に新たなパートを雇う場合よりも良い時給での雇用となる可能性もあります。

また、細かい部分にはなりますが、有給休暇などの勤続年数で労働者が得られるメリットなどは、正規から非正規に切り替わったとしても既存の付与分が消滅するわけではないので、その点でも有利です。

産休中の出産手当金・育休中の育児休業給付金を受け取れなくなる可能性がある

もし、結婚後に子どもを作りたいと考えている方が、気にしておくべきことは退職をしてしまうと産休・育休を取れなくなる可能性があるということです。

まず、産前・産後の休業期間中の賃金については、保育園から賃金を受けられない場合は、健康保険組合により出産手当金として休業1日につき標準報酬日額の3分の2相当額を支給してもらうことができます。

つまり、産前産後に就業していなかった場合 = 健康保険に加入していない場合は手当などの支給は受けられないということになります。

また、育児休業給付金の支給条件は、

  • 雇用保険の被保険者あること
  • 育児休業を開始した日から遡り、2年間で就業日(賃金支払基礎日数)が11日以上である月が12ヵ月以上あること

が条件になります。

つまり、退職をして雇用保険の被保険者でなくなると育児休業給付金を受け取ることができなくなります。

産休中の出産手当金・育休中の育児休業給付金の詳細については以下の記事でも解説しています。

パートになる場合は、出産手当金・育児休業給付金の金額も変わる可能性がある

注意が必要なのは、出産手当金・育児休業給付金としてそれぞれ支給される金額は産休や育休に入る前の給料をもとに計算されます。

出産手当金は休業1日につき標準報酬日額の3分の2相当額を支給され、育児休業給付金については休業期間中はおおよそ給料として支払われていた金額の6割から5割程度が給付金として支給されます。

つまり、パート保育士になり正規保育士の頃と比較して貰っている給与額が下がると、当然、育児休暇中に支給される給与額も少なくなるということになります。

もし、例えば、結婚後にすぐに子どもを授かろうと考えている場合は、退職せずに産休・育児休暇を取得したほうが金銭的にメリットが大きいということになります。

産休中の出産手当金・育休中の育児休業給付金の詳細については以下の記事でも解説しています。

扶養、被扶養について

もし、正規保育士を退職して就業しない場合は、パートナーの扶養に入ることが出来ます。扶養に入ると以下のようなメリットがあります。

  • 配偶者控除や配偶者特別控除でパートナーの支払う税金が減る
  • 自身で国民年金・健康保険に加入しなくてもいい

一方で、退職後にパート等で就業する場合でも、年収によって扶養内で働くことも可能です。

状況によっては、正規保育士として就業する場合と比較して大きく、夫婦トータルで考えた場合に実質的な年収をあまり下げずにパート保育士になるということも可能な場合があります。

それぞれのパターンで実際にどの程度の金額的なメリットがあるかどうは、パートナーの年収等にもよるので、きちんと調べてメリットを整理しましょう。

結婚後でも保育士宿舎借り上げ制度は使える可能性はある

結婚を機に退職したいと思っているの保育士の中には、保育園のルールなどで結婚をしたら保育士宿舎借り上げ制度を使って借りている賃貸が利用できなくなってしまうためという理由の方もいらっしゃるとかもしれません。保育士宿舎借り上げ制度が利用できないと、年収に換算すると実質100万円程度下がることになると思います。それだったら、わざわざ正規保育士で働かなくても良いやと思うのも無理はないかもしれません。

実は、保育士宿舎借り上げ制度は結婚後で同居した場合でも利用できるという自治体や保育園もあります。保育士宿舎借り上げ制度を利用の基準などは、自治体の設ける基準を満たした上で最終的には保育園が決めることになります。つまり、結婚後で同居する場合は利用できないとする保育園もあれば、利用が可能な保育園も存在します。

そういった保育園に転職をすれば、結婚後も継続して保育士宿舎借り上げ制度を利用することができる可能性もあります。

保育士を退職したら失業保険を受給できる?

保育士を退職をした場合に、失業保険を受給しようと考えている方もいらっしゃると思います。ただし、失業保険が貰えるのは、退職後に求職活動をして新しい仕事が見つかるまでの期間です。退職してそのまま新たに働くつもりはないという方は支給対象にはならないという注意が必要です。また、自己都合の退職の場合は、失業保険の受給までに待機期間が必要になるので、その点も考慮しましょう。決められて待機期間中は失業保険の給付はされません。

逆にいうと正規保育士の退職後に、パートでの求職活動をする場合なども失業保険の支給の対象になります。あくまでも、保育士でも別の職業であっても新たに働き出すために求職活動をするということが必要になります。

他者の目線について

最後に気になるのは、退職をするという際の他の人からの目線ですよね。たしかに、昨今では「寿退社」という言葉自体が死後になりつつありますよね。結婚で仕事を辞めるというと変わった目で見られる可能性もあります。まだまだそのような考えを持っている人が、家族や周囲、職場にいるという可能性は否定できないです。

ただし、 基本的には、自分自身の人生なので周りの意見に左右されずに決断をすれば良いと思います。 もし、保育園がブラックだと、結婚で辞めるなんて非常識だ!なんて言われる可能性もありますが、自分自身の人生なので自分できちんと判断が必要です。

保育園に関しては、もし退職しにくいということであれば、結婚で引っ越しをするというような理由を説明すると良いでしょう。

まとめ:保育士が結婚を機に退職するのはどう?可能?

今回は、結婚を機にそのまま正職員として働くか、パートになるか、退職をして保育士を辞めるかをま読んでいる方向けに、 判断材料にするために知っておくべきことをまとめました。

  • ブランク後の復帰について
  • パートなどへの雇用形態の転換について
  • 産休育休関連について
  • 保育士宿舎借り上げ制度について
  • 扶養内・扶養外について
  • 他者の目線について

それぞれの内容について自身とパートナーの状況などを踏まえて、検討してみるのが良いと思います。より良い決定ができるとよいですね。