保育園を退職したいと思っている保育士の方。
ホワイトな保育園であっても、退職を申し出るというのは保育士にとっては非常に苦痛なことですよね。保育園のことは好きでなくて退職したいけど、同僚の保育士や子ども達のことは好きという方も多くて、心苦しい側面もあると思います。結果的に、辞めるということをなかなか言い出せずにずるずると働き続けてしまうことも多いと思います。
また、すでに休職や欠勤の状態になってしまっていて、職場の人と顔をあわせずに退職をしたいという方もいらっしゃると思います。
今回は、保育士が職場の人と顔をあわせずに退職はできるのか、どのように退職を申し出ればよいのかということを解説します。
複数回の退職、転職経験があります
その経験が参考になればと思います
保育園で働く保育士が園長と顔をあわせずに退職はできる?
まず、本題の結論ですが、保育園で働く保育士が園長と顔をあわせずに退職することは可能です。退職の意思表示に関しては、意思を伝えられれば何でも良いです。そのため、顔をあわせなくても退職をすることは可能です。園長と直接顔をあわせたくなければ、メールや郵送、電話等で退職の意思を伝えることでも退職の意思表示となり、退職することができます。
保育園側としては、そもそも保育士が退職したいということを無理やり引き止めることはできませんし、対面ではないから退職届を受理しないということもできません。
保育士が顔をあわせずに退職するメリット
まずは保育士が保育園の園長等の職員に顔をあわせずに退職するメリットについて説明します。
引き止められにくい
保育士が顔をあわせずに退職する一番のメリットは引き止められにくいということです。通常の顔を合わせての退職では、退職の意思を伝えた段階で引き止められたり・年度末までは退職はできないというようなことを言って退職をさせてもらえないケースがあります。ですが、顔を合わせなければ、淡々と手続きを進めることができます。顔を合わせないということは保育園に出勤していないということになるので、そこまでの状態になっている保育士をわざわざ引き止めるという園長はあまり多くは無いでしょう。
嫌な思いをしないで済む
2つ目の保育士が保育園の園長等の職員に顔をあわせずに退職するメリットは自分が嫌な思いをしないで済むということです。
園長との関係性によっては、退職する時にネチネチと悪口を言われてしまったり、逆ギレされてしまうこともあると思います。すでに顔を合わせたくないという状態の関係性になってしまっているのであれば、実際に会って退職を申し出る段階でも嫌な思いをする可能性が高いので、それを防ぐことが可能です。
保育士が顔をあわせずに退職するデメリット
ここからは、逆に、保育士が保育園の園長等の職員に顔をあわせずに退職するデメリットについて説明します。
退職の手続きが正常に進まない可能性がある
顔をあわせずに退職することは可能ということを書きましたが、保育園側が正常に手続きを進めてくれない可能性はあります。
通常の顔を合わせての退職であっても、意思を伝えた段階で引き止められたり・年度末までは退職はできないというようなことを言って退職をさせてもらえないケースが保育園でも少なくないです。当然、顔をあわせないで退職をしようとした場合でも、「とりあえず保育園に来て」というように言われてしまって思ったとおりに退職手続きが進まない可能性はあるでしょう。
欠勤が増える可能性がある
顔をあわせずに退職するということは、保育園には出勤しないということになると思います。有給休暇などを消化できなければ、欠勤が増えて行ってしまうという可能性があります。当然、欠勤が増えるということはその分の給料は受け取ることができなくなります。また、前項のように退職手続きが正常に進まないとどんどん欠勤が長引いてしまうことになります。そのことは、別の保育園に転職にも影響を与えてしまう場合があります。
同僚から冷たい視線があるかも
園長にはもう会いたくなくても、同僚とは良い関係を維持しておきたいという場合もあると思います。同僚の保育士の人は、その後もその保育園で働き続けることになりますし、退職について園長からの一方的な情報だけを聞くことになるので、もし、同僚とは良い関係を維持しておきたいという場合は、同僚に対する説明なども退職の手続きと同時に進めるようにしましょう。
保育園で働く保育士が園長と顔をあわせずに退職する方法
ここからは保育園で働く保育士が園長と顔をあわせずに退職する方法について紹介します。
人事部だけに伝える
大きな会社や法人の保育園の場合は、園内の職員とは別に、本部に人事部などの入退職を管理する担当部署を構えている場合があると思います。その場合は、勤めている保育園の職場の人とは顔を合わせずに退職することができる場合もあります。本部の人事担当の人などに連絡をして退職の意思を伝えることで、退職手続きをすすめることができることも多いです。
小さい会社や法人の場合は、同じ園内の園長や事務職員などが入退職の管理をしていることが多いと思うので、この方法は難しいかもしれません。
メールで退職の意思を伝える
保育園で働く保育士が園長と顔をあわせずに退職する方法の2つ目はメールで退職の意思を伝えるということです。
保育園の園長にメールで退職の意思を示せば良いです。メールアドレスを知らなければひとまずLINEによる連絡でも問題ないです。メールの場合は、日時と合わせて文面が証跡として残るので、むしろ、対面や電話で退職を伝えるよりも「言った言わない」ということに繋がりにくいです。メールで退職の意思を示したあとは、郵送で退職届を提出すると良いでしょう。
郵送で退職届を園に出す
続いての方法は、郵送で退職届を園に出すということです。より効力を高めるためであれば「内容証明郵便」で郵送するのも良いでしょう。内容証明郵便は「いつ」「誰が」「誰に」「どういう内容の」郵便を送ったかを証明する郵便なので、メールや通常のよりも確実に退職手続きを正常に進めることができます。
退職代行を利用する
保育園で働く保育士が園長と顔をあわせずに退職する方法の最終手段の一つが「退職代行」を利用するということになります。
退職代行は弁護士等の法律に詳しい専門家が、本人に変わって退職の手続きをサポートしてくれるサービスになります。冒頭でも書いたとおり、退職は意思を伝えられれば何でも良いのですが、保育園側が法律をきちんと理解していなかったり、軽視するブラック保育園の場合は、そのような理屈すらも通じないこともあります。
そのような時に有効なのが、退職代行のサービスになります。法律を盾にした外部の会社からの手続きであれば、流石に保育園も無視することはできず、正常に退職手続きを進めることができます。当然顔をあわせる必要もありません。
退職代行の詳細や保育士の退職で退職代行を利用するメリットなどは以下の記事でも説明しているので参考にしてみてください。
- 弁護士法人みやびの退職代行サービス | 安心の弁護士代行交渉!
- 【退職代行ガーディアン】 | 代理人として交渉可能、即日から出社せず退職
- 退職代行ニコイチ | 退職成功率100%継続中 28,000円
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退職代行とは?
退職代行は、会社等に雇用されている会社員が退職という行為を料金を払って専門の業者に代行してもらうということになります。
ブラックな会社に雇用されている場合は、退職するということを伝えると、トラブルに発展したり、妨害されてしまうということも多いです。また、退職をするということを伝えた瞬間に逆ギレされてしまったり、パワハラにあってしまうということもあります。
退職代行を利用することで、そのようなトラブルや被害に合わずにスームズに退職手続きを進めることができます。保育園で働く保育士も他の一般的な会社に勤める会社員と同じで、退職代行を利用することでスムーズな退職手続きが可能になります。
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保育士が退職代行で顔を合わさずに辞めるとはどういうこと?
それでは、本題に入っていきますが、そもそも退職代行のサービスを利用して、保育士が職場の人に顔を合わせずに退職するということはどういうことなのでしょうか。
本来の退職の流れとしては、雇用されている保育士が勤めている保育園の会社や法人に退職の意志と退職日を示したのち、残りの期間の勤務をおえ、退職するという流れになります。退職の意思を表示してから、少なくとも2週間は働かなければいけません。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
民法第627条
保育園で働く保育士の場合は、保育園の新たな保育士の雇用のために、半年以上前や1ヶ月前に、退職することを伝えてから退職するという場合も多いです。
職場に出勤しないで、園長や同僚に顔を合わさずに辞めるということは、この民法の規定に反するということになります。
保育士が退職代行で顔を合わさずに辞めることはできる?
本題の結論になりますが、退職代行を利用すれば、保育士が園長や職場の人に顔を合わさずに辞めることができるケースが多いです。ケースが多いと書いたのはその人の状況によって100%実現できるかはわからないためです。
退職代行を利用すれば、先程も書いた少なくとも残り2週間は働かなければいけないという期間を回避することができる場合があるためです。
溜まっている有給休暇を消化する
退職代行を利用する場合に、職場に出勤しないで、園長や同僚に顔を合わさずに辞める方法の一番オーソドックスな方法は、残りの勤務期間に有給休暇を消化するというものです。
最低10日間程度の有給休暇が残っていれば、出勤日でない土曜や日曜日などを挟んで有給休暇を消化することで、退職日までは出勤しなくて良いということになります。
退職代行を利用し、有給休暇を消化して退職する場合のメリットは、有給消化分の給料も受け取ることができるということです。通常の退職手続きでは、権利である有給休暇の取得をさせないようにするということも多いですが、
即日退職とするように交渉してもらう
雇用契約をしている会社がOKであれば、残りの2週間を働く必要はないので、出勤せず、顔を合わせずに退職することができます。なので、その交渉を退職代行の業者に行ってもらうということになります。
基本的には、退職代行を利用した場合は、即日退職ができることが多いです。保育園としても、退職代行を利用するほどの状況の人を無理矢理2週間働かせるというメリットが少ないためです。
また、万が一、保育園側が即日の退職を認めなかった場合でも、
- 残りの期間は欠勤とする
- やむを得ない事由を理由とする
というような方法で、残りの2週間を勤務しなくても良くなるように、さらなる交渉ができる場合もあります。
保育士個人では難しいような交渉なども、労働組合や有資格者がいる退職代行であれば、実現できる場合があります。
保育士が退職代行で顔を合わさずに辞めるとどうなる?どう思われる?
退職代行を利用するか迷っている方が悩んでしまう原因は退職代行で顔を合わさずに辞めるとどうなってしまうのか、職場の人にどう思われるのか心配だということがあると思います。
たしかに、一人の保育士がいきなり出勤しなくなるということは、その保育園で働いてい他の保育士に、しわ寄せがくるということになります。シフトを調整したり、一時的に負担が増加していしまうということは免れられないです。
職場の人からは、そのことで恨みを買ってしまったり、無責任だと思う人は出てくるでしょう。
職場の人にどう思われるかを気にするくらいであれば、不幸せなことではありますが、我慢して働き続けるしか無いでしょう。
ただ、本当に仲が良くて信頼ができる同僚であれば、退職代行を利用するほど追い込まれてしまっていたということを心配してくれるはずです。
保育園の園児たちはどうなってしまう?
自分が即日で退職した場合に、保育園の園児たちがどうなってしまうのか気になってなかなか退職に踏み込めないという方も多いと思います。特に、ブラックな保育園は、園児などを盾にすることで、保育士に対して罪悪感をもたせ、退職を思いとどまらせるということも多いです。
結論としては、あなた一人が退職したくらいで、保育園の園児たちはどうにもならないことが多いです。 たしかに、担任が急に変われば、一時的に不安定になってしまうこともありますが、また変わらぬ日常がやってきます。そもそも、即日退職でなくても、担任が変わるということはしばしばあることです。そしてそのための対処は保育園がするべきことです。
また、即日退職をすると、一時的に保育士の人数が不足してしまう場合もありますが、それに関しても、保育園が対処すべきことで、退職した保育士が考えなければいけないことではないです。むしろ、退職代行を利用し、きちんとした退職手続きを踏んだ上で退職を行えば、そのことで責任を問われるということはありません。
むしろ、自己判断でいきなり出勤を辞めてしまったり、無断欠勤をしてしまうほうが、責任を問われる可能性があるので、注意しましょう。
保育士が退職代行を利用して即日退職することにデメリットなどはある?
退職代行を利用して即日退職することにデメリットは、利用料金がかかるということ以外ほとんどありません。履歴書に退職代行を利用したことを書かなければいけないわけではないですし、本当に退職したい職場をいち早く退職できるというということはメリットだらけです。料金に関しても、残っている有給休暇を消化できれば、実質的には得をする場合も多いです。
保育士が退職代行を利用して即日退職することにデメリットは、 強いて言えば、転職活動を進められないということです。
保育士が退職代行を利用して即日退職するということは、当然、転職活動を進めていないということになると思うので、退職してから新たな職場を探さなければいけないということになります。
当然ですが、退職後は失業給付を受けるまでは、給与を受け取れなくなるため、貯金などを切り崩して生活することになります。結果として、焦った状態での転職活動ということになると、ブラック保育園に就職してしまったり、待遇が悪い保育園に就職してしまうリスクはあります。
そのため、即日退職を考える場合は、次の職場が決まるまでの当面の生活費の確保と、失業給付金の条件などをきちんと確認しておきましょう。
まとめ:保育士が職場の人と顔をあわせずに退職はできる?メールで済ませられる?
今回は、保育士が職場の人と顔をあわせずに退職はできるのか、どのように退職を申し出ればよいのかということを解説しました。
退職の意思表示に関しては、意思を伝えられれば何でも良いので、職場の人と顔をあわせる必要は必ずしもありません。
そのための方法としては、以下の手段があります。
- 人事部だけに伝える
- メールで退職の意思を伝える
- 郵送で退職届を園に出す
- 退職代行を利用する
- 退職代行を利用すれば、保育士が園長や職場の人に顔を合わさずに辞めることができる場合が多いです。残っている有給休暇を消化したり、即日退職とするように交渉してもらうことができるためです。
保育士個人では難しいような交渉なども、労働組合や有資格者がいる退職代行であれば、実現できる場合があります。
保育士が退職代行で顔を合わさずに辞めるとどう思われる?ということを気にしている方もいると思いますが、職場の人にどう思われるかを気にするくらいであれば、不幸せなことではありますが、我慢して働き続けるしか無いと言えるでしょう。
職員を雇用する保育園側としては、そもそも保育士が退職したいということを無理やり引き止めることはできませんし、対面ではないから退職届を受理しないということもできません。そのため、きちんと退職したいという意思を伝えて手続きを進めてもらうということが大切です。