保育園で働く保育士の皆様。基本の月給よりも、少しでも多く稼ぎたいという思いは誰しもあると思います。
今回は、保育士が残業代で稼ぐのはありなのかという点についても紹介します。
その経験が参考になればと思います
保育士が残業代で稼ぐのはあり?
いきなり本題に入りますが、保育士が残業代で稼ぐのはありなのでしょうか。
仕事量がそれなりにあって、残業ができる環境であれば、きちんと仕事をして残業代を得るということは全く悪いことではないでしょう。ただし、後述しますが、仕事量が少ないのに、無理やり残業をするというのはあまりおすすめできないかもしれません。
保育士の残業はたしかにアルバイトより効率が良い
保育士の残業はたしかにアルバイトで稼ぐより効率が良いです。
特に際立ったスキルがないと仮定して、アルバイトをした場合は、地域の最低賃金程度の水準での就労になると思います。都道府県によって金額は異なりますが、2023年3月時点では、853円から1072円が最低時給になっています。また、別の保育園等でアルバイトをするという場合でも、地域の最低賃金の水準にプラス数百円程度となるでしょう。
一方、保育士が勤務している保育園で残業をする場合は、残業という扱いになるので、少なくとも賃金を時給で換算した1.25倍の金額を働いた分だけ受け取る事ができます。例えば、月の基本月給は24万円という保育士の方の場合は、時給に換算するとおよそ1500円程度となります。 このように、標準の労働時間を超える残業時間に関しては、割増賃金の支払いが義務付けられているので、時給は割高になります。
加えて、別の職場等でアルバイトをする場合は、そこへの通勤にも時間がかかりますし、面接等の手続きにも多くの時間や労力が割かれます。勤務している保育園で残業をする場合は、通勤時間も手続きにも時間は取られないので、そのことを考えても効率が良くなります。
保育士が残業代で稼ぐデメリット
保育士の残業はたしかにアルバイトより効率が良いということを説明しましたが、保育士が残業代を稼ぐことのデメリットもあります。そちらについて紹介します。
残業代はいつか稼げなくなることもある
保育園の残業代というのは、その保育園で働いていれば未来永劫、安定して稼ぐことができるという性質のものではありません。もちろん、従業員を雇用する保育園には、労働時間分の賃金を支払う義務があるので、残業をした分については、残業代を支払う必要があります。
ですが、保育園にとっても保育士の残業時間は少ないほうが良いです。保育園で働く保育士に限ったことはありませんが、従業員を雇用する会社は当たり前ですが、従業員に支払う人件費は少なければ少ないほうが良いです。そのため、保育士が残業代を継続的に稼いでいると、残業を減らそう、なくそうという動きが発生することになります。保育園の場合は、人件費を含めた運営費は限られているので、尚更、残業を抑制しようという流れになると思います。そうなると、今は良くても、将来的には残業代を稼げなくなってしまう可能性があります。
特に、残業代を貰える前提で生活してしまっていると、残業代がもらえなくなった場合に、困ってしまうことにもなります。
評価や査定が悪くなる可能性がある
先程も書いたように、保育園にとっても保育士の残業時間は少ないほうが良いです。残業を継続しているということは、仕事が遅い、できないと判断されてしまうかもしれません。その結果として、定期的な評価や査定が悪くなる可能性があります。評価や査定が悪くなると、結果的に、昇給額や賞与額が下がってしまって、残業した分よりも将来的に損してしまう可能性があります。
短期的には残業代を稼げるかも知れませんが、長期的に見ると、査定が悪くなってしまった分の損失が発生します。
同僚から冷たい視線を受ける可能性がある
保育園の運営費というのは、基本的に、国や自治体からの補助金のみで成立していて、急激に利益が増えるということはありません。一般の会社であれば、仕事ができる人がたくさん残業をしてくれれば、その分利益も増えて、全体の負担も軽くなるということはあるかも知れませんが、保育園ではそういうことは起きにくいです。
そのため、どこかでお金が無駄遣いされれば、そのしわ寄せはどこかに回ります。 例えば、ある職員がたくさん残業をすると、もう一人雇えるはずの保育士を雇えないということが起きる可能性があります。保育士が一人増えれば、全体の負担も減るのにそれができないというようなことです。
このような事情もあるので、保育園で働く保育士がむやみやたらに残業をしてしまうと、同僚から冷たい視線を受ける可能性もあります。自分は、がんばって時間内に仕事を終わらせているのに、あの人だけズルいというような感情です。
保育士は持ち帰りの仕事があるなら残業にして稼ぐべき!
保育士が残業代で稼ぐデメリットについても紹介しましたが、一点、間違いなく残業について言えることもあります。それは、保育士は持ち帰りの仕事があるなら残業にして残業代を稼ぐべきということです。
持ち帰っての仕事は、仕事をしているのに残業代が出ないサービス残業の時間になります。この時間に関しては、本来、賃金が得られるはずの時間になるので、きちんとした残業時間として仕事をして賃金を得たほうが、保育士にとって良いということは間違いないです。
保育士が持ち帰りの仕事を残業にして残業代を得ることのメリット
加えて、保育士が持ち帰りの仕事を残業にして残業代を得ることには、得られる残業代以上のメリットもあります。
それは、保育園に改善意識が生まれる ということです。
どういうことかというと、先程も書いたように、保育士が残業代を継続的に稼いでいると、保育園に、残業を減らそう、なくそうという動きが発生することになります。そうなると、保育園での仕事が効率化されたり、改善されるきっかけになります。最終的には、保育士が働き安い環境になっていきます。
逆に、保育士が持ち帰りの仕事をしてしまっていると、保育園側も人件費の増加というような目に見える損失が無いため、改善しようという意識が生まれにくいです。
このように、保育士が持ち帰りの仕事を残業にして残業代を得るということは、得られる残業代以上のメリットを得ることになります。
長期的な目線では、保育士は残業ではなく、副業がおすすめ
先程紹介した、保育士が残業代で稼ぐデメリットも踏まえると、長期的な目線では、保育士は残業ではなく、副業がおすすめと言えます。
副業の場合は、保育園の都合によって稼げなくなるということはありませんし、評価や査定が悪くなることも無いでしょう。また、保育以外の仕事が経験できるというメリットもあります。もちろん、副業ができる保育園で働くということも必要になるので、今すぐに実践はできないという場合もあると思います。
副業は、長期的には、手に職となり、新たなスキルが身につきます。ブラックな保育園がまだまだ多い中で、自分はいつでも辞められるというような自信を身につけることができます。
まとめ:保育園で働く保育士が残業代で稼ぐのはあり?
今回は、保育士が残業代で稼ぐのはありなのかという点についても紹介しました。
結論としては、保育園で働く保育士は、もし、持ち帰りの仕事を家でしてしまっているのであれば、保育園で残業として仕事をしたほうが良いです。保育園側に改善意識が生まれる可能性があるためです。
それ以外では、長期的な目線を考えると残業代を稼ぐのではなく、副業等で収入を得るのがおすすめです。副業は、手に職にもなりますし、スキルが身につきます。保育関連以外の仕事であれば、本業とは全く違った仕事を経験できるメリットがあります。
基本の月給よりも、少しでも多く稼ぎたいという思いは誰しもあると思うので、様々な観点で収入を増やすということを検討してみるのが良いでしょう。